月刊私塾界2026年7月号(通巻543号)...

巻頭言  ビジネスの長期的な成功に創造性が不可欠であることは常識だが、多くのリーダーがその引き出し方に頭を悩ませている。リーダーはどのようにして、自分自身やチームの発想力を引き出せばよいのか。まず必要なのは、創造性に対する思い込みを捨てることだ。創造性は、アーティストやデザイナーなど...

月刊私塾界2026年6月号(通巻542号)...

巻頭言 「自分にはできる」という自信は原動力となる。これは多くのビジネスパーソンが直感的に理解しているだろう。ただし、組織を動かすには、個々人が持つ自信あるいは信念とは別に、もう一つの力が求められる。「このチームならできる」という集合的な信念、すなわち「集団的効力感」である。 複数の...

月刊私塾界2026年5月号(通巻541号)...

巻頭言  ストレスマネジメント。 貴社は取り組んでいるだろうか。 厚生労働省の「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に強い不安やストレスを感じている労働者は約8割いるという。いうなれば、働く人は「ストレスを抱えているのが当たり前」という状況だ。もちろん、こ...

私塾界リーダーズフォーラム 2026 S/S...

 6月2日(火)に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて、「私塾界リーダーズフォーラム2026 Spring / Summer Team It」を開催いたします。 季節講習や新年度の募集を時代のニーズに合わせたスタイルにするための方法を、皆さまとともに考えてまいります。 今回のフォー...

月刊私塾界最新号

月刊私塾界2026年7月号(通巻543号)

巻頭言  ビジネスの長期的な成功に創造性が不可欠であることは常識だが、多くのリーダーがその引き出し方に頭を悩ませている。リーダーはどのようにして、自分自身やチームの発想力を引き出せばよいのか。まず必要なのは、創造性に対する思い込みを捨てることだ。創造性は、アーティ...

塾ニュース|塾・企業

学書、『高校SPIRAL集中講座』を7月リリース——英語・数学の計19点、分野別の短期集中個別指導教材

約50ページのコンパクト設計、指導書・無料授業動画・映像教材との連携も 株式会社学書(名古屋市北区、田村茂彦代表)は、高校生向け通年教材シリーズ『高校SPIRAL』の姉妹ラインナップとして、短...

塾ニュース|教育ICT

GMOメディアの教育機関向け2サービス、補助金対象ツールに認定 「コエテコカレッジ」「コエテコマネージャー」でスクール運営DXを支援

 GMOインターネットグループのGMOメディア株式会社が提供する「コエテコカレッジ byGMO 協会プラン」と「コエテコマネージャー byGMO」が、「デジタル化・AI導入補助金2026」の対象ツールに認定された。教育機関やスクール運営事業者は、条件を満たせば各サービスの導入費...

塾ニュース|地域教育

第14回「プラチナ大賞」、地域課題解決モデルを募集 脱炭素、教育、健康長寿など先進的な取り組みを表彰

 一般社団法人プラチナ構想ネットワークは、第14回「プラチナ大賞」の募集を開始した。社会課題の解決、地域の活性化、持続可能な社会づくりにつながる全国の先進的な取り組みを対象に、自治体や企業などからの応募を受け付ける。  プラチナ大賞は、イノベーションによる新産業の創出や、...

塾ニュース|受験

2027年度新増設はデジタル・半導体へシフト、豊橋技科大の大規模統合や4私大の募集停止など再編加速

 河合塾がまとめた2027年度の大学新増設・改組動向(6月時点)によると、18歳人口の減少や社会ニーズの急変を背景に、全国の国公私立大学で大規模な組織再編が相次ぐことが分かった。データサイエンスや半導体といった先端技術分野への特化が進む一方、伝統的な人文学部や外国語学部の縮小・...

GMOメディアの教育機関向け2サービス、補助金対象ツールに認定 「コエテコカレッジ」「コエテコマネージャー」でスクール運営DXを支援

 GMOインターネットグループのGMOメディア株式会社が提供する「コエテコカレッジ byGMO 協会プラン」と「コエテコマネージャー byGMO」が、「デジタル化・AI導入補助金2026」の対象ツールに認定された。教育機関やスクール運営事業者は、条件を満たせば各サービスの導入費用について補助金を申請できるようになる。

 「デジタル化・AI導入補助金2026」は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を目的に、業務効率化やDXに向けたITツールの導入を支援する制度。補助対象となるITツールは、事前に事務局の審査を受け、公式サイトに登録されたものに限られる。通常枠では、補助対象経費の2分の1以内の補助を受けられる。

