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学書、『高校SPIRAL集中講座』を7月リリース——英語・数学の計19点、分野別の短期集中個別指導教材

約50ページのコンパクト設計、指導書・無料授業動画・映像教材との連携も

株式会社学書(名古屋市北区、田村茂彦代表)は、高校生向け通年教材シリーズ『高校SPIRAL』の姉妹ラインナップとして、短期集中用教材『高校SPIRAL集中講座』を新たにリリースした。英語2種・数学5種の計7タイトル、分野別に展開する合計19点のテキスト教材が一斉に市場投入された。

同社はこれまで小中学生向けを中心に約1,000アイテムの教材を出版し、全国の学習塾・専門学校・私立学校等に供給してきた。今回の『高校SPIRAL集中講座』は、既存の通年カリキュラム対応教材では対応しにくかった「時期を絞った短期指導」と「単元を絞った弱点補強」という現場ニーズに応える形で開発された。

コンパクトな構成と充実したサポートコンテンツ

各テキストは約50ページのコンパクトな構成を採用。夏期・冬期・春期の講習授業から、苦手単元の集中対策、さらには中学生が高校進学前に取り組む準備教材まで、幅広い用途での活用を想定している。各テキストには「講座テスト(全8回/リスニング・長文読解を除く)」が付属しており、学習定着度の確認手段も内包されている。

個別指導塾での運用を意識した設計も特徴的だ。全教科に『Teacher’s Guide(指導書)』が別途用意されており、講師が授業の組み立てに迷わないよう配慮されている。また、各単元の導入部「STUDY GUIDE」には無料の授業解説動画が紐づいており、生徒が予習・復習として活用したり、個別指導中に映像を補助的に活用したりすることが可能だ。

さらに、映像授業コンテンツ「eduplus+」との連携にも対応しており、テキスト教材とデジタルコンテンツを組み合わせたハイブリッドな学習環境を構築できる。

高等部対応の拡充を推進

ラインナップは英語が【英語Ⅰ】【英語Ⅱ】の2点、数学が【数学Ⅰ】【数学A】【数学Ⅱ】【数学B】【数学C】の5点。各タイトルが分野別に展開されることで、合計19点という選択肢の幅広さが生まれた。塾側は生徒の学年・習熟度・目的に応じて最適な1冊を選定できる仕組みだ。

学書はここ数年、デジタル教材や業務システム開発にも事業領域を広げており、紙のテキスト教材とデジタル活用の融合を着実に進めている。今回の『高校SPIRAL集中講座』はその方向性を体現した教材であり、高等部向け教材の充実を図る学習塾にとって導入検討の選択肢に加えられそうだ。

詳細・教材見本(WEB-BOOK形式)は学書公式サイト内の商材紹介ページ( https://www.gakusho.com/official/materials/ )で確認できる。

ヒューリック、ベネッセ傘下「鉄緑会」を完全子会社化

東大受験指導の最難関ブランド、こども教育事業に取り込む

 ヒューリック株式会社(東京都中央区、前田隆也代表取締役社長)は7月7日、東京大学受験指導に特化した進学塾「鉄緑会」を運営する株式会社東京教育研(東京都渋谷区、浜垣剛代表取締役社長)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。東京教育研はこれまでベネッセコーポレーション傘下にあり、今回の買収によりグループを離れる。ヒューリックが2020年に参入したこども教育事業にとって、大学受験という最難関領域への本格進出となる。

「不動産の商社化」戦略の一環、M&Aに7500億円枠

 ヒューリックは2026年2月に公表した中長期経営計画(2026~2036年度)で「不動産の商社化」を基本戦略に掲げ、成長分野へのM&Aを積極活用して利益成長と企業価値向上を図る方針を示している。今回の買収はその一環で、既存のこども教育事業(リソー教育グループ、こどもでぱーと等)との高いシナジーを見込む。同社は36年度までの計画期間中、こども教育事業を含む新規事業の拡大に向けM&Aや企業投資に7500億円を投じる方針を掲げており、今回の買収もこの枠組みに位置づけられる。買収額は公表されていない。

