非受験小学生との接点づくりを支援

無料テスト連動の算数教材「これヤバ!ドリル」11月発売
 エデュ・プラニング株式会社(大阪市中央区、代表取締役・間屋口克氏)は、無料の実力テストから保護者面談、入塾後の学び直しまでを一体化した、学習塾向け算数教材「これヤバ!ドリル(これができないとヤバいよ!ドリル)」を11月1日に発売する。
 主な対象は、中学生を中心に指導する一方で、中学受験を予定していない小学生(非受験小学生)との接点づくりに課題を抱える地域塾。同社は本商品を、単なる教材ではなく、「無料テストを入口とした集客の仕組み」と位置づけている。

 この仕組みは、次の3段階で構成される。
 まず、塾名を入れた無料テスト「これヤバ!テスト」(小5・小6用各5種、印刷・配布専用)を地域の小学生に配布し、基礎学力の定着状況を確認する。次に、その結果をもとに保護者面談を行い、学び直しが必要な単元を具体的に示したうえで、通塾を提案する。入塾後は「これヤバ!ドリル」を使用し、前学年までの重要単元に立ち返って学び直しを進める。

 ドリルの収録範囲は、小5用が小3~小4、小6用が小3~小5。現在の学年で学ぶ内容は扱わないため、塾で使用しているメイン教材と役割が重複しにくい設計となっている。
 価格はいずれも990円(税込)。小5用はA4判・本文108ページで、小6用は現在制作中。ともに11月1日の発売を予定している。
 この仕組みは、熊本市の学習塾「ナルゼミ(なるほどゼミナール)」を運営する山中氏が、非受験小学生向けに独自に実践してきた取り組みを体系化したものだ。
 同社によると、この仕組みの原型を運用してきたナルゼミの小学生在籍数は、今年8月時点で69名。さらに、2027年4月に中学1年生となる現小学6年生に関して、在籍生以外の9名がすでに入塾を予約しているという。
 同社は、こうした実績について、「これヤバ!ドリル」の原型となった教材上の工夫に加え、日々の指導や成績向上の実績によって生まれたものだと説明する。今回商品化したドリルは、その取り組みを他の教室でも実践できるように構成したという。

 無料テストを通じて非受験小学生との接点をつくり、保護者面談から入塾後の学び直しへとつなげる仕組みは、少子化が進む中、生徒募集に悩む地域塾にとって、検討に値する選択肢の一つとなりそうだ。
 同社は今後、「これヤバ!」シリーズの他教科への展開も検討している。

教育測定研究所、「英検Jr.®」団体向け情報サイトを公開

 株式会社EduLabのグループ会社、株式会社教育測定研究所は9月8日、児童向け英語テスト「英検Jr.®」オンライン版の団体利用に関する情報サイトを公開したと発表した。サイト自体は9月1日に公開されている。対象は英会話教室、幼稚園、学童、学習塾などで、BRONZE、SILVER、GOLDの各テストについて、実施形式、料金、申し込み方法、活用事例、よくある質問をまとめた。1人から申し込むことができ、教室と自宅のいずれでも受験できる。

 同社によると、オンライン版とペーパー版を合わせた導入団体は、2026年2月時点で1500団体を超える。受験後には成績表や証明書が発行され、英語学習の到達度確認や継続学習の目標設定に使える。幼児・小学生向け英語教室では、学習成果を保護者にどう示すかが継続率にも関わる。外部テストを授業や面談に組み込む動きが広がれば、英語指導そのものに加え、評価結果の説明や次の学習目標を提示する設計が競争要素となる可能性がある。

生成AI普及後も英語学習費「減らす」は2・4% 保護者210人を調査

 教育情報メディア「English Hub」を運営する株式会社ハーチは9月7日、生成AI・自動翻訳技術の普及と、子供の英語学習に対する保護者の意識を調べた結果を発表した。調査は2026年8月、小学生から高校生までの子供と同居する保護者210人を対象にインターネットで実施した。今後、子供の英語学習にかける費用や時間を「減らす」とした保護者は2・4%にとどまり、「変えない」が66・2%、「増やす」が19・5%だった。

