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Vol.11金融不況は怖くない!
しかし、今までと同じことをしていたら消えるしかない!!

株式会社 日能研関東 小嶋勇 会長(日能研グループ理事長)

株式会社 日能研関東 小嶋勇 会長(日能研グループ理事長)

ついに日能研関東と河合塾の共同出資による「新学習教室 gaudia(ガウディア)」が、首都圏で直営三校開校、FCで全国展開もスタートした。また、日能研グループと河合塾の「日能研東海」も二校でスタートし、一気に六校展開で名古屋地区の塾業界は戦々恐々だ。
新たな試みが着実に成果を生み出しつつある日能研関東の現状と今後の方向性について、小嶋勇会長に取材した。

(写真)12月4日私塾界主催の「年末Reception Party」で恒例のミニ講演に登場

生徒数は間もなく1万3,000名

─直近の売上と経常利益(申告所得)、校舎数、生徒数、正社員数と講師数などについて、グループ全体と日能研関東単体で教えてください。

日能研関東グループ(日能研関東・クリエイティブスタッフ・アトラス・コアネット)4社連結では、08年4月決算の売上が135億4,600万円、経常利益が7億4,900万円です。生徒数は1万2,847名、校舎数は37校で、今後の新規開校はまだ予定がありません。

正社員数は680名で、内訳は正社員が333名で契約社員が31名、時間講師が316名です。日能研グループ(日能研・関東・関西・九州)全体では、校舎数が133校です。

全体の三分の二が大変な時代

─米国の金融不安による世界同時不況の進行により、日本経済も深刻な状況ですが、塾業界への影響について、その対策について会長のご意見をお聞かせください。少子化や塾離れが大変だとも言っていられない時代ですね。

塾業界に大きな影響が及んでいる背景が二つあります。一つは公立中高一貫校の増加でやる気のある生徒はそちらに行ってしまうこと。二つ目は大学受験の約半分がOA入試や推薦入試で、いわゆる〝青田刈り〟を実施し、勉強しなくても大学に行ける時代になってきたこと。当然、大学も二極化が進みます。
不況といっても、お金はあるところにはあります。全体の三分の一に集中し、残り三分の二が減っていく構造でしょうか。

ですから中間層が塾に来なくなって、中堅塾がいま一番厳しい。伸ばしたいなら“これだ!”という徹底した特色を打ち出さなければならないのです。
トヨタ(自動車)でさえ不況でリストラをするご時世ですが、弱いほうから実施されるわけで、上はあまり変わらない。だから上位層を獲得していれば、まだそれほど心配はないと思います。

ガウディアのFCは、すでに100校近くが内定

─直営で首都圏に実験校を出されて、いよいよ本格展開がスタートした、ガウディアの特色と方向性などについて教えてください。


新設した自由ヶ丘日能研ビル

「gaudia」は日能研関東と河合塾の共同出資(60対40)の会社で、単独ブランドとして新たな市場開拓を目指します。

直営校を自由が丘・八雲・上野毛に出しましたが、今後はFC募集と契約を本格的に進めます。年内にFC希望者対象の説明会を東京・大阪・名古屋で予定していますが、すでに19法人、個人で100校近い教室が内定しています。

最低50教室でスタートしたいと思っていましたが100教室に上方修正しなければならず、社内的には人手不足になっています。各地の塾から問い合わせが来ており、手応えを感じています。

─東海地区において、河合塾と提携し名古屋で10校舎ほど展開されるそうですが、現状と今後の方向性などを教えてください。

これまで、日能研・日能研関東も日能研関西も中部地区には校舎を出していませんでした。河合塾との関係が良好であり、互いの資源と市場開拓の方向性が一致し、共同資本(日能研グループ四社と河合塾が35対65の出資比率)で「日能研東海」を立ち上げました。二校でスタートし、次に四校の開校も決まっています。
地元の進学塾とは切磋琢磨していくことになりますね。