 今回認定された「コエテコカレッジ byGMO 協会プラン」は、協会や団体スクールの運営に必要な会員管理、講座配信、資格認定、決済、集客などを一元化できるオンライン講座販売管理プラットフォーム。動画講座やライブ講座の販売、サブスクリプションや会費の管理、受講者の進捗管理、課題提出、テスト、デジタル証書発行などに対応する。

 同サービスには、複数のAI機能も搭載されている。教室情報や既存レッスンを分析し、講座の企画や構成案作成を支援する「AI執事」、集客用の診断ツールを短時間で作成できる「AI診断作成ツール」、動画の自動文字起こし・要約機能などを備える。講座づくり、集客、受講者対応、コンテンツ整備を効率化し、協会・団体教室の運営負荷軽減につなげる。

 もう一つの認定ツールである「コエテコマネージャー byGMO」は、スクール向けの業務管理システム。体験授業の受付、入会手続き、生徒管理、欠席・振替処理、月謝決済など、教室運営に必要な業務を一つのシステムで管理できる。個人教室から複数教室を展開するスクールまで幅広く対応し、煩雑なExcel管理や複数ツールの使い分けからの脱却を支援する。

 保護者専用の予約サイトでは、欠席や振替を24時間受け付けることができ、電話やメール対応の削減につながる。体験授業の申し込みページ作成、生徒情報の一元管理、LINE連携、月謝決済、「Googleで予約」との連携などにも対応する。チケット制と定期受講制の双方に対応しており、教室の運営形態に合わせて活用できる。

 教育機関やスクール運営では、集客、予約、月謝管理、受講者フォロー、資格認定、講座販売など、事務作業が多岐にわたる。人手不足や業務負担の増加が課題となる中、AIやクラウドサービスを活用した運営効率化への関心は高まっている。

 GMOメディアは、今回の補助金対象ツール認定を通じて、教育機関・スクール運営事業者の業務効率化、集客強化、受講者・会員管理のデジタル化を支援する考えだ。補助金を活用することで、これまで導入コストが課題となっていた小規模教室や団体にとっても、DXに取り組みやすくなる可能性がある。

 少子化や競争環境の変化により、教育機関には教育内容の充実だけでなく、運営業務の効率化や保護者・受講者対応の高度化も求められている。今回の認定は、教育サービス事業者がAIやデジタルツールを活用し、持続可能な教室運営を進めるきっかけとなりそうだ。

東北学院と共立メンテナンス、国際交流寮で業務提携

「TG Global House」開設へ 日本人学生と留学生が共に暮らす学びの場に

 学校法人東北学院と、学生寮・社員寮「ドーミー」を展開する株式会社共立メンテナンスは、学生寮提供に関する業務提携を締結した。7月2日、東北学院大学五橋キャンパスで締結式を行い、同大専用の国際交流寮「TG Global House」を共同で展開することを発表した。

 新設される「TG Global House」は、日本人学生と留学生が共に暮らしながら、多文化共生を学ぶ国際交流寮として整備される。入居開始は2027年4月を予定。東北学院大学五橋キャンパスから徒歩約5分の場所に立地し、RC造7階建て、全120室を備える。内訳は一般学生用80室、留学生用40室で、寮生の約3分の1を留学生が占める構成となる。

 近年、学生生活において安心して暮らせる住まいの重要性が高まる一方、寮は単なる居住空間にとどまらず、多様な価値観に触れ、社会性を育む「学びと育成の場」としての役割も期待されている。今回の業務提携は、東北学院大学が目指す多文化共生の学びの場づくりと、共立メンテナンスが持つ学生寮運営のノウハウを結びつけるものだ。

 「TG Global House」では、学生リーダーが寮生活を支援するRA(レジデント・アシスタント)制度を導入する。歓迎会や地域貢献活動などのイベントを通じて、寮生同士の交流を促進する。言葉や生活習慣、文化的背景の違いを日常生活の中で学び合い、互いを理解する力や協調性を育むことを目指す。

 生活面の支援も充実させる。管理栄養士によるメニューをもとに、手作りを中心とした朝夕の食事を週6日提供する。寮長夫妻が住み込みで管理するため、初めて一人暮らしをする学生や留学生にとっても安心して生活できる環境を整える。各居室には、バス・トイレ、ミニキッチン、家具家電を備え、学業に集中しやすい個室空間を用意する。

 東北学院大学は、2026年に学校法人東北学院として創立140周年を迎えた。1886年に前身の仙台神学校として創設され、現在は9学部15学科と6研究科を擁する東北地方有数の私立総合大学として教育研究を展開している。2023年には五橋キャンパスを開設し、都市型キャンパスを拠点に地域社会や国際社会に貢献する人材育成を進めている。

 東北学院大学の大西晴樹学長は、新設される国際交流寮を「本学の国際化を象徴する重要な拠点」と位置付けた。文化の違いを乗り越えて共生する経験を通じ、東北のインバウンド、アウトバウンドを支える人材を育成していく考えを示した。

