月刊私塾界2025年1月号(通巻525号)...

巻頭言 公教育の底力と民間教育の支え  新年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年も教育に携わるすべての方々と共に、子供たちの成長を支え続けていただききたい。  先日、日本の小中学生の理数分野における国際学力調査の結果が発表された。そこには「世界トップ層を維持」と...

月刊私塾界2024年12月号(通巻524号)...

巻頭言 過去最多倒産件数となる塾業界の今後  2024年、学習塾の倒産件数が過去最多水準で推移している。東京商工リサーチと帝国データバンクの両社が調査結果を発表した。それによると、今年1月から10月の倒産件数は前年同期比で28%増加し、通年では19年の過去最多水準に並ぶ可能性がある。...

月刊私塾界2024年11月号(通巻523号)...

巻頭言 増加する学校外教育費 ソニー生命保険が今年3月に発表した子どもの教育資金に関する調査によると、子供1人あたりの学校外教育費が過去最高を記録した。特に未就学児の習い事への支出が増加しており、9年前の約2倍に達している。物価上昇に伴う月謝の値上げや複数の習い事の掛け持ちが要因とし...

私塾界プレミアムセミナー・パーティー 2024...

一年間の感謝を込めて ご挨拶 日に日に秋の深まりを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。2024年も残すところ、あとひと月あまりとなりました。そこで、日頃からお世話になっているみなさまに感謝を込めまして、12月5日(木)に池袋メトロポリタンホテルで「私塾界プレミアムセミナ...

月刊私塾界最新号

月刊私塾界2025年1月号(通巻525号)

巻頭言 公教育の底力と民間教育の支え  新年を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年も教育に携わるすべての方々と共に、子供たちの成長を支え続けていただききたい。  先日、日本の小中学生の理数分野における国際学力調査の結果が発表された。そこには「世...

塾ニュース|塾・企業

ボーダーリンク、株式会社EduLabと業務提携に関する基本契約を締結

 EdTechカンパニーの株式会社レアジョブの外国語教育支援事業を展開するグループ会社の株式会社ボーダーリンクは、株式会社EduLabとの業務提携に関する基本合意書を締結し、発表した。  ボー...

塾ニュース|教育ICT

文部科学省令和6年度青少年の体験活動推進企業表彰において、sanwa ICT 支援プロジェクト「ICT で広がる未来!子どもたちの学びをサポート」が『奨励賞』を受賞

「教育・健康・安全」をテーマに、防災用品、学校教材・教具、衛生用品などを企画・開発する、株式会社三和製作所(東京・江戸川区、小林 広樹 代表取締役)は、令和6年12月13日、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課青少年教育室が主催する「令和6年度 青少年の体験活動推進企業表彰」...

塾ニュース|地域教育

「ECCコンピュータ専門学校」大阪・梅田の街並みと共生する新校舎が完成

 学校法人山口学園・ECCコンピュータ専門学校(大阪市北区、酒元 英二 理事長、納谷 新治 学校長)の新1号館が2024年11月に竣工した。 今後、将来にわたって積み重ねていく新校舎のコンセプトは「中崎・まちのキャンパス」。ECCコンピュータ専門学校の校舎が立ち並ぶ中崎町は、大...

塾ニュース|受験

大学入学共通テスト「情報I」対策 オリジナルの長文予想問題を使った短期集中講座を豊川高校にて開催

 子ども向けSTEAMプログラミング教育を行う株式会社プロキッズ(東京・台東区、原 正幸 代表取締役社長)は、2024年12月23日(月)に愛知県豊川高等学校 にて大学入学共通テスト「情報I」の短期集中講座を行った。  令和7年度から大学入学共通テストに新設される科目「情...

