【web版】2013年10大ニュース

下村氏、文科大臣に就任。教育再生実行会議発足、佐々木氏がメンバーに。

2012年12月26日、下村博文衆院議員が、安倍首相の指名で文部科学大臣に就任した。
下村文科相にとってはなおのこと、学習塾業界にとっても待ちに待った文科相の椅子である。
政府は1月10日、教育改革を提言する首相直属の「教育再生実行会議」の有識者15人を発表した。座長には鎌田薫・早稲田大総長、副座長に佃和夫・三菱重工業会長を起用、メンバーの一人に佐々木喜一成基コミュニティグループ代表が選ばれた。

会議は月2回のペースで会合を開き、いじめ問題や教育委員会制度改革、大学改革などを議論する。いじめ対策や教委改革は夏までに提言をまとめ、法改正などで反映させる。ほかの有識者は次の通り。(敬称略)アフラック(アメリカンファミリー生命保険)最高顧問、大竹美喜▽高知県知事、尾崎正直▽東京都三鷹市教育委員会委員長、貝ノ瀬滋▽前愛媛県知事、加戸守行▽熊本県知事、蒲島郁夫▽東京大教授、川合真紀▽全日本教職員連盟委員長、河野達信▽専修大付属高等学校長、鈴木高弘▽作家、曽野綾子▽スポーツ・教育コメンテーター、武田美保▽高崎経済大教授、八木秀次▽東京大名誉教授、山内昌之

「孫への教育資金贈与 1人1500万円まで非課税」

信託協会のはじく子育て世代の消費が1兆6000億円で、金融庁がはじく新制度で贈与を受ける利用者が年間約93万人。
税制改正では相続税の課税を強化する一方、祖父母が教育の資金を一括して孫に贈る場合、孫1人あたり1500万円まで贈与税を非課税にする。贈与する人数に制限はなく、例えば孫が3人いる祖父母は最大4500万円を非課税で贈与できる。高齢者層に集中する金融資産の移転を促すことで子育て世代の教育費負担を軽減し、消費を活発にさせる狙いだ。

2013年4月から15年末までに贈与するお金にかぎった時限措置だ。期間中に贈与されたお金のうち、孫が30歳になるまでの学校や塾などに支払う学費や入学金が非課税の対象になる。塾や習い事など学校以外への支払いは500万円が上限。

開始から半年で4万件を突破し2600億円にまで到達した。

大学に押し寄せる大波無料ネット講座が変える教育の常識

M O O C は「MassiveOpen Online Courses」の略で、「大規模公開オンライン講座」などと訳される。インターネットを通じて無償公開される、大学の講義のことを指す。講義映像や教材だけでなく、課題やテストも提供する。修了したことが認められれば、履修証も発行される。世界中の誰でも、学ぶ意欲さえあれば名門大学の講義の履修証を得られる。
国内の大学では、東京大学が2013年9月にCourseraで講義の配信を開始。14年春からは、京都大学がedXで配信を始める。

13年10月、日本オープンオンライン教育推進協議会(通称:JMOOC)が発足。国内の大学や企業が参加し、講義配信のプラットフォーム提供などに取り組み始めた。

全国学力テスト全員参加 全国統一テストがラインアップ

全国の公立校の小学6年生全員と中学3年生全員を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト) が4 月24日、行われた。秋田県内では全小・中学校と特別支援学校2校の計351校で、児童・生徒約1万7000人が国語、算数・数学の試験に臨んだ。秋田県は毎回全国トップクラスの成績を収めているが、背景には県教育委員会による授業改善支援がある。
秋田県は、理科も実施された昨年度の学力テストでも小学生が全教科で全国1位、中学生も数学Aが同2位、理科が同4位だった他は全てトップなど、毎回好成績を維持。北海道は秋田の成績を引き合いに学力向上の目標を掲げるなど、全国からも取り組みが注目されている。
■全国統一テストがラインアップ
小学4~6年生と中学生を対象とした「全国小・中学生学力カップ2013」(毎日新聞社など後援)が6 月9 日、全国約6 0 0会場で行われた。参加申込者数は昨年の受験者数2万5206人に比べ2割以上多かった。この競技会は「将来役に立つ学力を伸ばそう」と、三重県に本部を置く学習塾「eisu」が06年から開始。
四谷大塚は「全国統一小学生テスト」を6月2日、全国の学習塾を会場に開催した。今回から小学6年生も受験できるようになり、テスト当日は小学2年生から小学6年生までの約11万2千人が受験した。

