鳴門市に河合塾グループ新設校の滞在型学習拠点 「ドルトンX学園高等学校」開設に向け三者連携協定を締結

 徳島県鳴門市は2月10日、河合塾グループが2027年4月に新設予定の広域通信制高校「ドルトンX学園高等学校」の滞在型学習拠点を市内に開設することが決定し、株式会社KJホールディングス、鳴門市、鳴門市教育委員会の三者で連携協定を締結したと発表した。協定締結日は2026年2月3日。

 「ドルトンX学園高等学校」は、「国内外の地域拠点に滞在しての探究学習」と「オンライン学習」を組み合わせた教育モデルを特徴とする広域通信制高校で、現在認可申請の準備が進められている。最大の特色は高校2年次に実施する地域滞在型の探究学習で、生徒が国内外の複数拠点から学習地を選択し、約3カ月単位で滞在(最大4~5拠点)しながら学ぶ点にある。鳴門市は、その滞在先の一つとして位置付けられる。

 今回の協定では、滞在型学習拠点の運営を軸に、関係人口の創出・拡大や、地域課題解決型の探究学習を通じた地域活性化、人材育成などで連携を深める。具体的には、徳島ヴォルティスと連携したプロスポーツ振興プロジェクト、元地域おこし協力隊と取り組むミュージカル制作、大道銀天街を中心とした市街地活性化などを探究テーマとして想定している。

 滞在型学習拠点については、国立大学法人鳴門教育大学の協力を得て、同大学の職員宿舎を高校生の滞在場所として活用するほか、学習拠点として大道銀天街周辺の空きテナントを利用する計画だ。地域資源を教育活動に活用することで、学びと地域づくりを結び付ける狙いがある。

 鳴門市では、関係人口の創出や高等教育機関の誘致を「なると未来づくり総合戦略2025」の主要施策として位置付けており、今回の拠点開設はその一環となる。一方、河合塾グループにとっても、新設する広域通信制高校における滞在型学習モデルを具体化する重要な拠点となる。

 三者は今後、教育を核とした地域連携を通じて、地方創生と新たな学びの形の実現を目指すとしている。

狛江市教育委員会とルネサンスが包括連携協定 部活動の地域展開を推進、地域全体で持続可能なスポーツ環境を構築

 株式会社ルネサンス(代表取締役社長執行役員:望月美佐緒)は2月10日、東京都狛江市教育委員会(教育長:柏原聖子)と、「部活動の地域展開に関する包括連携協定」を2026年1月20日付で締結したと発表した。学校単位での部活動運営が困難になる中、地域全体で子どもたちの多様なスポーツ機会を確保し、持続可能な教育環境の構築を目指す。

 少子化の進行により、学校現場では部活動の維持が難しくなり、生徒が希望する競技が選択できない、あるいは人数不足でチーム編成ができないといった課題が顕在化している。加えて、専門的な指導者の不足や、教員の働き方改革への対応も喫緊の課題となっている。こうした状況を背景に、学校の枠を超えて地域で子どもたちの活動を支える仕組みづくりが求められており、今回の協定締結に至った。

 本協定の目的は、ルネサンスが持つスポーツ振興の専門性や指導者ネットワークを活用し、狛江市における部活動の地域展開を促進するとともに、市内中学校の部活動の持続可能性を高めることにある。単なる部活動指導員の派遣にとどまらず、小・中学生が学校の枠を超えて多様なスポーツに親しめる環境を整備し、心身の健やかな成長を地域一体で支える。

 連携内容としては、質の高い指導を行う部活動指導員・技術指導員の紹介および育成を進めるほか、部活動に限定しない地域スポーツプログラムの提供など、新たなスポーツ機会の創出に取り組む。ルネサンスは、これまで培ってきたスポーツクラブ運営や健康支援のノウハウを活かし、指導体制の充実を図る。

 今後は、本協定を通じて狛江市における「部活動の地域展開」のモデルケースを構築し、子どもたちが「やりたいこと」を諦めずに挑戦できる環境づくりを進める。教育とスポーツ振興の両面から地域課題の解決に貢献し、持続可能な部活動の新たな在り方を提示していく考えだ。

スプリックス、経産省「グローバルサウス未来志向型共創事業費補助金」に採択 エジプト起点に日本式STEM教育モデルをMENA地域で実証

 教育サービス大手の株式会社スプリックス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:常石博之)は2月9日、経済産業省の令和6年度補正予算による「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に、同社が提案した日本式STEM教育改善の実証事業が採択されたと発表した。エジプト・アラブ共和国を起点に、中東・北アフリカ(MENA)地域への展開を見据える。

