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- VOL.2
- 1981年12月-1982年5月
- 『安定成長の時代』

- 1982年5月号表紙
この章は、「安定成長の時代」という見出しで括っているが、当時のことを考えると、このフレーズで正解だなと、北叟笑む。日本語には英語のsmile(またはlaugh)に当たる「笑う」ということばが山ほどあるが、そのうち「ほくそえむ」というのは、「してやったりと、ほほえむ」意味である。
経済界が復興し、活性化して経済白書が「もはや戦後ではない」と高らかに宣言してこのことばが流行になった1956(昭和30)年から26年後に、学習塾業界は、安定し、「乱塾」から「選塾」の時代に向かったのである。
そのことは、'82(昭和57)5月号の表紙が次のように語っている。(創刊号から数年間、本誌の表紙には塾に関連する新聞の記事面が使われた。)
「……進学競争の激化、受験体制の強化は、新たな教育需要をつくった。そして、学習塾へ通う児童・生徒の数は、確実に増加の傾向にある。
東海銀行(当時)が調査した最近の資料によれば、中学生の通塾率は53.0%、小学生のそれは31.0%という。『中学生の二人に一人、小学生の三人に一人』を裏づけるデータといえよう。
学習塾の数は全国でどのくらいあるのだろうか。これには、業界でも意見がまちまちで、5万と見積もる人もいれば、10万あるいは20万と見積もる人もあり、実態は不明瞭な部分が多い。その原因は個々の学習塾の規模が個人経営にゆだねられている場合が多く、企業経営的な展開になっていない学習塾が圧倒的に多いからとされている。
が、学習塾をとりまく経営環境に、少しずつだが変化があらわれているのも事実だ。それは集約すれば次の4つになろう。
(1)企業展開の活発化
(2)絶対生徒数の減少
(3)家庭学習システムの導入
(4)学習塾に対する選別の風潮──。」
と、さすがに多角的に時代の鏡としての分析をしている。本誌の巻頭時評、新学年度総力取材特集、問題提起、塾経営の手引き、受験最前線、業界最前線、経営実践シリーズ、法律セミナーなどなどの記事からも、そのうなり声は聞こえてくるのである。
'85(昭和60)年に学究社が業界初の株式店頭登録公開する以前の、大手と呼ばれる大型塾はあったものの、まだまだ個人経営者が群雄割拠した、それなりに安定した、成長もしていた、良き時代であった。
しかし、この恵まれた時代を浮かれて過ごすと、やがて、厳しい現象が迫ってくることになる。








