国立大学法人滋賀大学(学長:竹村彰通)は2月10日、株式会社Preferred Networks(PFN、代表取締役:岡野原大輔)と、国産生成AI技術の教育および社会実装を一体的に推進するための連携協定を締結したと発表した。これに伴い、2026年4月1日から、PFNが開発する国産生成AI基盤モデル「PLaMo™」を、滋賀大学の全学生・全教職員を対象に導入する。
日本におけるAI分野は、研究開発や社会実装の両面で国際的な競争が激化している。日本初のデータサイエンス学部・研究科を設置した滋賀大学は、データサイエンス・AI教育研究の中核拠点として、新技術の積極的な利活用と、その影響やリスクへの配慮を両立させた取り組みを進めてきた。一方、PFNは深層学習を中心とする先端AI技術の研究開発と社会実装を手がけており、両者の知見を結集することで、国産生成AIの大学活用モデルの確立を目指す。
今回の協定に基づき滋賀大学が導入するのは、生成AIチャットアプリケーション「PLaMo Chat」と、日本語翻訳に特化した「PLaMo翻訳」。国内大学としては先駆的な全学導入となり、教育・研究・業務の各領域での活用を通じて、生成AIの適切な利用に関する知見を体系的に蓄積・発信していく。
教育・研究面では、教員が授業内容に応じて「PLaMo Chat」をカスタマイズし、学生に提供できる仕組みをPFNと共同で開発する。これにより、学生が早期から生成AIに触れ、実践的な活用スキルを身につけるとともに、教員の研究効率化や授業改善にもつなげる。滋賀大学は、生成AIを単なる学習補助ではなく、学生が主体的に活用する学習手段として位置づけ、思考力や判断力、表現力を高める教育環境の構築を進める方針だ。
また、業務面では、学生サービスの向上や事務作業の効率化を図り、全学DX推進計画に基づくデジタル・キャンパス化を加速させる。教育・研究・業務を横断したAI活用により、「AIキャンパス」の実現を目指すとともに、得られた知見を他大学や社会へ発信していく。
滋賀大学が「PLaMo」を選定した理由として、日本語の文法構造や文脈理解に強く、学術・業務文書への適応性が高い点に加え、海外サーバー依存を回避しやすく、研究情報や個人情報を扱う大学環境に適している点を挙げている。さらに、共同研究や実運用を通じた継続的な改善が期待できる発展型のAI基盤であることも評価した。
滋賀大学とPFNは今回の連携を通じ、国産生成AIを活用した大学DXの先行事例を創出し、日本における生成AI教育・研究の新たなモデル構築を目指すとしている。