ボーダーリンク、株式会社EduLabと業務提携に関する基本契約を締結

 EdTechカンパニーの株式会社レアジョブの外国語教育支援事業を展開するグループ会社の株式会社ボーダーリンクは、株式会社EduLabとの業務提携に関する基本合意書を締結し、発表した。

 ボーダーリンクとエデュラボが提供する教育事業の分野において、両社の知見及びネットワークその他の経営資源を相互に有効活用し、当該分野における両社の競争力の向上を図るとともに、両社の事業の更なる拡大を行うことを目的として業務提携することで更なる成長を目指す。

 この業務提携は、エデュラボが持つ測定技術やAI技術、並びに学習・テストコンテンツに、ボーダーリンクの各地域の自治体や公教育向けに展開している事業を組み合わせることで、更なる付加価値提供の実現を目指すと共に、その活動を通じて、新たなサービスの開発・提供も目指す。

ヒューマン ネパールトップクラスの公立大学・カトマンズ大学とITおよび建設エンジニアの来日就業支援において協力

 総合人材サービス会社で、ITおよび建設分野の海外エンジニア派遣サービスを展開するヒューマンリソシア株式会社(東京・新宿区、高橋 哲雄 代表取締役)は、ネパール国内トップクラスの公立大学・カトマンズ大学と連携し、ITおよび建設分野を学ぶ同大学の学生に対して、日本への来日・就業を支援することがわかった。

 ヒューマンリソシアは、ネパールで工学分野トップクラスの公立大学であるカトマンズ大学と覚書を締結し、同大学でITおよび建設分野(土木工学・建築学)を専攻する学生の来日就業を協力して推進することとなった。

 ネパールでは近年、大学教育水準の向上により、多くの優秀な卒業生が輩出されている。しかしながら、ネパール国内での雇用機会の不足、とりわけ若者の失業率の高さを背景に、日本をはじめとした海外に活躍の場を求める若者が増えている。ヒューマンリソシアはこれまでネパールの3大学とパートナーシップを結び、エンジニアとしての来日就業を支援してきた。今回新たにカトマンズ大学と連携し、ITおよび建設エンジニアとしての日本での活躍を支援することとなった。ヒューマンリソシアは、IT分野ではこれまで海外約30の大学と連携しているが、建設分野ではインドネシアの大学に続き2校目となる。

 国内では、DXの進展に伴うエンジニア需要の高まりから、ITエンジニアの有効求人倍率は東京都で3.1倍、建設エンジニアにおいても同7.3倍に達している。このような人材確保難に加え、多様な視点によるイノベーションや海外ビジネスへの貢献においても、海外人材への期待は高まっている。ヒューマンリソシアは、優秀な海外エンジニアの採用強化を図るとともに、この取り組みを通じて、優秀なネパールの学生が卒業後、エンジニアとしてグローバルに活躍する機会の創出に取り組んでいく。

効率を求める時代の塾選びに「オンライン学習塾」が一般化。タイパ・コスパの高い「オンライン学習塾」が共働き家庭の支えに

 株式会社スプリックス(東京・渋谷区、常石 博之 代表取締役社長)が運営するオンライン個別指導塾「そら塾」は、保護者のオンライン学習塾に対する意識を把握すべく、当塾保護者1,122名を対象にアンケート調査を実施した。

 今回の調査では、昨今の共働き世帯の増加などの社会的背景が影響し、通塾・送迎時間や費用などのコスト面でのパフォーマンスを意識した塾選びが重要視されていることがわかった。また、オンライン学習塾の利用開始から1年以上経つ通塾者が全体の21%を占めており、86.8%の保護者が継続意向を示していることから、オンライン学習塾が塾選びの新たなスタンダードとして普及しつつあることが明らかになった。

【調査概要】
調査対象:そら塾に通う生徒の保護者1,122名(有効回答数)
調査手法:インターネット調査
調査内容:オンライン学習塾に対する意識調査
実施期間:2024年12月9日~12月20日
オンライン個別指導塾そら塾調べ


Topic1. 利用開始から「1年以上」が全体の21.3%を占める結果に!効率を求める時代の塾選びに「オンライン学習塾」の定着化が進む

 オンライン個別指導塾「そら塾」の保護者を対象に、オンライン学習塾に対する意識調査を実施したところ、利用開始から「1年以上」という回答が全体の21.3%を占める結果に。今回の結果から、オンライン学習塾が新たな指導形態として注目を集めながらも、一過性の選択肢ではなく、長期的な学習パートナーとして定着している様子が伺える。特に、送迎不要で時間や場所を選ばずに学習を進められる効率性などが昨今のライフスタイルにあった価値観として受け入れられていることが伺える。

