Category: 塾ニュース|地域教育

山県市とTeach For Japan、教育人材育成で協定 2027年度にフェロー配置へ

 岐阜県山県市と認定NPO法人Teach For Japan(TFJ)は9月1日、教育人材の発掘・育成や、多様な専門人材が学校教育に参画する仕組みづくりに関する連携協定を締結した。学校、地域、企業をつなぎ、地域全体で子どもの学びを支える教育体制の構築を目指す。

 山県市は、市内の9小学校と3中学校を地域全体で一つの学校のように連携させる「山県学園構想」を掲げている。合同授業や地域での体験活動、オンライン学習、異年齢学習、放課後の学びなどを組み合わせ、学校内にとどまらない教育を進める。「山県教育ビジョン2025」では、すべての子どもが成長を実感できる「チャンスある学校」を目標に示している。

 協定では、TFJの「フェローシップ・プログラム」を活用した人材育成と登用、民間企業や地域活動で得た知識・経験を持つ人材の学校参画、企業や地域の資源を生かした学習機会の充実などに取り組む。

 2026年度は、教員が自身の強みや行動特性を把握し、それぞれの力を発揮しやすい組織・環境づくりを進める。2027年度には、同プログラムを通じた教員配置に着手する予定だ。TFJは2013年から同プログラムを展開しており、これまでに389人を34都道府県の学校へ送り出している。(Teach For Japan発表)

神奈川県、部活動の地域展開で企業・大学など募集 12月に相談窓口を開設

 神奈川県は8月26日、公立中学校の部活動の地域展開を支援する企業、大学、スポーツ・文化団体などの募集を開始した。2026年12月に県内の市町村、学校、地域クラブなどを対象とする相談窓口を開設し、課題解決策や類似事例の提供、協力団体とのマッチングを行う。

 協力内容として、企業には社員による指導や運営支援、施設・用具の提供などを想定。大学には競技経験のある学生や教員による指導、体育館やグラウンド、音楽室などの提供、研究成果や専門知識の活用を求める。スポーツ・文化団体には指導者や講師の紹介、指導者育成のノウハウ提供などを期待している。

 県によると、県内公立中学校の生徒数は2015年度から2025年度までに7・0%減少した。運動部と文化部を合わせた部活動数も5525から5234へ減り、291部、5・3%の減少となった。市町村からは指導者や活動場所の確保、地域展開の進め方に関する相談が寄せられているという。

 応募は原則として県内に拠点を持ち、相談に対して具体的な協力内容を提示できる団体が対象。県外の団体でも、継続的に協力できる活動内容があれば参加できる。個人と市町村は対象外で、申し込みはe-kanagawa電子申請システムで随時受け付ける。

「SDGs QUESTみらい甲子園2026」、9月24日から募集 全国24エリアで地区大会

 未来教育株式会社(札幌市、水野雅弘代表取締役)は、全国47都道府県の高校生を対象とする探究学習コンテスト「SDGs QUESTみらい甲子園2026」のエントリーを9月24日から受け付ける。全国24エリアで地区大会を開催し、社会課題の解決に向けた高校生の探究活動や提案を募集する。

 同大会は、高校生がSDGsを起点に、気候変動、人口減少、地域活性化、エネルギー、教育、福祉などの課題を探究し、解決策を提案する取り組みである。2019年に始まり、2026年度で8年目を迎える。主催者によると、国連広報センターと文部科学省、全国47都道府県の教育委員会が後援し、大学、企業、自治体、地域金融機関、メディアなどが各地域の運営や高校生の活動支援に関わる。

 各地区大会の最優秀チームは、2027年に開催予定の全国大会「Future Session2027」に招待される。また、テーマ別に選ばれたチームには、JICAとの「国際協力みらい賞」発表会をはじめ、企業や大学、自治体との連携イベントで探究成果を発表する機会を設ける。

 2026年度からは、ファイナリストと各賞の受賞チームに、1EdTechのOpen Badge規格に準拠したデジタルバッジ「Sustainable Passport」を授与する。社会課題に取り組んだ経験や探究活動の成果をデジタル上で示すもので、参加チーム全員には従来通り参加証明書を発行する。

