Archive for: 5月 2023

学研グループ×日販グループ 文具・雑貨、玩具領域で資本業務提携

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)は、日販グループホールディングス株式会社 (東京・千代田、吉川 英作 代表取締役社長)・日本出版販売株式会社(東京・千代田、奥村景二 代表取締役社長)・株式会社学研ステイフル(東京・品川、福本 高宏 代表取締役社長)との間で、2023年5月31日に資本業務提携に関する契約を締結した。また、同社の完全子会社である学研ステイフルの株式の51%を2023年7月1日に日販に譲渡することを決定いたしました。

 学研ステイフルは、「本以外にも、子ども部屋に必要なものは何でも揃えよう」という「学研子ども部屋構想」を掲げ、玩具や文具の事業を始めたことが源流となる。文具や雑貨の企画・製造・販売を行ってきた。
 株式会社 学研ホールディングスは、少子高齢化やIT化、グローバル化など、ライフスタイルが大きく変化していくなかで、学研ステイフルが商品、サービスを継続的に開発・提供していくため、日販グループという新たなパートナーとともに事業を推進することを決定し、学研ステイフルの株式の51%を、2023年7月1日に日販に譲渡するとともに、日販GHD・日販・学研ステイフルと資本業務提携を締結に至った。

資本業務提携の内容
 学研ステイフルと日販は、双方の強みを掛け合わせることで、様々な生活者のニーズを満たす価値提供の場を拡大することを目指す。玩具や文具・雑貨の商品企画機能を拡充し、商品ラインナップの充実を図るとともに両社が保有する販路を最大限に活用して、売上高を拡大を目指す。さらに、「知育」「学び」事業領域の強化や、海外ネットワークを活用したグローバル展開など、学研・日販両グループのリソースを活かした事業シナジーの創出も目指していく。

株式譲渡の概要 
 株式会社 学研ホールディングスは、同社の完全子会社である学研ステイフルの株式のうち51%を日販に譲渡する。なお、2023年7月1日より、学研ステイフルは学研グループの連結子会社ではなくなる。

月刊私塾界2023年6月号(通巻506号)

巻頭言

 茨城県つくば市にある産業技術総合研究所において、非常に正確な時計が開発されている。イッテルビウム光格子時計だ。現在主に使用しているセシウム原子時計の1000倍の精度が出せる。

 1秒の定義は、長い間地球の自転を基にしてきた。ところが地球の自転は徐々に遅くなっていること、季節により速度が異なることなどから、1956年から地球の公転が基準となった。

 それがセシウム原子時計の開発により、67年から変更された。1億年に1秒の誤差しかないからだ。この正確さをもって地球の自転速度を計測し、72年から25回閏秒を用い、時刻を調整してきた。1000億年に1秒の誤差しかないイッテルビウム光格子時計。何に役立つのだろうか。

 貢献が期待されていることの一つに、長さを正確に測定できるようになることがある。例えば位置測定だ。GPS人工衛星には原子時計が搭載され、時刻を示す電波を発信している。これを地上の受信機で受け、その時刻の差から位置を測定する。現在の測定誤差は数センチから数十センチ(日常使用されている車載GPSは誤差数メートル。衛星の原子時計がポータブルタイプなため)。それが、数マイクロメートル(千分の一ミリ)になる。そうなると微細な地殻変動も宇宙から計測でき、火山噴火などを予測できる。地震の予知に発展する可能性もある。 教育における最先端とは何であろうか。その先に何を見詰めながら進んでいるのであろうか。

(如己 一)

佐賀県 吉野ヶ里遺跡で新発見、邪馬台国時代の石棺墓

 佐賀県の吉野ヶ里遺跡の「謎のエリア」で、邪馬台国時代の石棺墓とみられる発見があった。この石棺墓は、縦1.7メートル、横3.2メートルの大きさで、石の表面には「線刻」と呼ばれる多数の記号が刻まれている。これまで神社のため発掘が行われていなかった謎のエリアで見つかった。一般の石棺墓より規模が大きく、見晴らしの良い場所にあり、邪馬台国があったとされる時期と重なっていることから、王や有力者の墓の可能性もあるという。佐賀県は、6月5日に入り口を開けて副葬品などを調査する予定。

「オンライン自習室 WAO 25」サービス開始

 学校法人ワオ未来学園ワオ高等学校(岡山市、山本潮 校長)は、2021年4月開校。好きな時間に好きな場所で学ぶことができる完全オンラインの学校。哲学・科学・経済の教養探究を通じて、実社会で生きる力を養っている。
 ワオ高校は、ワオ高校が提唱する、自分で学び自分で育つ「学育」の一環として、中高生なら誰でも利用できる、新しい「オンライン自習室 WAO 25」の無料サービスを6月5日(月)より開始する。

