教育のチカラ 民間企業の社会的役割

「教育のチカラ」は、『月刊私塾界』で連載中のシリーズ「民間教育の社会的役割とは?」を再編集して掲載しています。未来を担う子どもたちに、教育ができることは何か?学習塾のトップが、子どもたち、そして社会に対して貢献できることを語る。

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Vol.2 株式会社 湘南ゼミナール
代表取締役社長 木島文義(きじま・ふみよし)
国際都市横浜を拠点として、
柔軟な人間づくりのため
知徳体を伝承していく役割を担いたい
神奈川県全域と東京都に展開している湘南ゼミナールは、従業員300名以上で100教室、13,000名余りの生徒を独自の指導理論で熱血指導し、毎年着実に合格実績を伸ばしている大手塾だが、フラットな組織体と柔軟な社風で、その動きは実に俊敏だ。小学生から高校生まで、学習習慣と思考力を鍛えて、「自立して学習できる生徒」づくりを可能にしている。今回は、「民間教育の社会的役割」を中心に、現状の課題と今後の方向性などについて、木島社長に話を伺った。

人類の歴史は環境変化適応の歴史

 横浜という、国際都市に拠点を置く私たちは常に世界的な変化に注目しています。先日、米国大統領となったオバマ氏は、歴史上初のアフリカ系アメリカ人の大統領であり、この出来事は、人類が社会の変化に柔軟に適応してきた歴史の象徴と言えます。人の営みを大きな時間軸で捉えると、人類は常に変化に適応し繁栄してきました。その観点から、有色人種の大統領の登場は、豊かに成熟した社会が次の世代に移行するその変化に適応した一例であると考えられます。

 環境変化に適応することは、繁栄のための原則のひとつです。これを学習塾の経営に置き換えますと、「塾の教師が、今、社会から何を求められているのか?」を常に問い続けることが重要であると考えます。「社会からの様々なミッション」を受け止めて、塾は、社会の変化に対応しつつ、将来のリーダー的人材を育成する必要があるわけです。

いま、日本人らしい人間教育が求められている

 さて、日本人が過去に養ってきた民族性に立ち返って考えてみると、世界に対して日本人だからこそできる特質があります。漢字文化から遡れば……日本独自の風土を受け入れるのと同時に、大陸から様々な文化・芸術を取り入れて自分たちのものにしてきたという歴史が見えてきます。そこに、他者との協力に目配りしつつ自分たちのやるべきことをやりきる力が日本人には備わっていると思うのです。その柔軟さ、たおやかさというものを大事にして生徒たちを教育したい。自給自足するほどの物的資源は乏しいけれども、精神的にはとても豊かな国だという自覚と誇りが必要でしょう。精神的に豊かなリーダーは実は、「謙虚なエリート」であると言えると思います。私利私欲のためではなく、利他利社を考えそれに向けてエネルギーを燃やせる人材を育成する。そのために、私たちは粘り強く生徒たちを育てていきたいと思っています。

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