東大合格者584名、占有率20%
──理三は6割弱を占める

 鉄緑会は、中高一貫校に通う中学1年生~高校3年生を対象とした集団指導型の東大受験専門塾。代々木エリア(東京本校、6校舎)を拠点に、大阪・京都・西宮北口にも教室を展開する。2026年度の東京大学合格実績は584名(東大全合格者に占める占有率20%)で、最難関とされる理科三類では57名・占有率59%に達した。区分別の実績は以下の通り。

区分合格者数占有率
文科一類96名24%
文科二類60名17%
文科三類28名6%
理科一類248名22%
理科二類95名18%
理科三類57名59%
合計584名20%

 難関大学進学実績の高い中高一貫校15校を「指定校」に指定し、同校在籍生徒は中学1年春の入会選抜試験を免除する独自制度を運用。2026年度の主要指定校の通塾率は、開成48%、桜蔭65%、筑波大学附属駒場69%に達し、国内最優秀層の生徒を集める母集団を形成している。専任講師陣は東大・京大出身率100%、学生講師の約9割を鉄緑会出身者が占めるなど、合格実績とブランド力、人材循環が一体となった競争優位性を強みとする。

こどもでぱーと、リソー教育に続く一手
──教育経済圏を拡大

 ヒューリックのこども教育事業は2020年9月の参入に始まる。2022年4月には子育て世帯向け複合施設「こどもでぱーと」シリーズの展開を公表し、中野・たまプラーザ・渋谷などで開業、2029年までに首都圏で20棟程度への拡大を目指す。2024年5月には個別指導塾「TOMAS」を運営するリソー教育(現・株式会社リソー教育グループ)を公開買付けと第三者割当増資により連結子会社化した(買収額は約160億円)。今回の鉄緑会の完全子会社化により、幼児から大学受験生までを対象とする「集団・個別・学習」の各領域を揃え、独自のこども教育経済圏をさらに拡大する方針だ。

不動産ノウハウで出店支援、人的ネットワークも活用視野に

 シナジー面では、ヒューリックが持つ不動産開発・運営ノウハウやネットワーク、資金調達力を生かし、限定的な立地で展開してきた鉄緑会の既存エリア拡充や将来的な新規出店を支援する狙いがある。自社ビルへの校舎誘致が進めば、賃貸収益の拡大にもつながる。加えて、同塾が抱える卒業生・現役生というトップ層人材の人的ネットワークを、教育・人材関連サービスへ展開する余地があるとしている。ヒューリックは東京教育研(鉄緑会)の経営方針を尊重しつつ、グループの経営資源を活用して同社の成長を支援するとしている。

ベネッセは教育事業を再編
──07年買収から19年でグループ離脱

 鉄緑会は2007年、ベネッセコーポレーションが東京個別指導学院とともに買収し、通信教育「進研ゼミ」に加え、個別指導塾や難関大受験指導まで幅広い層と接点を持つ教育事業ポートフォリオの一角を担ってきた。しかしベネッセは2024年、創業家と欧州投資ファンドEQTが組んでMBO(経営陣が参加する買収)を実施し上場廃止となったのち、2026年4月には英語コーチング事業のスタディーハッカー(現・イングリッシュカンパニー)を英語学習サービスのプログリットへ売却するなど、教育事業の再編を進めていた。鉄緑会の売却も、この一連の再編の流れに位置づけられる。

教育投資は増加基調、私塾業界にも資本再編の波

 少子化により全国の18歳以下人口は減少する一方、首都圏では底堅く推移し、政府の教育支援策拡充や共働き世帯の増加を背景に「こども一人当たりの教育投資」は増加基調にある。ヒューリックはこうした環境変化から「高付加価値教育」への需要拡大を見込み、同分野への投資を進めている。不動産会社による有力教育ブランドの取り込みが相次ぐ中、連結される事業利益によって不動産以外の収益の柱を増やす狙いもうかがえる。学習塾経営者にとっても、資本提携やグループ化を通じた成長戦略・出口戦略が、今後の経営選択肢として一段と存在感を増しそうだ。