「WAO25」のネーミングの由来は、25分集中して5分休憩を繰り返し2時間経ったら30分休む、ポモドーロ勉強法に基づいている。「WAO25」のサービスは、中高生だけでなく保護者もアクセスでき、親子での利用も可能だ。

○期間:6/5(月)~7/14(金)の平日(月~金)
※休館日は土日・祝日。
○時間:10:00~20:00
詳細及び参加はこちらのURLへ:
https://www.wao.ed.jp/wao25/

【ワオ高等学校に関するお問合せ】
学校法人ワオ未来学園ワオ高等学校
0120-806-705
公式ホームページ https://www.wao.ed.jp

twitter
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学校法人片山学園 片山学園初等科が、タブレット専用手書きドリル教材「FLENS算数特訓」を導入

毎日のモジュール学習にて「エクササイズモード」を活用し計算力の向上を目指す

 FLENS(フレンズ)株式会社(東京・港区、大生隆洋 代表取締役)は、学校法人片山学園 片山学園初等科(富山・射水市、原本幸一校長)で、FLENSのタブレット専用手書きドリル教材「FLENS算数特訓」を導入したことを発表した。2023年度より3年生から6年生までの全学級で活用するという。本年度4月より本格的に運用を開始した。

 FLENS算数特訓は、片山学園初等科のモジュール学習で活用される。モジュール学習とは、10~15分という短い時間を1単位とした学習で、朝の音読モジュールと昼のモジュールタイムで3~4種のさまざまな学習を行う。日々の決まった時間帯に、短時間、繰り返し取り組むことで、基礎的な内容はあきることなく、思考を必要とする内容もゲーム感覚で身につけることができる。

 また、同校では、全教室の天吊プロジェクタ配備、全館シームレスのWi-Fi環境、1人1台のタブレットなどの環境を整え、ICT機器を使用した授業、学習、活動を取り入れている。

 FLENS算数特訓の提供する「エクササイズモード」が、モジュール、そしてICT活用教育との親和性が高く、今回の導入に至った。

FLENS エクササイズモードの概要

 1ユニット3分間の制限時間で問題演習をおこない、2回目以降は間違えた問題や未回答だった問題のみが出題される。エクササイズモードは完答を目指して取り組むモード。完答したユニットには完答バッジが付与され子どもたちのやる気向上につなげる。

 先生用の管理画面では各生徒がどのユニットに取り組んだか、あと何問で完答するか、そのユニットを何回完答したかが一覧で管理できるため、生徒ごとの学習進捗を把握しながら、次にどのユニットに取り組ませる必要があるかが簡単に分かる。

https://flens.jp/

AI教材「atama+」を活用した総合選抜入試への新しいチャレンジメソッド「UNITE Program」の募集をAPUの全学部で開始

 立命館アジア太平洋大学(大分・別府市、出口 治明 学長)とatama plus株式会社(東京・港区、稲田 大輔 代表取締役CEO)は、2024年度入試から、学部指定単元AI学習プログラム(UNITE Program、以下プログラム)を取り入れる。APUの全学部が対象で、AI教材「atama+(アタマプラス)」で入学後の学びにつながる数学の単元を修了すると「総合型選抜 活動アピール方式」の出願に活用することができる。5月25日(木)からプログラムの出願が始まる。

 このプログラムにより、学科試験を必要としない総合型選抜においても、個別最適な学習を通じ、入学後の学びの質を高めるために重要な学力を身につけることができる。また、高校で学んできた科目等の「履修歴」ではなく、指定単元の「修得」を出願資格とすることで、学ぶ意欲さえあれば、誰でもチャレンジできるようになる。

 APUは2021年度入試からは高校教育での探究学習で身に着けた探究的思考を測る「世界を変える人材育成入試~ロジカル・フラワー・チャート入試~」を新設した。また同年、国内外の受験生が平等・公平に受験できるように総合型選抜の二次選考(面接)でオンライン面接を導入するなど、より多くの受験生が公平かつ平等な機会の中で、多様な能力を評価する入試を推進してきた。今回、このプログラムでの学習と入試を通じて、多様な受験生が入学前に希望する学部での学びの一端に触れ、入学後の学修でリーダー的な活躍をすることを期待している。

