知らなかったでは済まされない!労務管理の現場から~労務課題事例~

リーマンショックに端を発した、大不況。どの企業も利益の確保に必死な中、おろそかにされがちなのが労務管理。
しっかり対策を講じておかないと、何倍ものツケを払わされることになりかねません。
そこで、このコーナーでは経営者はもちろん、これから起業を考えている方にも有益な情報を、労務管理の事例とともにご紹介します!

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未払い残業代の発生について

 最近、労働トラブルで増えているのが未払い残業代の請求です。未払い残業代の請求は、一般的には時効にかかっていない過去2年分まで遡及して支払うよう請求されますが、訴訟ともなると、未払い賃金部分だけでなく遅延損害金や訴訟費用、果ては未払い賃金部分の同額を上限とする付加金まで支払わなければならない事例もあります。

 会社はきちんと残業代を支払っているつもりでも、労働時間の集計方法や残業代の計算方法を間違えていたり、支給している固定残業手当だけでは足りなかったり、管理職であるからといって残業代を支払わなかったり等々によって法律通りに残業代が支払われていない場合もあります。労働時間を日々30分単位で切り捨てている、残業代の計算基礎に含めなければならない賃金を含めていない、計算に用いる1ヵ月の平均所定労働時間数を実際より大きくしている等によっても、未払い残業代が発生することにつながります。

 一般に言われる「残業代」は、労働基準法が定める「割増賃金」に相当するものです。同法の割増賃金は3種に大別され、(1)通常の勤務日に法定労働時間(1日8時間)を超えて労働をさせた場合の「時間外割増」、(2)法定休日に労働させた場合の「休日割増」、(3)深夜時間帯(午後10時から午前5時)に労働させた場合の「深夜割増」があり、それぞれ定められている割増賃金率以上の割増で賃金を支払わなければなりません。

注意して頂きたいのは、割増賃金は時間外労働の場合だけでなく、休日割増や深夜割増のように労働した日や時間帯によってもかかってくるということです。

例えば、夕方4時から勤務を開始すると午後10時の時点ではまだ6時間を経過しただけですから時間外割増は不要ですが、午後10時以降は25%以上の深夜割増が必要となります。終業時刻が午後10時30分ならば、30分に対する深夜割増を付さなければなりません。未払いが発生している場合、1人1日当たりでは少額であっても、日額が積み重なり該当者が増えれば金額も大きくなります。

未払い残業代の発生リスクを小さくするためには、賃金制度を見直すだけでなく、変形労働時間制等の労働時間制度の導入や、就業時間の管理方法を工夫する等、様々な手法を組み合わせることが必須です。私どもは日々、クライアントに対して事業場における種々の労務管理方法をアドバイスしております。

 平成22年4月1日から改正労働基準法が施行されました。これにより法定休日以外の日に行わせた時間外労働が1箇月に60時間を超えると、超えたところからさらに割増賃金が上乗せされます(図中の125%のところが150%、150%のところが175%となります)。中小事業主は適用除外となっていますが、3年後の見直しに向けて時間外労働の削減努力を進めることも労務管理上必要でしょう。

 今のところはトラブルに至らず過ぎ去っているだけかも知れません。今一度、御社の現状確認を!!

提供/社会保険労務士法人IMI 代表社員 伊藤 隆

通常の賃金に上乗せする割増賃金部分

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NPO 法人「役立つ税理士協議会」は、税務等に関する様々な知識向上を図ることで、経済発展に貢献したいという考えにより設立。税務・会計・リスクマネージメントの専門家を数多く擁し、顧客第一主義を理念として、中小企業経営者にとって「役に立つ」能力の高い人材を推薦している。一般的な財務に関する相談はもちろん、税務に関する悩み、事業継承などの相談も随時受付中。
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著者プロフィール
伊藤 隆

『役立つ税理士協議会』提携
社会保険労務士法人IMI

企業の身近な相談役として

 弊社は創業以来、クライアントの立場に立ったサービスの提供を心掛けており、多数の会社立ち上げから発展される過程における労務面のサポートを行ってきました。

 地域別・専門別にスタッフを配置しており、労働・社会保険法令関係等、全ての業務に正確かつ迅速なアドバイスを日々心がけております。又、経営者の皆様にとって身近な相談役であることを念頭に皆様の抱える経営上の諸問題について、各専門家と協力し問題解決に当たれるよう併設の近代労務管理センターに弁護士、税理士、司法書士、弁理士等、各士業の顧問団を配置し、経営者の皆様方、従業員方が安心して働ける職場環境の実現を誠心誠意サポートさせて頂き、社業の発展に寄与致します。


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