公文教育研究会、atama plusを完全子会社化——2000年以降初のM&A、グローバル展開を視野に

全国4500教室超に浸透するAI教材と世界61カ国のネットワークが合流

 公文教育研究会(大阪市)は7月5日、教育スタートアップのatama plus(アタマプラス、東京都文京区、稲田大輔代表)の全株式を取得し、完全子会社化した。駿河台学園(東京・千代田)など既存株主から全株式を取得したもので、公文にとって企業買収は2000年以降初めてとなる。

 atama plusは2017年創業。生徒の習熟度に応じて問題を出題し、知識の定着を図るAI教材「atama+」を開発・提供する。現在、全国4500教室以上の学習塾・予備校に導入されており、独自の学習塾事業も展開している。なお、既存株主として35.5%を出資していた駿河台学園とは資本関係は解消されるものの、今後も教材活用などのパートナーシップは継続する方針だ。

 公文は今回のM&Aを通じ、AIを活用した塾講師支援や新規教材の開発を視野に入れるほか、世界61の国と地域で約2万3000教室を展開する公文の海外ネットワークを活かして、atama plusの事業をグローバルへ拡張させることを狙う。

稲田代表「グローバルへの道、KUMONと開く」

 グループ入りの背景について、稲田代表は自身のコメントで詳細に経緯を語った。創業から10年目を迎えるタイミングで「世界で数億人規模に良い教育を届ける」というミッションへの立ち返りを迫られた。財務基盤が安定し、新規事業も複数スタートできる体力がついてきた今こそ、グローバルへの挑戦を本格化させる好機と判断したという。

 稲田代表は、約2年前からグローバル展開を意識してきたと言う。各国関係者との議論の中で「テクノロジーでは勝負できそう」との手応えを感じた一方で、国ごとに教育制度が異なるため、「ふつうに海外展開したら一国ずつ10年かかる」という壁を実感していた。前職の三井物産時代にも教育事業のグローバル展開を検討した経験があり、英語などの全世界共通コンテンツを除けば、同一プロダクトでの横展開が極めて難しいことを知っていた。

「そんな課題を乗り越え、同じ教材で世界展開に成功しているきわめて稀有な会社が日本にある。KUMONです」——稲田代表はそう記す。国内売上を上回る海外売上を持ち、60カ国以上に展開するKUMONとの協業ならグローバルへの道が開けると考え、1年以上にわたって協議を重ねてきた。その結論が今回の全株式譲渡だった。

 稲田代表はじめ取締役3名は引き続き経営に参画する。国内では塾向けのatama+提供事業を継続・強化しながら、新たにKUMONとグローバルチャレンジに向けた議論を開始していく方針だ。

業界へのインパクト

 今回の動きが持つ意味は大きい。公文がM&Aに踏み切ること自体、四半世紀ぶりの出来事である。長年、独自メソッドにこだわり自前主義を貫いてきた公文が、AIスタートアップを傘下に収めた事実は、教育業界におけるAI活用の潮流がいよいよ避けられないものになったことを象徴している。

 atama+を導入する全国4500教室以上の学習塾・予備校にとって気になるのは、公文グループ入りによってサービスの継続性が損なわれないかという点だろう。この点について稲田代表は、「国内の塾に提供しているサービスは、今後も変わることなく提供を続けていく」と明言している。今回のグループ化の主眼はあくまでグローバル展開の加速にあり、国内の塾向けサービスは従来通り継続される。atama+を導入済みの塾、あるいは導入を検討している塾は、これまで通りの関係でサービスを活用できると理解してよさそうだ。