「UNITE Program」とは

 2020 年に学校法人立命館と atama plus は「新しい高大接続と入試 の在り方を考える共同研究会」を設立した。その成果の1つが、AI教材「atama+」を活用した総合型選抜入試への新しいチャレンジメソッド「UNITE Program」。

 大学で重要な学力は、科目(例:数学I、数学A等)ではなく、単元レベル(例:二次関数、確率等)で、学部学科ごとに異なる。atama+の活用によって、学生は確実に各単元を修得し、高校までの学習が大学入学後の学びにどうつながるのか具体的にイメージを持つことが可能になった。大学は単元レベルでの修得有無を確認できるようになる。

 2023年度入試から立命館大学の3学部で初めて利用され、全国36都道府県から想定の2倍を上回る227名がプログラムを受講するなど多くの学生に受け入れられた。2024年度入試から立命館大学の4学部・2教科に拡大実施することが決定している。

APUにおけるプログラムの概要

 AI 教材「atama+」で各学部指定の単元を学習し、全ての修得認定試験に合格・修了すると「総合型選抜入試 活動実績アピール入試」への出願資格を得ることができる。合格するまで、期間中は何度も繰り返しチャレンジが可能。このプログラムの学習結果は、入試の合否には影響しない。プログラムの出願は無料。

対象学部:アジア太平洋学部、国際経営学部、サステイナビリティ観光学部

教科  :数学

出願期間:2023年5月25日(木)10:00〜2023年9月29日(金)17:00(日本時間)

学習期間:2023年6月2日(金)11:00~10月31日(火)13:00(日本時間)

出願方法: https://www.apumate.net/info/20230505uniteprogram.html

参考情報

◆ APUにおけるプログラムの対象者

次の⑴~⑶のすべてに該当する者。

⑴ 申込学部に対する関心と学習意欲を十分に備えた者

⑵ 本学他学部を含め、本プログラムに初めて申込をする者

⑶ 以下のいずれかに該当する者

 ①高等学校(中等教育学校を含む。以下同じ。)を卒業した者、または2024年3月31 日までに卒業見込みの者

 ②特別支援学校の高等部、および高等専門学校の3 年次を修了した者、または2024 年3月31 日までに修了見込みの者

 ③外国の大学入学資格である国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCEA レベルを保有する者、または2024年3月31 日までに取得見込みの者

 ④国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC)の認定を受けた教育施設の12 年の課程を修了した者、または2024 年3月31 日までに修了見込みの者

 ⑤上記のほか、学校教育法施行規則第150 条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、または2024 年3月31 日までにこれに該当する見込みの者

◆ 各学部の指定単元と所要時間目安

 このプログラムで課される課題は、入学後の学部での学習内容に応じて学部ごとに異なる。学部ごとの指定単元と標準的な学習時間は下表のとおり。なお、学習所要時間は統計値であり、実際に要する時間は該当単元の習熟度により個人差がある。また、下記の学習所要時間のほかに各単元において修得認定試験に合格する必要がある。

<各学部における指定単元と学習所要時間の目安>

科目 単元グループ アジア太平洋学部 国際経営学部 サステイナビリティ観光学部 
数学I 2次関数(2次関数とグラフ)    
数学I データの分析(データの散らばり)    
数学I データの分析(データの相関)    
数学A 場合の数と確率(場合の数)      
数学A 場合の数と確率(順列)      
数学A 場合の数と確率(組合せ・組分け)      
数学A 場合の数と確率(確率)     
数学II 指数と対数(指数・対数の応用)     
数学II 多項式の微分法(微分係数と導関数)  
数学II 多項式の微分法(微分法の応用)     
数学II 多項式の積分法(積分と面積)      
数学B 数列(等差数列)  
数学B 数列(等比数列)  
数学B 数列(Σの計算)     
数学B 数列(いろいろな数列)      
数学B 確率分布と統計的な推測(確率変数の変換・和と積)  
数学B 確率分布と統計的な推測(正規分布)  
数学B 統計的な推測(母集団と標本)  
学習所要時間 約15時間 約15時間 約13時間 

大分高専、地元企業と共同で「次世代パワーデバイス」の開発研究を行う

 大分工業高等専門学校(大分市、山口 利幸 校長)電気電子工学科 石川誠司 助教と、大分デバイステクノロジー株式会社(大分市、安部 征吾 代表取締役)は、昨年度に引き続き「次世代パワー半導体デバイスの開発」に挑戦した。この共同研究では高専の特色を活かして、在学中の5年生が主体となって研究開発に取組んだ。

