スキルアップ研究所、「文系出身者のIT業界勤務に関する実態調査」の結果を発表

 株式会社 学研ホールディングス(東京・品川、宮原 博昭 代表取締役社長)のグループ会社、株式会社ベンド(東京・千代田区、近藤潔 CEO)は、運営する「スキルアップ研究所(https://reskill.gakken.jp/ )」にて、「文系出身者のIT業界勤務に関する実態調査」を行い結果を発表した。
調査結果全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/3586

【調査結果概要】
・文理間における年収の格差はほとんどない
・半数以上が「ITエンジニアの昇進スピードに文理は関係ない」と回答
・IT業界の志望動機で最も多いのは人材需要の高さによる高年収への期待


 現状、IT業界で働く労働者の割合は、文理では理系の方が多い。しかし、IT業界の人材不足が危惧されている中、多くの文系出身の人材が活躍している。IT業界における文理間での年収や勉強時間、昇進の速さ、能力の高さ、プログラミング経験の有無などには、文理それぞれにどのような傾向や差があるのか。IT業界での文系出身者の実態を解明するべく、スキルアップ研究所では調査を実施した。

◼️調査結果

◆文理によるITエンジニアの年収格差はほぼなし

「文理によるITエンジニアの年収格差はどのくらいだと感じますか」という質問に対し、49.9%の人が「0〜50万円」の差しかないと回答している。
 また約80%の人が文理間の年収の差は150万円以下と答えたことから、ITエンジニアの年収は文理間での差は、埋めようがないほど開いているというわけではなく、努力・能力次第では文系出身のITエンジニアも理系出身者と同水準の収入を得られると考えられる。


◆半数以上が「ITエンジニアの昇進スピードに文理は関係ない」と回答

「文理によるITエンジニアの昇進スピードは差があると思いますか?」という質問に対し、「文理は関係ない」と答える人の割合が5割以上と、最も高くなった。このことから、年収同様、昇進スピードについてもITエンジニアとしての個々人の能力次第で決まるであろうことが指摘できる。
 しかし、「理系の方が早い」と回答した人は4割にのぼったことから、ITエンジニアとしては理系の方が能力が高い傾向にあることは否定できない。


◆IT業界を志望する動機は文理で異なる

「なぜIT業界で働こうと思ったのですか?」という質問に対し、文理ともに40%以上の 文系では7割近く、理系も4割以上が「人材需要が高く、高年収が期待できると思ったから」と回答している。
 理系出身の人材に関しては、大学時代の学部・学科が情報系であったことを志望動機にしている人も多い。一方で、文系出身者については「行きたい企業があったから」という志望動機も多い。IT業界の志望理由は文理で異なる傾向があると判明したが、様々な理由で志望されているという点はIT業界の魅力が多岐にわたることを示しているといえる。

◼️課題と展望

 IT業界では、文理によるIT業界の年収格差についてはほとんどないことが分かった。49.9%の人が文理間での年収格差は0〜50万円だと回答し、約80%の人が150万円以下だと回答している。多少の年収差はあるものの、これは個々人の能力の違いによるものであると言える範囲内だ。
 また、文理間の昇進スピードにもほとんど差がないことが判明した。「文理は関係ない」という回答の割合が最も高く半数を超えることから、年収同様に単純にITエンジニアとしての能力差に影響されていると推察できる。しかし、現状、ITエンジニアに必要不可欠なプログラミングスキルは、理系の方が学生時代から学んでいる傾向が高い。昇進スピードについて、「理系の方が早い」という回答が4割にのぼることからも、ある程度は理系の方が有利であることは否定できないものであろう。文系でも、高校や大学の課程にプログラミングの授業をもっと積極的に取り入れることにより、IT業界における文理間での年収や昇進スピードの差は今よりさらに小さくなると考えられる。
 さらに、IT業界の志望理由で最も多いのは、文理ともに人材需要の増加に伴う高年収への期待であった。人材不足が懸念されているIT業界では、今後、文理ともに活躍できる地盤をさらに整えていくことが、人材不足の緩和に役立つだろう。
 総じて、ITエンジニアは業界単位では文理によって待遇が著しく異なるようなことはないとわかった。今後の需要の観点から見ても、より一層文系出身者のIT業界での活躍が期待される。


◼️調査概要

調査名:文系出身者のIT業界勤務に関する実態調査
対象者:20代以上の社会人の方で、IT業界に転職経験がある方
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024/05/04~05/11
回答数:102

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