神奈川、埼玉、愛知、岐阜で東進衛星予備校のFC教室を展開している、株式会社アイトップ(神奈川県横浜市)。東進内の東大合格者数1位を何年も記録するなど、高い実績を誇っている同社はこの度、新体制を敷くこととなった。その経緯や合格実績の秘密などを、新社長に就任した外山昌弘氏に取材した。
一致団結して難局を乗り切る
──今回、代表取締役社長に就任された経緯と、現在のお気持ちをお聞かせください。

前社長である岸陽一郎が、昨年4月に体調を崩してしまいました。当面は治療に専念するとのことから、神奈川・埼玉エリアに関しては私が、愛知・岐阜エリアに関しては船橋が、岸の立場を継ぐべきとの結論に至り、それぞれ新社長に就任。創業者である岸昭二郎が会長に就任しました。
全社的な指揮を執った経験があったため不安などはありませんでしたが、業務が倍くらいに増え、昨年の4、5月頃の記憶は少し曖昧です。
非常に有り難いのは、方向性が決まると一気にみんなの力が集まる社風で、岸が元気になるまで乗り切ろうと結束しています。
──社長になってから、どのようなことを意識していますか。
とにかく馬力がある岸は、車のボディがどうであれ引っ張り、結果も出していました。
一方、私は馬力が少ないので、ボディを細かくケアするかのごとく現場の意見を聞き、「引っ張る」のではなく「押す」ことを意識しています。
社長就任直後の挨拶でも、「意見はいつでも聞くから」と伝えました。
幹部とのコミュニケーションは取れていたと自負しており、意見は言いやすいのではないかと思います。
ただ、勢いのある社風や、目標必達の厳しさを変えるつもりはありません。
圧倒的な東大合格実績の理由
──今年の東大合格者は88名と圧倒的ですが、その要因をお聞かせください。
我々は東進の「東大特進協力校」に認定されていて、東大特進のコンテンツが使えます。これが高校に認知されるようになり、生徒が増え、東大受験者が増加したのが大きかったですね。
さらに今年の東大入試は難しく、東大特進で演習を積んでいたのが効きました。
──実績を出し続けるために、組織としては何を重視していますか。
毎月研修をおこなうなど、学生アルバイトである担任助手の指導に力を入れています。
研修は一方的におこなうのではなく、「どういう復習に効果があったか」「いつ何をどれくらい解いたか」など、学生たちの経験を掘り起こす時間を設けるようにしました。これが社員の振り返りやスキルアップにもつながっています。

また同じ学力でも、その勉強法を信じているか疑っているかによって結果は違ってくるはずなので、「指導の一本化」も大切にしています。
例えば「音読をしよう」と号令をかけても、「赤本のほうがいい」と考える生徒もいます。そういう時は決まって担任助手に相談するのですが、どの担任助手も「音読がいい」と言えば、納得して取り組むようになります。
成績が伸びなかったら勉強法のせいにしがちですが、みんな音読で成績を伸ばしているのに自分だけ伸びなければ、自分の責任になります。
勉強法のせいにさせないためにも指導の一本化は重要ですし、東進の講師たちは確かな勉強法を伝えてくれているので、私たちはそれを徹底するだけです。
共通テスト対策で基礎を固める
──共通テストでは「一般生平均+100点」を実現されていると伺いました。
はい。上位生ほど共通テストを軽視しがちですが、実際に受かっている生徒は共通テストを徹底しています。先に共通テスト対策をしておくと、基礎が固まって応用講座の吸収力が高まるほか、課題点もいち早く見つけられるん
です。

員をかけ、確実に生徒増へと繋げている
東進の永瀬社長は+200点と言われているのでまだまだですが、共通テストはすごく意識していますね。
今後は高2のうちに理科・社会を終わらせるなど、先取り学習を一段階早め、点数を上げていくつもりです。そのために必要なのが低学年からの指導であり、東進中学NETをしっかり活用したいと考えています。
また神奈川は中高一貫校が多く、東進の「志指導」は間違いなくフィットするはず。全国統一テストの中高一貫校への配布を強化しながら、志指導も合わせて案内すれば、+150点、+200点もいずれ達成できると思います。
中学生の集客に力を入れていく
──近年、生徒募集が好調に推移しているそうですが、その要因をどのように分析していますか。
一つはスピードです。2月、3月の面談では、動員を意識しながら入学説明会について案内し、必ず保護者も呼ぶようにしています。
また実際の説明会は小回りが利くよう、1教室ごとに開催するなど、とにかくスピードを重視しています。
そしてもう一つの要因が紹介です。内部生には高3生の共通テストの結果や、東大合格実績などを上手に〝自慢〟しているのですが、そうすると「この塾で間違いない」と帰属意識が高まるだけでなく、紹介につながるんです。
──今後のアイトップの成長戦略をお聞かせください。
課題である低学年を、いかに集客するかですね。お伝えしたように、中高一貫校で全国統一テストの配布を強化するなど、今後は中学NETの生徒を増やしていきます。
仮に昨対比150%を実現できれば、将来性がある会社だと、社員のモチベーションも上がるでしょう。
また、これからの予備校・塾に求められる役割は、「学校のフォローアップ」だと考えています。
学校をラクにしてあげる存在になれば、学校も生徒も我々もみんながWIN─WINの関係になれる。この分野で東進が果たせる役割は、とても大きいと考えています。