 地区大会では、山陰と山陽の両エリアを統合した「中国エリア大会」を岡山県で開催する。従来の上越エリア大会は、新潟県、群馬県、栃木県を対象とする「新潟・北関東エリア大会」に変更する。熊本県大会には肥後銀行が新たに共催として加わり、同行の「くまもとSDGsミライパーク」を会場とする。

 参加校は、探究学習動画プラットフォーム「EDUCAL.TV」を無料で利用できる。社会課題を扱った教材や、過去の高校生によるプレゼンテーション、社会での実践につながった事例などを配信し、探究テーマの設定や活動に活用できるようにする。大会公式サイト

J PREP Kids、山形・庄内で4日間の英語キャンプ 教室で学んだ英語を体験へ

 J PREP株式会社が運営する小学生英語塾「J PREP Kids」は8月4日から7日まで、山形県庄内地方で塾生向けの「J PREP Kids English Camp in Yamagata」を開催した。対象は小学3〜4年生。教室で身につけた語彙や表現を、実際の生活や体験の中で使うアウトプットの場として企画した。

 キャンプでは、4日間の全行程を英語で過ごす「オール・イングリッシュ」の環境を設けた。中心となったのは、チームで制作する英語劇である。子供たちは3日間にわたって、小道具や背景の制作、せりふの練習に取り組み、役割を分担しながら最終日の発表に備えた。単に用意された英文を読むのではなく、仲間と相談し、英語で表現する共同作業として実施した。

 地域の自然や施設を活用した体験活動も組み込んだ。鶴岡市の全天候型児童教育施設「BahnFusion SORAI」では工作や遊具遊びに取り組み、「東北エプソンアクアリウムかもすい(鶴岡市立加茂水族館)」ではチームで課題を解くミッションを実施した。遊佐町の海岸では磯遊びやカニ釣りを体験したほか、天体観測、料理教室、スカベンジャーハント、スポーツ、サイエンスプロジェクトなどにも取り組んだ。

 ブルーベリーマフィンを作る料理教室や、手掛かりを探して課題を解決する活動では、英語で相談しながら作業を進めた。最終日の夜には英語劇を発表し、キャンプファイヤーを囲んで、アメリカのキャンプで親しまれている菓子「スモア」作りも体験した。

 参加者の中には、保護者のもとを離れて宿泊行事に参加するのが初めての児童もいた。同社によると、当初は緊張していた児童も、プログラムが進むにつれて自ら発言するようになり、うまくいかない場面では仲間と相談し、役割を分担しながら解決策を考える姿が見られたという。集団生活と課題解決を通じ、自分の考えをどのように伝えるかを考えながら、教室で学んだ英語を実際のコミュニケーションにつなげる機会とした。

 J PREP Kidsは小学1〜4年生を対象とし、日本語母語講師によるフォニックスなどの指導と、英語母語講師によるCLIL教材を使った授業を組み合わせている。通常授業は週1回、日本語母語講師と英語母語講師が各1時間を担当し、30分の宿題確認や音読練習も実施する。東京都内7校、神奈川県内2校の計9拠点を展開しており、小学5年生からは「J PREP」のカリキュラムへの接続を目指す。

糸魚川市と2大学、地域課題を学ぶフィールドワーク 事業計画の策定へ

 糸魚川市、立教大学法学部箕浦ゼミ、開志専門職大学事業創造学部庄司ゼミは、同市をフィールドとした地域課題解決型の学習に取り組んでいる。地域の課題を捉え、事業者と連携した事業計画を策定することが目的だ。2回目のフィールドワークを8月4日から7日まで実施した。

 初日は、糸魚川市駅北広場「キターレ」と糸魚川ビジネス共創拠点「Catalo」を訪問。2016年の糸魚川市駅北大火からの復興や、人口流出、学習機会、新産業の創出などについて地域事業者から話を聞いた。その後、市役所で久保田郁夫市長や各部署の職員にヒアリングを実施。人口減少を前提に地域の充実を図る「縮充」や、関係人口を増やす施策について意見を交わした。

 開志専門職大学からは学生4人が参加した。今後、フィールドワークで把握した課題と地域事業者の取り組みを結び付け、2027年1月に地域活性化に向けた事業計画を発表する予定だ。

