留学先の橋梁建設プロジェクトで契約社員になった学生も 「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」報告会で留学した学生らが現地での取り組みを発表

官民協働海外留学支援制度の「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」(以下「トビタテ!」)は9月3日、第2回 留学成果報告会を東洋大学白山キャンパスにて開催した。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

代表派遣留学生プレゼンテーションをした学生たちと審査員。

この報告会には「トビタテ!」に参加した大学生136名、高校生10名の合計146名が出席。午前中は同制度で留学した学生全員によるプレゼンテーションがあり、それぞれ留学経験や現地での取り組みを発表した。午後には、その学生たちと来場者が直接意見交換できるポスターセッションの場が設けられ、プレゼンデーションでは話しきれなかったウラ話や、留学を経験して見えてきたことについて同制度の支援企業や関係者らと活発に議論をしていた。
ポスターセッションが終わると、会場を井上円了ホールに移し、午前中のプレゼンテーションを受けて審査員から選ばれた9人の学生が「代表派遣留学生プレゼンテーション」をした。9人の発表は「留学を通じた成長」「今後の期待」「伝え方」などから総合的に評価され、最優秀賞、優秀賞、優良賞が選出された。

そして見事、最優秀賞に輝いたのは「理系、複合・融合系人材コース」に参加した大阪市立大学大学院工学研究科修士2年の儀賀大己(ぎがだいき)さん。儀賀さんはトルコのイズミット湾横断橋建設プロジェクトにインターン生として参加。はじめは、現地の人たちとの文化の違いや信頼を得られないことに悩んだが、積極的に仕事に取り組んだことで徐々に信頼関係が生まれ、最終的にはインターン生から契約社員に昇格。ゆくゆくはこの経験を活かし、途上国にノウハウを伝授していきたいという。表彰を受けた儀賀さんは、「光栄な賞をもらえて嬉しい。留学中は大変だったが頑張ってよかった」と受賞の喜びを語った。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

受賞した2人と笑顔で記念撮影する文部科学大臣政務官の樋口尚也氏。

優秀賞を受賞したのは「新興国コース」に参加した、広島大学大学院教育学研究科修士課程2年の伊達文香(だてふみか)さん。伊達さんは自分の好きな洋服で途上国の女性の自立をサポートしたいとインドへ留学。ファッションショーを開催し、参加者200人を集めるなど大成功を収めた。今後はオリジナルの洋服をインドで制作・販売するビジネスを立ち上げたいとのこと。「これからがスタート。この賞を励みに明日から頑張っていきたい」と今後の抱負を語った。

審査員の一人、ソフトバンクグループの青野史寛執行役員は「146名それぞれにストーリーがあった。審査は難航したが儀賀さんは留学先で信頼を勝ち取ったこと、伊達さんは留学経験を次につなげようとしていることが素晴らしかった。今後はトビタテ!の仕組みが日本を変える仕組みになるのではないかと思う」と講評した。学生たちの一体感が印象的だった報告会は、大盛況のうちに幕を閉じた。

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