文部科学省の教科用図書検定調査審議会は10月13日、「教科書検定の改善について」の第一次論点整理案を示した。2030年度から動画や音声を含むデジタルコンテンツを教科書の内容として扱えるようになることを受け、教科書に掲載できるコンテンツの要件や検定方法を具体化する。
論点整理案では、動画1本当たりの長さを3分程度までとする。国語、社会、算数・数学、保健体育、道徳では、1学年1冊の場合は30分、2学年1冊では60分、3学年1冊では90分を、1冊当たりの動画総量の基本とする。技能習得で動画の利用が有効な音楽、図工・美術、家庭、技術、書写などは別の上限を設ける。
デジタル部分には、教科の本質的理解に資すること、利用目的・方法が明確であること、授業時数内での活用を想定していることを求める。大量の反復問題、入試や資格試験の過去問、娯楽性の強いゲームや漫画、教師に代わって授業そのものを代替する講義・解説動画などは、教科書への掲載を認めない例として挙げられた。外部サイトや、教科書発行者が管理できない教材へ移動するリンクも掲載しない方向だ。
生成や評価、音声・画像認識などを行うAIについては、直ちに搭載を認める方針とはしていない。必要性、性能と信頼性、出力内容の正確性を担保する方法、検定基準や審査体制などを引き続き整理する。
同日の追加資料では、次期学習指導要領で授業時間に「余白」を生み出す観点から、教科書の内容を精選し、種目ごとにページ数上限の目安を示す必要性も検討課題に挙げた。ただし、具体的な上限や導入は決まっていない。
学校教科書の内容が重点化されれば、塾や教材会社には、理解を広げる副教材、演習、入試対策を担う役割が一段と求められる可能性がある。一方、塾向けAI教材は教科書検定の直接の対象ではないものの、正確性や出力管理を巡る議論は、教材の品質基準や保護者への説明にも影響するとみられる。