ベネッセ、早産児発達支援研究に教材提供

富山大学付属病院のプログラムで「こどもちゃれんじbaby」活用

 ベネッセコーポレーションが展開する幼児向け教育・成長支援ブランド「こどもちゃれんじ」は、富山大学付属病院周産母子センターが実施する早産児対象の発達支援プログラム研究に教材を提供する。研究の趣旨に賛同し、「こどもちゃれんじbaby」を割引提供する。

 同研究は、出生週数が32週未満、または出生体重1500グラム未満のハイリスク早産児を対象に、子ども向け玩具・教材を活用した親子でのグループワークが、子どもの発達にどのような影響を与えるかを検証するもの。あわせて、保護者の育児ストレスや子どもへの気持ちに与える影響も調べる。検証期間は3年間を予定している。

 研究では、玩具・教材を活用する時期による発達への影響を比較し、発達介入の適切なタイミングを検討する。前期群は1歳1か月から1歳6か月号まで、後期群は1歳7か月から1歳11か月号まで「こどもちゃれんじbaby」を毎月活用し、1歳6か月時点と3歳時点で発達評価を行う。

 早産児をめぐっては、医療の進歩により救命率が向上している一方で、個人差はあるものの、言葉や社会性の発達に遅れが見られる場合がある。特に1歳以降の生活環境や学習環境が発達に与える影響については、さらなる知見の蓄積が求められている。

 今回の研究で使用される「こどもちゃれんじbaby」は、月齢に応じた玩具や教材を家庭で活用できる点が特徴だ。全国どこでも入手しやすく、親子の関わりを継続的に支える教材として採用された。

 富山大学付属病院周産母子センター長の吉田丈俊氏は、1歳6か月時の発達検査の場面で、保護者から「こんな遊び方があったのですね」と驚く声が多く聞かれたことが研究開始のきっかけだったと説明する。子どもとの遊び方や関わり方に不安を持つ家庭が少なくないことを実感し、親子でのグループワークを通じた支援の必要性を感じたという。

 同センターの心理士、小暮奏氏は、「こどもちゃれんじ」が月齢の発達段階に合わせて作られている点や、毎月定期的に教材が届く点が研究目的と合致したとする。乳児期の発達に沿って、継続的に刺激を与えられることを評価している。

 ベネッセの「こどもちゃれんじ」事業責任者である中村晋一良氏は、子ども一人ひとりの成長に寄り添う教材開発を続けてきた立場から、本研究の趣旨に賛同したとコメントした。早産児とその家族にとって、日々の関わりが安心や前向きな実感につながることを期待している。

 「こどもちゃれんじ」は1988年に開講し、0〜6歳向け教材を中心に、英語教材、テレビ番組、コンサートなど、乳幼児の成長を支援する商品・サービスを展開している。ブランドキャラクター「しまじろう」とともに、家庭での遊びや学びを支える教材として広く利用されてきた。

 今回の教材提供は、教育サービス企業と大学病院が連携し、乳幼児期の発達支援に取り組む事例といえる。研究を通じて得られる知見が、早産児だけでなく、先天性心疾患児など発達リスクを抱える子どもたちへの支援にも広がるかが注目されそうだ。

河合塾グループにzero to oneが参画 AI・デジタル教育を拡大 新たな教育サービス創出へ

 河合塾グループのKEIアドバンスは、AIやデータサイエンスを活用した教育プログラムを開発・提供するzero to oneと資本業務提携を行い、同社が河合塾グループ入りしたと発表した。提携は6月30日付。今後は、zero to oneが持つAI・デジタル分野の教育コンテンツ開発力と、KEIアドバンスおよび河合塾グループのネットワーク、研究開発基盤を組み合わせ、AI時代に対応した新たな教育サービスの創出を目指す。

 zero to oneは2016年の設立以来、AI・デジタル分野を中心とした教育プログラムを展開してきた。東京大学大学院の松尾豊教授、東北大学大学院の岡谷貴之教授らAI分野の有識者、京都大学の飯吉透教授ら教育分野の専門家を顧問・監修者に迎え、「人工知能基礎」「ディープラーニング」「データリテラシー」など、産学連携によるオンライン教育プログラムを開発している。