 生成AIを毎日利用している保護者85人に限っても、「減らす」は4・7%だった。生成AIの利用頻度によって、英語学習への投資意向に明確な差は確認されなかったとしている。一方、生成AIや翻訳技術の普及により「英語を学ぶ意味が変わった」と考える保護者は49・5%を占めた。調査結果からは、翻訳技術が普及しても英語教育需要が直ちに縮小するわけではない一方、求められる英語力の内容は変化していることがうかがえる。学習塾や英会話教室には、翻訳では代替しにくい対話、交渉、発信といった力をどのように育てるかが問われそうだ。ただし、調査対象は210人に限られ、結果の一般化には注意が必要である。

京都大学、若手研究者支援と業務組織を改革 研究時間の確保へ

 京都大学が、若手研究者の育成と研究力の強化に向け、研究支援体制や大学内の業務組織の改革を進めている。日本経済新聞が9月8日、若手研究者の研究時間を確保するため、明治期以来の研究組織を見直す計画として報じた。京都大学が8月28日に公表した「国際卓越研究大学 研究等体制強化計画」に関する総長メッセージでは、博士後期課程学生や若手研究者への支援、研究支援人材の強化、研究設備の共用化などを主要施策に位置付けている。

 業務面では、複数部局の事務を担う「デパートメントオフィス」や、研究者と専門人材による多職種協働チームを整備する。研究者が担ってきた管理・事務業務を見直し、研究や若手育成に充てる時間を増やす狙いがあるとみられる。博士人材や若手研究者の育成は、大学院への進学者確保や理系人材育成にも関わる。大学側が研究環境とキャリア支援をどこまで改善できるかは、高校生や保護者が大学・大学院を選ぶ際の判断材料にもなりそうだ。組織再編の具体的な規模や実施時期については、今後の大学発表を確認する必要がある。

総合型選抜受験者の44・6%が塾・予備校を利用 「塾シル」が大学生らを調査

 株式会社ユナイトプロジェクトが運営する塾検索サイト「塾シル」は9月8日、総合型選抜と塾利用に関する調査結果を発表した。総合型選抜のみを受験した大学生195人のうち、87人、44・6%が大学受験に際して塾・予備校を利用したと回答した。調査は2026年7月に大学生1215人、8月に総合型選抜経験者416人を対象としてインターネットで実施した。塾を利用した理由では、「学校の進路指導だけでは不安だった」が44・7%、「一人での対策に自信がなかった」が37・4%、「保護者に勧められた」が32・0%だった。

 一方、有料サービスを利用しなかった人では、「学校の対策で十分だった」が27・4%で最多となった。総合型選抜の拡大に伴い、志望理由書、面接、小論文、探究活動などを支援する市場が塾にも広がっている可能性がある。ただし、経験者調査は塾利用者と非利用者がほぼ同数になるよう集められており、44・6%を受験者全体の利用率として一般化することはできない。

夜間中学発の日本語授業モデル 荒川区立第九中がICT個別学習を組み合わせ

 株式会社すららネットは9月8日、荒川区立第九中学校夜間学級が、日本語の一斉指導、テキストを使った演習・対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせた授業モデルを体系化したと発表した。45分の授業を、一斉指導20分、テキスト演習と対話15分、ドリルやテストによる個別学習10分に分ける。テキストとICT教材の対応関係を指導計画に明示し、担当者が替わっても一定の流れで授業を進められるようにした。個別学習には、同社の日本語学習ICT教材「すらら にほんご」を使用している。

 夜間中学には、年齢、母語、日本語能力、来日前の学習歴が異なる生徒が在籍する。日本語指導が必要な児童生徒も増えるなか、指導の質を教員個人の経験だけに依存させない仕組みづくりは重要性を増している。外国人児童生徒を受け入れる学習塾にとっても、一斉説明と対話、個別演習を時間単位で組み合わせる方法は、多様な習熟度に対応する授業設計の参考となりそうだ。

eboard、特別支援教育向け無償アカウントを自治体一括申請に対応

 特定非営利活動法人eboardは9月8日、特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室に提供している映像教材・デジタルドリルの無償アカウントについて、自治体や教育委員会による一括申請の受け付けを開始した。従来は各学校が個別に申し込む必要があった。新制度では、教育委員会などが対象校分をまとめて申請できる。Googleの学校用アカウントによるログインや、教育プラットフォーム「まなびポケット」との連携にも対応する。