 採択された事業は、エジプト教育・技術教育省(MOETE)および広島大学と連携し、日本式のカリキュラム教材、教員研修、学力評価(国際基礎学力検定TOFAS)を組み合わせたSTEM教育改善モデルを導入するもの。数学やICT分野の基礎学力向上を通じ、AI時代を牽引する産業人材の育成を目指す。

 MENA地域では、数学・ICTを中心とした基礎学力の不足や、学力データを活用した教育改善体制の未整備が課題となっている。特にエジプトでは、教育のデジタル化とSTEM分野の強化を国家戦略として掲げており、スプリックスはこれまで同国政府や大学と協働し、日本式教育モデルの導入を進めてきた。2025年9月からは、小学1年生向け算数カリキュラムや、高校1年生向けICT・AIプログラミング教育プログラムが国家カリキュラムの一部として正式運用されている。

 今回の実証事業では、これらの成果を基盤に、日本式教材のローカライズ、AIを活用したデジタル教材による個別最適化学習、全国規模の学力アセスメント、教員研修を一体的に実施。教育の質を制度として安定的に担保するモデルの高度化を図るとともに、サウジアラビアやモロッコ、ヨルダンなど周辺国への横展開を見据える。

 スプリックスは、エジプトをMENA地域における教育改革のハブと位置づけ、日本発の教育ソリューションによって、グローバルサウス諸国の人材育成と産業基盤強化に中長期的に貢献していく方針だ。

NASA新型ロケット 月面へ最終リハーサル開始

 米フロリダ州ケープカナベラルで、米航空宇宙局(NASA)は新型月探査ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の燃料充填に向けた2日間のカウントダウンリハーサルを1月31日(現地時間)に開始した。人類が月へ向かう有人打ち上げとしては1972年以来となる。
 リード・ワイズマン司令官率いるクルーは細菌感染を避けるためすでに隔離状態に入っており、打ち上げ許可が下り次第ケネディ宇宙センターへ移動する予定。現在はヒューストンの拠点でドレスリハーサルを行っている。
 全長322フィート(約98メートル)のSLSロケットは2週間前に発射台へ移送された。月曜日に予定される燃料注入試験が成功すれば、NASAは1週間以内の打ち上げ実施を視野に入れる。試験ではロケットのタンクに70万ガロンを超える極低温燃料を注入し、エンジン点火30分前で作業を停止する。

中国、宇宙で初の金属3Dプリント実験に成功 高度120キロで造形

 中国の宇宙企業CAS Space(中科宇航)は1月、中国が宇宙空間で初めて金属の3Dプリント(積層造形)実験に成功したと発表した。中国科学院(CAS)傘下の力学研究所が開発した回収型科学実験ペイロードを用い、微小重力環境下で金属部品の自動造形を実施した。
 実験装置はCAS Spaceが開発したサブオービタル用宇宙船「Lihong-1(力鴻1号)」に搭載され、1月12日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。機体は大気圏と宇宙空間の境界とされる高度100キロのカーマンラインを超え、約120キロに到達。微小重力環境を300秒以上維持した状態で金属部品の造形に成功した。

河合塾グループKEIアドバンス、大学向け「アカデミック日本語教育プログラム」を提供開始

インバウンド留学生の急増に対応、入学前後の日本語教育で円滑な学修導入を支援

 河合塾グループのKEIアドバンス(本社:東京都千代田区)は2月4日、国内大学を対象とした「アカデミック日本語教育プログラム」を開発し、2026年4月入学生向けから提供を開始すると発表した。インバウンド留学生の増加に伴い顕在化している日本語能力のばらつきに対応し、入学前後に体系的な日本語教育を行うことで、大学での学修や学生生活への円滑な移行を支援する。

 コロナ禍収束後、日本の高等教育機関に在籍するインバウンド留学生は急増しており、2024年5月時点で22万9千人と過去最多を更新した。一方で、留学生の日本語力には大きな差があり、大学での学習に必要とされる「アカデミック日本語」の不足が、授業運営や学生支援の新たな課題となっている。KEIアドバンスによる大学へのヒアリングでも、「入学時点の日本語力の差が大きい」「日本語補習に時間を取られ、専門教育に十分な時間を割けない」といった声が多く寄せられているという。

