塾の時代

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VOL.17
1989年7月-12月
『学習塾の将来展望』

 大手シンクタンクの1つである、大和総研が、自社の『大和投資資料』(9月号)に発表した「学習塾業界の現状と将来展望」(副題・大手進学塾の動向を中心に)からピックアップした。昨年、学究社を追うように、株式の店頭公開を果たした、㈱教育総研(能開総合教育センター)、(株)ナガセ(東進スクール)、(株)進学会(北大学力増進会)の公開基準決算の財務分析を含むなど、、私塾産業を「投資」の面から詳細にレポートしているものからピックアップした。

 レポートは、全四章、九項に分かれており、各テーマは次のような内容である。

 第一章では、学習塾の定義と分類がなされており、市場規模は1兆円産業が間近である点を指摘した上で、業界の成長過程を3段階に分けて紹介し、「外部要因の変化が学習塾業界の急成長をもたらしたと言えよう」としている。

 第二章では、学習塾の現状について、あらゆる分析がなされており、特に、事業者アンケート調査と消費者モニターアンケート調査のギャップを指摘。事業者側が重要と考えている「有名校合格実績」が、消費者側では重要度が第4位である点、消費者側が重要と考えている「自宅から近い」が、事業者側での重要度がやはり第4位である点を再認識すべきであると述べて、今後の塾経営、塾運営の客観性を求めている。

 第三章では、チャイルドショックの影響について、「大手学習塾には影響が少ない」と分析し、経営の垂直展開と水平展開に触れ、垂直展開では〈企画力〉が、水平展開では〈財務力〉が問われることになるとしている。

 まとめの第四章では、「学歴偏重社会の中で十分市場ニーズに応えてきた」と総括し、今後の展開の中での株式公開の有用性を1.人材の確保、2.信用力の増加、3.社内体制の強化、4.有利な資金調達、5.社員の財産形成、の観点から、「非常に有効な手段たりうる」と結んでいる。

 事は株式公開の有用性に限らず、まとめでの最後の1~5の項目は、今までも日々の新しい発展のためのテーマである。

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