 同大の渡辺祐子国際交流部長は、寮生の3分の1を留学生が占める環境について、日常的に多様な国の学生と共に暮らす貴重な経験になるとした。生活習慣や考え方の違いに戸惑う場面もあるとしながら、言葉の壁や文化的背景の違いを認め合い、理解し合う力を身につけてほしいと期待を語った。

 共立メンテナンスは、1979年の創業以来、全国で学生寮や社員寮を展開してきた。国際交流寮やコンセプト寮などにも対応し、留学生の受け入れ実績も持つ。同社は、住み込みの寮長夫妻や食事提供、RA制度などを通じ、安全で国際色豊かな住環境を提供するとしている。

 大学の国際化では、留学プログラムや語学教育に加え、日常生活の中で異文化に触れる環境づくりが重要になっている。日本人学生と留学生が共に暮らす国際交流寮は、キャンパス内外の学びを接続し、相互理解や実践的なコミュニケーション力を育む場となる。

 今回の提携は、住まいを教育資源として活用する取り組みといえる。今後、「TG Global House」が東北学院大学の国際化を支える拠点となり、学生の成長や地域との交流にどのようにつながるかが注目されそうだ。

紙にもiPadにも書けるペン、ゼブラが発売へ

エレコムと共同開発 切り替え不要の「スタイラスツーウェイ」

 ゼブラ株式会社は、紙にもiPadにも同じペン先で書けるスタイラスボールペン「スタイラスツーウェイ」を7月31日に発売する。全国の文具取扱店やAmazonで順次販売する。筆記具メーカーの発想を生かし、IT周辺機器メーカーのエレコム株式会社と共同開発した。

 「スタイラスツーウェイ」は、紙とiPadを切り替え操作なしで行き来できる新しいタイプのペンだ。クリップ部分をノックするとペン先が出ると同時に電源が入り、iPadとのペアリングも不要。紙のノートに書いた直後に、同じペン先のままiPad画面へ書き込むことができる。

 仕組みは、ペン先の小さなボールの動きにある。紙の上では、通常のボールペンと同じようにボールが回転してインクを付着させる。一方、iPad画面上ではボールが回転しにくく、インクが付かない構造を利用する。これにより、ボールペンでありながら、スタイラスペンとしても使える仕様を実現した。

 ボールペンのインクには、本製品専用に開発した0.5mmのジェルインクを採用した。軽い書き心地を追求し、紙への筆記性を高めている。インク色は黒で、軸色はブラックとホワイトの2色。専用替芯「BS-0.5芯 黒2本入」も用意する。

 スタイラスペンとしての機能も備える。ペン本体にはマグネットを搭載し、iPadに吸着して持ち運べる。筆記中に手が画面に触れても誤動作しにくいパームリジェクション機能にも対応する。充電はUSB Type-Cケーブルで行い、約30分の充電で最大約7時間の連続使用が可能。約10分でオートスリープする。

 開発には約5年を要した。ゼブラは当初、iPadでの書き心地を追求するスタイラスペンの開発を進めていた。その過程で、インクを搭載していないボールペンのペン先をiPadやフィルム上で使った際、ペン先のボールが回転していないことに気づいた。この発見が、紙にもiPadにも書けるスタイラス“ボール”ペンの発想につながった。

 実現に向けて、ゼブラは紙には書ける一方でiPadにはインクが付着しにくいチップとインクの組み合わせを検証した。チップとインクの組み合わせは70以上、インク試作は400以上に及んだという。スタイラスペン部分では、エレコムが筐体機構設計、回路設計、試作品評価、生産、品質管理などを主導した。

 教育現場では、紙のノートとタブレットを併用する場面が増えている。授業中に紙のプリントやノートへ書き込みながら、同じ流れでiPad上の教材やPDF、学習アプリにメモを残せる点は、教員や児童生徒にとって利便性が高い。ペンを持ち替えたり、入力モードを切り替えたりする手間を減らせるため、板書、添削、個別指導、探究学習などでの活用も考えられる。

 一方で、使用時にはiPadに液晶保護フィルムを貼る必要がある。推奨フィルム以外を使う場合、スタイラスペンの反応が悪くなったり、フィルムにインクが付着したりする可能性があるとしている。対応機種は、iPad第7世代以降、iPad mini第5世代以降、iPad Pro 11インチの一部モデルなど。

 ゼブラは1897年創業の筆記具メーカーで、ボールペン、シャープペン、マーカーなどを展開してきた。2026年4月にはコーポレートスローガンを「かく、その先のこと。」に刷新し、「かく」を起点にした価値創造に取り組んでいる。今回の商品は、アナログ筆記とデジタル入力をつなぐ新たな文具として、教育現場やビジネスシーンで注目されそうだ。