 こうした背景を踏まえ、同社が開発したプログラムは、入学前後(主に3月以降)に実施する日本語教育を想定し、「eラーニング教材」と「オンラインライブ授業」の2形態を用意。eラーニング教材は、早稲田大学発スタートアップの空間概念研究所と共同開発し、中国語・英語での学習にも対応する。オンライン授業では、大学の授業や学生生活を想定した場面別ロールプレイを取り入れ、各大学のニーズに応じたカスタマイズも可能とした。

 いずれのプログラムも、留学生が訪日前から海外の自宅で受講できる点が特長で、入学までに一定水準のアカデミック日本語を身につけることで、授業理解やキャンパスライフへの適応を促す。対象は日本語能力試験N1~N5レベルの留学生で、大学・短期大学の国際センターや学生課などでの導入を想定している。

 KEIアドバンスは「留学生の日本語力向上と大学教育の円滑なスタートを支援することで、大学側の教育負担軽減にもつなげたい」としており、今後もインバウンド留学の拡大を見据えた教育支援サービスの拡充を進める考えだ。

カルビー、植育×食育の食農教育プログラム「ポテトバッグ部」を本格始動

 カルビー(本社:東京都千代田区)は2月5日、カルビーポテトおよび園芸資材メーカーのプロトリーフと共同で、植育と食育を組み合わせた食農教育プログラム「ポテトバッグ部」を2026年春から本格的に運用すると発表した。袋で育てるジャガイモ用培養土「ポテトバッグ」を活用し、子どもたちが植え付けから収穫、調理までを体験できる教育プログラムとして、学校や教育施設向けに展開する。

 「ポテトバッグ」は、子どもたちにジャガイモや土に触れる機会を提供したいという想いから、カルビーポテトとプロトリーフが約3年をかけて開発し、2021年に商品化された。あわせて、カルビーポテトが長年開発してきたジャガイモ品種「ぽろしり」も栽培用種芋として販売されている。

 今回のプログラムは、「カルビーポテトチップス」発売50周年を契機に、原料であるジャガイモが食品になるまでのプロセスを子どもたちに伝えたいという考えから企画された。2025年にはトライアルとして実証実験を行い、教育現場から高い評価を得たことを受け、内容を改良したうえで正式プログラムとしてスタートする。

 「ポテトバッグ部」では、「ポテトバッグ」と「ぽろしり」を用い、約4カ月間にわたって栽培・観察・収穫・調理を体験する。副教材として、スライド教材や栽培説明動画、調理レシピなども提供され、理科や家庭科、総合学習など幅広い教科での活用を想定している。

 2026年度は、東京都や神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県などの小学校や教育施設で実施予定。参加校からは「栽培しやすく教科横断的に活用できる」「子どもたちの学習意欲を引き出す」といった声が寄せられている。

 カルビーは本プログラムを通じて、食の背景にある農業への理解を深めるとともに、子どもたちが主体的に学ぶ体験型教育の機会を広げたいとしている。食と農を結ぶ実践的な学びとして、今後の展開が注目される。

Kimini英会話、レッスン録画機能を全会員向けに標準提供

 学研ホールディングス(東京都品川区)のグループ会社で、オンライン英会話サービス「Kimini英会話」を運営する株式会社Glats(同)は、試験運用していた「レッスン録画機能」を2026年2月1日から標準機能として正式提供した。これにより、契約プランを問わず、すべての会員がレッスン終了後に録画を視聴できるようになった。

 レッスン録画機能は、受講中の映像と音声を自動で記録し、終了後7日間、会員のマイページ上に保存される仕組み。学習者は自分の英語を客観的に振り返ったり、聞き取れなかった表現を再確認したりするなど、復習用途として活用できる。子どもの受講内容を後から確認できる点は、保護者にとっても安心材料となる。

 録画データはAmazon Web Services(AWS)のクラウドストレージ上で管理され、運営会社のGlatsは情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」の認証を取得。個人情報や学習データを含む顧客情報を国際基準に沿って運用している。

 Kimini英会話は、学研が長年培ってきた教材開発ノウハウを活かしたオンライン英会話サービスで、幼児から社会人まで幅広い年齢層が利用している。専用アプリ不要で、パソコンやスマートフォンから受講できる点も特徴だ。教材は「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく伸ばす設計となっており、予習・復習教材も用意されている。