 また、オンライン学習塾を利用する目的として最も多く挙げられたのが「定期テスト対策」と「学校の補習」であることから、受験前の短期的な利用よりも、定期テストや勉強習慣など日常的な学力の向上を目指すことを目的に利用するケースが多い傾向にあることがわかった。

Topic2.  86.8%がオンライン学習塾の利用を「続けたい」と回答!それぞれの生活スタイルと目的にあわせた塾選びが重要に

 さらに、オンライン学習塾の継続意向について調査した結果、86.8%の保護者が「今後も利用し続けたい」と回答した。また、継続したい理由として「通塾・送迎が不要」という回答が最も多く挙げられ、送迎することに対して大きな負担を感じている家庭が多いことが明らかになった。その他にも「時間を有効に使える」「子どもに向いているから」などの回答も多く、共働き世帯が圧倒的に多くなっている中で、オンライン学習塾が昨今の生活スタイルにあった形態であることが伺える。

Topic3.  周囲の利用者増加を実感している割合は限定的な一方で、82.7%が「家族や友人にオンライン学習塾を勧めたい」と回答!

 オンライン学習塾の利用者を対象に、周囲の利用状況に関する意識調査を行ったところ、オンライン学習塾を利用している人が「周囲で増えている」と感じた割合は17.7%と限定的だった。この結果は、オンライン学習塾の利便性や効果が実際の利用者以外に十分伝わっていないという点の他に、地方や一部地域ではオンライン学習塾というサービス自体の認知がまだ広がりを見せていない状況が伺える。

 一方で、82.7%の保護者が「オンライン学習塾を友人や家族におすすめしたい」と回答し、高い満足度と推奨意向が伺える結果となった。これは、共働き世帯の増加や時間を有効的に活用したいというニーズが背景にあり、オンライン学習塾が塾選びの新たなスタンダードとして普及しつつあることが伺える。

大学入学共通テスト「情報I」対策 オリジナルの長文予想問題を使った短期集中講座を豊川高校にて開催

 子ども向けSTEAMプログラミング教育を行う株式会社プロキッズ(東京・台東区、原 正幸 代表取締役社長)は、2024年12月23日(月)に愛知県豊川高等学校 にて大学入学共通テスト「情報I」の短期集中講座を行った。

 令和7年度から大学入学共通テストに新設される科目「情報I」に向けて、生徒たちの知識習得を目的に、1日3時間の集中講座を行った。プロキッズでは、2024年1月から愛知県の豊川高校で「情報I」の短期集中講座を実施しており、今回3回目の開催となる。
 これまでの講座ではプログラミングに力点を置いていたが、今回の講座では情報科目全般に渡る幅広い内容を扱った。

 講座内で使用した問題集は、プロキッズオリジナルの長文問題。過去問がない情報I科目だが、ICT支援員と共同で開発し現場の目線も取り入れることで、本番でも役立つ入試対策を行うことができた。

文部科学省令和6年度青少年の体験活動推進企業表彰において、sanwa ICT 支援プロジェクト「ICT で広がる未来!子どもたちの学びをサポート」が『奨励賞』を受賞

「教育・健康・安全」をテーマに、防災用品、学校教材・教具、衛生用品などを企画・開発する、株式会社三和製作所(東京・江戸川区、小林 広樹 代表取締役)は、令和6年12月13日、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課青少年教育室が主催する「令和6年度 青少年の体験活動推進企業表彰」において、sanwa ICT 支援プロジェクト「ICT で広がる未来!子どもたちの学びをサポート」の活動が中小企業部門の『奨励賞』を受賞した。