 教材には、動画字幕、文章の読み上げ、漢字へのルビ表示など、読み書きや情報理解に困難のある児童生徒を支える機能を備える。費用は無償で、全国の自治体・教育委員会を対象とする。特別支援教育では在籍者や通級指導の利用者が増えており、教材の導入手続きを学校単位から自治体単位へ移すことは、利用拡大の障壁を下げる可能性がある。学習塾でも、発達特性や学習上の困難がある生徒の受け入れが課題となるなか、字幕、読み上げ、ルビなどを標準機能として教材選定に組み込む視点が必要になりそうだ。

色彩検定協会、UC級の交通広告を展開 関西・名古屋の鉄道4社で掲出

 公益社団法人色彩検定協会は9月7日、文部科学省後援「色彩検定UC(色のユニバーサルデザイン)級」の交通広告を、大阪メトロ、阪急電鉄、近鉄、名古屋市営地下鉄で順次掲出する。色覚の多様性を伝えるとともに、UC級の認知向上と受検促進を図る。

 広告は「トイレ篇」と「マフラー篇」の2種類。「日本人の約300万人には、こんなふうに見えています。」「『見える』は、同じじゃない。」をコピーに、身近な場面を通じて人による色の見え方の違いを表現する。

 UC級は、色覚特性や加齢による見え方の変化を理解し、誰もが見やすい配色を学ぶ検定。協会によると、色の区別がつきにくい色覚特性を持つ人は、日本人男性の約20人に1人、国内の男女合わせて約300万人と推計されている。

 大阪メトロと阪急電鉄は9月7〜13日、近鉄大阪エリアは8〜14日、名古屋市営地下鉄は11〜17日に、車内のドア横ポスターとして掲出する。2026年度冬期のUC級は11月8日に実施し、申し込みは10月1日まで受け付ける。

文科省、大学院教育拠点支援に神戸大を採択 10件の申請から1件選定

 文部科学省は9月3日、2026年度「未来を先導する世界トップレベル大学院教育拠点創出事業(FLAGs)」の選定結果を公表した。国公私立大学からの10件の申請に対し、日本学術振興会に設置された委員会の審査を経て、神戸大学の1件を採択した。

 採択された事業は「科学技術革新博士人材育成のための国際協働・産学連携・異分野共創エコシステム構築」。国際協働や産学連携、異分野の共創を通じた博士人材の育成に取り組む。

 同制度は、国際的な教育拠点の形成と産学連携教育を進め、豊かな学識と国際性、高度な実践性を備えた博士人材の育成機能を強化するもの。大学組織内の資源配分の見直しなども通じて、質の高い博士人材の増加を図る大学院教育拠点づくりを支援する。

 公募期間は4月6日から5月29日まで。申請の内訳は国立大学6件、公立大学1件、私立大学3件だった。
文部科学省「選定結果」

四万十町営塾「じゆうく。」、卒業生を有給インターンに 中高生の学習・進路支援

 高知県四万十町の町営塾「じゆうく。」は、進学などで町外へ出た卒業生を有給スタッフとして受け入れる「卒業生インターン」を、8月上旬から9月上旬までの約1カ月間実施した。運営は、自治体と連携して地域事業を展開するFoundingBaseが担う。

 3回目となる今回は、県外の大学と専門学校へ進学した卒業生2人が参加した。かつて自らが通った教室で、中高生の学習支援や進路・キャリア相談を担当。生徒自身が考えて問題を解決できるような説明や対話を実践したほか、地域の祭りへの出店にも携わった。

 取り組みは、2024年度の卒業生アンケートで、回答者の半数以上が「卒業後もじゆうく。に関わりたい」と答えたことを受けて始まった。年齢の近い卒業生を中高生の身近なロールモデルとするとともに、町外へ進学した若者が仕事を通じて地域との関係を継続する仕組みと位置づける。

 「じゆうく。」は町内高校の魅力向上を目的に、2016年11月に設置された。2026年度は高校生53人、中学生60人が在籍し、学習や進路実現、地域内外での活動を支援している。