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VOL.6
1984年1月-6月
『がんばれ地元塾』

まず、1984年という年を眺観しておく。

探検家植村直己がマッキンリー冬季単独登頂成功後消息を絶った年であり、「グリコ・森永事件」という不可思議な企業恐喝事件が起きて、「キツネ目の男」のモンタージュが新聞・テレビで繰り返し映し出され、「あの男に違いない」などという無責任な犯人捜しが関西を中心に行われた年でもある。総理大臣は、この年も引き続き中曽根康弘氏が務め、「長良川演歌」(五木ひろし)がレコード大賞を受け、「十戒」(中森明菜)がヒットした。プロ野球日本一のチャンピオンフラッグは広島・カープが握った。この年11月に、15年ぶりに新札が発行されたのも、新しい風景になった。

さて、本年前半での本章にかかわる白眉は3、5、6月号の3つの号にわたって連載した「時間講師全調査」であるが、全国150塾に及び頁数を食い過ぎるので、何らかの方法で入手して、参考にしてもらいたい。

ここでは、'83年12月(上)5頁、'84年1月(中)4頁、2月(下)4頁の計13頁を数える千葉山手学院・神保誠学院長(昭和13年6月27日生まれ、当時塾全協常任理事、故人)が、千葉県に進出してきた国立学院、城南学園、日能研、栄光ゼミナールなどの大手塾の包囲網の中で、時代の流れに抗して地元塾として頑張る姿勢を「地域密着型・小規模塾のサバイバル戦略を考える」と題して情熱的に語っているので、その触りの部分をピックアップしてお目にかけたいのである。

「地元の要望の本当の意味に応える」ために

(1)地元性を発揮せよ
→その地区の教育ニュースを伝えよ

(2)合格実績への対抗策
→「野球部のキャプテンで学年で5番だったA君は、わが塾で頑張り抜いた結果、B高に合格した」と書けばよい。

(3)ほんとうの合格実績とは何か
→「選抜テスト」で集めた大手塾の生徒と、できの悪い子たちと苦楽を共にしながら志望校に合格させた実績のちがい

(4)新聞店主、地元商店主と仲良くなろう
→彼らをバカにしてはならない。貴重な情報源だから

(5)大手企業塾の弱点を突け
→うたいあげている宣伝文句の虚偽性を見抜け

の5点に細心の注意をし、さらに

(1)日常の仕事の点検を
(2)小規模塾ではの心くばり
(3)発想を逆転してみよう
(4)前向きの目標設定を
(5)進出する側される側
(6)小規模塾のサバイバルとは

と語りつぎ、大手企業塾が自分の教室のすぐそばに進出してきたら、これをどのように迎撃し、自塾の存立を守りぬくかと問い、大手企業塾だからといって恐れることはない。要は自塾の良さを徹底的にみがきあげればよいのである。その方法はなにか。

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