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教育・学習支援業界の57・6%がカスハラ経験 退塾・契約解除の規定整備が課題に

 弁護士ドットコム株式会社は9月29日、教育・学習支援業界におけるカスタマーハラスメントと契約業務の実態調査を公表した。直近1年間にカスハラを経験したとの回答は57・6%に上った。

 調査は8月24日から28日まで、学習塾、予備校、英会話教室、技能教授業などの経営者・従業員262人を対象にインターネットで実施した。カスハラ経験者151人のうち、92・1%が「顧客との契約を終了したい」と考えた経験があると回答。契約書に根拠となる条項がなく、退塾や契約解除ができなかった経験を持つ回答者もいた。

 また、契約解除や授業料返金を巡るトラブルを経験した割合は49・6%だった。契約関連業務を電子化していないとの回答は66・8%で、電子契約が利用できることを今回初めて知った人も37・8%を占めた。カスハラ防止措置が事業者に義務付けられることについて、39・3%が「知らなかった」と回答している。

 調査は特定企業によるインターネット調査であり、業界全体の比率と断定はできない。ただ、保護者対応が日常的に発生する学習塾にとって、禁止行為、返金条件、退塾・契約解除の基準を契約書に明記し、面談や連絡の記録を残す必要性を示す結果といえる。

大学進学者の82・7%が受験情報収集にSNSを利用 YouTubeは60・2%

 株式会社旺文社は9月29日、「高校生の大学受験実態調査(2026年度版)」を公表した。2026年春に大学へ進学した3944人のうち、82・7%が受験情報の収集に何らかのSNSを利用していた。利用率が最も高かったYouTubeは60・2%で、2024年の48・8%、2025年の53・7%から2年続けて上昇した。受験生との接点として、動画の存在感が一段と高まっている。

 進学した大学を知ったきっかけでは、受験情報サイトが39・4%、家族が30・2%、受験情報誌が27・3%だった。進路の相談相手は母親が66・8%、高校の担任が59・3%となった一方、「誰にも相談しなかった」とする回答も9・2%あった。

 英語外部検定を利用した受験生では、英検の利用率が92・2%を占めた。取得時期は、高校2年生の9月以前と高校3年生の4~9月に分かれる傾向がみられ、早期取得層と受験学年で集中的に取得する層の二極化が進んでいる。

 学習塾にとっては、教室紹介だけでなく、入試制度、学習法、講師による解説を短い動画として継続発信することが、受験生との接点づくりにつながる。母親が主要な相談相手となっている点から、保護者向け情報と生徒向け動画を分けて設計する必要もありそうだ。

早慶ダブル合格者、58・0%が早稲田を選択 東進2026年調査

 東進ハイスクール、東進衛星予備校を運営するナガセは9月25日、2026年入試のダブル合格者進学先分析を公表した。早稲田大学と慶應義塾大学の双方に合格した受験生のうち、早稲田を選んだ割合は58・0%、慶應は42・0%だった。調査を開始した2018年は早稲田28・5%、慶應71・5%で、慶應が大きく上回っていた。早稲田の選択率はその後上昇し、2025年に56・2%で初めて逆転。2026年は差がさらに広がった。

 同系統の学部比較では、法、商、文、理工系など比較対象となった9系統すべてで早稲田の進学率が慶應を上回った。2018年は早稲田が1勝8敗だったことから、8年間で選択傾向が大きく変わったことになる。

 発表資料では、早稲田の共通テスト必須化や数学必須化などの入試改革、キャンパス環境、国際性などを背景として挙げている。ただし、大学全体と各学部比較の対象者実数は明記されていない。進路指導では、単年度の比率だけでなく、募集方式や学びの内容、卒業後の進路と合わせて扱う必要がある。

教員の約9割がAIを有用と評価 小中高は45・1%が「ルールなし」

 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は9月25日、小中高と大学の教員を対象としたAI活用調査の比較結果を公表した。AIを教育現場にとって「非常に有用」「ある程度有用」とした割合は、小中高88・7%、大学89・6%に達した。教員がAIを「ほぼ毎日」または「週数回」利用する割合は、小中高63・1%、大学71・3%だった。授業準備での用途は、双方とも「教材作成」が50・4%で最も多い。

