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杞人之憂(きじんのうれい)
ということばがある。

略して「杞憂」(きゆう)とも言うが、むしろこちらの二字句の方が一般的である。周知のように、無用な心配、取り越し苦労といった意味である。『列子』の次のような話が出典になっている。むかし、杞という国のある男が、いまに天と地が崩れたらどうしようかと、心配で心配で夜もねむれず、食べ物ものどに通らない。周りの人が崩れる心配などないと言うと、じぁ、日や月や星は落ちてこないだろうかという。大丈夫だから心配するなというと、男はようやく安心した。

 「杞人之憂」(杞憂)とは、遠い先の起こるか起こらないかわからないようなことを、あれこれ気に病んでいる人間を笑ったことばである。

 だが、現代では、「杞人之憂」を単に「杞憂」として笑って見過ごせない面のあることも確かである。たとえば、地球温暖化や大気汚染、核廃棄物の処理などの問題である。後の世の地球を想定して、人類が破滅に至らない対策を考察することは、教育にたずさわる学習塾の責務の一部である。

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