 KEIアドバンスは、全国の大学を対象に、学生募集、広報、入試業務、教学、進学・資格対策、大学経営などに関する幅広いソリューションを提供している。2025年4月には「KEI大学経営総研」を設立し、大学経営全般に関する研究、情報発信、課題解決支援にも取り組んでいる。

 今回のグループインにより、両社はAI・デジタル教育の拡大と多世代への展開を進める。中学生、高校生から社会人、シニア層まで、それぞれの学習段階や目的に応じた教育プログラムを提供する方針だ。

 また、大学研究者や専門家、企業との連携を生かし、AI・デジタル分野に加え、入学前教育、探究学習、人材開発、起業家支援などの領域で、新たな教育コンテンツやプログラムの共同開発を進める。

 オンライン試験事業の強化も柱の一つとなる。zero to oneが展開する「さくらのクラウド検定」などのシステム・運営ノウハウと、全統模試をはじめとする河合塾グループの試験実施・運営の専門性を組み合わせ、オンライン試験プラットフォームの機能や信頼性、運営体制を高める。

 さらに、国や自治体と連携した地域人材育成、AI・デジタル活用支援の拡大も目指す。zero to oneは仙台市をはじめ、地域における人材育成やデジタル活用支援に取り組んできた。今後は河合塾グループのネットワークや人的リソースを組み合わせ、他地域への展開を進める。

 教育データとAIを活用した新サービスの創出も視野に入れる。両社は東北大学をはじめとする研究機関とも連携し、学習の個別最適化、成果の可視化、教材や評価手法の高度化に取り組む。グローバル展開も見据え、新たな教育事業の創出を目指す。

 KEIアドバンスの鈴木研史社長は、同社が持つ高等教育機関とのネットワークや経営・業務支援の知見、河合塾グループの教育基盤と、zero to oneの先進性を融合できることに期待を示した。高等教育機関向け支援を拡充するとともに、あらゆる世代に新たな学びを提供していくとしている。

 zero to oneの竹川隆司CEOは、AIの急速な進化により社会、産業、教育が大きな転換点を迎えているとし、河合塾グループの教育への信頼や多世代の学習者との接点、学校・大学・企業とのネットワークと、自社のAI・デジタル教育、産学官連携、オンライン教育の力を掛け合わせる考えを示した。

 生成AIの普及により、教育業界ではデジタル人材育成、入試・評価の高度化、学習の個別最適化が重要なテーマとなっている。今回の資本業務提携は、大学支援、AI教育、オンライン試験、地域人材育成を横断的に展開する体制づくりとして注目されそうだ。

スプリックス、プログラミング教育関連2社を完全子会社化へ 「QUREO」と「プログラミング能力検定」を一元化

 総合教育サービスを展開するスプリックスは、サイバーエージェントおよび同社連結子会社のCA Tech Kidsとの間で、プログラミング教育関連事業を展開する2社の株式譲渡契約を締結し、完全子会社化することで合意した。対象となるのは、プログラミング検定事業を行うプログラミング総合研究所と、小学生向けプログラミング教材「QUREO」を展開するキュレオの2社。

 あわせてスプリックスは、CA Tech Kidsからキュレオの事業に関連する販売代理事業、教材開発・保守運用事業の一部を譲り受ける。本取引の完了により、これまでスプリックスグループとサイバーエージェントグループが共同で展開してきたプログラミング教育事業は、スプリックスに一本化される。

 スプリックスは2019年のキュレオ設立以来、サイバーエージェントグループと共同出資や業務提携を通じて、小学生向けプログラミング教材「QUREO」の普及を進めてきた。QUREOは全国の学習塾などを通じて展開され、プログラミング教育プラットフォームとして規模を拡大してきた。

