第23講義
詩織の推薦・AO入試プログラムが走り始めた。
まずはSmall start。たった5人でのスタートだ。無理もない。今まで推薦・AO入試対策に関して何の実績もなかった橋ゼミだ。詩織は、むしろ良く来てくれた、と思ったほどだ。

詩織は、ベリンズとの合同チームで開発したプログラムを実施していく。一年目とは言え、容赦は無いだろう。結果が出なければ、来年からは継続が無い。なぜなら、教科科目の先生方の目が在る。普段の講義で秋ごろから推薦・AO入試で合格し、居なくなっていく生徒を見てきた教科科目の先生にとって、推薦・AO入試は忌むべきものだった。実績が無ければ継続もない。そのような状況の中で、詩織はすべてを5人に注ぎ込んだ。
2年生11月から3年生の夏の出願まで、生徒も徐々に増えていく。堀川塾で指導経験が在るとは言え、全く新しい環境や文化での指導は苦労が多かった。限られた空間や時間・テキストなどのリソース。教科科目の先生の目を気にしながら推薦・AO入試の指導をしたりと、多くの苦労をしたが、1年目から結果が出た。推薦・AO入試の最高峰、慶應義塾大学SFCへの合格者を出したのだ。
その後、SFCを皮切りに、早稲田・GMARCH有名女子大などへの合格が相次いだ。結果が出ればこっちのもの。2年目はかなり強気の販促戦略を立てることができた。少人数ながらのメリットや一般入試と推薦・AO入試の両立、そしてニーズに合ったプログラムを実例に基づいて広報し、売り出していく。
戦略は見事当たり、結果2年目は生徒数が3倍となった。詩織一人では回らなくなり、詩織の教え子をメンター(相談者)として授業に投入し、指導に当たった。
二年目には慶應義塾大学SFCへの合格率は60%を超え、慶應義塾大学法学部に関しては80%を超えた。プログラムがニーズにマッチしたこと、そもそも、そのニーズを持つ層を見つけられたこと、そして結果や実績が出たことが橋ゼミのブレイクスルーにつながっていった。
三年目には慶應特別進学クラスと難関推薦・AO入試クラスが登場し、堅調に結果を出した。人数も100人を超えて、堀川塾に迫る勢いとなった。
導入初年度は、まずは小さくても確実な結果を出す年です。いきなり、力技で数百人を集めて、多くの合格を出そうとすると、結果が出ないリスクが高くなりますし、結果が出ないときに教科科目の先生方の反発が大きくなります。まずは小さくとも確実な結果を出しましょう。