明光義塾調べ、小中高生の約半数が勉強・宿題に生成AIを活用——8割超の保護者は「人による指導は必要」

塾への期待1位は「自分で考える力の育成」、AI普及の時代でも個別指導の役割に変わらぬ期待

 明光ネットワークジャパン(東京都新宿区、岡本光太郎社長)は7月6日、小学5年生から高校3年生の子どもを持つ保護者1,000名を対象に実施した「子どもの学びの変化に関する実態調査」の結果を公表した。生成AIの学習への浸透ぶりと、それでも揺らがない「人の指導」への期待感が、数字として浮き彫りになった。

生成AI、すでに学習の「当たり前」に

 まず注目されるのは利用実態の高さだ。勉強や宿題で生成AI(ChatGPTなど)を「ほぼ毎日」または「週に数回」利用すると回答した子どもは合わせて34.8%にのぼり、「月に数回」も含めると48.6%——約半数が学習場面で生成AIを活用していることになる。さらに、生成AIを「相談相手」として利用している子どものうち34.7%は小学生の段階から使い始めており、低年齢化も鮮明だ。

AIへの期待を上回る「自分で考える力」

 こうした現状に対し、保護者が学校や学習塾に最も期待することとして挙げたのは「自分で考える力・主体的に学ぶ姿勢の育成」(38.3%)だった。「思考力・判断力・表現力の育成」(33.5%)、「学習習慣を身につけさせること」(31.4%)が続く。便利なツールが広がるほど、その先に「自律的に学べる力」を求める保護者の意識が強まっていることがわかる。

 現代の子育てで最も重視することを問う設問でも、「子どもの自主性を尊重すること」が44.8%でトップ。「子どもの気持ちに寄り添うこと」(40.4%)、「安全・安心な環境を整えること」(37.1%)と続いた。知識・スキルを伸ばすよりも先に、子どもの内発的な成長を支えたいという保護者の志向が見て取れる。

「人の指導は必要」、8割超が支持

 生成AIや無料の学習コンテンツが普及する中でも「子どもの学習には人による指導が必要」と回答した保護者は82.2%に達した。AIが学習ツールとして定着しつつある現実と、それに並走する形で個別指導の価値を再認識する動きが同時に進んでいるといえる。

 調査結果を受け、明光義塾事業本部長(常務取締役)の齋藤勝己氏は次のようにコメントしている。「保護者の皆さまが学習塾に最も期待しているのは、自分で考える力、主体的に学ぶ姿勢を育むことでした。そうした力は『やればできる』という小さな成功体験の積み重ねから育つと考えています」と述べ、AIを積極活用しながらも「人だからこそ提供できる対話と伴走」を重視する姿勢を示した。

 学習塾の現場にとって、この調査結果はダブルメッセージとして受け取れる。生成AIをどう授業や自習に組み込むかというオペレーション上の問いと、それでも塾講師に寄せられる「自律的な学びの伴走者」としての役割期待——この二つを同時に引き受けることが、AI時代の個別指導に求められている。

学書、『高校SPIRAL集中講座』を7月リリース——英語・数学の計19点、分野別の短期集中個別指導教材

約50ページのコンパクト設計、指導書・無料授業動画・映像教材との連携も

株式会社学書(名古屋市北区、田村茂彦代表)は、高校生向け通年教材シリーズ『高校SPIRAL』の姉妹ラインナップとして、短期集中用教材『高校SPIRAL集中講座』を新たにリリースした。英語2種・数学5種の計7タイトル、分野別に展開する合計19点のテキスト教材が一斉に市場投入された。

同社はこれまで小中学生向けを中心に約1,000アイテムの教材を出版し、全国の学習塾・専門学校・私立学校等に供給してきた。今回の『高校SPIRAL集中講座』は、既存の通年カリキュラム対応教材では対応しにくかった「時期を絞った短期指導」と「単元を絞った弱点補強」という現場ニーズに応える形で開発された。

コンパクトな構成と充実したサポートコンテンツ

各テキストは約50ページのコンパクトな構成を採用。夏期・冬期・春期の講習授業から、苦手単元の集中対策、さらには中学生が高校進学前に取り組む準備教材まで、幅広い用途での活用を想定している。各テキストには「講座テスト(全8回/リスニング・長文読解を除く)」が付属しており、学習定着度の確認手段も内包されている。

個別指導塾での運用を意識した設計も特徴的だ。全教科に『Teacher’s Guide(指導書)』が別途用意されており、講師が授業の組み立てに迷わないよう配慮されている。また、各単元の導入部「STUDY GUIDE」には無料の授業解説動画が紐づいており、生徒が予習・復習として活用したり、個別指導中に映像を補助的に活用したりすることが可能だ。

