ありそうでなかった教材のイノベーション 「高校入試対策Spurt+(スパートプラス)」

なるほどゼミナールの山中孝光塾長

全ての問題に10段階の難易度を表記した新しい教材「高校入試対策Spurt+(スパートプラス)」を株式会社育伸社(東京・台東区)が刊行した。これまでの問題集「Spurt(スパート)」との違いは難易度表記があるかないか。この工夫が大きな効果を上げている。

熊本市東区の学習塾、なるほどゼミナール(ナルゼミ)は、いち早くこのスパートプラスを導入した。ナルゼミの山中孝光塾長は、「教務の力量に委ねられていた『学力差を見極めて適切な難易度の問題を教える』ということが、簡単かつ正確に実施できるようになりました」と話す。

スパートプラスは高校入試対策用の5教科を刊行

少人数一斉指導の授業形式をとるナルゼミでは受験生にスパートプラスを自学用教材として活用している。今までは講師と直接関わっていない自学自習のとき、果たしてどれくらいの生徒が問題を適格に選択できているか正直疑問だったという。それがこの教材によって仕組み化され指導の効率が向上したのだ。

また、育伸社の学力テストを導入することで、問題の難易度と連動した生徒の学力レベル(段階)が明確になる。ナルゼミでは「個々の成績該当段階とその1段階上のレベルの問題を重点的に指導」したり、「生徒のレベルに満たない易しい問題はヒントを出すに留め、生徒自身に考えさせる」といった方法で運用している。

生徒の学力に合った問題を重点的に学ばせることで、高い学習効果が得られるという。スパートプラスの効果を実感したナルゼミは、昨年度の受験生が半年間で偏差値を6.6ポイント以上アップさせた実績を上回る、「全員7ポイント以上のアップ」を今年度の目標としている。

一方で、個別指導塾におけるスパートプラスの活用については、「一斉指導の塾よりも大きな効果が期待できる」と山中氏は言う。個別指導塾の運営にも4年以上携わっていた山中氏は、

各問題に難易度を表示することで、指導経験が浅い大学生のアルバイト講師でも学習効率が高められる

「多くの講師が必要となる個別指導の塾では、学生講師にも頼らなければなりません。彼らは学力が高くても経験は浅く、生徒の成績と問題の難易度を上手く結びつけることができません。成績との相関を難易度表示した問題集があれば、『今はまだ取り組ませるべきでない問題・解き方をシッカリ教えるべき問題・生徒自身の力で解かせるべき問題』が誰にでも区別できます。その分、授業の効率は飛躍的に向上し、生徒の成績も上がるでしょう」と、スパートプラスの持つ可能性を示唆する。

山中氏はこの教材の使い勝手について、「喩えて言うならば、マニュアルミッション車からオートマチック車に乗り換えたようなものです。もう以前の教材には戻れません」と笑みを浮かべる。一般の乗用車でも運転が簡単なオートマ車が主流になったように、問題の難易度を表記することで、講師と生徒の負担軽減が期待できるスパートプラス。これからの教材のスタンダードとなるかもしれない。

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