 今回の再編の背景には、教育現場を取り巻く環境変化がある。2025年から大学入学共通テストで「情報」が導入され、公教育や学習塾におけるプログラミング・情報教育の需要は高まっている。さらに生成AIをはじめとするテクノロジーの進化により、教材開発や学習支援には、これまで以上のスピードと柔軟性が求められている。

 スプリックスは、事業を一元化することで、教材開発、マーケティング、加盟教室の獲得に関する意思決定を迅速化する。生成AIの進化に対応した新コースの開発や、海外展開を機動的に進める体制を整える狙いだ。

 また、提携塾へのサポート体制も一元化する。スプリックスが展開する森塾、湘南ゼミナールなどの塾ネットワークや学校チャネルへの展開力を生かし、キュレオ提携教室、スプリックス提携教室に対する教務支援やマーケティング支援を強化する。

 プログラミング総合研究所は、「プログラミング能力検定」などの開発・運営を担う。キュレオは、小学生向けプログラミング教材「QUREO」の開発・運営・販売や、「QUREOプログラミング教室」の展開を行っている。今回の完全子会社化により、教材、教室展開、検定を一体的に運営できる体制となる。

 スプリックスの常石博之社長は、サイバーエージェントグループと共に育ててきたQUREOとプログラミング能力検定を100%グループに迎えることについて、教育現場ネットワークと事業展開力を生かし、AI時代に即した教材開発や海外市場への挑戦を進める考えを示した。

 キュレオおよびCA Tech Kidsの上野朝大社長は、教育環境が急速に変化する中で、教育現場を熟知し展開力を持つスプリックスに事業を一元化することが、QUREOのさらなる成長にとって最良の選択だとコメントしている。

 小学校でのプログラミング教育必修化、大学入試における情報科目の導入、生成AIの普及により、情報教育市場は新たな段階に入っている。今回の再編は、学習塾ネットワーク、教材開発、検定事業を結び付け、プログラミング教育を国内外へ広げる体制づくりとして注目されそうだ。

第一ゼミナール鶴見校、文理学科で合格率100% 個別最適化自立型指導「PLS」で10人全員合格

 総合教育サービスを展開する株式会社ウィザスは、同社が運営する第一ゼミナール鶴見校において、2026年春の高校入試で大阪府公立高校の最難関とされる文理学科を受験した生徒10人が全員合格したと発表した。合格率は100%となり、同校が4年間取り組んできた個別最適化自立型指導「第一ゼミPLS」の成果としている。

 第一ゼミPLSは、従来の集団指導や個別指導とは異なる学習スタイルとして展開されている。「Positive Learning System」の略で、生徒一人ひとりの学力状況や目標に応じて学習プランを設計し、自ら学ぶ力を育てることを重視する。

 同社によると、PLSの特徴は、画一的に授業を受けるのではなく、生徒自身が「自分に必要な学びは何か」を考え、目的から逆算して学習に取り組む点にある。すでに理解している内容を聞き続ける必要がなく、反対に分からないまま授業が進んでしまうことも避けられる。

 また、従来の個別指導で課題となりやすい「先生依存」や受け身の学習にも陥りにくいという。無学年制の学習空間の中で、周囲の仲間や先輩後輩が努力する姿に刺激を受けながら、自分の目標に向かって学習を進める仕組みを整えている。

 同社は、今回の合格実績について、過去問演習や受験テクニックの反復だけによるものではなく、生徒が学ぶ目的を明確にし、課題を乗り越える力を身につけた結果だとしている。難関校受験においても、「教わる教育」から「自ら学ぶ教育」への転換が成果につながったと位置付ける。

 PLSでは、生徒が課題を発見し、目標を設定し、計画を立て、実行し、振り返る学習サイクルを重視する。変化の激しい時代において、正解を覚える力だけでなく、前例のない問題に向き合い、自ら考えて学び続ける力を育てることを目指している。

