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近畿大学、学生ポータルで生成AIの実証開始 24時間の問い合わせ対応へ

 近畿大学は10月26日、サイバーエデュケーションテクノロジーズと共同で、学生ポータルアプリ「KDU Mobile」に生成AI機能を搭載する実証実験を開始したと発表した。理工学部・総合理工学研究科の学生5151人を対象に、10月19日から2027年1月末まで実施する予定。

 グーグルの生成AI「Gemini」を採用し、学生が対話形式で大学からのお知らせや時間割、課題の有無などを確認できる。履修要項やシラバスの内容も確認できるようにし、24時間いつでも必要な情報を得られる環境の構築を目指す。

 同大が7月に実施した利用状況の分析では、約7割の学生がアプリの通知設定をオフにしていた。対話による情報取得で、必要な情報を探す手間や見落としの解消につなげる。

 実証では利用状況と回答精度を検証し、学生の声や利用データを基に改善する。将来的には全学部への展開に加え、履修登録やキャリア形成に関する個別相談への活用も検討する。

武蔵野美術大、神山まるごと高専と連携協定 共同学習や進学接続を推進

 武蔵野美術大学は10月29日、神山まるごと高等専門学校と連携協定を締結したと発表した。協定は10月28日付。アート・デザインとテクノロジーを横断する教育を通じ、社会課題の解決や新たな価値を生み出す人材の育成を目指す。

 連携事項は、アート・デザインとテクノロジーをテーマにしたプロジェクト型学習の共同実施、教育プログラムやカリキュラムの定期的な情報交換、教職員交流など。大学教員による高専生向けの特別講義や大学体験プログラムも行い、進学接続に関する連携を進める。

 神山まるごと高専は徳島県神山町に2023年に開校した私立高専で、テクノロジー、デザイン、起業家精神を融合した教育を掲げる。同校が美術系大学と組織的な連携協定を結ぶのは初めてとなる。

 武蔵野美術大学は、同町で地域住民と連携した造形ワークショップなどを行ってきた。今回の協定では、そうした教育実践の蓄積も生かし、双方の教育・研究資源を活用した交流や共同プロジェクトを進める。

日本数学検定協会、サイバー大学と連携 数学を基盤にDX人材育成へ

 日本数学検定協会は10月30日、サイバー大学と連携協力に関する協定を締結したと発表した。締結式は10月1日に同大学で行った。数学力の向上を基盤に、DX人材や地域・産業人材の育成を進め、地域課題の解決につなげる。

 協定では、人材育成に向けた各種コンテンツの共同開発、企業・団体との連携を通じたコンソーシアムの創出、双方の知的・人的資源を生かした交流などを推進する。

 サイバー大学の川原洋学長は、数学に関するコンテンツやカリキュラムの共同開発などを進め、DX、IT、AI分野の人材育成や企業の人材戦略に関わっていく考えを示した。

 同協会の髙田忍理事長は、地域の特性をデータ化して活用することが課題だと説明。数学が産業や社会でどう使われているかをオンラインで学ぶ環境を整え、地域に応じた人材育成に結び付けたいとした。

 サイバー大学は、ITとビジネスを専門とするフルオンライン大学。両者は数学教育とオンライン教育の資源を持ち寄り、連携を進める。

東京通信大学、インドネシアのオンライン大学と基本協定 教材開発や共同研究で連携

 東京通信大学は、インドネシアのサイバーアジア大学と、教育・研究・社会貢献分野での連携を目的とする基本協定を締結した。10月23日に調印式を行い、学校法人日本教育財団が同月27日に発表した。

 両大学は、教職員・学生の交流、オンラインによる共同教育プロジェクトやシンポジウム、共同研究、デジタル教材の共有・開発などに取り組む。単位互換や、2大学の学位取得を目指すダブルディグリー、学習成果を小さな単位で認証するマイクロクレデンシャルについても、将来的な導入の可能性を検討する。