学習塾、アジア志望日本式指導が売り

アジアの新興国は、教育や学歴が将来の収入に直結するという考え方が強く、所得が高くなくても教育には積極的に支出するという見方がある。インドは0~14歳人口が約3億7000万人、中国は約2億6000万人と、塾ビジネスの成長余地は極めて大きい。
栄光HDはベトナムで展開。学研は、インド、タイ、香港で計37万人に教え、そのうち9割近くをインドが占めている。 拓人も08年から台湾、韓国、中国に進出。明光ネットワークジャパンは、韓国の学習塾と提携し、日本在住の韓国人生徒向けの塾を2013年2月に東京で始めている。
ベネッセホールディングスも中国で幼児向けに日本と同様な通信教育サービスを手掛け、2013年4月時点の会員数が51万人に達する。

英進館(福岡市、筒井俊英社長)は今年2月、シンガポールに滞在する日本人小学生向けの学習塾を開設する。九州の大手進学塾が海外に教室を設けるのは初めて。

ICT企業「ジャストシステム」、通信教育「ベネッセ」も参入 「フレンズ」学習塾にも広がるタブレット

ベネッセコーポレーションが「進研ゼミ」の小学・中学・高校講座で、専用端末を使った新サービスを来春開始。先行開始した中1では、すでに全受講生の6割に当たる16万人がタブレットを利用しているという。ソフト大手ジャストシステムは、新事業として今春、小学生向け通信教育「スマイルゼミ」を開始した。塾向けにタブレット用教材を提供するのはフレンズ(東京都品川区)。湘南ゼミナールのIT部門だったが昨年独立した。「対戦型」の小テストでやる気を引き出すシステムがうけ、現在全国約100教室、約2千人の小学生が利用。
タブレット端末は採点のスピード化や理科実験の映像配信など、ネットワーク機器の強みを生かしたサービス内容で子供を引きつけられるとして、学習塾でも近年導入が相次いでいる。

総務省の通信利用動向調査によると、無線LANを導入している家庭は昨年時点で全世帯の約47%に上る。相次ぐ新サービスで、ネット利用のデジタル教育はさらに広がりそうだ。

市進、栄光など大手進学塾、「学童保育」の設置急ぐ

市進HDや栄光HDなどの大手進学塾が小学生を放課後に預かる「学童保育」事業を相次ぎ拡大する。学童保育所に入りたくても入れない小学生は潜在的に約40万人と言われており。大手進学塾はその受け皿になり、本業との相乗効果を図る。
株式会社市進HDと学研塾HDの共同出資による株式会社GIビレッジ(東京都港区/社長:秋谷俊之)は、2歳児から小6生を対象とした幼小一貫の教育託児施設「clan tete(クランテテ)三田」を11月17日より東京都港区にオープン。
進学塾最大手の栄光ホールディングスは9月、都内に低料金の学童保育所を設けたのを皮切りに、今後3年で首都圏の15カ所に開設する。
小田急電鉄は、子どもを預かるだけでなく、学習補助を充実させた学童保育施設を開業する。場所は経堂駅(東京・世田谷)の高架下。共働き家庭などの小学生を放課後に預かる。「小田急こどもみらいクラブ supported by「ピグマキッズ」の定員は1日あたり40人程度を想定。SAPIXの通信教育「ピグマキッズくらぶ」の教材を使い学習指導を行う。

