Archive for: 5月 2015

教育目的税導入を提言 自民

自民党の教育再生実行本部(本部長・遠藤利明衆院議員)は5月19日、必要な教育投資と財源確保について提言をまとめた。教育目的税の導入や、将来的に消費税率を上げる際、教育を使途とすることなどを盛り込んだ。提言では、所得税や個人住民税などの控除の見直しのほか、特色ある教育のために地方自治体による教育目的税の導入も考えられるとした。

家庭の貯蓄残高、平均1798万円 過去最高14年、総務省発表

総務省が5月19日に発表した2014年の1世帯あたりの平均貯蓄残高は、13年より59万円多い1798万円で過去最高となった。平均貯蓄残高は、2人以上の世帯が対象の家計調査によるもの。現在の調査方式になったのは02年で厳密な比較はできないが、同様の調査で過去最高だった00年の1781万円を17万円上回った。内訳は、定期預金が758万円(13年比34万円増)、普通預金が380万円(同24万円増)、株などの有価証券が251万円(同11万円増)。

長期入院した子供、学習指導4割受けず  文科省が13年度初調査

文部科学省の初の実態調査で5月20日、病気やけがで年間計30日以上の長期入院をした児童生徒が2013年度には約6300人おり、約4割は学校側から学習指導を受けていなかったことが分かった。病院に近い特別支援学校に移るなど、入院のために転校した児童生徒は約4700人いた。長期入院した児童生徒は延べ6349人で、内訳は小学校が1478人、中学校が1291人、高校が1124人など。全体の約4割に当たる2520人は在籍している学校から学習指導を受けていなかった。

月刊私塾界2015年6月号(通巻410号)

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巻頭言

入学試験、合格発表、新年度生募集、春期講習、1学期生募集と、息つく間もない怒涛の数か月が過ぎ、少し静かな落ち着いた日常を取り戻していることでしょう。合格実績、生徒募集で挙げた、大きな成果の感慨に浸り、多大な満足を得ていることと拝察する。
米ケネクサ社が2012年に実施した「従業員エンゲージメント指数」調査がある。「従業員エンゲージメント」とは、「組織の成功に貢献しようとするモチベーションの高さ、そして組織の目標を達成するための重要なタスク遂行のために自分で努力しようとする意思の大きさ」である。つまり「仕事に対するやる気」だ。
1位はインド77%、2位デンマーク67%、3位メキシコ63%と続く。日本は、調査28カ国中最下位、31%である。27位の韓国から9ポイントも離れる。
この指数は、単なる従業員満足度ではない。企業の価値観と従業員の価値観が、互いにしっかり噛み合っているか、である。更にそれらが、顧客の価値観とも噛み合っているかが、従業員のやる気に対し重大な影響を及ぼす。
読者諸氏が経営する学習塾では、如何だろうか。
自社の価値観と社会の価値観がエンゲージメント(しっかり噛み合う)していなければならない。更に、教育理念や経営理念が、経営者の価値観とエンゲージメントしていなければ、従業員にも、社会に対しても説得力を持たない。
この時期、満足に浸るのみでなく、冷静に、自己を見つめ直してみては如何だろうか。

(如己 一)

目次

  • 92 塾ソムリエの講師研修指南 西村 則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)
  • 6 私の教育 子どもの成長にも、その先の人生にも、音楽を。 蓼沼 恵美子+澤 亜樹
  • 14 挑む私学 三田国際学園中学校・高等学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 42 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 44 【特集①】
    株式公開企業塾
    2015年度3月期決算を読む
  • 52 【特集②】
    教育再生実行会議の7つの提言から見えてきた
    これからの日本の教育
  • 58 TOP LEADER Company
    若松塾(株式会社聖文館)
    創立58年。不変の理念と次世代への変革は両立なるのか。
    Interview
    副理事長 井沢 伸平 氏
    保守と変革。どちらもこなす柔軟性を追求する。
  • 66 新しい塾のカタチ
    子供の可能性の芽を伸ばすために 伸芽’Sクラブ
  • 68 教育サービス業界 企業研究(33) 株式会社インフォクレスト
  • 70 Special Report
    公立学校と学習塾が取り組む
    官民一体型教育の先にある新しい学校のカタチ
  • 75 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(258)
  • 76 疾風の如く(71) 自由塾 町屋教室 教室長 吉元 和彦さん
  • 78 好機到来 日生日本語学園 理事長 呉 芳守 氏
  • 80 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(23)
  • 82 白書界隈徘徊話 西村克之(3)
  • 84 自ら動き出すチームにする方法(8) 中谷彰宏
  • 86 新米塾長のための「部下とサシで行きたいごはん屋さん」(23)
  • 87 芸術見聞録(23)
  • 88 高校生からの子育てハイウェイ(2)
  • 89 クロスワードパズル「塾長の机」
  • 90 為田裕行の「教育ICT行」(3)
  • 94 林明夫の「歩きながら考える」(118)
  • 96 咲かせよ桜(9) 小林哲夫
  • 100 未之知也(いまだこれ知らざるなり)(26)
  • 102 論点2015(6) 少子化問題。どこから来て、どこへ行く? ―中編
  • 106 編集後記
  • 108 Book Review
  • 110 塾長のためのガジェット講座

