Category: 塾ニュース|地域教育

貝塚市教委と企業が連携 給水機設置で熱中症対策と環境教育を推進

 大阪府貝塚市教育委員会は、浄水型ウォーターサーバー事業を手掛けるウォータースタンド株式会社と、「熱中症予防及びプラスチックごみ削減の推進に関する協定」を締結した。協定締結日は5月26日。

 協定では、市立小学校および義務教育学校にマイボトル用給水機を設置し、児童生徒の適切な水分補給を促進する。近年の猛暑を背景に、学校現場での熱中症対策を強化するとともに、マイボトル利用の普及を通じて使い捨てプラスチックごみの削減にも取り組む。

 また、給水機の活用に加え、環境問題や地球温暖化について学ぶ機会の創出も進める。児童生徒が身近な行動と環境との関わりを考え、持続可能な社会づくりへの理解を深めることを目指す。

 貝塚市教育委員会の和中克仁教育長は、「安全な水分補給環境の整備だけでなく、環境問題への理解を深める学習機会にもつながる意義深い取り組み」と期待を寄せた。

 一方、ウォータースタンドは全国の自治体や教育委員会と連携し、「ボトルフリープロジェクト」を展開している。マイボトル利用を推進し、使い捨てプラスチックボトルの削減とCO2排出抑制を図る取り組みで、同社は「持続可能な社会の実現と子どもたちの健やかな成長に貢献したい」としている。

 教育現場では熱中症対策と環境教育を同時に進める取り組みへの関心が高まっており、今回の協定も学校を拠点としたSDGs推進の一例として注目されそうだ。

埼玉県本庄市が全小学校のプール統合へ 屋内温水施設を新設、29年秋供用開始

 埼玉県本庄市は、市内全12校の小学校にある屋外プールを一つに統合し、新たに屋内温水プールを建設すると発表した。建設予定地は同市児玉町にある公民館の跡地で、2029年9月の供用開始を目指している。
 背景には、既存の屋外プールの老朽化が進んでいることや、近年の猛暑による児童の健康管理への配慮がある。屋内施設に移行することで、気候の影響を受けることなく年間を通じた計画的な授業実施が可能になる。また、教職員の管理負担を減らすとともに、施設の維持管理費を統合しない場合と比較して、今後30年間で約11億円削減できる見通しだ。
 計画されている施設は2階建てで、25メートルプールが6レーン設置され、最大で120人の収容が可能となる。さらに、多目的室や会議室などの生涯学習施設を併設し、多世代が活用できる地域の交流拠点としての役割も担う。
 小学校での水泳授業は年間4回実施されるが、統合後もこの回数は維持される。授業以外の放課後や休日は一般開放され、年間で約6万6千人の利用が見込まれている。総事業費は約31億円から34億円と試算されている。
 県教育局によると、全小学校の水泳授業を集約して行うために公営プールを建設する試みは、県内の自治体で初めての事例となる。

神戸山手グローバル中高、共学化の背景に多文化共生の「グローバル教育」 “成長実感”ある学校づくりへ

 5月14日、学校法人濱名山手学院は関西国際大学尼崎キャンパスにて学校説明会を開催し、同法人の教育理念と、神戸山手グローバル中学校高等学校における教育改革の現状について説明した。

 冒頭で登壇した濱名篤理事長は、神戸山手学園の102年の歴史と、2020年の法人合併により誕生した同学院の歩みを紹介した。濱名氏は、法人全体の教育ミッションとして「『他者を尊重しつつ、主体的・能動的に自らの人生を切り拓く』ことができる人間を世界に送り出すこと」を掲げ、その実現に向けて、コミュニケーション、コンシダレーション、コミットメントの「3つのC」を重視していると語った。

 これを背景に関西国際大学では、「自律性」「社会的貢献性」「多様性理解」「課題発見・解決力」「コミュニケーション力」「専門知識・技能の活用力」の6項目をルーブリック評価で測定する「KUIs学修ベンチマーク」を取り入れ、学生の成長を可視化するなど、独自の教育を推進している。その成果の一つとして、文部科学省の全国学生調査・ポジティブリストでは、540大学中、上位15%に入る項目数が全国最多となっている。

