Vol.7信頼ある絶対評価として
進学などに活用される
日本数学検定協会

「数検」と聞いてピンと来ない塾経営者はいないだろうが、近年は教育界のみならず、ビジネスや生涯学習といった分野からも注目を集めているのをご存知だろうか。その「数検」の最新動向をお届けする。
「数検」の新たな取り組み
実用数学技能検定「数検」(東京都葛飾区、髙田大進吉理事長)は、「英検」「漢検」と並ぶ3大検定の一つとして、算数・数学に関する検定のスタンダードとなっている。そして、国際社会における日本の理数の学力低下が取り上げられるなか、「数検」は確かな数学力を身につけられる絶対評価の基準として、教育界では広く注目を集めている。「数検」は、高等学校や大学入試で優遇されるほか、単位として認定する学校も増加していることもあって、全国の中学生・高校生が数多く受検している。
平成19年の受検者数は32万人を超え、日本国内でも有数の受検者を誇る検定であるが、最近ではフィリピンや韓国、インドネシアなどでも現地の言語に翻訳されて実施されており、国際的な展開も進められている。
また、「数検」の準2級以上を取得すると、数検財団が認定する「数学コーチャープロA級・B級」といった資格取得への道も開かれている。数学コーチャーは「学習者とともに学ぶ」ことを第一とした数学学習のプロフェッショナルとして注目を集め始めており、とくに学習塾の講師や家庭教師などが自らの指導力を向上させるため、数学コーチャーをめざす例が増えてきている。
今年は全国初の「数学選手権大会(団体戦)」を9月14日、15日の二日間に渡って開催する。全国屈指の進学校が知力をふり絞り、日本一をめざして戦いを繰り広げる。
「数検」受検者増の背景には、このような検定以外での公益事業の充実があるといえる。
グループ全体で取り組む塾が増加
「数検」は年間でのべ約4,600の学習塾が実施している。なかでも組織全体を上げて「数検」に取り組んでいる学習塾の一つに「サイエイスクール」(埼玉県)がある。
サイエイスクールは、約10年前から「数検」を導入しており、特にここ数年の検定への取り組みは積極的だ。その結果として、数検財団から「数検」優秀校に贈られる『「数検」グランプリ金賞』を3度、『文部科学大臣奨励賞』を1度、過去に受賞している。サイエイスクールの松村幸夫・スクール長に話を聞いた。
―「数検」などの検定導入のきっかけは?
松村 サイエイスクールの指導方針の一つに「挑戦する姿勢を育てる」という教育目標があります。検定は級ごとに学習到達目標が明確であり、スモールステップの成功体験を積み重ねることで“やる気”を生み出し私たちがめざす「挑戦する姿勢」を育てることにつながると考えました。同時に取得した検定資格は、内申書等にも記載され、高校受験・大学受験に役立ちます。サイエイスクールの受験生にとっては受験のための強力な“武器”になっています。
―「数検」に向けての指導は?
松村 サイエイ内部の規定に則り「検定対策授業」を行っています。在校生は無料で参加できます。
通常授業以外の時間帯に設けるので、生徒の学習機会を増やすことにつながっています。合格のためだけの勉強としてではなく、学力向上の貴重な機会になっています。
―「数検」の導入による成果は?
松村 受験学年以外の生徒に、数学の総合問題を勉強させる機会が増えました。受験学年以外では、どうしても単元別の学習に追われてしまいます。広い範囲の総合問題に触れる機会が増え、数学力の向上に役立っています。
サイエイの生徒では小学生で3級、中学生で2級を取得する生徒が多数います。サイエイスクール正社員講師の指導力と「数検」へのチャレンジで、学校での学習領域を超えた学力を身につけ、有名難関校に多数合格しています。検定資格の取得とともに、サイエイの指導力の成果と自負しています。
― 今後の方針は?
松村 これまでどおり検定への挑戦を通し、学力向上と志望校合格をめざします。
受験と検定の勉強を分けて考えるのではなく、どちらの勉強もしっかりと結びついており、勉強したことは全て生徒の財産になっています。これからも子どもたちの未来に影響を与える責任の重さを常に自覚し、「生徒のために」努力を重ねることがサイエイスクールの使命であると考えています。
こうしたグループ単位での取り組みも、今後国内ではさらなる拡がりを見せるだろう。そして、日本からアジアへ、アジアから世界へと、グローバルスタンダードな検定をめざして着実に歩みを進める「数検」に期待が寄せられている。

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