さらに、映像授業コンテンツ「eduplus+」との連携にも対応しており、テキスト教材とデジタルコンテンツを組み合わせたハイブリッドな学習環境を構築できる。

高等部対応の拡充を推進

ラインナップは英語が【英語Ⅰ】【英語Ⅱ】の2点、数学が【数学Ⅰ】【数学A】【数学Ⅱ】【数学B】【数学C】の5点。各タイトルが分野別に展開されることで、合計19点という選択肢の幅広さが生まれた。塾側は生徒の学年・習熟度・目的に応じて最適な1冊を選定できる仕組みだ。

学書はここ数年、デジタル教材や業務システム開発にも事業領域を広げており、紙のテキスト教材とデジタル活用の融合を着実に進めている。今回の『高校SPIRAL集中講座』はその方向性を体現した教材であり、高等部向け教材の充実を図る学習塾にとって導入検討の選択肢に加えられそうだ。

詳細・教材見本(WEB-BOOK形式)は学書公式サイト内の商材紹介ページ( https://www.gakusho.com/official/materials/ )で確認できる。

ジールス、アントレ教育を相談できるAIアバターを提供開始

現役校長の実践知を再現 教育者・保護者の一歩を支援

 マルチモーダルAIエージェントプラットフォーム「Omakase AI」を展開する株式会社ZEALS(ジールス)は、対話型AIアバター「Omakase AIアバター」を活用し、アントレプレナーシップ教育について相談できるAIアバター「AI校長 生井先生」の提供を7月7日から開始した。

「AI校長 生井先生」は、茨城県立下妻第一高等学校校長であり、アントレプレナーシップラボ代表を務める生井秀一氏の知識、経験、価値観、教育哲学をもとに開発した対話型AIアバター。本人の同意と監修のもと、アントレプレナーシップ教育に関する知見や実践経験を学習しており、教育者や保護者が時間や場所を問わず、音声で相談できる。

 ジールスによると、全国の小学校・中学校・高等学校に在籍する現役校長本人をモデルにしたAIアバターが、ユーザーと音声で双方向に対話し、当該校長の知識・経験・教育哲学に基づいてアントレプレナーシップ教育に関する相談へ回答する公開サービスとしては、教育業界初の取り組みだという。

 生井氏は、元花王EC推進部長としてEC・DX領域に携わった経験を持ち、現在は下妻第一高校の校長としてアントレプレナーシップ教育を重視した実践に取り組んでいる。2026年には、Forbes JAPANのアントレプレナーシップ教育「未来をひらく先生」100人にも選出された。

 アントレプレナーシップ教育は、起業家を育てるためだけの教育ではない。変化の激しい社会の中で、自ら問いを立て、課題を見つけ、周囲を巻き込みながら新しい価値を生み出す力を育む学びとして、学校教育、家庭、企業など幅広い場面で重要性が高まっている。

 政府が「スタートアップ育成5か年計画」を策定し、文部科学省と経済産業省が「Japan Entrepreneurship Alliance」を立ち上げるなど、全国の学校や地域にアントレプレナーシップ教育を広げる動きも進む。一方で、教育現場や家庭では、「どのように授業や家庭教育に取り入れればよいか分からない」「子どもの挑戦や失敗をどう受け止めればよいか悩む」「地域や学校規模によって研修や情報共有の機会に差がある」といった課題がある。

 「AI校長 生井先生」は、こうした課題に対し、教育者や保護者が実践知に気軽にアクセスできる環境を提供する。相談できる内容は、子どもの主体性や挑戦する力を育む関わり方、アントレプレナーシップ教育の導入・実践方法、挑戦を支える学校・家庭・組織の文化づくり、進路・キャリア教育など。探究学習との接続や、地域課題を題材にした学び、外部団体や企業との連携についても相談できる。

 特徴は、テキストによる情報提供にとどまらない点にある。見た目、声、動きも生井校長本人をもとに再現し、表情、うなずき、視線、会話の間などを組み合わせることで、本人に相談しているような自然な対話体験を目指す。アントレ教育のように、子どもの挑戦や失敗をどう支えるかが問われる領域では、知識だけでなく、語り手の熱量や励ましの温度感が重要になる。

 ジールスの「Omakase AIアバター」は、人物の知識や経験、話し方、人柄などをAIアバターとして再現し、ユーザーとリアルタイムに対話できるサービス。アバターの性格設定、会話体験の設計、ナレッジベース、相談テーマ、対話シナリオの組み込みまで一貫して行うことができる。