 続いて、神戸山手グローバル中学校高等学校の平井正朗校長が、同校の現状と教育活動について報告した。

平井正朗 校長

 同校の最大の特徴は、多文化共生が日常化した学習環境にある。海外ルーツの生徒が全体の36%を占め、17カ国の生徒と7カ国の教員が在籍している。

 また、同校の英語教育では、フルタイムのネイティブ教員12名を含む20名超の教員が授業に関わり、家庭・情報・音楽などを英語で学ぶイマージョン授業を展開し、今年から数学・理科も通年実施している。グローバル選抜探究コースでは、日本人教員とネイティブ教員によるダブル担任制を採用し、GTECなどを通じてCEFRに基づく4技能評価も実施している。これらが功を奏し、中学1年終了時にはほぼ全員が英検3級レベルに到達。中学3年で2級や準1級、高校1年終了段階ではほぼ全員が2級レベルをクリアするなど、大きな成果を挙げている。

 生徒の主体性を重んじる校風は、クラブ活動の実加入率96%、延べ加入率140%超という数字にも表れている。複数クラブへの加入を認めていることも特徴だ。全24クラブのうち4分の1が全国大会に出場しており、陸上部とスポーツクライミング部では日本一に輝いた。

 さらに同校は、文部科学省の「DXハイスクール」に認定されるとともに、全国で3校のみが採択された「EDU-Portニッポン」の1校にも選ばれている。

 不登校生徒への対応では、大学の心理学部と連携したカウンセラーの配置や、ICTを活用した個別最適な学習を可能にする学習支援室も完備している。学校評価でも40項目に対し、4年連続で90%以上の肯定的回答を得ており、保護者の回答率は95.2%にのぼる。

 最後に平井校長は、学校選びについて「成長実感を期待できる学校かどうかが重要です」と述べた。

 説明会の締めくくりには、ネイティブ教員陣が紹介された。Cheska Kimberly先生は日本語と英語を交えながら、イマージョン授業を通じて英語を自然なコミュニケーションツールとして定着させ、多文化共生の環境の中で世界を広い視野で見つめられる人材を育てたいと語り、同校が目指すグローバル教育の可能性を印象づけた。

京都カグヤライズと京都聖カタリナ高が産学連携協定 スポーツ通じた人材育成へ

 株式会社京都卓球クラブが運営する女子プロ卓球チーム「京都カグヤライズ」は、京都聖カタリナ高等学校と産学連携協定を締結する。調印式は6月2日に京都聖カタリナ高等学校で行われる予定だ。協定は、スポーツを活用した教育活動や地域貢献活動を通じて、生徒の成長機会の創出と地域活性化を目指すもの。両者はこれまで約1年間にわたり交流を重ねており、その実績を踏まえて正式な連携協定締結に至った。

 これまでには、Tリーグ開幕戦でのボランティア派遣や探究授業への協力、地域イベント「カタリナクリスマス」での連携などを実施。学校側はキャリア教育や探究学習において地域や企業と連携した実践的な学びを重視しており、京都カグヤライズ側も地域連携や次世代育成を活動方針の一つに掲げている。協定では、教育・企業活動・社会貢献に関する情報交換や、施設・設備の相互活用、選手・生徒による交流活動などを推進する。今後は、ホームマッチ運営やボランティア活動、探究学習など、スポーツを軸とした実践型プログラムを共同で展開する予定だ。具体的な取り組みとして、7月10日には普通科1年生を対象に「プロスポーツを運営する」をテーマとしたキャリア教育授業への協力を予定している。京都カグヤライズは2022年創設の女子プロ卓球チームで、Tリーグに参戦。「ともに挑み、ともに強く。」を理念に掲げ、地域密着型クラブとして活動している。

東京電機大学・草加市・加藤製作所、産官学連携で体験型科学講座 小中学生向け「まちのヒーローアカデミー」開催

 東京電機大学と草加市は、包括連携協定に基づく取り組みとして、株式会社加藤製作所と連携し、体験型講座「まちのヒーローアカデミー 番外編 ~サイエンス~」を開催する。次世代を担う子どもたちに、理科やものづくりへの興味関心を持ってもらうことが狙いだ。同講座は、産官学連携によって学校教育だけでは得にくい実践的な学びの機会を提供する連続プログラム。対象は草加市内の小学5・6年生と中学生計25人で、電気や公共インフラ、製造業への理解を深める内容となっている。

