一戸町がタブレットを使った公営塾を開講

タブレット教材を体験する田中辰也町長

岩手県一戸町は、小学3年生から6年生を対象とした公営塾を1月15日にオープンした。児童向けの公営塾の設置は県内初の試みとなる。
一戸町は、凸版印刷株式会社と協働し、タブレットを使った自分のペースで学習するスタイルを採用した。水曜日を除く週4日開室し、50分の授業を一日2コマ用意。児童は週2回学ぶ。
教材は、凸版印刷が提供する「やるKey」の算数教材を用いる。「やるKey」は、児童が問題を解くと自動採点されるため、自主的に学習を進めることができる。また、誤答を分析し、ひとりひとりに最適な「苦手克服問題」を自動配信するなどの機能を持つ。
講師を務めるのは、同町初の地域おこし協力隊員の荒内雅美さん。荒内さんは、家庭教師や塾講師の経験を持ち、市外の学習塾からアドバイスを受けながら準備を進めてきた。

開講式で挨拶した田中辰也町長は、「もっとがんばってみようと思う子を町として一生懸命応援しようと思い公営塾を設置しました。楽しみながら自分の力をどんどん伸ばしていってほしい」と集まった児童たちにエールを送り、公営塾へ期待を寄せた。

集中してタブレットを操作して学習する児童

開講式には児童や保護者ら約50人が出席した。そのすぐ後に行われたプレ授業には27人の児童が集い、タブレットを使って算数の学習をした。
参加した生徒の保護者からは、子供が集中して学習している姿が印象的だったという声が上がるなど高い評価を受けた。
徐々に広がりを見せている公営塾だが、小学生を対象としたものは全国でも珍しい。いかに教室マネジメントを構築していくかが鍵になりそうだ。
また、一戸町は、公営塾を設置することで、児童の学習意欲向上を図る拠点としてだけでなく、教育インフラを整えることで子育てがしやすい町づくりを目指す。教育の観点だけでなく、地域活性の観点からも注目したい。
現在は算数のみの授業だが、今後は他教科の提供も計画されている。当面は「プレ開講」として無料開放し、2018年度春に本開講する予定だ。

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