リーマンショックに端を発した、大不況。どの企業も利益の確保に必死な中、おろそかにされがちなのが労務管理。
しっかり対策を講じておかないと、何倍ものツケを払わされることになりかねません。
そこで、このコーナーでは経営者はもちろん、これから起業を考えている方にも有益な情報を、労務管理の事例とともにご紹介します!
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退職金編
日本航空(JAL)の再建の話題がテレビや新聞で報道されています。クローズアップされているのは企業年金です。この企業年金とは、国の厚生年金などとは別に、企業が独自に退職者に年金を支払う制度です。退職金というと、退職時に支払われる退職一時金をイメージしますが、この企業年金も退職者に支払うものですから、退職金の一種となります。
一連の報道では、この年金の支給額は手厚く、低金利が続く中で、企業の負担が大きくなり、再建の足かせとなることから、受給者であるOBにその減額に同意を求め、3分の2以上の同意を得て、減額が実施されることになりました。ここまではテレビや新聞での話なのですが、実は身近なところで中小企業にも同じような問題が潜んでいるのです。
その中小企業の退職金問題のひとつに、「適格年金の廃止・移行」という問題があります。適格年金は、税制上のメリットがあり、中小企業を中心に普及した制度ですが、支払う額を決めて掛金を算出する確定給付型となっており、低金利が続く状況の中で積立額の不足が起こっています。そして、適格年金は法律により、平成24年3月31日までに、ほかの制度に移行もしくは廃止するなどの対応が必要となりました。

そもそも、退職金制度は法律で義務付けられているものではありませんが、制度がある企業ではその支払いが義務付けられます。しかし、実際に退職金を支払うのは先になるため、長期的な視点なく軽く考えているケースが多いのが実態です。JALの場合でも、制度を作った時は高度成長期で、現在の経済・経営状況まで予測できなかったため、経営を揺るがす大問題となりました。JALは国が助けてくれますが、中小企業は誰も助けてくれません。退職金は人事の問題であり、実は財務の問題でもあるのです。
このように退職金制度は、将来に渡って企業経営に影響を及ぼします。適格年金の移行がまだの場合は、期限が迫ってきましたので検討をお急ぎ下さい。我々の事務所では、これから退職金制度を作る、もしくは見直す経営者のみなさまに、退職金制度が本当に必要なのか、必要な場合は金額の水準、算出方法の設計、効率的な積立方法の設計、管理・メンテナンス方法の設計など、退職金制度全体についてアドバイスしております。多面的な検討が必要になるテーマですので、ご検討の際には、我々専門家をご活用下さい。
提供/NPO 法人「役立つ税理士協議会」 著者/前野睦
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