 サイバーアジア大学は2018年に設立された完全オンライン型大学。学習管理システム上の教材や双方向の学習活動を通じて教育を提供している。

 東京通信大学は、オンライン教育の知見を共有し、海外の大学・教育機関との協働を通じて、国境を越えた学習機会の拡大を図る。

文科省、修紅短大の設置者変更を「可」と答申 修紅学院への移管計画

 文部科学省は10月27日、修紅短期大学の設置者変更について、大学設置・学校法人審議会が判定を「可」とする答申を行ったと発表した。2027年度に、現在の学校法人健康科学大学から学校法人修紅学院へ設置者を変更する計画で、修紅学院の設立認可を前提としている。

 修紅短期大学は岩手県一関市に所在し、幼児教育学科の入学定員は50人。現在の設置者である健康科学大学の所在地は山梨県都留市、新たな設置者となる修紅学院の所在地は岩手県一関市となる。

 答申では、学生確保や経営基盤の安定などに関する遵守事項を付した。社会的な需要を客観的な根拠で分析した上で戦略的な学生募集に取り組み、定員充足の改善を継続するよう求めている。

 また、少子化を踏まえ、事務の効率化や支出削減などの具体的な目標数値を盛り込んだ経営計画の策定・実施を求めた。法人事務局の職員が2人で、短大、高校、認定こども園の事務を兼務する計画については、新規採用計画の実施や事務組織の見直しによる体制強化を求めた。

岡山大学・真庭市・CoIUが連携 地域滞在型の学修と共同研究を展開

 学校法人CoIUが運営するCo-Innovation Universityは10月23日、国立大学法人岡山大学および岡山県真庭市と、それぞれ包括連携協定を締結した。

 協定では、岡山大学の教育・研究力、真庭市の森林資源や地域産業、CoIUの全国ネットワークを組み合わせる。真庭市をフィールドとした地域共創型長期インターンシップ「ボンディングシップ」、森林資源やGXをテーマとする研究・実証、学生交流、教育プログラムの開発、社会人向けリカレント教育など6項目を進める。

 CoIUは2026年4月に開学し、岐阜県飛騨市を本拠地としながら、全国各地に学びの拠点を設ける構想を掲げている。今回の連携では、岡山大学真庭サテライトキャンパスなど既存施設の活用も検討する。

 大学のキャンパス内で学修を完結させず、地域の企業、自治体、住民との継続的な活動を教育課程に組み込むモデルである。18歳人口の減少が進む中、大学の特色を「所在地」だけでなく、地域や企業との実践的なネットワークで示す動きとして注目される。探究学習や総合型選抜の指導でも、地域課題と大学での学びを接続する視点が一段と重要になりそうだ。

筑波大学、永田恭介学長を再任 次期任期満了で在任17年へ

 国立大学法人筑波大学学長選考・監察会議は、次期学長予定者に現職の永田恭介氏を選定した。大学が10月23日に発表した。次期任期は2027年4月1日から2030年3月31日までの3年間となる。

 永田氏は2013年4月に学長へ就任した。次期任期を満了した場合、在任期間は通算17年となる。同大学は2020年の学長選考時に、それまで最長2期6年としていた学長任期の上限を撤廃している。

 今回の決定は、大学の中長期戦略を継続して進められる一方、学長の長期在任と大学ガバナンスの関係も論点となる。18歳人口が減少する中、大学には教育研究だけでなく、学生募集、国際化、産学連携、財務基盤の強化などを一体的に進める経営力が求められている。

 大学の経営方針や教育内容は、入試制度、学部再編、募集施策にも反映される。学習塾や進路指導担当者にとっても、大学トップの選考は人事情報にとどまらず、中長期的な大学改革を読み解く材料となる。

文科省、大学情報を比較できる新プラットフォームを検討 学修成果や進路情報を一元化

 文部科学省は10月21日、中央教育審議会大学分科会の質向上・質保証システム部会を開き、大学の教育情報を横断的に比較できる新たなデータプラットフォームについて、公表項目や情報の示し方を検討した。会合では、ベネッセi-キャリアとリクルートが、大学選択時の情報源や民間サービスにおける情報提供の現状を報告した。

 文科省が検討しているプラットフォームは、大学改革支援・学位授与機構に設置し、情報公表機能として「Univ-map(仮称)」を実装する構想だ。大学や学部の基本情報に加え、新たな大学評価制度の評価結果、全国学生調査から選んだ学修成果、入学者選抜、卒業後の進路、取得可能な資格、経済的支援などの情報を学部単位で掲載する方向で検討している。

