私学×私塾トップ対談 日本の教育はどこに向かうべきか!? ノブレス・オブリージュ~世界に貢献する子どもを育てる~

株式会社ナガセ 代表取締役社長 永瀬 昭幸 氏×東京都市大学等々力中学校・高等学校校長 海老原 大樹 氏×東京都市大学等々力中学校・高等学校副校長 原田 豊 氏

コーディネーター 森上教育研究所 主宰 森上 展安 氏

教育改革が叫ばれて久しい。
そんな中、時代のニーズにあった教育機関づくりに日々粉骨砕身する教育者たちがいる。
今回は、日本を代表する私塾を率いる株式会社ナガセの永瀬昭幸社長、および本年4月から新たに募集が行われる東京都市大学グループ、等々力中学校・高等学校から海老原大樹校長と原田豊副校長を招き、公教育と民間教育それぞれの立場から、あるべき教育の姿を語っていただいた。

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崇高な理念のもと、優れた人財の育成を

永瀬昭幸(ながせ・あきゆき)
1948年鹿児島県生まれ。私立ラ・サール高校、東京大学経済学部卒。東京大学在学中に、自宅のアパートで開塾。卒業後、野村證券を経て、1976年に株式会社ナガセを設立。その後、東進ハイスクールや東進衛星予備校などを全国に展開。2007年に四谷大塚の社長に就任。世界に誇れるリーダーを育てるべく、小学生から大学生までの総合教育に力を注ぐ。

―本日は「日本の教育はどこに向かうべきか」というテーマで、私学と私塾を代表されるお三方にお話をうかがいたいと思います。

永瀬(以下、敬称略)「東京都市大学」とは、とても良いネーミングですね。常に時代を牽引してこられた東急グループの先進性とスケールメリットが十分活かされた校名だと思います。

海老原ありがとうございます。実は、校名変更の影響もあってか、東京都市大学では、受験生数が25%アップしました。もともと東急グループの創始者、五島慶太翁による五島育英会を母体とした法人で、このたび武蔵工大と東横学園女子短大を合体させて東京都市大学を創立し、同時に既存の付属幼稚園から高校までを東京都市大学グループとして統合しました。私自身は武蔵工大で教鞭をとった後、短大学長を任されていたのですが、今回の統合によって、等々力中学校・高等学校の校長として新たなスタートをきり、現在は来年度の共学部設立に向けて奮闘中です。

永瀬私どもは進学塾としてスタートしましたが、現在は小学校から大学のビジネススクールまでカバーできるようになりました。これによって、目先の入試で志望校に合格させるという近視眼的な目標だけでなく、一人の生徒を対象に長いスパンでじっくりと育成できるようになったと思います。

貴校はグループとして幼稚園から大学まで一貫した教育体系をお持ちですが、いかがですか?

海老原大樹(えびはら・だいき)
東京都市大学等々力中学校・高等学校校長、工学博士。武蔵工業大学名誉教授、東横学園女子短期大学学長、東京都市大学副学長。電気学会「産業用リニアドライブ国際シンポジウム」国際運営委員会委員長、日本AEM学界顧問、日本能率協会「モータ技術シンポジウム」顧問。「電気機器」(共立出版)、「これでわかる小形モータ」(工業調査会)、「モータ技術実用ハンドブック」、「モータ技術用語辞典」(いずれも日刊工業新社)、編集委員長など多数。

海老原そうですね。今までは各校で独立採算的に運営していましたが、徐々にグループ連帯へと移行しています。既存の学校が培ってきた利点を継承しながら、生徒への教育方法を共有し、うまく連携していくことができればと考えています。

また、中高一貫校のメリットを活かす試みとして、「SA制度」を採用します。先輩が後輩を指導するこのシステムも、「ノブレス・オブリージュ(= noblesse oblige:高潔な貴人の義務)」の実践であるはずです。

永瀬バックボーンに大きな企業(東急グループ)をもつ学校というのは、全国的にも稀有な存在ですね。実業界に近い環境で学べるということは非常に素晴らしいことだと思いますし、特に貴校の「ノブレス・オブリージュ」に基づいた教育理念には感銘を受けました。私自身も大好きな言葉です。

海老原五島慶太翁が等々力の旧校をつくったのは約70年前です。東横学園は元々、日本の女子教育のレベルアップを目指して創立されたのですが、実は当時、東横百貨店のために、良質の販売員を養成したかったという背景もあるのです。健康で品性があり、情緒豊かな学生の育成を建学の精神としていました。この基本的な概念は、今回の共学化でもしっかり引き継いでいきたいと考えています。

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