塾経営をされている法人オーナーに相続が発生した場合は、相続財産として自社株式を評価し、相続税を計算することになります。相続税の基礎控除(平成24年時点:5,000万円+法定相続人×1,000万円)を超える方は相続税の申告書を相続発生から10ヶ月以内に税務署に提出し、相続税を納付しなければなりません。今回は自社株式の評価について説明させていただきます。
【1】評価は出資した金額?
法人を設立した際に資本金を払い込み、会社経営をされてきたかと思います。では、株式評価とは払い込んだ資本金とイコールなのでしょうか?
答えは間違いです。法人が事業を運営していくなかで、会社に儲けが継続して溜まっているようであれば、設立時より当然株式の価値は上昇しています。
【2】どのようにして評価をするか
自社株式は上場されている株式と異なり、流通しているものではありませんので一般に取引される値段もありません。相続や贈与をする際の税金の計算には財産評価基本通達という評価のルールにしたがって評価を計算しなければなりません。
| オーナー株主 (例 社長一族) |
オーナー以外の株主 (例:少数従業員株主) |
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|---|---|---|
| 純資産価額方式 | 類似業種比準価額方式 | 配当還元価額方式 |
| 会社の貸借対照表を相続税評価に置き換えて、一定の計算を行い評価を算出します。 | その会社と事業が類似する上場会社の株価を基に(1)配当、(2)利益、(3)純資産 の要素をサンプル業種の会社と比較して評価を算出します。 |
少数株主が所有する株式の価値は配当の期待程度ですので、配当率を基に計算して評価を算出します。 |
評価される方が自由に上記(1)純資産価額方式、(2)類似業種比準価額方式、(3)配当還元価額方式と評価を決めるのではありません。まずは、株主やその親族の所有状況に応じて、オーナー株主に該当するか否かを判定します。
またオーナー株主は会社の規模(従業員数、取引金額、純資産価額)に応じて純資産価額方式と類似業種比準価額方式の評価割合が異なります。大きな会社であれば上場企業の株価(塾経営であれば教育・学習支援業の株価 国税庁より数値が発表されます)をベースとした類似業種比準価額方式の加重割合が高くなります。
今回の寄稿では詳細な株主の判定や評価方法については解説いたしません。相続税の評価の中でも株式の評価は難易度の高い評価となっていますので、評価の詳細については相続税に詳しい税理士の専門家に確認されるのがよいかと思います。
【3】こんな問題点が潜んでいます
自社株式を実際に評価してみると、当然に優良な法人であればあるほど評価は高くなります。思った以上に評価が高く、万が一の際には相続税が心配というオーナーもおられるかと思います。
一方、相続はまだまだ先だが、従業員やあまり関係の良くない者から自社株式を買取ってくれといった困った事例もあります。
このようなトラブルは頻繁に発生するものではありません。しかし、発生してしまうとかなりの労力、時間を費やすことになってしまいます。
トラブルが発生する前の予防という意味も込めて、何年も自社株式を評価されていない方は一度ご自身の会社の株式を評価してみてはいかがでしょうか。









