勤務環境、保護者、生徒、上司、大学生講師…。週休2日・福利厚生の充実が当たり前の世の中で、まだまだ決して労働環境が整っているとは言いがたい教育業界。
たしかに愚痴はたくさんあるけれど、でもやっぱりやめられない。
結局、子供が好きで、教えることが好きで、この仕事が好きだから。
愚痴の三
「どこのエライサンですか?」
『以下のことを禁止します。
私語・携帯電話・メール・遅刻・途中退出・居眠り・妨害…』
全国の学習塾で毎日生徒と格闘しているみなさん、こんにちは、ぱぴぃです。
先週から大学や予備校の授業が始まりました。年度初めの授業というのはいろいろな話をしておく必要があるため、何かと神経使います(この記事を書いているのは4月中旬です)。
(1)この講義の目的、指導カリキュラム
(2)(大学の場合)単位とテスト ←学生にはコレが一番大事なんでしょうが…
(3)受講にあたっての注意 などなど

上の文章は授業に臨むに当たっての注意事項ですが、誰宛てかわかりますか?
あまりにも当たり前な内容なので、小学生や中学生に向けているように見えるかもしれませんが、実はこれは大学のシラバスに載せている文章なんです。
大学生というのは未成年とはいえほぼ大人。
『こんなことまで…』と思うかもしれません。しかし「こんな当たり前のこと」が守られていないのも事実です。現にシラバスに載せているだけでは、まず読んでくれません。そのために第1講でシラバスを印刷したものを配り、わざわざ説明します。
僕は大学生には初回の授業で必ずこのように言います。
『みなさんは大学生に入った時点で「生徒」から「学生」に変わります。生徒と学生は字が違います。具体的には、生徒の「徒」という文字がなくなります。この「徒」という字は「召し使い」の意味があります。すなわち生徒は学習を強いられる人であり、「学生」のみなさんは自らの意思で学習をする人となります。だから、「イヤイヤ受講する」こと自体がおかしく、受講するからには「自ら率先して」勉強するべきであり、それができないなら出席すべきではない。』
『この授業では、みなさんを子供扱いしません。真面目に物理を勉強したい人だけが参加して下さい。そのために僕自身は精一杯授業をします。出席もとりませんので来たくない人は来ないでください。』てな感じです。

これだけあらかじめ説明しても、必ず「つわもの」は存在します。
●学生1
遅刻をしても『遅れてすみません』の一言もなく、堂々と入ってくる。
→『ナニサマデスカ?』
●学生2
5分後には寝てしまう。起きるのは授業終了時…。
→『何で教室で寝るん?寝たかったら他に行ったらええやん。独りで寝れんの?』
●学生3
やたらメールばかりしている。(視線と左指のすばやい動きでわかります)
→『彼女とけんか中?授業終了時でええやん。そんなに慌てて打たないとやばいん?』
●学生4
やたら鏡で顔をチェックし、化粧をなおす。
→『今綺麗になってもしゃあないやん。てか若いうちはあんまりせん方がええで』
(さすがに化粧直しをしている学生には、途中でやめさせにくいので言いづらいところもありますが…)
●学生5
やたら人に教えたがる(特に物理の得意な男子学生から未習者の女子学生へ)。
→『ポイント稼ぎ??てか、俺の仕事なくなるやん。』
その他、内職(他の講義の勉強)をする学生、トイレによく行くなど…
僕の授業ではこういう学生は即刻注意し、場合によっては退出させます。
たしかに注意するには勇気が必要です。そして注意した後の教室の雰囲気も悪くなります。そうなるのが嫌なので、初回に上記のような話をして伏線を張っておくわけです。
実はこのような状況になるのは単に学生だけの問題ではなく、私たち講師にも原因があります。
教科書を読むだけのわかりにくい・つまらない授業を90分も聞くのは苦痛です。
例えば免許の切り替えであまりにもツタナイ説明をされた場合、みなさんもじっと座り続けるのは苦痛でしょう?
受験を控えた中学3年生や予備校生はまだなんとか耐えます。
それは受講生自身に「合格」という明確な目標・目的があるからです。
目標があれば何とかくらえついて理解しようとします。
しかし、大学生の中には、「大学に入学すること」自体を目標にしてしまった学生もいます。
当然、いざ入学してしまうと勉強についての目標が薄れてしまいます。そんな学生にとっては苦痛以外何ものでもありません。
(本来、何の勉強をするために大学へ行くのかを考えて大学受験するべきなんですけどね…)
もちろん僕の授業ではほとんどの学生が熱心に聴いてくれています。でも上記のような学生が1人でもいると、かなり僕自身のテンションが下がります。そうなると他の学生もツマらなく感じてしまうので、授業をしていても楽しくありません。
だから極力コチラに向いてもらえるようにします。大阪で言うところの芸人根性!?ですね。いかにこちらに注意・関心を引き続けられるか?
『寝るな、メールするな、…』と言っておいて、面白い授業でなければ学生(生徒)は可哀想です。ですから僕自身はいろんな手を使います。
これらは全て、自分に注目してもらうため!なんです。聞いてもらわないとさびしいし、やってて自分が楽しい授業でないと、学生にわかりやすい授業なんて提供できませんから!
ではどうするか?それはまた別の機会に…。


- 本名:中平徹也(なかひらてつや)。
現、個別指導予備校10Ps(テンピース)代表兼大学・予備校講師。
京大農学部からバーテンダーを経て、教育業界に。
常に複数の団体に所属しているため、大学、予備校、小・中学集団授業、個別指導、衛星授業管理など、さまざまな指導形態を経験。指導教科は物理・数学・地学など。
趣味はダーツ、海外旅行。
特技はマジックと4ヶ国語話せること。
座右の銘は「人生愉しく」








