「教育のチカラ」は、『月刊私塾界』で連載中のシリーズ「民間教育の社会的役割とは?」を再編集して掲載しています。未来を担う子どもたちに、教育ができることは何か?学習塾のトップが、子どもたち、そして社会に対して貢献できることを語る。

- Vol.1 株式会社 早稲田アカデミー
代表取締役社長 瀧本司(たきもと・つかさ) - 勉強や受験に本気で取り組み、
そのプロセスから貴重な体験を積ませることが、
社会で有用な人材の育成に繋がる - 早慶高校合格八年連続全国一に続き、開成高校合格日本一を達成した早稲田アカデミーは、単に首都圏の大手進学塾に留まらず、全国の主要塾から、その堅実な経営手法と教育姿勢が注目される超優良塾だ。昨年突然亡くなった創設者の須野田誠社長を継承した瀧本司新社長を先頭に、「須野田門下生」がその遺志を受け継ぎ、次の目標に向かって着実な歩みを進める早稲田アカデミーで、「民間教育の社会的役割」をテーマに人づくりや今後の課題などを中心に、瀧本司社長に話を伺った。
塾の本気が伝わってはじめて、生徒も本気になる
私たちは生徒を合格させるために指導しており、その為に保護者から月謝をいただいています。「どうやって合格させるかを考え実践するのは塾の使命」だと考えます。スポーツや芸術で達成感や感動が得られるように、勉強においても同様の体験ができると思っています。誰でもそうだとは言えませんが、本気で取り組めばそれが得られるはずです。「実名チラシ」も本人の達成感や感動の記念になるので、手間やリスクはありますが、今後も続けていきたいと思います。
塾が本気・・・実際には「先生が本気で生徒に向き合えば生徒も真剣に」なります。ただし、スパルタ式だけではなく、「楽しくわかりやすい授業」にも心がけて、結果として成果が得られるようにしたい。それが学校にも取り入れられて改善されていけばよいと考え、各地の教育委員会からの要請にも対応しています。これは採算度外視で、日本の教育の為に本気で取り組んでいます。「本気で生徒に向き合える指導者」の育成をお手伝いすることも私たちの社会的役割だと考えています。
挫折を経験しない子が多い…「挫折と成功」の体験をもたせることが重要
一つダメだとみんなダメなのだと思ってしまうような子が多い・・・しかし「一つがダメでも次があり他もある」。克服していく力を鍛えていくためには、ごく普通の子どもたちが目標を一つずつ達成していく「楽しい競争」と同時に、みんなで励まし合って前進する「協創」も必要です。実は当社の職員もその中で一緒に高め合っています。負けても次があり、何かで負けても、別の何かで勝てる。この繰り返しで、何割増かの力が発揮できればレベルアップしていけます。例えば年三回のクラス分けテストで上位に入ることは、生徒の成功体験となりますが、小テストで高得点をとることや宿題プラスαをクリアすることなども生徒にとっての成功体験です。このように多層多様な「競争」機会を設け、全ての生徒が成功体験を積み重ねられるような環境を整えています。
受験は生徒の大きな成功体験になりますが、それは単に「人生の中で一つの切換ポイント」にすぎません。東大に入っても毎年全体の一割前後は"友人が作れない""先生の板書についていけない"などの理由でリタイアしています・・・挫折を経験しても乗り越えて伸びる子にするため、私達はできるだけ生徒に自分で作戦を立てさせるようにしています。
このように子供のうちから本気で取り組み、自ら作戦を立て、挫折と成功を体験していることは、将来社会で活躍する人材の必須要素と考えています。塾では、そのような体験を多様に積み重ねさせることができます。これも、私たちの社会的役割と思います。