 現在、解析技術の発展により、コンピュータシミュレーションを駆使することで、従来の半導体を発展させた「次世代パワー半導体」が注目され、現在様々な研究開発が進んでいる。この研究は次世代パワー半導体の製造技術構築を目的として、特異形状の半導体接合構造の磁気特性解析を行い、実装可能な技術知見を追求するとともに、不定形構造の電界評価に関する理論展開を検討したもの。この研究開発が進むことで、複雑な形状における半導体の性能評価や、構成する部品の材料を変更したときの性能評価をすることが可能となり、短期間における次世代パワー半導体の開発が期待されている。

 研究の実施にあたっては、学生が主体となって、企業技術者と議論を行うことで、高専から即戦力となる技術者を育成することを目的としている。

 この共同研究は、大分県の半導体産業の活力創造を目的とした、大分県LSIクラスター形成推進会議の取組の一部であり、「大学・高専との連携推進補助事業」を利用することで、企業が抱える技術課題を共同研究のテーマとして公募し、実現したもの。さらに,本研究は高専機構が推進するGEAR5.0事業(未来技術の社会実装教育の高度化)の一環としても取り組んでいるもの。

 大分高専とODTとの共同研究は2年目となり,目標としていたパワー半導体の磁気特性解析評価を得ることができた。基礎部分は解決したので、2023年度の共同研究では機器内の解析により露呈した、熱や電流密度の問題点を解決するべく、引き続き共同研究を行う。今後はより実機に近似している解析と、実測を交えた研究を行い、より社会実装を見据えた研究を行うことを予定している。

 また、日本政府による半導体に関する生産等への支援や、九州・沖縄地区の9高専を中心とする「半導体人材育成事業」の取り組みが始まることから、今後は産官学が連携し、本研究が更なる大きな事業へ展開することが期待される。

【URL】

https://ee.oita-ct.ac.jp/staff/ishikawa (大分高専担当教員 石川誠司)

https://www.odt.co.jp/corp/education/ (大分デバイステクノロジー株式会社)

https://www.oita-lsi.jp/ (大分県LSIクラスター形成推進会議)

https://www.oita-ct.ac.jp/gear5/jigyogaiyo/ (大分高専 GEAR 5.0 未来技術の社会実装教育の高度化)

豊田高専、学生による中山間地域活性化イベントを開催

 独立行政法人国立高等専門学校機構 豊田工業高等専門学校(愛知・豊田市、山田 陽滋 校長)は、学生有志が主体となり教職員有志の支援や地域住民の方々の協力も得て、中山間地域である豊田市笹戸町で、多世代参加型交流事業「豊田高専ドミタウン」を2015年から継続的に取り組んでいる。2023年5月21日(日)には、公募した小学生とともに科学工作「音声光通信に挑戦!」と休耕地を活用した「田植え体験」を実施した。

豊田高専ドミタウンについて

 多世代参加型交流事業「豊田高専ドミタウン」は、学生と教職員の有志が豊田高専ドミタウン実行委員会を2015年に結成し、活動9年目に入った活動。ドミタウンとは、「学寮(ドミトリー)の仕組みを取り入れて多世代が交流するまち(タウン)」のこと。豊田高専ドミタウンでは、寮で決まった時間に実施されている「点呼」や高学年が低学年をサポートする「指導寮生(ドミタウンでは“チューター”と呼称)」などの仕組みを取り入れ、参加した小学生に豊田高専の学生寮の仕組みを体験してもらうことにしている。これまで、豊田市笹戸町を活動拠点として、学生、教職員、地域住民の方々、豊田市近隣に居住する小学生たちが一つになって、休耕地を活用した稲作や畑作、科学工作などに取り組んできた。

【豊田高専ドミタウンFacebookページ】https://www.facebook.com/dormitown/

5月21日の科学工作と田植え体験

 2023年5月21日(日)の豊田高専ドミタウンでは、学生25名、教職員3名、公募した小学生6名、地域住民の方々など、総勢40名程度で活動を展開した。午前には、科学工作として「音声光通信に挑戦!」に取り組んだ。午後には、休耕地となっていた田を借りて、地域住民の方々の協力も得てもち米の田植え体験に取り組んだ。

 高専生はこの日のために、工作の内容などを企画するミーティングを昨年度から学校内で複数回実施し、2023年4月30日には実際に現地で“小学生役”と“チューター役”に分かれて音声光通信作りのシミュレーションに取り組んできた。また、4月30日には地域住民の方々と田植えの実施方法についても打ち合わせるなど、学生主体で実施内容やスケジュール等を検討・確認することで入念に準備を進めてきた。

