リーマンショックに端を発した、大不況。どの企業も利益の確保に必死な中、おろそかにされがちなのが労務管理。
しっかり対策を講じておかないと、何倍ものツケを払わされることになりかねません。
そこで、このコーナーでは経営者はもちろん、これから起業を考えている方にも有益な情報を、労務管理の事例とともにご紹介します!
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残業代を低減させる工夫
残業代(割増賃金)の算定式は法令に定められており、図式のとおりとなっています。(1)、(3)、(4)を小さくし、(2)を大きくすれば算出される値(割増賃金)は小さくなります。ただし、(3)の割増率は時間外、休日、深夜それぞれ法令で率が定められているため法定の下限を上回る率以外は事業場で変更することはできません。(3)以外の要素については各事業場で工夫できます。

(2)の1ヵ月平均所定労働時間を大きくするには所定労働時間や労働日を増やすことですが、むやみに増やせません。変形労働時間制の導入や休日・休暇の設定を見直しする等法定の範囲内で行う方法があります。変形労働時間制とは、一定期間内を平均して週40時間を超えないようにする制度で、1ヵ月単位、1年単位、フレックスタイム制等があります。週又は季節によって繁閑の差が生じる場合、繁忙期に労働時間・労働日を多くし閑な時期には少なく設定して一定期間を平均して弾力的に運用できます。また、年間の休日数が多く年次有給休暇の取得が少ない企業では、休日数を見直して年次有給休暇の計画的付与を行う等休暇を利用することが対策の一助となります。
(4)の労働時間数は、時間外、休日、深夜の、いわゆる残業時間です。裁量労働制や勤務時間のシフト制は時間削減の一つの方法ですが、何より大切なことは「残業しなければ業務をこなせない」「残業するのは良いことだ」等の意識を変えることです。効率よく業務遂行することを評価し残業削減を推奨する社内づくり、労務管理を厳格にし、無駄な残業をしない、させない。社長と管理職、従業員それぞれが残業に対する意識を変えることです。残業を許可制にする方法も有効ですが、許可制を厳しくしすぎるとサービス残業が増えることとなり、残業しなければこなせない業務量を課している場合は適正に労働時間を管理せずサービス残業を助長していることになり、制裁を受けることにもなりかねません。
一つの手法のみを実行すると大きな不利益変更を招きかねない場合もあるため、複数の手法を組み合わせて残業代を低減する方法を私どもは提案しております。労務管理の工夫をするには、就業規則の規定や労使協定の締結・届け出が必要な場合もあります。導入の際には、社会保険労務士にご相談ください。
提供/社会保険労務士法人IMI 代表社員 伊藤 隆
NPO 法人「役立つ税理士協議会」は、税務等に関する様々な知識向上を図ることで、経済発展に貢献したいという考えにより設立。税務・会計・リスクマネージメントの専門家を数多く擁し、顧客第一主義を理念として、中小企業経営者にとって「役に立つ」能力の高い人材を推薦している。一般的な財務に関する相談はもちろん、税務に関する悩み、事業継承などの相談も随時受付中。
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