■「令和6年度 青少年の体験活動推進企業表彰」とは
 文部科学省が主催する、「いーたいけんアワード」という青少年の体験活動を支援する企業を表彰する制度。「社会貢献活動の一環として、青少年の体験活動に関する優れた取り組みをしている企業を全国に広く紹介することにより、青少年の体験活動の機会を推進すること」を目的として、2013年度より実施されている。

■受賞内容

<受賞結果>
中小企業部門『奨励賞』
<体験活動紹介テーマ>
sanwa ICT 支援プロジェクト「ICT で広がる未来!子どもたちの学びをサポート」
<活動概要>
 GIGAスクール構想によりタブレットを配布された市川市内の小学1年生を対象に、大学と教育機関、地域の小学校と連携し、タブレットの基礎スキル、キーボードの慣れ、ログイン操作、写真撮影の指導など、学校でのICT授業を円滑に進行させるサポートを行っている。児童生徒に向けたICT支援活動を通じて学びの向上を支援し、また、大学生ボランティアと一緒に活動することで地域の教育理解を深めると共に、子どもたちの ICTリテラシー向上を図った。

中高生の探究学習の成果を地域に開放する「関西探究文化祭」開催

「10代の『やってみたい』を育てる、叶える。」を掲げ、探究的な学びを支援する一般社団法人e-donuts(京都市・西京区、藤原彪人 代表)は、中高生が年間を通して取り組んできた探究学習の成果を地域の企業や一般市民の方々に向けて開放する「関西探究文化祭」を開催する。
 このイベントは、中高生が校内発表の枠組を超え、地域社会に対して自分たちのアイデアや制作物を表現し、その反応に直接触れることで、地域の課題解決のリアルを実感する「新たな教育機会」を創造することを目指している。

イベント概要
中高生の探究成果物を販売/展示/企画発表などの形で披露し、地域の来場者の方が中高生のアイデアにリアルに触れる一日
■日時:2025年2月8日(土)13:00-17:00
■会場:QUESTION(コミュニティ・バンク 京信)
(住所: 京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町)     
■主催:一般社団法人e-donuts
■共催:コミュニティ・バンク京信
■後援:京都市/京都市教育委員会
■協賛:株式会社ヒューマンフォーラム/洛西紙工株式会社/有限会社匠弘堂/有限会社画箋堂

QuizKnock運営会社・baton開発の人気アプリ「限界しりとりMobile」が教育版としてリニューアル

 クイズ王・伊沢拓司率いるQuizKnockを運営する株式会社baton(東京・品川区、衣川洋佑 代表取締役)は、2025年1月8日(水)にスマートフォンアプリ「限界しりとり for Education」をリリースした。このアプリは同社開発の人気アプリ「限界しりとりMobile」のリニューアル版となる。

 2019年リリースのアプリ「限界しりとりMobile」は、YouTubeチャンネル「QuizKnock」の人気企画「限界しりとり」のモバイル版として開発された。制限時間内に指定された文字数の言葉でしりとりをするというシンプルなルールながら、2020年には「Google Play | Indie Games Festival 2020」トップ20に選出されるなど、好評を博した。
 今回リリースされた「限界しりとり for Education」では、基本ルールはそのままに4つのモードを用意している。また、 ”for Education”(教育版)にあわせ使用できる語彙を見直し、しりとりを楽しみながらも語彙力を高められるゲームを目指した。
 2025年1月8日(水)より、App Store・Google Play Storeにてダウンロードを開始している。
「限界しりとりMobile for Education」概要

タイトル:限界しりとりMobile for Education
対応機種:iOS/Android
配信開始日:2025年1月8日(水)
提供・開発:株式会社baton

学書SHOP ポイントキャンペーン 2月1日から開始

 株式会社学書(愛知・名古屋市、田村 茂彦 代表取締役)は、【学書SHOP】に”ポイントキャンペーン”を新たに導入したことを発表した。キャンペーンは2025年2月1日から4月30日までの期間限定で、学書SHOPを利用した方に向けてお得なポイントキャンペーンを実施する。
 キャンペーン期間中に教材を購入すると、「1ポイント=1円」として【学書SHOP】で利用いただけるポイントが付与される。

