北斎、幻の肉筆画

葛飾北斎の肉筆画の傑作で、100年以上行方不明だった「隅田川両岸景色図巻」が発見され、3月4日、墨田区が公開した。この図巻は、縦28.5センチ、長さ6メートル33.5センチ。両国橋の近くから隅田川を舟で上って吉原に向かう両岸の景色と、遊郭での遊興場面を、彩色豊かに描いている。1805年、北斎46歳ごろの作で「画狂人」の印が押されている。制作依頼者は江戸の戯作者、烏亭焉馬。1892年、上野で開かれた浮世絵展に出品された後、海外に流出、1902年フランスで競売にかけられた記録が残るが、その後は行方不明だった。

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