Archive for: 10月 2015

睡眠、学習に効果  筑波大がマウスで発見

 筑波大などのチームがマウスを使い、「レム睡眠」によって、学習や記憶の形成を促進する特定の脳波が強まることを10月22日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。チームは脳で睡眠と覚醒に関わるとされる部位を詳しく調べ、レム睡眠とより深いノンレム睡眠を切り替えるスイッチ役をしている神経細胞を発見。この働きを人工的に操作できるマウスを開発した。睡眠中のレム睡眠の回数や長さを変えて実験したところ、レム睡眠を減らすと、学習や記憶の形成に関わる脳波が弱まった。逆にレム睡眠を増やすと脳波が強まった。

子育てマイスター協会の設立を記念してシンポジウムを開催

幼児教育の第一人者として40年のキャリアを持ち、『月刊私塾界』でも隔月でコラム連載をしている石川幸夫氏と、人材育成に16年携わってきた蔵元二郎氏は、2015年4月1日に一般社団法人 子育てマイスター協会(東京・千代田)を設立し、代表理事に就任。10月20日には、設立を記念したシンポジウムを東京で開催した。
石川幸夫氏 冒頭、2人の代表理事が挨拶し、協会を設立するに至った経緯を紹介。石川氏はこれまで幼児教育にわってきて、子供自身よりもお母さんをきちんと教育してあげることが大切ではないかと感じたこと、蔵元氏はキャリア形成支援を通じて幼少期から夢を持たせることが必要だと感じたことを、協会の主な設立理由として語った。
続いて主夫芸人のツインクルをモデレーターに迎え、石川氏と、一般社団法人アルバ・エデュ 代表理事の竹内明日香氏、株式会社アントレキッズ 代表取締役の西田祥氏の3名によるトークセッションがおこなわれた。
トークセッション風景 セッションのメインテーマである「夢を描くこと」について、石川氏は「子供に夢を語ってもらいたくて接してきたが、はじめは中々話してくれない。しつこく聞き、かつ私の夢を語るとぼそぼそと話し出す。子供の活動の場はいろいろあるのに、夢を語るような場はないのかもしれない。協会を通じてそういう場を作りたい」と述べた。
竹内氏は、「家族で鹿児島までドライブするなど、子供には不可能がないことをみせる努力をしている」と自身の経験談を交えて夢の重要性を語った。西田氏は「小さい自信をどれだけ与えてあげられるか。夢を描くためには成功体験を積ませることが大切」だと訴えた。
質疑応答では「どこまでなら子供を甘やかしていいか?」という疑問が寄せられ、石川氏は難しい問題だとしながらも、「どう育てるかを夫婦で話し合うことが重要であり、甘やかしは子供のためにならないため踏みとどまるほうがよい」と答えた。
最後に「夢を描くこと」の総括として、西田氏は子供が夢をみられるかどうかは親に大きく影響される。仕事で疲れて帰って来る姿や、「旦那の稼ぎが少ない」といったグチは子供の夢をなくすため、そうしたことをしないことが、夢をみさせるために簡単にできることだとした。竹内氏は、あれもこれもさせるのではなく、その子の適性を見極めてあげることが夢を追いかけるための手助けになると語り、石川氏は大人が自分の夢を語って手本を示すことも大切だとして、今回のシンポジウムを締めくくった。

伝統校の高野山高校が、「全国広域通信制課程普通科」を開設

去る9月24日に、高野山高等学校による学習塾関係者に向けた説明会が開かれた。
学校長の岡本彌久氏の挨拶にはじまり、そのあと、高野山真言宗 宗務総長、総本山金剛峯寺執行長 添田隆昭師の基調講演が「千の風になる前に知っておくべきこと」という演題で行われました。今年は高野山が開創1200年という節目の時期でもあり、参加者は真剣な眼差しで最後まで聞き入っていた。
高野山高等学校説明会今年9月開設した全国広域通信制課程普通科「マイ・ウェイコース」が募集を開始したことも注目を浴びている。収容定員900名で、全国津々浦々、どこに住んでいようが入学が可能となる。全日制とは異なり、留年はなく、3年間以上在籍し、74単位以上修得すれば卒業できる。また「NHK高校講座」や同校指定のインターネット教材の活用により、スクーリング日数を少なくする事が出来るので、在学しながら、スポーツ、芸術、海外留学等多方面において活動が可能になり、いわゆるダブルスクールができることになる。
来年、開学130年を迎える高野山高等学校では、最近のように、科学技術は著しく進歩はしたけれど、天変地異、テロ事件、地域紛争等、明日は何が起こるかわからない不安定な混乱した世界において、弘法大師の偉大な思想に基づき、写経や瞑想のスピリッチャルな癒しの体験で安らかな「心」をとりもどし、新しい「自分探し」のできる通信制高校を目指している。
このような理念に賛同していただける塾等があればサポート校を募集しているとのこと。なお、スクーリング会場は下記のとおり。