 また、レッスンに加えて自学習コンテンツを利用できる「スタンダードPlusプラン」などでは、24時間利用可能なスキル強化トレーニングを提供。さらに、英語学習を支援するAIチャットボット「Kimini AI」も導入し、レッスン外学習のサポートを強化している。

 オンライン英会話市場では、受講のしやすさや料金だけでなく、学習の「定着」や「振り返り」をいかに支援するかが重要な差別化要素となっている。今回の録画機能の全会員向け開放は、継続学習と学習効果の向上を狙った取り組みとして、今後の利用動向が注目される。

ネットオフとすららネット、教育向けリユース端末の提供で連携 通信制高校・専門学校・フリースクールのICT環境整備を支援

 リネットジャパングループ(本社:名古屋市)の子会社でリユース事業を展開するネットオフと、AIを活用したアダプティブ教材を手がけるすららネット(東京都千代田区)は、教育機関向けにリユース端末の提供を開始した。通信制高校や専門学校、フリースクールなどを主な対象とし、学習用ICT教材「すらら」とパソコン・タブレット端末をセットで提供する。

 GIGAスクール構想の進展により小中学校では1人1台端末環境の整備が進む一方、多様な学びの場ではコストや調達面の制約から端末不足が課題となってきた。今回の連携は、こうした教育現場に新たな選択肢を提示する狙いがある。

 ネットオフは、会員数590万人、年間約3,000万点に及ぶリユース品を取り扱うが、リユース品は同一型番をまとめて確保しにくい点が課題だった。今回の取り組みでは、一定のスペックを満たした同一端末を、必要な時期に必要な台数まとめて提供できる体制を構築。教育機関が計画的に端末導入を進めやすくなった。

 提供される端末は、バッテリー残量80%以上を確認したうえでクリーニングや動作確認を実施し、教育利用を前提とした品質担保と端末保証を付帯する。新品端末の導入が難しい現場でも、費用負担を抑えつつICT学習環境を整えられる点が特徴だ。

 すららネットは、学習者一人ひとりの理解度や学習ペースに応じた個別最適化学習を可能にするICT教材「すらら」を提供してきたが、端末不足が導入・活用の障壁となるケースもあった。今回、リユース端末と教材を一体で提案することで、日常的な個別学習の実践を後押しし、学習機会の拡大と成果創出につなげる。

 両社は、本取り組みを通じて端末不足による教育機会の損失を解消し、「学び始められる」「学び続けられる」環境づくりを支援するとしている。教材提供にとどまらず、教育現場の実情に即した周辺環境整備まで含めた支援の広がりとして、今後の展開が注目される。

社会人向けオンライン英会話「アレバ!」がアバター切替機能を提供開始

 教育開発出版株式会社(東京都杉並区)が運営する大人向けオンライン英会話サービス「アレバ!」は、レッスン中に受講者および講師の映像をアバター表示に切り替えられる新機能の提供を開始した。英語が話せないことへの「恥ずかしさ」や緊張感といった心理的障壁を下げ、社会人の学び直し層が安心して英会話に取り組める環境づくりを狙う。

 社会人の英語学習では、「発音に自信がない」「間違える姿を見られたくない」「講師と目を合わせると緊張する」といった理由から、学習が継続しないケースが少なくない。アレバ!は、英語力以前に“安心して失敗できる環境”が重要だと捉え、学習者の感情面に配慮した機能開発を進めてきた。

 今回導入されたアバター切替機能では、オンラインレッスン中に自分の顔、講師の顔、または双方をアバター表示に変更することが可能となる。これにより、視線や表情を気にすることなく、英語で話す行為そのものに集中できるという。

 同機能は、英会話初心者や学び直し層、過去にオンライン英会話が続かなかった経験を持つ層、緊張しやすく間違いを恐れがちな学習者を主な対象としている。「完璧に話せなくてもいい」「まずは声を出す」という最初の一歩を後押しすることが狙いだ。

 アレバ!は、予約不要のレッスンや短時間(10分)レッスン、動画教材やAIレッスンによる反復学習など、忙しい社会人でも続けやすい設計を特徴とする。今回のアバター機能の追加により、心理的負担の軽減と学習継続率の向上を図り、大人向け英会話市場での差別化を進める。

 オンライン英会話市場では、利便性や価格競争に加え、学習者の心理的ハードルをいかに下げるかが新たな競争軸となりつつある。アレバ!の取り組みは、英語学習の「続かなさ」という課題に対する一つの解として、今後の動向が注目される。