知らなかったでは済まされない!労務管理の現場から~労務課題事例~

リーマンショックに端を発した、大不況。どの企業も利益の確保に必死な中、おろそかにされがちなのが労務管理。
しっかり対策を講じておかないと、何倍ものツケを払わされることになりかねません。
そこで、このコーナーでは経営者はもちろん、これから起業を考えている方にも有益な情報を、労務管理の事例とともにご紹介します!

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社会保険料を安くしたい!

 労働保険料や社会保険料などの公的保険の保険料が高いと嘆く経営者は実に多く、私のところにも多くの相談が寄せられます。  健康保険料と介護保険料は22年3月分から大幅に上がり、雇用保険料も4月からアップしました。また、厚生年金保険料も毎年9月分から上がり、収益を圧迫する要因となっています。
 人を雇っている以上、不正に公的保険の保険料から逃れることはできませんが、いろいろと工夫をすることで節約することは可能です。

 (1)公的保険に加入しない人を活用する
 正社員に比べて勤務時間の短いパートタイマーやアルバイトは、勤務日数や時間を調整することで公的保険に加入せずに済みます。

【公的保険の加入要件】

公的保険の種類
加入する従業員の要件
社会保険
健康保険
労働時間・日数が、正社員のおおむね3/4以上
厚生年金保険
労働保険
雇用保険
週20時間以上の勤務
労災保険
1日だけの勤務でも全員加入

(2)人を雇わずに済む工夫をする
 企業内でどうしても行わなくてはならない仕事以外はアウトソーシングすることで、人件費自体を削減することが可能です。例えば経理事務を会計事務所、公的保険等の総務事務や給与計算事務を社会保険労務士事務所に委託する、などは効果的です。

(3)4~6月の給料の額を少なくする
 社会保険料は毎年4~6月の給料の平均額をもとに、1年間の保険料の等級が決められます(定時決定と言います)。そのため、4~6月は残業時間を減らすなどして、給料の額を抑えることで保険料を低く抑えることができます。

(4)昇給時期をずらす
 (3)と同様、4月に昇給している会社の場合、4~6月の給料の額が上がってしまいます。7月以降の昇給にすることで保険料の上昇を抑えられます。ただし、保険料の等級が2段階以上変動するような昇給の場合、③とは関係なく保険料が変更される(随時改定といいます)ことになるので注意が必要です。

(5)保険料の等級を利用した給与設定をする
  社会保険料の金額は、保険料の等級表によって決められます。例えば月195,000円以上210,000円未満の給料の人は「20万円」という等級になり、210,000円以上230,000円未満の給料の人は「22万円」という等級になります。保険料の差は月4,000円以上になります。新しい人を採用したりするときや、昇給をしたりするときはこの等級を気にすると、保険料の削減につながります。

 以上のように、公的保険料を劇的に安くすることはできませんが、(1)~(5)の方法を組み合わせることで負担感を軽減することができます。それぞれの実際の運用方法については社会保険労務士にお問い合わせください。

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NPO 法人「役立つ税理士協議会」は、税務等に関する様々な知識向上を図ることで、経済発展に貢献したいという考えにより設立。税務・会計・リスクマネージメントの専門家を数多く擁し、顧客第一主義を理念として、中小企業経営者にとって「役に立つ」能力の高い人材を推薦している。一般的な財務に関する相談はもちろん、税務に関する悩み、事業継承などの相談も随時受付中。
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著者プロフィール
藤井恵介

『役立つ税理士協議会』提携
藤井社会保険労務士事務所 社会保険労務士

●昭和4761日生れ。神奈川県藤沢市出身。湘南高校を経て一年浪人。京都大学農学部農林経済学科卒業。
●平成8年、名古屋の食品メーカーに就職。経営企画部で関連会社の立ち上げと事業が軌道に乗るまでのフォローなどを担当する。
●平成11年、京都の半導体メーカーに転職。人事部で主に理科系新卒の採用担当として、年間200人を採用。内定者教育・新入社員教育の企画、実施も行う。
●平成17年、社会保険労務士事務所を開業。会社を成長させ、理想の未来を現実のものにしていくために、採用面接や就業規則、コンプライアンスに関するコンサルティングや総務事務アウトソーシング等を行う


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