株式会社ベネッセコーポレーション(岡山市、岩瀬 大輔 代表取締役会長兼社長)が提供する通信教育講座「進研ゼミ 小学講座」は、7月20日に投開票が行われる参議院選挙を前に、「選挙に関する意識調査」を小学生向けに実施した。
調査は、「進研ゼミ 小学講座」の小学生3年生から6年生の会員のうち6,560人(女子4,324/男子1,677人/性別無回答・その他559人)を対象に、2025年6月27日~29日に実施。将来を担う子どもたちが「政治」や「選挙」についてどう感じているのか、また、どのような社会を望んでいるのか、回答からみえる子どもたちの意識をまとめている。
■調査結果の概要
選挙の認知 【単一選択】
「7月に選挙があることを知っていますか?」という問いに対し、「知っている」と答えた小学生は51.2%だった。一方で約4割が「知らない」と回答し、「分からない」と合わせるとほぼ半数に。小学生にとって、選挙はまだあまり話題にならないものであることがうかがえる。
選挙への参加意欲 【単一選択】
「18歳になったら選挙に行きますか?」という問いに対し、「行くと思う」27.8%、「たぶん行くと思う」23.8%と前向きな意識が約5割を超えた。「分からない」「考えていない」という声も多い一方で、多くの子どもたちが“選挙に行くこと”に前向きな気持ちを持っていることが分かる。
家庭での会話 【単一選択】
「おうちの方と選挙の話をしたことがありますか?」という問いに対し、「よく話をする」6.9%、「たまに話をする」26.2%にとどまり、「話をしない」「ほとんど話をしない」が合わせて63.2%となった。家庭で政治や選挙について話す機会が限られている現状が明らかになった。
もし自分が総理大臣になったら?【自由回答】
「戦争をなくす」「平和な世界にしたい」など、戦争や平和実現に関連する回答が約4割と最多となった。続いて「物価を下げる」「教育を無償に」など、生活や経済を良くしたいという声も多く寄せられた。
中には、「学校の先生をAIにしてほしい」「推しのグッズを無料配付」など、自由な発想やデジタル社会を反映した声も目立った。また、「同性結婚を可能にしたい」など多様性を反映した意見も見られ、社会課題に対して具体的な考えをもつ子どもたちの姿がうかがえる。
特徴的な回答をピックアップ
・「AIの先生や自販機を学校に置きたい」「授業を全部オンラインにしたい」
・「推しのグッズを無料で配ってほしい」「学校にスマホを持ってきていいようにしたい」
・「男女の差をなくしたい」「同性結婚を可能にしたい」
・「少子高齢化対策をしたい」「子育て支援を充実させたい」
・「お米を安くしたい」「米農家を支援したい」「食料自給率を上げたい」
総理大臣に求める人物像【自由回答】
「優しい人」「嘘をつかない人」「みんなのことを考えてくれる人」が上位を占め、子どもたちは“頼れる人格”に重きを置いていることが分かった。きちんと向き合ってくれる人であることが、信頼の条件のようだ。
理想のリーダー像【自由回答】
総理大臣になってほしい人を聞いたところ、「ドラえもん」が堂々の1位。そのほかにも名探偵コナンや鬼滅の刃の「炭治郎」や「アンパンマン」など、やさしさと正義感をもったキャラクターが多数登場。Snow ManやMrs. GREEN APPLEなど”推し”の名前もランクインし、子どもたちがリーダーに求める資質として身近さや信頼感を重視していることがうかがえる。
法律への意識 【自由回答】
「自分で法律をつくれるとしたら?」の問いには、「いじめをなくす」「ゴミ拾いの義務化」「戦争禁止」など、具体的な社会課題に向き合う声が多く寄せられた。一方で「毎日パフェOK」「授業は全部ゲームで」など、ユニークな案も。法律の意義や影響について慎重に考える意見もあり、子どもたちの多様な視点が表れている。
特徴的な回答をピックアップ
・「学校の授業は全部ゲームの授業にすること。」
・「アイスクリームか、パフェが毎日食べられる法律。」
・「国民が納得するまで可決してはいけない法律」
社会課題へのまなざし【単一選択】
「日本の社会課題の中で、一つだけよくできるとしたら?」という問いに対し、最も関心が高かったのは「地球温暖化や環境の問題」、次いで「戦争の不安」、「いじめ」など、子どもたち自身が感じる不安や違和感に関わるものだった。「貧困」や「少子化」などの社会構造に関心を寄せる声もあり、社会課題を自分の生活に引き寄せて捉える姿が見られた。
調査の結果を受けてベネッセコーポレーション 小学生事業本部 本部長(進研ゼミ 小学講座 責任者) 水上 宙士氏は「今回の調査は、選挙という社会的な出来事をきっかけに、子どもたちが“社会との関わり”をどう感じているのかを知るために実施しました。家庭で政治の話題が少ない中でも、子どもたち一人ひとりが自分なりに社会について考え、多様な意見を持っていることが印象的でした。私たちは教育サービスとして、学力支援だけでなく、社会や人との関わり方を考える力を育むことも大切にしています。子どもたちの率直で豊かな視点が、今の社会に新たな気づきをもたらしてくれると信じています。この調査が、子どもたちの声に大人が耳を傾け、共によりよい社会について考えるきっかけとなれば幸いです。」とコメントしている。
■調査概要
・「進研ゼミ 小学講座」の利用者を対象にしたWeb調査
・調査対象:全国の小学3~6年生の男女
・実施時期:2025年6月27日~2025年6月29日
・有効回答数:6,560件(女子4,324/男子1,677人/性別無回答・その他559人)
※本調査では、設問ごとに選択式と自由回答形式を併用。選択式で傾向を把握しつつ、自由回答では子どもたちの生の声を抽出した。
「進研ゼミ 小学講座」https://sho.benesse.co.jp/