 今後、ジールスは「AI校長 生井先生」を通じて、教育現場や家庭で寄せられる相談内容をもとに、アントレ教育の導入方法、探究学習との接続、子どもの主体性を育む関わり方、進路・キャリア教育など、相談できるテーマをさらに充実させる方針だ。

 生井氏は「アントレ教育は、起業家を育てるためだけのものではありません。自分で問いを立て、失敗から学び、仲間とともに新しい価値を生み出していく力を育む教育です。全国の先生方や保護者の方々が、子どもたちの挑戦を支えるための一助となれば嬉しく思います」とコメントしている。

 生成AIの教育活用が広がる中で、専門家や教育者の実践知をAIアバター化し、相談体験として届ける取り組みは新しい展開といえる。今回のサービスは、アントレプレナーシップ教育の普及に加え、教育現場におけるAI活用の可能性を広げる事例として注目されそうだ。

ヒューリック、ベネッセ傘下「鉄緑会」を完全子会社化

東大受験指導の最難関ブランド、こども教育事業に取り込む

 ヒューリック株式会社(東京都中央区、前田隆也代表取締役社長)は7月7日、東京大学受験指導に特化した進学塾「鉄緑会」を運営する株式会社東京教育研(東京都渋谷区、浜垣剛代表取締役社長)の全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。東京教育研はこれまでベネッセコーポレーション傘下にあり、今回の買収によりグループを離れる。ヒューリックが2020年に参入したこども教育事業にとって、大学受験という最難関領域への本格進出となる。

「不動産の商社化」戦略の一環、M&Aに7500億円枠

 ヒューリックは2026年2月に公表した中長期経営計画(2026~2036年度)で「不動産の商社化」を基本戦略に掲げ、成長分野へのM&Aを積極活用して利益成長と企業価値向上を図る方針を示している。今回の買収はその一環で、既存のこども教育事業(リソー教育グループ、こどもでぱーと等)との高いシナジーを見込む。同社は36年度までの計画期間中、こども教育事業を含む新規事業の拡大に向けM&Aや企業投資に7500億円を投じる方針を掲げており、今回の買収もこの枠組みに位置づけられる。買収額は公表されていない。

東大合格者584名、占有率20%
──理三は6割弱を占める

 鉄緑会は、中高一貫校に通う中学1年生~高校3年生を対象とした集団指導型の東大受験専門塾。代々木エリア(東京本校、6校舎)を拠点に、大阪・京都・西宮北口にも教室を展開する。2026年度の東京大学合格実績は584名(東大全合格者に占める占有率20%)で、最難関とされる理科三類では57名・占有率59%に達した。区分別の実績は以下の通り。

区分合格者数占有率
文科一類96名24%
文科二類60名17%
文科三類28名6%
理科一類248名22%
理科二類95名18%
理科三類57名59%
合計584名20%

 難関大学進学実績の高い中高一貫校15校を「指定校」に指定し、同校在籍生徒は中学1年春の入会選抜試験を免除する独自制度を運用。2026年度の主要指定校の通塾率は、開成48%、桜蔭65%、筑波大学附属駒場69%に達し、国内最優秀層の生徒を集める母集団を形成している。専任講師陣は東大・京大出身率100%、学生講師の約9割を鉄緑会出身者が占めるなど、合格実績とブランド力、人材循環が一体となった競争優位性を強みとする。

こどもでぱーと、リソー教育に続く一手
──教育経済圏を拡大

 ヒューリックのこども教育事業は2020年9月の参入に始まる。2022年4月には子育て世帯向け複合施設「こどもでぱーと」シリーズの展開を公表し、中野・たまプラーザ・渋谷などで開業、2029年までに首都圏で20棟程度への拡大を目指す。2024年5月には個別指導塾「TOMAS」を運営するリソー教育(現・株式会社リソー教育グループ)を公開買付けと第三者割当増資により連結子会社化した(買収額は約160億円)。今回の鉄緑会の完全子会社化により、幼児から大学受験生までを対象とする「集団・個別・学習」の各領域を揃え、独自のこども教育経済圏をさらに拡大する方針だ。

不動産ノウハウで出店支援、人的ネットワークも活用視野に

 シナジー面では、ヒューリックが持つ不動産開発・運営ノウハウやネットワーク、資金調達力を生かし、限定的な立地で展開してきた鉄緑会の既存エリア拡充や将来的な新規出店を支援する狙いがある。自社ビルへの校舎誘致が進めば、賃貸収益の拡大にもつながる。加えて、同塾が抱える卒業生・現役生というトップ層人材の人的ネットワークを、教育・人材関連サービスへ展開する余地があるとしている。ヒューリックは東京教育研(鉄緑会)の経営方針を尊重しつつ、グループの経営資源を活用して同社の成長を支援するとしている。