慶應義塾大学と東急不動産、渋谷に新研究拠点 スタートアップ・エコシステムの「SHIBUYAモデル」構築へ

 東急不動産と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)は、渋谷にスタートアップ・エコシステムに関する研究拠点を設置した。東急不動産が運営する「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA(SDS)」と連携し、広域渋谷圏におけるスタートアップ支援や産業集積の実態を分析する。

 SDSは、2025年1月に渋谷サクラステージ内に開業した、ディープテック分野のスタートアップを支援するグローバルなコミュニティ拠点。今回の新拠点では、SDSを基盤に、スタートアップ、投資家、大企業、研究機関などの関係性を可視化し、渋谷発のスタートアップ・エコシステムの構造化を進める。

 研究では、社会ネットワーク分析、グラフ理論に基づく中心性分析、機械学習などのデータサイエンス手法を活用する。支援施策と資金調達、事業成長との関係を定量的に検証するほか、企業情報やインタビュー記録などの非構造化データについても、自然言語処理や深層学習を用いて、技術領域、成長課題、支援ニーズなどの抽出・分類を検討する。

 東急不動産は、渋谷駅から半径約2・5kmの「広域渋谷圏」をまちづくり戦略上の重点エリアと位置付けている。新産業や最先端事業の創出を通じた「価値創造力」の強化を目指し、スタートアップの成長支援、実証実験、企業連携などを進めてきた。

 KMDは、データサイエンス領域の学術研究成果を社会応用し、学術研究、政策提言、社会発信を進める。産学連携やアントレプレナー教育を通じた人材育成にも取り組み、実際のシード投資や社会実装にも関与することで、研究成果の社会還元を図る。

 両者はこれまでも竹芝地区で、コンテンツとテクノロジーが集積する国際ビジネス拠点づくりに取り組んできた。今回の渋谷での新拠点設置により、ディープテックを起点とした次世代産業の創出と、日本発のエコシステムモデル構築につなげられるかが注目される。

大学生が南紀白浜の観光活性化に挑戦 総額100万円の実践型起業プログラム「南紀AEP」開始

 和歌山県は、「ポストパンダ観光戦略」に関連する地域の観光活性化事例として、南紀ワークスなどが実施する実践型起業プログラム「南紀AEP」を紹介した。プログラムは8月1日から9月30日まで行われ、大学生が南紀白浜の観光課題解決に取り組む。

 南紀AEPは、大学生が専用団体を設立し、総額100万円の業務委託を受けて事業に挑む実践型プログラム。学生には資金と意思決定権が委ねられ、活動内容や日時、委託費の使途などを自ら決める。

 参加学生のミッションは、白良浜の海上アスレチック「AQuaLooP マリンアドベンチャー」の来場者を2カ月で1000人増やすことと、白浜町の観光課題を解決する新たなビジネスプランをつくること。目標達成の計測方法も学生が設計し、9月末に成果を発表する。

 「AQuaLooP マリンアドベンチャー」は、滑り台やトランポリンなどを海上に浮かべた体験型アクティビティ。2025年に和歌山市の片男波海水浴場で開業し、2026年夏に白浜・白良浜へ展開している。

 プログラムでは、地域創生や事業経営に携わる実業家が学生の活動を伴走支援する。単なるインターンシップではなく、事業成果に向き合う起業体験として設計されている点が特徴だ。

 アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ返還後を見据え、和歌山県では新たな観光資源の創出が課題となっている。学生の発想を生かした観光活性化が、地域の持続可能な観光モデルづくりにつながるかが焦点となる。

デジタル・ナレッジ、大阪府の産学官共創教育モデル事業を受託

高校生約70人が参加する「OSAKA共創LAB」始動

 デジタル・ナレッジは、マイナビ、ファイアープレイスと共同で、大阪府教育庁の「府立学校産学官共創教育モデル事業企画運営等業務」を受託した。大阪府が主体となる共創型学習プロジェクト「OSAKA共創LAB」を推進する。