 一方、利用ルールの整備には差がある。ガイドラインがあるとの回答は小中高28・6%、大学52・2%。「特にルールはない」は小中高45・1%、大学13・9%だった。今後必要な支援として、小中高では教員研修が63・2%で最多、大学では盗用・不正利用の検知機能が60・9%で最も多かった。

 調査は既発表の2調査を再編したもので、小中高の教員等133人、大学の常勤教員115人が回答した。学習塾でもAI活用が進む一方、講師ごとの判断に任せるだけでは運用上のリスクが残る。教材作成、個人情報、著作権、生徒の提出物を含む利用基準と講師研修を整備する必要性が高まっている。

総合型選抜経験者、評定3・5未満で出願が22・5% 塾シル調査

 学習塾検索サイト「塾シル」を運営する株式会社ユナイトプロジェクトは、総合型選抜経験者416人を対象に、出願時の評定などを尋ねた調査結果を公表した。調査は2026年8月にインターネットで実施した。

 評定を「覚えていない・答えたくない」とした105人を除く311人では、出願時の評定が3・5未満だった人は22・5%だった。内訳は3・0未満が5・1%、3・0以上3・5未満が17・4%。最多は3・5以上4・0未満の32・5%で、4・0以上は45・0%を占めた。

 後輩に伝えたい助言を3つまで尋ねた質問では、「早めに情報収集・対策を始める」が50・2%で最も多く、「アピールできる活動実績を早めに作る」が38・7%、「評定平均を意識して日々の勉強にも取り組む」が28・8%だった。

 ただし、大学・学部ごとに出願条件や選考方法は異なる。今回の数字は、評定3・5未満でもすべての大学へ出願できることや、合格しやすさを示すものではない。また、調査は塾・予備校利用者206人と非利用者210人を比較するため、両者をほぼ同数集めている。塾で進路指導に利用する際は、志望校の最新募集要項と照合する必要がある。

通塾家庭の91・8%で保護者が送迎 花まる教育研究所調査、半数がオンラインを検討

 株式会社こうゆうが運営する花まる教育研究所は9月14日、「子どもの学習系習い事の環境調査」の結果を公表した。調査は7月28日から8月4日まで、年中から小学6年生の子供を持つ保護者を対象にインターネットで実施し、208人から回答を得た。

 オンライン形式を利用していない家庭122件のうち、保護者が毎回または時々送迎している割合は91・8%だった。送迎上の課題は「時間がとられる」が66・7%で最も多く、「雨の日が大変」51・4%、「熱中症・猛暑が心配」38・7%と続いた。「特に負担ではない」は7・2%で、92・8%が何らかの負担を感じていた。

 オンライン形式を現在または過去に検討した家庭は49・2%、実際の利用率は28・4%だった。利用理由は「送迎の負担がない」81・4%、「通塾時間がかからない」66・1%が上位となった。利用者の74・5%は学習効果を感じると回答した一方、55・9%が「友達との交流がしにくい」とした。

 回答者は花まるグループの会員やSNSフォロワーで、教育関心層や首都圏在住者が多い。このため全国の保護者全体を代表する結果ではない。ただ、送迎時間が塾選びの隠れたコストとなっていることを示しており、オンライン併用、授業時間、立地、送迎サービスを検討する際の参考になる。

現役教員1002人調査 理想の指導を阻む要因、51・4%が「業務量」

 システックITソリューション株式会社は9月11日、小学校、中学校、高校に勤務する現役教員1002人を対象とした「理想の教師像と現実の働き方」に関する調査結果を発表した。理想の指導を妨げる要因は「業務量の多さ」が51・4%で最も多く、「ハラスメントやトラブルへの不安」41・9%、「人手不足」40・4%が続いた。

 現実の働き方については、「限られた時間の中で効率的に対応する」が29・5%、「生徒対応と業務の両立を図る」が29・2%、「業務対応を優先せざるを得ない」が14・1%だった。家庭環境への介入、放課後や休日の個別対応、長時間の付き添いなどを難しいと感じる教員も多かった。

 一方、理想の教師像では「生徒一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築ける」が29・0%で最多となった。生徒との関係を重視しながらも、時間不足とリスクへの不安が実践を制約している構図が表れた。