とっておきコラム 中途採用社員に対して小嶋理事長が語ったのは……

「君たちは“負け組”だよ。でも、この会社で“勝ち組”になりなさい」
それを聞いた某社員は「ここまではっきり言うトップは見たことがない」。
小嶋理事長はさらに続けた。
「はじめに辛い思いをしても、成長して仕事が面白くなればいいんだ。3年は辞めるな。学歴も職歴も『過去』は聞かない。大事なのは『これから』。頑張ってください」
それでついて来ないなら、見込みのない人材とみなすのみ。眠っていた能力を引き出すのも、トップに求められる力量なのだ。

M&Aは当事者双方が喜ぶ関係づくりが成功の条件

─学研、ベネッセ、市進、Z会などを中心として、M&Aと業務提携により業界再編がいよいよ加速しています。御社のスタンスについて、また、会長ご自身のお考えや見方などを教えてください。


中学受験「学力測定テスト」のチラシ

M&Aでは、塾業界では大きく成功した事例はないし、急成長もありません。やはり人間関係なんでしょうね。買い手と売り手の両方が喜ばない限りM&Aはうまくいきません。それと、社員のためになることでなければ意味がない。

しかし、そうは言いましても、M&Aは今後も大きな流れとなって塾業界を変化させていくでしょう。大資本のある企業にとってM&Aはスピード経営の最良の手段ですから。

当社では、M&Aは今のところ考えていません。相互に喜べるという前提で「助けて欲しい」と言われたら考えてもいいと思いますが。

M&Aが成立するためには、未払いも含めて負債が相手にないことが条件ですね。そして、相手から惚れられたらOK、そうでなければ一緒にはやれません。

金融不況は良い人材獲得の大きなチャンス

─景気停滞で大手企業のリストラや採用手控えが起き、人材の流動化が進んでいます。御社の新卒や転職、幹部育成などについて、独自の取り組みと会長のお考えを聞かせてください。

各業界が金融不況でリストラしているので、良い人材を獲得するチャンスになるかもしれませんね。
一般的には、東大・京大などの新卒が塾業界に入社したいとは考えませんから、このような時代に有能な人材がとれるかどうかが塾の今後の質を決めるのかもしれません。

ただ、そのような人材を対象に幹部育成研修などをしてもあまり意味はなく、やはり指導者育成が優先されますね。

yes、we can!「やればできる」

─先日も『たけしのTVタックル』で会長らしい辛口のコメントで見ごたえのある内容でしたが、最後に全国の塾業界の方へ辛口のメッセージをお願いいたします。


「gaudia」のチラシ

どんな不況下であっても必ず“勝ち組”がいます。不況・少子化・リストラといったマイナス要因を言い訳とする“負け組”、笑顔・改革・信頼・やる気の“勝ち組”、毎年同じことを繰り返して何もしない“倒産組”、あなたはそのどれになりたいのか。

例えば、私生活。皆さん、入ってくる収入より上の生活をしていませんか? 車・旅行・食事などを節約したら預金はできますが、果たしてそれができるでしょうか?

個人だけでなく会社の経営でも、出店した校舎がうまくいかない時には、すばやく引くことのできる「身軽な経営」をしていないと、たとえM&Aで買ってもらいたい、提携したいといっても無理なハナシです。

塾業界でも、「今まではこれでやってきた」というレベルをダウンさせないと、経営内容は決して良くなりません。

(08年12月1日、横浜市都筑区の日能研関東本部にて取材)

11月23日小嶋会長と友好関係にある台湾の現地法人BAISの本社ビル落成式でテープカットに臨む
11月10日放映の「ビートたけしのTVタックル」(朝日テレビ系列)に昨年に続き2度目の出演。画面では“小嶋節”が炸裂した
POINT
  • ・逆風にもチャンスはある、勝ち組になるには“やるしかない”という精神で!

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