ベネッセは教育事業を再編
──07年買収から19年でグループ離脱

 鉄緑会は2007年、ベネッセコーポレーションが東京個別指導学院とともに買収し、通信教育「進研ゼミ」に加え、個別指導塾や難関大受験指導まで幅広い層と接点を持つ教育事業ポートフォリオの一角を担ってきた。しかしベネッセは2024年、創業家と欧州投資ファンドEQTが組んでMBO(経営陣が参加する買収)を実施し上場廃止となったのち、2026年4月には英語コーチング事業のスタディーハッカー(現・イングリッシュカンパニー)を英語学習サービスのプログリットへ売却するなど、教育事業の再編を進めていた。鉄緑会の売却も、この一連の再編の流れに位置づけられる。

教育投資は増加基調、私塾業界にも資本再編の波

 少子化により全国の18歳以下人口は減少する一方、首都圏では底堅く推移し、政府の教育支援策拡充や共働き世帯の増加を背景に「こども一人当たりの教育投資」は増加基調にある。ヒューリックはこうした環境変化から「高付加価値教育」への需要拡大を見込み、同分野への投資を進めている。不動産会社による有力教育ブランドの取り込みが相次ぐ中、連結される事業利益によって不動産以外の収益の柱を増やす狙いもうかがえる。学習塾経営者にとっても、資本提携やグループ化を通じた成長戦略・出口戦略が、今後の経営選択肢として一段と存在感を増しそうだ。

岐阜大学に「難燃材料共同研究部門」設置

セトラスHDと連携 次世代難燃剤の研究開発と人材育成へ

 セトラスホールディングス株式会社は、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学と連携し、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センター内に共同研究講座「難燃材料共同研究部門」を設置した。設置日は7月1日。次世代難燃剤の研究開発と、同分野を担う高度研究人材の育成を進める。

 近年、電気自動車(EV)に搭載される蓄電池の発火・延焼リスクや、航空機、輸送機器における火災事故への対策が重要性を増している。世界市場では、安全性の確保と環境負荷低減を両立するハロゲンフリー難燃システムへの需要が高まっており、難燃材料の高度な評価技術や設計技術が求められている。

 セトラスHDグループの協和化学工業株式会社は、マグネシウム化合物の製品化で実績を持ち、環境負荷の低い非ハロゲン系難燃剤である水酸化マグネシウムの開発などに強みを持つ。一方、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センターは、コーンカロリーメータなどを用いた燃焼挙動解析や、コンポジット(複合材料)に関する知見を蓄積してきた。

 今回の共同研究では、セトラスHDが持つ無機材料・難燃剤に関する技術と、岐阜大学の燃焼解析・複合材料研究の知見を組み合わせる。TG-DTA(熱重量・示差熱分析)やMS(質量分析)などを用いて燃焼挙動を詳細に解析し、複雑な難燃メカニズムの解明を目指す。得られた知見をもとに、新規難燃剤の設計指針を確立し、従来品よりも優れた難燃性能と加工性を両立する材料開発につなげる。

 共同研究部門では、研究開発に加え、人材育成も重視する。燃焼・熱分解解析技術から難燃メカニズムのモデル構築まで、研究の過程を岐阜大学の教員・学生とセトラスHDグループの若手研究員が共有する。組織や分野を越えた人的交流を通じて、社会的ニーズを踏まえた研究開発を推進できる人材の育成を図る。

 設置期間は2026年7月1日から2028年6月30日までの2年間。研究代表者は、岐阜大学高等研究院Guコンポジット研究センター長・教授の仲井朝美氏が務める。セトラスHD側では、イノベーションセンター長付・専任課長の山地理嗣氏が担当する。

 脱炭素化や電動化が進む中で、難燃材料はEV、航空機、電子機器、建材など幅広い分野で重要性を増している。今回の共同研究部門の設置は、環境負荷の低い難燃材料の開発を加速するとともに、産学連携による高度専門人材育成の拠点づくりとして注目されそうだ。

公文教育研究会、atama plusを完全子会社化——2000年以降初のM&A、グローバル展開を視野に

全国4500教室超に浸透するAI教材と世界61カ国のネットワークが合流

 公文教育研究会(大阪市)は7月5日、教育スタートアップのatama plus(アタマプラス、東京都文京区、稲田大輔代表)の全株式を取得し、完全子会社化した。駿河台学園(東京・千代田)など既存株主から全株式を取得したもので、公文にとって企業買収は2000年以降初めてとなる。

 atama plusは2017年創業。生徒の習熟度に応じて問題を出題し、知識の定着を図るAI教材「atama+」を開発・提供する。現在、全国4500教室以上の学習塾・予備校に導入されており、独自の学習塾事業も展開している。なお、既存株主として35.5%を出資していた駿河台学園とは資本関係は解消されるものの、今後も教材活用などのパートナーシップは継続する方針だ。

