「教育のチカラ」は、『月刊私塾界』で連載中のシリーズ「民間教育の社会的役割とは?」を再編集して掲載しています。未来を担う子どもたちに、教育ができることは何か?学習塾のトップが、子どもたち、そして社会に対して貢献できることを語る。
学力中間層にやる気の点火を
私たちは、塾として生徒たちに「真の学力」をつけさせたいと考えています。
中学受験の場合は、そもそも入試で求められる学力と学校内容は殆ど乖離しているということですから、善し悪しは別にしても、生徒保護者ともその気で臨んでいます。ところが、中学生位になると、現在は、それ以前のやる気の引き出し方を必要とする生徒が増えています。特に全国的に「勉強離れ」「塾離れ」を起こしているいわゆる学力中間層の生徒たちは、塾に通い始めたときは、ホームタスク(宿題)を疎かにしたり、忘れ物や遅刻をしたりする子もいます。このような学習習慣をつけたり、規律にあたることを教えることも塾の役割となっています。
以前であれば、塾は、学力上位層に対して学校よりもさらに高度な内容を教えること、最終的にきちんと志望校に合格させることが役割でした。しかし、昨今の社会環境の構造的な変化から塾の役割は大きく変化してきました。いわゆる学力中間層に、学習意欲や自信と基礎学力を身につけさせることが重要になってきたと感じています。
当塾でも、「中学生全体の基礎学力や意欲の低下」は深刻な問題と捉えています。例えばほんの一例ですが、小学生でも、受験をしないコースでは、モチベーションアップのために漢検をはじめとした、少しずつ努力すれば効果が現れ、学習意欲の向上につながるコンテンツを、今後も積極的に導入し、生徒の基礎学力の引き上げに努めていきたいと考えています。地域ごとの商品開発にも取り組み、生徒たちにできるだけ長期的な目的を持って学力を向上させ、モチベーションが高まっていくような仕組み作りをしていきたいと考えています。
子ども達の学力向上、モチベーション作りのため、学校、家庭との連携の推進力となる

私共が協力していますNPO法人「次世代育成フォーラム・リスタ(03-5850-3320)」では、全国学力測定テストを実施しています。このテストには、是非、できるだけ多くの塾と学校の生徒さんにも参加していただきたいと思っています。このNPO活動は、当塾に通う生徒以外の子どもたちの勉強に対するモチベーションアップに貢献したいとの思いによるものです。学力テストと一緒に行うアンケートは、生徒の学習や生活に関する意識を向上させることも狙いとしています。今年の各塾の春の生徒募集を見るまでもなく、新たな、勉強を必要とする層の掘り起こしは一塾だけの問題ではなく、塾同士が手を携えて関わっていかなければ達成できません。
このような時代背景、社会環境だからこそ塾は、家庭や学校、あるいはマスコミの協力も得て、大人としての連携を強めていかなければなりません。学校の勉強が分かる、良い成績が取れた、ということも短期的にはモチベーションアップに繋がります。その積み重ねが、長期的な真の学力向上に繋がっていきます。勉強したいという子ども達を増やし、やる気にさせていく。この連携のハブ(連結点)になることも塾が担っている大きな役割の一つではないでしょうか。

- (株)市進 常務取締役市進学院校長 益田耕次 さん
- 1950年 香川県生まれ
1997年 市進予備校教育本部長に就任
1999年 市進学院教育本部長に就任
2001年 取締役、市進学院教育本部長に就任
2008年 常務取締役 市進学院校長に就任(現在に至る)

- このコーナーは、財団法人日本漢字能力検定協会の協賛の下、連載しています。
- 日本漢字能力検定協会
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