栄光HDや学究社、公立受験を強化「私立」より安く

首都圏学習塾大手が私立志向から公立志向への方向転換をした。市場のニーズの変化への対応とみるか低価格商品の供給とみるか評価は別れるところだが、消費者にとっては安価で購入できる商品が増えたことに変わりはない。都内も郊外も老舗の進学塾は中高一貫校受験と公立トップ高校受験に既にシフトを終えている。中小塾市場への参入と捉えたが如何。
中高一貫校向けを専門にする学究社は2013年度に過去最多の30教室を開く。公立校は私立より教育費が安く受験生が増えている。学校の成績向上に重点を置いた公立受験向けのサービスを提供し、需要を獲得する。
栄光HDは13年度以降、公立高校の受験を指導する「リテラ」を神奈川県や千葉県に設ける。埼玉県で約10教室開いているが、県外に広げる。
早稲田アカデミーは13年度から千葉県や神奈川県で教室を増やす。私立の中学や高校の受験者が多い都内を中心に設けてきたが、公立の中高一貫校や高校の受験者が多い地域に進出。
公立の中高一貫校や高校の受験指導は小学校や中学校の教科書に基づいた指導が中心。私立受験に比べて公立は内申点を重視するため定期テスト対策などを通じた成績向上を主眼にしている。
公立受験の指導は私立受験に比べて指導の日数が一般的に少なく、料金も安く設定。
ベネッセコーポレーションの12年の調査では、首都圏で中学受験を予定している小学6年生の保護者のうち34・7%が公立の中高一貫校を第1志望にしていた。公立一貫校の増加で07年の20・8%から大きく上昇した。

学研、大阪の塾イングを子会社化 福岡の全教研を買収

学研HDは、大阪を中心に学習塾や幼児向け英会話教室など60教室を運営するイング(大阪市、青木辰二社長)を子会社化した。小中学生向けに補習塾「学研教室」を全国展開する学研HDは、幼児や社会人向けにも教育事業を手掛けるイングの子会社化で、生徒数や対象の年齢層を拡大する。
取得総額は約4億円のもよう。学習塾を傘下に収めるのは2009年以来4年ぶりでエディック、早稲田スクール、サイシン、あすなろ学院、学研アイズ、タートルスタディ、学明舎に続いて8社目。 また、学研HDは8月14日、福岡県内を中心に北部九州などで小中高校生向けの学習塾を展開する全教研(福岡市、中垣一明社長)を買収すると発表。学研HDの子会社の学研塾ホールディングス(東京)が、経営陣などが持つ株式を30億円で買い取り、全株式を取得する。
買収後も全教研の社名は変わらず、中垣一明社長をはじめとする経営陣は続投する。全教研は、1977年に設立され、福岡証券取引所に上場していたが、2009年に経営陣による自社買収を実施し上場廃止していた。2013年2月期の売上高は45 億1300万円で、純利益は1億7300万円。

駿台と浜学園、難関中進学塾首都圏で展開

駿台予備学校を運営する学校法人、駿河台学園(東京・千代田)と進学塾の浜学園(兵庫県西宮市)は、東京都内を中心に難関中学の受験指導塾を共同で展開する。2014年の開校に向け、今年10月に共同出資会社を設立。小学生向け教育サービスに進出したい駿台と首都圏の開拓を目指す浜学園の狙いが一致した。5年ほどかけ、10~15教室を開く。
新会社「駿台・浜学園」(東京・千代田)を10月1日付で設立。資本金は5千万円で、浜学園が55%、駿台が45%を出資。関西の中学受験で実績のある浜学園が講師を派遣し14年2月に東京都心に最初の教室を開く。
■浜学園、アジアで算数教室 台湾に来年進出
浜学園(竹森勝昭社長)は海外で現地の学童向けに算数教室を展開する。来年台湾で始め、2015年以降シンガポールやタイでも検討する。日本で小学生に教えている科目のうち算数を得意としており、ノウハウを生かせると判断した。算数の教材は翻訳すれば、現地でほぼそのまま使えるという。 同社の海外進出は初めて。全額出資の現地法人を台北市に設立済みで、算数教室は「台湾浜学園」の名称で運営する。

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