 公文は今回のM&Aを通じ、AIを活用した塾講師支援や新規教材の開発を視野に入れるほか、世界61の国と地域で約2万3000教室を展開する公文の海外ネットワークを活かして、atama plusの事業をグローバルへ拡張させることを狙う。

稲田代表「グローバルへの道、KUMONと開く」

 グループ入りの背景について、稲田代表は自身のコメントで詳細に経緯を語った。創業から10年目を迎えるタイミングで「世界で数億人規模に良い教育を届ける」というミッションへの立ち返りを迫られた。財務基盤が安定し、新規事業も複数スタートできる体力がついてきた今こそ、グローバルへの挑戦を本格化させる好機と判断したという。

 稲田代表は、約2年前からグローバル展開を意識してきたと言う。各国関係者との議論の中で「テクノロジーでは勝負できそう」との手応えを感じた一方で、国ごとに教育制度が異なるため、「ふつうに海外展開したら一国ずつ10年かかる」という壁を実感していた。前職の三井物産時代にも教育事業のグローバル展開を検討した経験があり、英語などの全世界共通コンテンツを除けば、同一プロダクトでの横展開が極めて難しいことを知っていた。

「そんな課題を乗り越え、同じ教材で世界展開に成功しているきわめて稀有な会社が日本にある。KUMONです」——稲田代表はそう記す。国内売上を上回る海外売上を持ち、60カ国以上に展開するKUMONとの協業ならグローバルへの道が開けると考え、1年以上にわたって協議を重ねてきた。その結論が今回の全株式譲渡だった。

 稲田代表はじめ取締役3名は引き続き経営に参画する。国内では塾向けのatama+提供事業を継続・強化しながら、新たにKUMONとグローバルチャレンジに向けた議論を開始していく方針だ。

業界へのインパクト

 今回の動きが持つ意味は大きい。公文がM&Aに踏み切ること自体、四半世紀ぶりの出来事である。長年、独自メソッドにこだわり自前主義を貫いてきた公文が、AIスタートアップを傘下に収めた事実は、教育業界におけるAI活用の潮流がいよいよ避けられないものになったことを象徴している。

 atama+を導入する全国4500教室以上の学習塾・予備校にとって気になるのは、公文グループ入りによってサービスの継続性が損なわれないかという点だろう。この点について稲田代表は、「国内の塾に提供しているサービスは、今後も変わることなく提供を続けていく」と明言している。今回のグループ化の主眼はあくまでグローバル展開の加速にあり、国内の塾向けサービスは従来通り継続される。atama+を導入済みの塾、あるいは導入を検討している塾は、これまで通りの関係でサービスを活用できると理解してよさそうだ。

社会貢献を「見える化」 関電、アプリ事業を分社化

 関西電力は、社会貢献活動に応じてポイントがたまるスマートフォン向けアプリ「モアクト」の事業を分社化し、新会社「株式会社モアクト」を7月1日に設立した。従来の電力供給という枠組みを超え、デジタル技術を活用して個人の行動変容を促す新たな社会インフラの構築を目指す。
 同アプリは、環境配慮型商品の購入といった社会課題の解決に資する行動を「ミッション」として提示し、利用者が達成することで買い物などに利用可能なポイントを付与する仕組みだ。2024年11月の提供開始以来、食品通販や鉄道会社など34の企業や団体が参加している。利用者数は6月時点で10万人に達しており、2027年度には100万人への拡大を計画している。
 新会社では、次世代の分散型インターネット「Web3(ウェブスリー)」の技術を導入する。ブロックチェーン上に、個人の活動履歴を「SBT(ソウルバウンドトークン)」と呼ばれる他者へ譲渡できないデジタル証明書として記録することで、個人の善行を資産として可視化する。また、AI(人工知能)を活用し、各利用者の興味や特性に合わせた最適なミッションを個別に提案する機能の検証も進め、社会貢献の習慣化を後押しする。
 事業背景には、持続可能な社会への関心は高いものの、実際の行動に移せている層が限定的であるという課題がある。同社の調査では、社会貢献の必要性を感じる人は約8割に上るが、行動できている人は4割にとどまる。良い行動が可視化されず、継続しにくい現状を技術面から解決し、経済的メリットと組み合わせることで定着を図る狙いだ。
 今回の分社化により、意思決定の速度を高めるとともに関西圏以外への普及も進める。多くの自治体や大学、企業が参加できる開かれたプラットフォームとして進化させ、社会貢献を一過性の取り組みで終わらせない仕組みづくりを推進する。