 卒業生からは、自分の苦手や進度に合わせて予習・復習を進められたこと、周囲と比較して焦ることなく学習できたこと、理解度を自分で把握して質問する習慣がついたことなどが成果として挙げられている。高校入学後も、授業や探究活動で主体的に質問したり、リーダーシップを発揮したりする力につながっているという。

 別の生徒は、分かっている内容は飛ばし、苦手な教科や単元に時間を集中できたことを評価している。夏までに理科・社会に注力し、直前期は英語と数学に重点を置くなど、自分に合わせた戦略的な学びができたことが合格につながったと振り返った。

 教育現場では、受験指導においても知識の詰め込みだけでなく、学習者自身が目標を立て、計画的に学ぶ力の育成が求められている。第一ゼミナール鶴見校の事例は、個別最適な学習設計と自立型指導を組み合わせることで、難関校合格と非認知能力の育成を両立する取り組みとして注目されそうだ。

Z会、Z会ソリューションズを吸収合併 BtoB事業を統合し、学校・自治体向けサービスを強化

 Z会グループの株式会社Z会は、完全子会社である株式会社Z会ソリューションズを7月1日付で吸収合併する。Z会を存続会社、Z会ソリューションズを消滅会社とする吸収合併で、Z会ソリューションズは同日付で解散する。

 今回の合併は、グループ内の経営資源を集約し、経営効率化を進めることが目的。あわせて、Z会におけるBtoB事業のさらなる拡大に向け、自治体、学校、塾・予備校、企業など各領域での成長を加速させる体制を整える。

 Z会はこれまで、「Z会の通信教育」を中心に、個人向けの教育コンテンツを提供してきた。一方、Z会ソリューションズは、学校、自治体、企業など教育機関向けに、課題解決型のサービスを展開してきた。

 合併後は、BtoB向け事業をZ会に統合し、商品ラインナップの整備や補強を進める。顧客ニーズに応じたソリューション提供体制を確立し、各事業領域での基盤強化と、付加価値の高いサービス提供の迅速化を図る。

 存続会社となるZ会の商号、本店所在地、代表者に変更はない。現在、取引先と締結している契約や諸手続きについては、原則としてZ会が承継する。

 教育業界では、学校・自治体向けの教材、ICT、学習支援サービスの需要が高まっている。少子化が進む中、個人向け通信教育に加え、学校現場や自治体、企業研修などBtoB領域での展開は、教育事業会社にとって重要な成長分野となっている。

 今回の合併は、Z会グループが持つ教育コンテンツや営業・開発機能を一体化し、法人・教育機関向けサービスを強化する再編といえる。今後、学校教育や自治体施策、塾・予備校、企業教育に向けて、どのような新たなサービスを展開していくかが注目されそうだ。

あすなろ学院、小学生向け「英単語しりとり大会」開催

 学研グループの学研スタディエが展開する宮城県の総合進学塾「あすなろ学院」は、7月23日に小学4〜6年生を対象とした「英単語しりとり大会」を開催する。英単語を使ったしりとりを通じて、楽しみながら語彙力を高め、英語を書く意識を育むことを目的としている。

 同イベントは、あすなろ学院が2026年4月に開講した小学生向け「イングリッシュKidsコース」の一環として実施する。同コースは、中学校での英語学習を見据え、小学生のうちから英単語を「書くこと」への意識を高めるために開設された。

 「英単語しりとり大会」では、参加者が和英辞典や教科書を使って英単語を調べ、しりとり形式で次々と単語を書き出していく。ゲーム感覚で多くの英単語に触れられるため、英語への興味・関心を引き出しながら、自然に語彙力を伸ばすことができる。

 英単語を書くことに不安がある児童にも配慮する。大会では、すぐに対戦を始めるのではなく、まず辞書で調べた単語を単語カードに書き写す時間を設ける。実際のしりとりでは、自分で作った単語カードや、事前に用意された英単語一覧表を見ながら取り組むことができる。

