阪神電気鉄道グループの株式会社ミマモルメ(大阪市福島区)は、子どもの登下校情報を保護者に通知する「登下校ミマモルメ」と、学童施設向け業務効率化システム「学童ミマモルメ」に、日本電気(NEC)の高精度顔認証技術「Bio-IDiom Services for SaaS」を組み合わせたスクールバス向け見守りサービスを、2025年11月から全国で提供する。
販売に先立ち、顔認証による検知を用いたスイミングスクールの入退館通知に続く第二弾の実証実験をおこなった。2025年9月1日から9月30日までの期間、奈良県香芝市で、通学距離の長い児童の負担を軽減するために夏季試験運行されたスクールバスを対象に実施した。マイクロバス2台の乗降口には顔認証用アプリを搭載したタブレット端末を設置し、乗降情報をリアルタイムで保護者に配信する仕組みの効果を検証した。この実証実験は、タブレット端末による顔認証を用いて小学生のスクールバスの乗降情報を保護者に通知する国内初の事例である。
スクールバスは、徒歩で通学する子どもの熱中症リスク低減や、学校統廃合による遠距離通学への対応に加え、今後は部活動の地域連携・地域クラブ活動移行に係る移動を目的としても、運行機会が増加することが見込まれる。それに伴い、子どもがバスに乗車したことや学校、施設に到着したことを保護者が知りたいというニーズが高まっており、一方で教職員による点呼や置き去り防止確認などの負担軽減も求められている。
【実証実験の概要】
・実施期間:2025年9月1日~9月30日
・実施場所:奈良県香芝市の小学校で夏季に試験運行されたスクールバス(2台)
・参加対象:スクールバスを利用する子どもとその保護者(任意)
・主な内容:顔認証を活用した乗降検知及び通知精度と、利用者満足度の検証
【実験結果】
実証実験後に行った保護者アンケートでは、回答があったすべての方が「通知のタイミングがとても適切であった」又は「適切であった」と回答し、また、「本サービスを利用して、子どもの安全確認に対する安心感はとても向上した」又は「多少向上した」と回答があったことから、通知を受け取ることで子どもが「無事にバスに乗った」、「いつ降車したか」を確認できたことに保護者から高い評価が得られた。
【今後の展開】
今回の仕組みは設置や取り外しが容易なタブレット端末を用いており、リースで運行されることが多いスクールバスに後付けで設置したいというニーズが見込まれるため、2025年11月からミマモルメにおいて、スクールバスを運行する全国各地の自治体や子ども向け施設へ本サービスの販売・運用を開始する。
ミマモルメ、NECの両社は、保有するノウハウ・技術を掛け合わせることで新たなサービスを創造し、利用するすべての方が安心・快適に生活できる社会の実現に貢献していく。
NECは価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」のもと、業種横断の知見と最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客さまの経営課題を解決に導く。その中でも、コアテクノロジーの1つである顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)が主催する顔認証技術のベンチマークテストの中でもより高い精度が求められる「1:N認証」のテストで、世界第1位の評価を複数回獲得している。
■株式会社ミマモルメの概要
本社 大阪市福島区福島3丁目14番24号
資本金 1億円(阪神電気鉄道株式会社100%出資)
設立 2017年8月
代表者 代表取締役 藤井 啓詳
事業内容 あんしん事業(ミマモルメ)、教育事業(プログラボ)
ホームページ
ミマモルメ https://www.hanshin-anshin.jp/
プログラボ https://www.proglab.education/
■日本電気株式会社の概要
本社 東京都港区芝5丁目7番1号
資本金 4,278億円
創立 1899年7月
代表者 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田 隆之
グループ主要事業 ITサービス事業、社会インフラ事業
ホームページ https://jpn.nec.com/