 同事業は、大阪・関西万博で広がった高校生、企業、大学による共創型学習の成果を、府立学校における探究的・共創的な学びへ継承・発展させることを目的とする。府立学校に通う高校生約70人が、企業や大学、地域と連携し、社会課題をテーマにしたプロジェクトに取り組む。

 生徒は、6つのテーマから自身の興味・関心に応じて課題を選び、チームで企画立案、試作、検証、成果発表までを行う。活動期間は約8カ月で、年度末には成果を社会に向けて発信する。

 各チームにはファシリテーターを配置し、企業や大学が共創パートナーとして参画する。高校生は実社会で活躍する大人との対話やフィードバックを受けながら、教室内にとどまらない実践的な探究活動に取り組む。

 デジタル・ナレッジは、eラーニング専門ソリューション企業として培ってきた教育テクノロジーの知見や導入実績を生かし、学習プログラムの円滑な運営と教育モデルの定着を支援する。

 万博レガシーを一過性の取り組みにせず、学校横断・企業連携による探究学習として継続的に展開できるかが今後の焦点となる。

福山市立大生が地域防災プロジェクトに参加

産学官民で「みんなの防災倉庫」設置へ

 一般社団法人みんなの防災倉庫普及協会は、福山市立大学と共同で、学生が地域・企業・行政と連携して防災備蓄拠点「みんなの防災倉庫」を設置するプロジェクトを開始した。実施期間は5月から10月まで。

 対象となるのは、過去の豪雨で浸水被害を経験した福山市深津学区。福山市立大学の学生8人が、地域の災害リスクを調査し、備蓄品や運用方法を検討する。10月には設置報告会を開き、学生が住民に防災倉庫の利用方法を説明する予定だ。

 プロジェクトには、深津学区まちづくり推進委員会、福山通運、福山市、福山市立大学、みんなの防災倉庫普及協会が参加する。福山通運はサポーター企業として設置を支援する。

 学生は、地域住民や行政、防災士、気象予報士らとの対話や現地調査を通じて、地域の実情に応じた備蓄品を検討する。防災倉庫を設置するだけでなく、その過程を実践的な学びと地域防災力の向上につなげる点が特徴だ。

 同協会は今後、この取り組みを継続的な産学官民連携プロジェクトとして発展させ、福山市から全国へ広がる地域防災モデルの構築を目指す。学生が社会課題を発見し、地域での実装まで関わる実践型プロジェクトとして注目されそうだ。

神戸山手グローバル中高、文科省「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に2年連続採択 国際協働PBLを推進

神戸山手グローバル中学校・高等学校(平井正朗校長)はこのほど、文部科学省の「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に昨年度に続き採択されたと発表した。今回は2カ年事業として実施される。

本年度のテーマは「遠隔協働学習を基盤とした英語×教科横断PBLの国際共同実証」。同校ではこれまで、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」への教育転換を掲げ、教科横断型の探究学習を推進してきた。今回の採択を機に、その取り組みをさらに発展させ、日本型教育モデルの海外展開にも取り組む。

事業では、フィリピンやケニアなどの海外協働校とオンラインで連携し、英語・数学・情報を融合した教科横断型PBL(課題解決型学習)を共同実施する。国や文化、教育制度の異なる生徒同士が、一つの課題について対話を重ね、多様な視点から解決策を探ることで、国際社会で求められる資質・能力の育成を目指す。

また、教育活動の一環としてeスポーツタイトル「Valorant」を活用する点も特徴だ。同校では競技としてではなく、戦術設計やデータ分析、役割分担、コミュニケーションなどを学ぶ教材として位置付け、国際チームによる協働を通じてPBLを実践する。

評価面では、生徒の成果だけでなく、共通ルーブリックによる学習評価や各国教員による授業改善、学習ログの分析などを通じて、学校組織全体の改善につなげる方針。日本型カリキュラム・マネジメントの考え方についても海外教育機関と共同で検証し、新たな教育モデルの構築を目指すとしている。同校では、「ICTを活用すること自体ではなく、『何を学び、誰と学び、どのような社会を創るのか』という教育の本質を重視している。世界とつながる学びを通じて、生徒一人ひとりの可能性を広げるとともに、日本発の教育モデルを世界へ発信していきたい」としている。