 プログラムは全3回で構成される。第1回は7月4日に東京電機大学東京千住キャンパスで開催。「クレーン車から学ぶ『油』のチカラと電気駆動システム!」をテーマに、油圧や電気駆動の仕組みを学びながら、モデルカーの組み立てを通して回生システムへの理解を深める。第2回は7月22日に建設中の新草加消防署や草加市役所で実施。公共インフラ施設の見学を通じて、地域インフラ維持管理の重要性や自治体の役割、クレーン車が果たす役割などを学ぶ。第3回は8月25日に加藤製作所茨城工場で開催され、大型クレーン車の製造工程を見学するほか、現役エンジニアとの交流やグループ発表を行う。大学教員や自治体担当者、技術者からのフィードバックも予定している。東京電機大学は、地域連携活動の一環として、小中学生向けの電子工作教室や科学実験教室などを継続的に展開している。今回の講座も、地域と連携しながら「ものづくり」の楽しさや探究する力を育む取り組みとして位置づけている。

高専生のキャリア観広げる「高専キャラバン2026」始動 全国の高専で開催へ

 株式会社みらいスタジオは5月22日、現役高専生向けキャリアイベント「高専キャラバン2026」を開催すると発表した。フラー株式会社、株式会社プロッセルと共同で実施し、5月21日の旭川高専を皮切りに、全国各地の高等専門学校で順次開催する。今年のテーマは「高専の続きに、こんな『かなりたのしい!』があったのか」。全国で活躍する高専出身者が登壇し、高専時代の経験や進路選択が、現在の仕事や活動の楽しさにどのようにつながっているのかを語る。講演では、技術者としてのキャリアだけでなく、起業や新規事業、地域活動など多様な進路を紹介する予定だ。

 プログラムでは、高専卒業生によるキャリア講演を中心に構成。登壇者が「今、何を面白いと感じているか」や、「高専時代の試行錯誤が現在にどう結びついているか」を等身大で伝えることで、高専生に新たな視点やキャリアの選択肢を提示する狙いがある。主催するみらいスタジオグループは、高専出身者を中心としたコミュニティ運営やキャリア教育、アントレプレナーシップ教育を10年以上展開してきた。進学・編入・就職・起業など幅広い進路情報を現役学生に届ける活動を続けており、日本最大級の高専生・OB/OGコミュニティも運営しているという。

 また、同社はスタートアップスタジオ事業も手掛けており、高専生・OB/OGの技術力を活かした新規事業開発や起業支援にも注力。AIやLLMを活用した開発支援なども進めている。こうした実績から、東京都のスタートアップ支援事業「TOKYO SUTEAM」に採択されるなど、教育・起業支援分野での活動を広げている。高専キャラバン2026の詳細や開催校情報は、公式サイトおよび公式Xアカウントで随時公開される。

キッズコネクト、熊本県の保育ICT協議会で最新動向を説明 自治体・保育団体向けにDX推進支援

 キッズコネクト株式会社は、熊本県が主催する「令和7年度 熊本県就学前教育・保育施設ICT協議会」において、県内の市町村や就学前教育・保育関係団体に対し、「保育ICTの現状」について説明したと発表した。同協議会では、保育現場におけるICT導入に加え、保育DXを取り巻く制度動向や課題についても共有された。説明内容には、こども家庭庁による保育DX推進の方向性や目標設定、ICT関連補助金・加算制度の要件、ICT導入検討時の留意点、人材採用をめぐる現状などが含まれる。

 また、同社は、一般社団法人こどもDX推進協会の代表理事として、こども家庭庁へ提言してきた内容についても紹介した。協議会では、事前アンケートをもとに把握した各自治体のICT導入状況や課題を踏まえ、次年度以降の導入推進につながる情報提供を行ったという。近年、保育現場では人材不足や業務負担増加への対応としてICT活用への関心が高まっており、国も保育DX推進を進めている。キッズコネクトは今後も、自治体や保育施設向けにシステム提供、コンサルティング、研修などを通じて、保育現場の業務負担軽減と保育の質向上を支援していくとしている。