 調査は7月24~27日にインターネットで実施した企業調査であり、回答者の自己申告に基づく点には留意が必要である。学習塾でも、個別対応を講師個人の熱意に依存させれば、長時間労働や保護者とのトラブルにつながりかねない。面談記録、対応範囲、相談・エスカレーション手順を組織として整える必要性を示すデータといえる。

総合型選抜経験者の51・7%が複数校へ出願 塾シル調査

 学習塾検索サイト「塾シル」を運営する株式会社ユナイトプロジェクトは、総合型選抜の経験者416人を対象に、出願した大学数を調査した。1校のみへの出願は48・3%、2校以上は51・7%となり、複数校への出願が半数を超えた。校数別では、2校が21・2%、3校が18・0%、4校が8・4%、5校以上が4・1%だった。3校以上を合計すると30・5%となる。

 2校以上に出願し、回答を分類できた214人のうち、校数が「ちょうどよかった」と答えた割合は59・3%。「もっと増やせばよかった」は22・9%、「減らしてもよかった」は17・8%だった。実際に2校へ出願した層では65・5%、3校では61・3%が「ちょうどよかった」と振り返った。

 調査は2026年8月にインターネットで実施した。塾・予備校利用者206人と非利用者210人を比較する目的で、両者をほぼ同数集めている。このため、回答者の構成を総合型選抜経験者全体の通塾率とみなすことはできない。

 総合型選抜では大学ごとに課題や選考日程が異なる。塾には併願校の提案だけでなく、提出書類、面接、活動実績の準備量まで含めた個別の進行管理が求められそうだ。

PISA 2025 日本は科学5位・数学5位、読解4位 下位層拡大と自律学習に課題

 経済協力開発機構(OECD)は9月8日、91か国・地域の15歳を対象にした国際学習到達度調査「PISA 2025」の結果を公表した。日本の平均得点は科学538点、数学525点、読解503点で、全参加国・地域中の順位は科学と数学が5位、読解が4位だった。3分野ともOECD平均を上回ったが、2022年と比べて読解は低下し、数学と科学は統計的に同程度だった。

 日本では183校の6554人が調査に参加した。習熟度レベル2以上の割合は科学89%、数学84%、読解81%で、いずれもOECD平均を上回った。一方、2022年から2025年にかけて、上位10%と下位10%の得点差は3分野すべてで拡大した。

 学習行動では、勉強の進め方を「頻繁に計画する」と答えた日本の生徒は21%で、OECD平均の37%を下回った。「多くのことに好奇心がある」は63%で、同73%より低かった。学校の課題にAIチャットボットを週1回以上利用する生徒は27%で、OECD平均の46%を下回った。

 日本の高い平均順位だけでなく、読解力、下位層、自ら計画して学ぶ力が課題として浮かぶ。学習塾にとっても、教科知識の指導に加え、文章を精確に読む訓練、学習計画の立案、AIを使った後に理解を確かめる指導の重要性を示す結果である。

生成AI普及後も英語学習費「減らす」は2・4% 保護者210人を調査

 教育情報メディア「English Hub」を運営する株式会社ハーチは9月7日、生成AI・自動翻訳技術の普及と、子供の英語学習に対する保護者の意識を調べた結果を発表した。調査は2026年8月、小学生から高校生までの子供と同居する保護者210人を対象にインターネットで実施した。今後、子供の英語学習にかける費用や時間を「減らす」とした保護者は2・4%にとどまり、「変えない」が66・2%、「増やす」が19・5%だった。

 生成AIを毎日利用している保護者85人に限っても、「減らす」は4・7%だった。生成AIの利用頻度によって、英語学習への投資意向に明確な差は確認されなかったとしている。一方、生成AIや翻訳技術の普及により「英語を学ぶ意味が変わった」と考える保護者は49・5%を占めた。調査結果からは、翻訳技術が普及しても英語教育需要が直ちに縮小するわけではない一方、求められる英語力の内容は変化していることがうかがえる。学習塾や英会話教室には、翻訳では代替しにくい対話、交渉、発信といった力をどのように育てるかが問われそうだ。ただし、調査対象は210人に限られ、結果の一般化には注意が必要である。