【スクーリング会場】
本  校 和歌山県 高野山高等学校
大阪会場 大阪北区中之島 大阪大学構内高野山大學サテライトキャンパス
東京会場 東京都港区高輪 高野山東京別院内高野山大學サテライトキャンパス

司法試験問題作り 現役教員除外 、来年度の暫定措置

法務省は10月21日、明治大法科大学院の元教授による司法試験問題の漏洩事件を受け、2016年度の司法試験に限り、暫定的に問題作成担当の考査委員から法科大学院の現役教員を外すことを決めた。専門性の高い問題については研究者の関与も必要なため、教員OBなどは選任できるとした。事件の原因究明と再発防止策を検討してきた有識者ワーキングチームが同日、司法試験委員会に来年度の司法試験実施に向けて中間提言し、同委員会が了承した。11月中にも考査委員を選定する見通し。

上智学院、学校4法人と合併へ

上智大学を運営する学校法人「上智学院」(東京都千代田区)は10月21日、神奈川、兵庫、広島、福岡の各県で中高一貫校を運営する四つの学校法人と2016年4月1日に合併すると発表した。文部科学相が15日付で認可した。栄光学園(神奈川県鎌倉市)、六甲学院(神戸市)、広島学院(広島市)、泰星学園(福岡市)と合併し、上智学院に一本化する。各中学・高校は、上智大学の付属校にはならず、教育方針も変えないという。

車の信頼度、トップ5に日本勢4ブランド 米誌調査

米有力消費者情報誌「コンシューマー・リポート」が10月20日発表した自動車ブランドの信頼度調査で、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が3年連続で首位になった。2位「トヨタ」、4位「マツダ」、5位に富士重工業の「スバル」となり、日本勢が上位を占めた。昨年4位だった「ホンダ」は8位。
独フォルクスワーゲン(VW)は、傘下の「アウディ」が3位、「VW」は13位(調査は不正発覚前)。米国勢では最大手ゼネラル・モーターズの「ビュイック」が唯一、7位でトップ10に入った。

「文系」学部、26大学が見直しへ

文部科学省は10月20日、全86の国立大が運営や改革方針をまとめた「中期目標・計画」の素案を公表した。人文社会科学系について、33大学・大学院が見直しを盛り込んだ。学部の新設や統合が目立ち、廃止はなかった。大学院を除くと、人文社会系学部がある約50大学のうち、26大学が見直す。横浜国立大は経済学部2学科、経営学部4学科をそれぞれ1学科に再編し、神戸大は2017年度に国際文化、発達科学の両学部を統合して新学部をつくる。茨城大は「人文学部」を「人文社会科学部」に改めて入学定員を削減する。

TPP関税、工業品87% 即時撤廃

環太平洋経済連携協定(TPP)で大筋合意した工業製品の関税撤廃に関する全容が10月15日明らかになった。ビデオカメラや電池、炭素繊維など日本の輸出品目数の約87%の関税が協定発効後すぐに撤廃される。日本から輸出する工業製品は全部で約6500品目。金額ベースでみると、家電や産業機械、化学製品など日本企業の競争力が強い品目も含め、輸出総額(11カ国向けで約19兆円)に占める即時撤廃分の比率は76.6%に上る。国別では、ニュージーランド向けで全輸出額の98%、オーストラリア向けで94%が即時撤廃の対象になる。

東京は連続4位、 世界都市力調査

森記念財団都市戦略研究所が10月14日に発表した「世界の都市総合力ランキング」(2015年版)で、東京は8年連続の4位だった。世界の主要40都市を対象とした調査で首位はロンドン、2位はニューヨーク、3位はパリと上位10都市の顔ぶれは昨年と同じだった。東京は円安や景気回復で「海外からの訪問者数」や「留学生数」が増え、「文化・交流」の分野で昨年の6位から5位に浮上した。一方、国際線の直行便就航都市数(25位)や国際線旅客数(12位)の評価が低かった。

交通事故死者数、最多は中国の26万人…WHO

世界保健機関(WHO)は10月19日、世界の道路安全に関する報告書で、2013年に交通事故で死亡した人が世界全体で125万人に上ったとの推計を公表した。国別で、死者数が最も多かったのは中国の26万1367人。2番目インドの20万7551人、3番目がブラジルの4万6935人だった。この新興3か国で世界全体の交通事故の割4以上を占め、急速な経済発展に交通安全対策が追いついていない実情が浮き彫りになった。インドネシア(3万8279人)、ナイジェリア(3万5641人)、米国(3万4064人)が死者3万人を超えた。