 評価結果以外のデータは毎年度更新し、大学間の比較・分析機能や各大学の詳細ページへのリンク、外部システムがデータを利用するためのAPIも設ける方針。ただし、学生調査のどの項目を載せるか、大学間で比較可能な基準をどう整えるか、情報の信頼性を誰が担保するかなどは引き続き検討課題となる。

 高校生の大学選択で利用できる公的情報が整えば、学習塾や予備校の進路指導にも影響する。偏差値や入試科目だけでなく、学修成果や卒業後の進路を含めて大学を比較する環境が整う可能性があり、最終的な掲載項目と運用開始時期が注目される。

大阪公立大学のシステム障害、NEC再委託先へのサイバー攻撃が原因 大学関係の個人情報流出も判明

 大阪公立大学は10月21日、10月2日から続く大規模なシステム障害について、大学のシステム構築・運用を担う日本電気株式会社(NEC)の再委託先が受けたサイバー攻撃を起点とする不正アクセスだったと発表した。再委託先から窃取された正規アカウントが悪用されたという。

 NECによると、再委託先は9月下旬にサイバー攻撃を受け、サーバー内のファイルが暗号化されるなどの被害が発生した。調査の結果、正規アカウントを利用した不正アクセスが確認され、NECが使用するクラウドストレージに保存されていた複数の顧客に関するファイルが流出したことが分かった。

 流出したファイルには、大阪公立大学に関係する個人情報とシステム関連情報が含まれていた。対象となる個人情報の内容や件数については調査中で、大学は詳細が判明次第、公表するとしている。

 大学では別に、教育系システム関連のデータ約13万件が保存されていた仮想基盤が攻撃を受けた可能性も調べている。この仮想基盤からデータが外部へ持ち出されたかどうかは、10月21日時点で確認が続いている。電子メールなど一部サービスは再開したが、システム全体の復旧作業は継続中である。

 今回の事案は、教育機関の情報セキュリティーが、自組織と直接の契約先だけでは完結しないことを示した。学習塾でも、学習管理、保護者連絡、決済、入退室管理、オンライン授業などで外部のクラウドサービスを利用する場面が増えている。

 サービス選定や契約更新時には、再委託の有無、個人情報の保存場所、アクセス権限の管理、事故発生時の通知手順、代替運用の準備などを確認する必要がある。委託先を含む供給網全体の管理と、システム停止を前提にした事業継続計画が、教育事業者にとっても重要性を増している。

文科省、東大に次期総長選考の検証を要請 選考過程の説明求める

 文部科学省は10月20日、東京大学の次期総長選考を巡り、選考経緯を検証し、判断の合理性について説明責任を果たすよう大学側に要請した。関芳弘文部科学相が同日の閣議後記者会見で明らかにした。共同通信によると、文科省が大学の学長選考について検証を求めるのは初めてだという。

 東京大学総長選考・監察会議は9月28日、大学院総合文化研究科の藤垣裕子教授を次期総長予定者に選出した。任期は2027年4月1日から2033年3月31日までの6年間で、同大学初の女性総長となる。

 大学側は、候補者資料や推薦書、面接、動画による所信表明、学内構成員による意向投票の結果を総合的に考慮したと説明している。一方、意向投票で2位だった藤垣氏が選ばれたことから、学内の教職員らが詳しい選考経緯の説明を求めていた。

 関文科相は、選考過程や理由について明確な説明がなされていないとの声が多いことに遺憾の意を示し、総長選考・監察会議による自律的な検証を求めた。国立大学法人の長は、法人からの申し出に基づいて文部科学相が任命する。文科省はこれまで、明白な形式上の違法性や客観的に不適切と認められる場合などを除き、法人の申し出に基づいて任命するとの見解を示している。

 今回の要請は、大学の自主性を前提とする学長選考に、説明責任と透明性をどのように確保するかを改めて問うものとなる。東京大学側の検証方法と、文科省への総長任命の申し出に至る今後の対応が焦点となる。