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泰然自若(たいぜんじじゃく)
ということばがある。

「泰然」の「泰」という字は、
(1)心が大きくて、気持ちに余裕がある
(2)小さなことにくよくよしない
という意味である。『論語』に、「君子ハ泰ニシテ驕ラズ」という有名なことばがある。ゆったりと構えているが、人を見下すようなことはしないのが君子なのだというのだ。また、「自若」とは、気持ちや態度が動じないという意味だから、「泰然」も「自若」も、結果として同じような状態を指している。

なにか大きな問題が起こったとする。とたんにおろおろしたり、ジタバタ動きまわったりするようでは、いい知恵など浮かんでくるはずはない。へたをすると、危機を回避できるどころか、いっそう混乱を助長する恐れがある。ピンチのときこそ、「泰然自若」として対処したいのである。

人生には得意のときもあれば、失意のときもある。それに一喜一憂するのは、賢い生き方とは言えない。得意のときは、誇らず高ぶらず、淡々と対処し、逆に失意のときは、あせらず騒がず、やはり淡々として対処する。こんな生き方が、「泰然自若」の極意なのである。

ただし「泰然自若」といっても、なにしろ現代は動きの激しい時代である。あまりおっとりと構えていると、たちまち時代の流れにとり残されていく恐れがないでもない。「泰然自若」と構えておりながら、変化には機敏に対応する、そんな生き方を目指したいものである。

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