<ポイントキャンペーン概要>
期間中、学書SHOPで教材を購入した場合、最大3%分のポイントが付与される。次回以降の学書SHOPでの買い物に使用できる。

<ポイントに関する注意事項>
・ポイント付与率
 契約条件によって、付与ポイントが異なる場合があります。
・ポイント利用条件
 ポイントの付与および利用は、学書SHOPでの購入時に限られます。
・対象外のお客様
 代理店契約・特別条件などの場合は、ポイント付与の対象外となります。

【新潟医療福祉大学】文部科学省科学研究費で配分金額は3億円を突破

 NSGグループの新潟医療福祉大学は、2024年12月25日に文部科学省から公表された令和6年度科学研究費において、開学以来初めて、配分金額が3億円を突破する成果を達成した。さらに、「スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野」においては全国第3位にランクインした。

◆全国でも数少ない「リハビリテーション科学」・「スポーツ科学」を学べる教育環境
 同学は、ワンキャンパスに、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉の15学科が集う日本最大級の医療系総合大学。20種類以上の専門職を養成する医療系総合大学の強みを最大限に活かして、リハビリテーション科学とスポーツ科学を融合した教育や研究の実践が可能。学科や分野を問わず研究者から地域住民まで参加して共同研究に取り組む「運動機能医科学研究所」や、アスリートサポート研究を推進する「アスリートサポート研究センター」などを設置し、神経科学や脳科学、スポーツ科学などの分野の研究を進めている。

 この研究所や研究センター、学生アスリートサポート部の活躍により、2017年度に文部科学省から「私立大学研究ブランディング事業(SHAINプロジェクト)」の支援対象校として選定され、2020年度からはスポーツ庁の「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」に関する事業を委託された。2001年の開学以来、スポーツ傷害予防・治療のための臨床研究、リハビリテーションに関連した治

【国立科学博物館】太平洋のハゲナマコから4新種候補を含む10種を発見 世界各国の博物館標本の遺伝子解析から多様性を明らかに

 独立行政法人国立科学博物館(篠田謙一 館長) の小川晟人特定非常勤研究員(分子生物多様性研究資料センター)、藤田敏彦動物研究部長(動物研究部)、蛭田眞平准教授(昭和大学富士山麓自然・生物研究所、当館協力研究員)らは、ロシア シルショフ海洋学研究所、ニュージーランド国立水大気研究所、オーストラリア ヴィクトリア博物館研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構の研究者らと共同で、世界各地の博物館の収蔵標本の遺伝子解析から、これまで1種とされてきた太平洋のハゲナマコ属が4種の新種候補を含む10種であることを明らかにした。ハゲナマコ属は太平洋の深海底に広く生息するナマコ類だが、名前の由来である全身の表皮が剥げやすい特徴から、底曳き網採集では原形を留めないほど標本が傷ついてしまい形態比較による正確な分類が困難だった。国立科学博物館を含む世界各国の6カ所の博物館に収蔵された太平洋各地のハゲナマコ属標本の遺伝子解析によって、これまでムラサキハゲナマコ1種に同定されてきた太平洋のハゲナマコ属が4種の未記載種(新種候補)を含む10種であることを明らかにした。深海生態系の多様性の理解が進むことで、深海生物の多様化様式の解明につながることが期待される。
 この研究成果は2024年12月24日に海洋生物学分野の国際誌「Marine Biology」にオンライン掲載された。

▼研究のポイント

・ 表皮がはげやすく標本が採集時にボロボロに傷ついてしまうために形態比較が困難だった深海性のハゲナマコ属の種多様性を遺伝子解析により見直した。
・ 国立科学博物館に加え、世界各地の博物館に収蔵された標本を活用することで、太平洋全域に及ぶハゲナマコ属の標本を網羅的に比較分析した。
・太平洋に広く分布する1種と考えられてきたムラサキハゲナマコは、遺伝子と形態の特徴が異なる10種であり、そのうち4種の新種候補を含むことを明らかにした。