 当日もイベントの進行や小学生の点呼、チューターによる小学生のサポートなど、綿密に準備してきたことにより大きな問題が生じることなく、学生主体でイベントを実施することができた。

  午前の「音声光通信に挑戦!」では、光送信機と光受信機を構成し、音声光通信機を作製しました。光送信機では音声信号をLEDの光に変換して伝搬させた。光受信機では、伝搬してきた光をフォトトランジスタで受けて、光を電圧変化に変えて音楽を鳴らした。小学生の参加者は回路図を理解し、高専生と協力して音声光受信機を作製した。

 午後には、豊田高専ドミタウン実行委員会が借り受けた豊田市笹戸町の休耕田で、田起こしや苗の準備などの事前準備では地域住民の方々の支援・協力を得ながら、もち米の田植え体験を実施した。暑いくらいの陽気の中、高専生や小学生、地域住民の方々が一緒に、田植えに励んだ。

 最後の振り返りの時間で参加した小学生に感想を発表してもらうと、「楽しかった!」、「田植えは難しいことがわかった!」など、今回のイベントを大いに楽しみ、また様々な内容を学べたことが伝わってきた。「次も参加したいです!」と言ってくれた小学生も多く、高専生にとっても自分たちで企画した科学工作などがうまく実施できたことが自信につながった。高専生からは、楽しかったという感想以外にも、「年齢や居住地域が異なる人とイベントに取り組む中で、楽しさと同時に全体の進行の難しさも感じた」、「授業や部活動だけではできない経験ができた」などの声があり、自身の成長に繋がっていると感じた学生もいたようだ。

 次回、9月17日(日)には稲刈り体験と新たな科学工作に取り組むべく、準備を始めている。

三島市教育委員会、kintoneを採用し、市内公立小中学校全教員にアカウント配布

 サイボウズ株式会社(東京・中央区、青野 慶久 代表取締役社長)は、静岡県三島市(三島市)教育委員会がkintone(キントーン)を採用したことを発表した。今回の導入においては、三島市教育委員会のkintoneのユーザーアカウントが、三島市内の全公立小中学校21校の全教員に配布され、各学校の校務や、教育委員会と各学校間の業務に活用される。

 今回の導入は、学校BPR(Business Process Re-engineeringの略。学校の働き方改革)を目的とした、経済産業省による採択事業「未来の教室」において、サイボウズが2021年7月から2022年2月間に実施した、三島市内の公立小中学校および三島市教育委員会での実証事業を経ての本格導入となる。

 この実証事業では、三島市内の各公立小中学校が三島市教育委員会に校舎の修繕依頼をkintoneで完結できるようにシステムを構築した。

 従来は、各学校の教員が表計算フォーマットを利用して修繕依頼をしてきたが、kintoneのアプリ上で依頼登録できるようにしたところ、学校側の依頼作業時間が1件につき15分程度短縮された。令和4年度の三島市内の公立小中学校の修繕依頼件数975件に対し、依頼作業時間が全体で約244時間削減されたと見ている。また、修繕依頼の記入漏れ、それにまつわる問い合わせ業務などが削減されたことで、業務の効率と質が大いに向上した。

 この実証事業の結果を踏まえ、サイボウズと三島市教育委員会で、学校BPR実証事業を実施し、三島市内の公立小中学校21校分の生徒の問題行動報告や、水道検診業務、備品の管理等にもkintoneを活用したところ、同様に業務が効率化されたため、今回の本格導入に至った。

参考情報:

【公式】サイボウズ 学校BPR活動 三島市教育委員会と取り組む学校の働き方改革

①〜できることからまず取り組む〜

https://note.com/gakkobpr_cy/n/n59f660e6eb1d

②〜アイティエスとの協業:水道検針のシステム化〜

https://note.com/gakkobpr_cy/n/nc067be3d9599?magazine_key=md8eb6c4f319b

■活用概要

 今回の本格導入では、三島市教育委員会がkintoneを導入し、教育委員会職員および、三島市の全公立小中学校21校の全教員にアカウントが配布され、校務に活用される。