 調べて作成した単語カードは持ち帰ることができ、イベント後の復習にも活用できる。英単語を一度書いて終わりにするのではなく、繰り返し学び、自分の語彙として定着させることをねらう。

 イベントは7月23日午後1時30分から2時30分まで、あすなろ学院各教室で実施する。対象は小学4〜6年生で、持ち物は筆記用具、上履き、飲み物、和英辞典。申し込みは同学院のウェブサイトで受け付ける。

 小学校英語は2020年度から教科化され、中学校では小学校で一定の英語学習を経験していることを前提に授業が進む。小学校で最大700語程度の英単語に触れていても、中学校の定期テストではそれらを「書く」力が求められる場面がある。十分な準備がないまま中学英語に入ると、最初の定期テストでつまずき、苦手意識につながることもある。

 あすなろ学院では、こうした状況を踏まえ、「英語は中学から頑張る」だけでは対応しにくくなっていると指摘する。中学入学を意識した小学生段階からの英語学習を進めることで、英語を得意教科にするきっかけづくりを目指している。

 語彙学習は、英語学習の土台である一方、単調になりやすい面もある。今回の「英単語しりとり大会」は、遊びの要素を取り入れながら、辞書を引く、単語を書く、覚えるという学習行動につなげる取り組みとして注目されそうだ。

COMPASS、エプソン販売と連携した探究学習プログラムを無償提供

印刷技術を題材に「こうなったらいいな」を形にする学びを展開

 COMPASSは、小学館集英社プロダクションと共同で展開する小中学校向け探究学習ライブラリー「SPARKE」において、エプソン販売と連携した新たな探究学習プログラムの無償提供を開始した。プログラム名は「“こうなったらいいな”を形にする 新しい印刷アイデアを考えよう!」で、全国の小・中学校の教員を対象に、2027年2月28日まで申し込みを受け付ける。

 SPARKEは、小・中学校の授業で活用できる探究学習プログラムを掲載するライブラリーで、教科単元と実社会を結び付けたテーマを扱う。子どもたちが課題を発見し、解決策を考えるプロセスを通じて、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力を育むことを目的としている。

 COMPASSは、学習eポータルとAI型教材「キュビナ」を通じて、教科学習における知識・技能の個別最適な学びを支援してきた。その一方で、子どもたちの「未来を創る力」を育む学びの時間を生み出すことを重視しており、ShoProと共同で企業連携型の探究学習プログラムを開発してきた。これまでに累計5万人を超える全国の小中学生に提供している。

 今回のプログラムでは、エプソンのインクジェット印刷技術を題材に、生活をより良くする新しい印刷アイデアを考える。児童生徒は、身の回りで使われている印刷技術の役割に気付き、生活や社会を支える情報技術への理解を深める。

 対象は小学校3年生から中学校3年生まで。総合的な学習の時間では、課題発見・解決力や探究のプロセスの実践に活用できる。特別活動や学級活動では、学級や学校の生活づくりに関連付けられるほか、中学校技術では「情報の技術」や「技術と生活や社会との関わり」の単元と接続できる。

 教材は、企業担当者によるテーマ解説の映像教材、授業で使うワークシート、教師用手引書、授業スライド、ルーブリック表、POPサンプルなどで構成される。授業時間の配分や児童生徒の活動、指導のポイント、発話例なども用意されており、教員が授業に取り入れやすい設計となっている。

 利用にはSPARKEへの会員登録が必要で、教材は無償で閲覧、ダウンロード、管理できる。企業の技術や社会での活用事例を学校の学びに接続することで、児童生徒が実社会を題材に探究する機会を広げる。

 探究学習では、身近な課題を出発点に、社会や技術との関わりを考える学びが求められている。今回の取り組みは、印刷技術という日常に近いテーマを通じて、子どもたちが情報技術の役割を理解し、自分たちのアイデアを形にする力を育むプログラムとして注目されそうだ。