塾の時代

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VOL.32
1997年1月-6月
『表紙が一新した』

 1997年は、バブル崩壊後の痛手から日本経済が立ち直る気配を見せていた。しかし、財政建て直しのために、時の橋本龍太郎内閣によって、4月に消費税が3%から5%に引き上げられたことで、内需が冷え込んだ。9月には、ヤオハンジャパンが事実上倒産した。さらに11月に続発した山一証券の自主廃業、北海道拓殖銀行の倒産は、大手金融機関の倒産ということで、バブル崩壊後六年を経てもその後遺症が日本経済に残っていたという点で衝撃的な出来事だった。

 またこの年には、野村證券や味の素などの大企業が総会屋への利益供与を行っていたことが続々と判明、日本企業の変わらぬ体質が批判の的となった。

 総理大臣は通年橋本龍太郎氏だった。プロ野球日本一はヤクルト・スワローズが制し、安室奈美恵が「CAN YOU CELEBRATE?」で前年に引き続いてレコード大賞を取り、「ガラスの少年」(KinkiKids)がヒット曲になった。浅田次郎著の『鉄ぽっぽや道員』がベストセラーになり、妹尾河童作の『少年H』(コロコロコミック)が売れに売れた。映画では「うなぎ」「もののけ姫」「タイタニック」などがヒットした。  前年からのペルー日本大使館占拠事件は武力解決したが、神戸での小学生殺傷事件(酒鬼薔薇事件)、中一生徒がバタフライナイフで女性教師を刺殺するなどの血生ぐさい事件が続いた。

 ところで、創刊号以来、通巻191号(1997年3月号)まで続けてきた表紙が4月号(通巻一九二号)からがらりと一新した。  通巻191号までの表紙は新聞紙面からのトピックス記事(その時機に適したタイムリーなもの)を扱っていたが、192号目からは、写真に変わった。しばらく何年間かは瀬戸正人氏の作品が続く。

 作者は1953年、タイ・ウドンタニ市生まれ。八歳の時、父の故郷・福島県に移り住む。東京写真専門学校卒業後はコマーシャル写真の世界へ。81年フリーランスの写真家として独立。以後『バンコク、ハノイ1982─1987』『Living Room. Tokyo』『SiletMode』などの写真集を発表。日本写真協会新人賞、東川賞新人作家賞、第21回木村伊兵衛写真賞受賞。風景の中の人物像を得意としている。  清新なカメラアイにご期待いただきたい。

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