リクルート、姫路市教委と連携協定 スタディサプリ活用で教育DX推進

 株式会社リクルートは20日、兵庫県姫路市教育委員会と教育支援に関する連携協定を締結したと発表した。オンライン学習サービス「スタディサプリ」を軸に、ICTを活用した家庭学習の充実や個別最適な学びの実現、キャリア教育の推進などを進める。協定は、教育分野での連携体制を強化し、教育の質向上と地域社会の発展、児童生徒の健全育成に寄与することが目的。リクルートが持つ教育サービスの知見や民間企業としての視点を、姫路市の教育施策に取り入れる。

 主な取り組みとして、家庭学習環境の整備を通じた学習習慣の定着と学力向上、児童生徒が将来を考える機会を広げるキャリア教育、学習プラットフォームを日常的に活用する教育DXの推進を掲げる。学校向け「スタディサプリ」は、全国の自治体や小中高校で導入が進む学習支援サービス。動画教材とドリル・テスト教材を組み合わせ、基礎学力の定着やつまずき克服、自学自習の促進を支援する。教員向け管理機能では、宿題配信や採点、学習状況の把握なども効率化できる。自治体と民間企業が連携し、ICTを活用した学びの高度化を進める動きが全国で広がる中、今回の協定も地域教育改革のモデルケースとして注目されそうだ。

中央高等学院、東京ヴェルディと2026年も提携継続 18年目の教育連携へ

 中央高等学院を運営する株式会社ディー・エヌ・ケーは17日、東京ヴェルディと2026年シーズンのコーポレート・パートナー契約を締結したと発表した。協賛は2009年から続いており、今年で18年目となる。両者はこれまで、学業とサッカー競技の両立を支援する「ヴェルディS.S.中央高等学院 サッカーコース」を共同運営してきた。高校卒業資格取得に向けた学習を進めながら、専門的なサッカー指導を受けられる環境を整えている。

 このほか、スポーツイベント「GREEN DAY」や、生徒が試合運営をボランティアで支える「ありがとうプロジェクト」など、教育とスポーツを掛け合わせた取り組みも継続して実施している。中央高等学院は、通信制高校に通う生徒への学習支援や進路指導を行うサポート校として展開。個別カウンセリングや体験型学習に力を入れており、大学進学率は約70%としている。現在は吉祥寺、池袋、原宿、横浜、千葉、大宮、名古屋の7拠点で校舎を運営する。近年、通信制高校やサポート校では、学び直しや多様な進路支援に加え、スポーツ・芸術・eスポーツなど専門分野と学業を両立できる教育モデルが広がっている。今回の契約更新も、そうした実践型キャリア教育の一例といえそうだ。

高槻市、小中9年間の給食無償化を先行実施 新年度の給食が開始

 高槻市は4月10日、市立小中学校で2026年度の給食を開始した。同市はすでに、義務教育9年間にわたる給食費の恒久的無償化を実現しており、国の制度に先行した取り組みとして注目されている。

 国は2026年4月から公立小学校を対象に給食費の負担軽減策を実施するが、高槻市ではこれに先立ち、独自施策として無償化を段階的に導入。2022年度に中学校、2023年度に小学校へと拡大し、北摂地域で初めて小中9年間の給食無償化を達成した。

 この日の給食開始では、パンや牛乳、豚肉とマカロニのトマト煮などが提供され、各校で児童生徒が久しぶりの給食を楽しむ様子が見られた。教室では配膳やあいさつを行い、笑顔で食事をとる姿が広がった。

 市によると、中学校の生徒数は2026年4月時点で約7800人。無償化により、生徒1人あたり年間約7万円の負担軽減につながるという。

 同市はこれまでも子育て世帯への支援を重点施策として進めており、今回の取り組みも家計負担の軽減と教育環境の充実を図る狙いがある。今後も国の制度と並行しながら、独自の支援策を継続していく方針だ。