【休載のお知らせ】「challenge~進化形jukuのカタチ」は著者の都合により、当面の間休載することになりました。

司法試験合格 年1500人に 政府案

政府は5月21日、司法試験の合格者数を「年間1500人以上」とする検討案を公表した。検討案は政府の法曹養成制度改革推進室がまとめ、有識者会議(座長・納谷広美元明治大学長)の21日の会合で提示した。14年の合格者は1810人と8年ぶりに2千人を割った。法曹志望者は減少傾向にあり「何の措置も講じなければ合格者数は1500人を下回りかねない」と指摘し、1500人以上を確保すべきだとした。「年3千人程度」と2002年に閣議決定したが、13年に計画を撤回、適正な合格者数の検討を進めていた。政府は7月15日までに結論を出す。

法政大 パイロット養成コース

小金井キャンパス(東京都小金井市)の理工学部機械工学科の航空操縦学専修が法政大学のパイロット養成コースだ。工学部から理工学部への改編に伴って2008年に開設し、10年には国土交通省が指定する航空従事者養成施設になった。免許取得に必要な教育を一部海外の大学に委ねる大学もあるなか、飛行訓練を含めすべて国内で行うのが特徴だ。航空運送や防災ヘリコプター運航などを手掛ける本田航空(埼玉県川島町)の施設を利用し、埼玉県桶川市や大分県国東市にある飛行場で訓練する。

学童保育に民間企業の参入続々 千葉県

千葉市美浜区のJR稲毛海岸駅前で、イオンの子会社イオンリテールが4月にスタートさせた学童保育「イオン放課後教室」。4部屋に区切られた教室の広さは計約720平方メートル。小学1~6年生に年長児も加え、最大200人を受け入れる。延長保育は平日午後9時まで、土日や祝日の預かりにも対応する。流山市でも今年4月、市進ホールディングスが、つくばエクスプレス(TX)の流山おおたかの森駅近くに「7colors」(ナナカラ)をオープン。約260平方メートルの広さに定員は70人。月会費は週3日で2万8千円(税抜き)など。

理系人材育成へ「産学官円卓会議」 文科省

文部科学省は5月22日、企業や大学のトップが集まり、理工系人材の育成について話し合う「産学官円卓会議」の初会合を開いた。座長に大西隆・豊橋技術科学大学長。委員は、内山田竹志・トヨタ自動車会長や野路国夫・コマツ会長ら産業界5人、藤嶋昭・東京理科大学長ら大学などから5人、文科省と経済産業省の局長2人の計12人で構成。大学の専門教育での産業界との連携や、博士号取得者の企業での活躍などに向けた取り組みを検討する。理工系学部の人気が低迷する中、産業界からは基盤技術を支える人材不足が懸念されている。

海外で医学を学ぶ ISI国際学院 北京大学医学部進学コースで開学式

5月11日に、アカデミーホール(東京都豊島区)で、ISI国際学院 北京大学医学部進学コース第13期生の開学式が行われた。ISI国際学院は、留学を主とした教育事業を展開し、大学・高校・語学など、幅広い海外留学プロ グラムを提供している。その留学事業のひとつである「北京大学医学部進学コース」は、中国の最高学府である北京大学医学部において医学を学ぶための準備 コースと位置付けられている。

新入生たちは、まず東京で中国語、数学、物理、化学を約10ヶ月間学び、来年の3月に北京に渡る。そして、北京大学の予科コースで入学準備をし、来年の9月に正式に入学する。そこから6年間、医学を学ぶことになる。

北京大学は、大学評価の世界的指標のひとつである 「The Times Higher Education(2014‐2015)」において、48位にランクインするなど、世界的に評価が高い大学だ。その北京大学医学部のめぐまれた教育環境 の中で、新入生たちは学ぶことになる。その開学式には、北京大学医学部で学ぶことに魅かれた、全国の進学高校、国内外の名門大学の卒業生や社会人経験者た ち40名が集った。

新入生を代表して宣誓する柚木さん

新入生を代表して宣誓する柚木さん

新入生を代表して宣誓を行ったのは、柚木理克(ゆのき・みちかつ)さん。柚木さんは、岡山の大学で教育学を学び、教師になることを目指していた。し かし、教育実習の際、医療的ケアが確立されていないために、いつも保健室にいて授業に参加できない生徒を目の当たりにする。子どもによりそえる方法は、ほ かにもあるのではないか、と思ったそうだ。さらに、親友の死もきっかけとなり、医師になることを決意。

「必ず医師になるという初心を忘れずにがんばっていきたい。日本に戻ったあとは、すこしでも困っている人の力になりたいです」と、柚木さんは語ってくれた。緊張した面持ちで語る柚木さんだったが、その目には固い決意が宿っていた。

慣れない海外生活では、幾多の困難がつきまとうと思われる。しかし、留学事業で実績のあるISI国際学院のサポートを受けられることは、心強いので はないだろうか。また、海外で医学を学ぶことで、グローバルな視野をはじめ、かけがえのない知識と経験を得ることができるだろう。彼らの武運を祈りたい。

子供送迎サービス急成長 学校から塾、タクシーで

首都圏のタクシー会社で子どもを習い事や塾に通わせるための送迎サービスを強化する動きが相次いでいる。日本交通(東京・北)は「キッズタクシー」の専任運転手を今後数年で、現在の34人から100人に増やすほか、国際自動車(東京・港)はは女性運転手が子どもを送迎するサービス「リラクシー」の対象地域を拡大した。昨年11月のスタート時は東京都杉並区と三鷹市、武蔵野市限定だったが、今年3月に23区全体にも広げた。子育て中の共働き世帯を中心に平日のニーズに対応。需要開拓へ利用しやすい環境づくりに努める。