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- VOL.11
- 1986年7月-12月
- 『拝啓文部大臣様』
今回は、3回(6、7、8月号)にわたって本誌からのメッセージを「拝啓文部大臣様」と題して掲載した。その中から抜粋アレンジしてお伝えする。その時代が見透せると思うからである。
(その1)6月号より
「私たち私塾では生徒と本音のつき合いをしています。ざっくばらんなつき合いをしていますと、生徒の姿からいろいろなものが見えてきます。その生徒が通っている学校のあり様、家庭の様子、友だちとの交流、さながら三面鏡の上に立っている生徒を見ているようで、その立体像が理解できます。
臨教審の委員の大多数の方はすでに子育てが終わった、各界を代表するいわゆる識者の方々でいらっしゃいますが、現に生きて日々の生活を営んでいる子どもたちの実体を肌身でご存知だろうかという疑問が残ります。過去の子どもではなく、現在の子どもが、何を考え、何を規範として行動しているかが明確に分からなかったら砂上の楼閣です。」
(その2)7月号より
「こんなことがありました。A君がある塾の中で、他が学習に集中している最中に、その雰囲気をぶちこわすような騒ぎをしました。B教師はA君を別室に連れていき、他に迷惑をかけないのが人間として一番大切なことだと話して聞かせました。A君は『だってつまらないんだもん』と言い、B教師は『君に興味を持たせないのはボクの責任だ。すまん』と詫びました。学校ではただ廊下に立たせるだけ、家では親父にコツン、理由を説明されたことのないA君は、B教師との体験を涙して喜んだといいます。突破口はささいなことなのです。要は、人間同士の心のつながり方この一点です。子どもに必要なのは圧力や説教ではなくて、アドバイス、応援歌なのです。」
(その3)8月号より
「大人たちの考えは、自分たちの社会生活を反映して陰湿に過ぎます。逆に子どもたちは純で陽性そのものです。これでは噛み合うわけがありません。せめて、自分が子どもであった頃の日常を思いかえすことによって、歩み寄る姿勢は必要です。事は簡単なのです。大人のうす汚れた論理を振りかざすことを止めましょう。義務と権利をひっくり返すことは止めましょう。大人には子どもを生かさねばならない義務はあっても、勝手にひきずり廻す権利なんてないはずです。子どもに対して見栄をはることを止めましょう。素直な先輩として、素直なアドバイスをおくりましょう。子どもは大人の鏡です。子どもによくない点があるとすれば、それを映している大人に問題があるに決まっています。
文部大臣様、あなたは、最高最上の、子どもたちの味方でなければなりません。」
本誌からのメッセージ、本誌の心意気は行政のこころに届いたものと確信したいのである。