 具体的には、生徒の家族構成や連絡先、通学路などを記入する家庭環境調査票や、心身の健康状態を記入する保健調査票等の調査票、各種問診票(心臓健診問診票、結核健康診断問診票、脊椎及び四肢問診票)、タブレット使用同意書等の受付・管理にkintoneが活用されるようになる。これまで、家庭環境調査票と保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書は、新一年生の保護者が用紙に記入して学校に提出し、学校は受け取った用紙をファイルなどで物理的に保管していました。kintoneの導入により、保護者は外部連携サービスを通じて、PC、タブレットやスマートフォン等での記入・提出が可能になり、学校はkintone上で受付・管理できるようになる。

■kintone導入による効果

 家庭環境調査票、保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書をkintoneで管理することで紙が不要になり、三島市内の公立小中学校全体で、年間約1万枚以上のペーパーレス効果と書類の印刷に要する84時間程度の時間削減が想定される。

 家庭環境調査票については、保護者から提出された紙の情報を教員が校務システムへ転記する作業が必要だが、kintoneにデータが集約されることで、この作業が不要になり、三島市内の公立小中学校全体で、約450時間の作業時間が削減されることになる。

 現場の教職員からは、「紙からデータになったことで、検索機能を使って必要な情報を集めやすくなった」「書類の破損や紛失のおそれがなくなった」「ファイリングに気を配ることが不要になり、保健室などの保管場所まで足を運ばず、PC等からアクセスができる」などの声が寄せられている。三島市教育委員会および三島市内の公立小中学校では、今後もkintoneの用途を広げ、校務のデジタル化を推進していく予定だ。

製品サイト:https://kintone.cybozu.co.jp

https://cybozu.co.jp/logotypes/other-trademark/

「Benesse Digital Innovation Fund」が出資 UX起点の事業成長・成果創出を支援するビービット社と資本業務提携

 株式会社ベネッセホールディングス(岡山市、小林 仁 代表取締役社長CEO)は、UX起点の事業成長・成果創出を支援する株式会社ビービット(東京・千代田区、遠藤 直紀 代表取締役)と資本業務提携契約を締結したことを発表した。


 近年、学校向けサービス市場では、GIGAスクール構想等により教育現場におけるデジタルサービスニーズが急増し、学習効果向上などのためにデジタルサービスのUXの改善は急務となっている。また、介護領域においてもデジタル化での効率化やサービスの質の向上の需要が高まっている。
 ビービット社はコンサルティング業務とサービスの提供を通じて、ユーザー視点からの価値創出を追求することを目指しており、これまでベネッセのサービスのUX改善の実績があった。進研ゼミ小学講座のタブレット教材「チャレンジタッチ」や、小中学校の先生・生徒向けのタブレット学習ソフト「ミライシード」、また介護では、「マジ神」と呼ばれる高スキルスタッフの課題解決力をすべての現場に提供するために誕生した「マジ神AI」のUX改善において、ベネッセとビービット社は共に取り組んできた。
 ベネッセはグループパーパス「誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。」の実現に向け、2020年に発表した中期経営計画をブラッシュアップした「変革事業計画」を5月19日に発表した。今回の資本業務提携を元に、変革事業計画においても必須となる「デジタルサービスの飛躍的なUX向上」を目指す。なお、5月19日よりベネッセホールディングス Digital Innovation Partners DXコンサルティング部 部長の水上宙士がビービット社の社外取締役に就任し、更なる両社の連携強化を目指す。



<概要>Benesse Digital Innovation Fund(DIF)について
■設立の背景
 DIFは、教育・生活・介護領域やDX関連ベンチャー企業への出資を行うことで、既存事業・サービスのDXのさらなる推進を行うとともに、ベンチャー企業との「新規事業の共創」を目指す。
・DIF運営事務局: dif@mail.benesse.co.jp  / URL: https://www.benesse.co.jp/digital/fund/

■出資対象
・教育・生活・介護領域などにおいて、ベネッセグループとの事業上のシナジーが期待できる企業
・ベネッセが推進するDXに関連するサービスの企画・開発力などを有する企業
・ベネッセ関連領域にて革新的な技術・市場を持つ企業、もしくはその開拓が期待できる企業

■投資額
・5年総額最大50億円 (出資割合は数パーセント~15%を想定)

■これまでの出資・提携実績
・コードクリサリス社 https://www.codechrysalis.io/ja
・Hmcomm社 https://hmcom.co.jp/
・フォースバレー・コンシェルジュ社 https://www.4th-valley.com/
・アルサーガパートナーズ株式会社 https://www.arsaga.jp/
・paiza株式会社 https://paiza.jp/
・株式会社LX DESIGN https://lxdesign.me/
・learningBOX株式会社 https://learningbox.co.jp/
・株式会社Natee https://natee.jp/