中央教育審議会は12月21日、専門知識を持つ人や地域の人たちと協力する「チーム学校」について、馳浩・文部科学相に答申した。部活動を支援する「部活動指導員(仮称)」の制度化や、福祉の専門家スクールソーシャルワーカー(SSW)も学校に必要な職員として法令に盛り込む。文科省は今後、増員する考えだ。いずれも、早ければ来年度中にも学校職員として法令に位置づけられる。
学習塾白書の最新版、『学習塾白書2015』発行いたしましたので、ここにお知らせいたします。
ご注文は下記のリンクよりお申込用紙をダウンロードいただき、FAXにてお願い申し上げます。2016年1月31日までにお申し込みの方に限り、早期申込特別価格もご用意しておりますので、どうぞお早めにご注文下さい。
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学習塾を取り巻く環境が、これほどまでに大きな変化を遂げた年があったでしょうか。
まず、大学入試は、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体改革に向けて、高大接続システム改革が実施されることが決定しました。2015年9月に同改革の有識者会議がまとめた「中間まとめ」では、学力の3要素を「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」としています。このことからも、2020年を目処にセンター試験に代わって導入される新テスト(原稿執筆時点では、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の2つのテストが新設される予定)では、ただ記憶力で高得点を獲るだけでは希望する大学に入学できなくなるという方向性が明確に示されました。
また、2015年から新たに「一億総活躍社会の実現」の提言をはじめた安倍政権の政策によって、「子育て支援」の面では待機児童ゼロをめざして、小規模保育園や民間の学童保育所の増設が求められることになり、学習塾も次々と参入しはじめています。その中には、インターナショナルスクールのメソッドを採り入れ、「読む」「書く」「聞く」「話す」4つの能力を問うことになる新たな英語試験への対応も早々と済ませ、高大接続システム改革を睨み、着々と準備を整えている学習塾もあります。
これらのことから、5年後に高大接続システム改革がいよいよ山場を迎える頃には、学習塾の業態も大きく変化しているだろう、という兆しを感じとることができます。そして、こうした流れは、2016年に入ると一段と加速し、全国に波及していくものと考えられます。
もう一つ、目を見張るような変化が現れたのは、学校現場において、学習塾が公教育を支援する形の「官民連携」が全国各地でおこなわれていることです。例を挙げると、公益社団法人全国学習塾協会が取り組む大阪府の大東市や門真市をはじめ、佐賀県武雄市、京都府八幡市、東京都東村山市、清瀬市、瑞穂町といった地域でも、学習塾が様々な形で公教育を支援し、子供たちの学力増進に貢献しています。
このような新たな動きが、塾の在り方を大きく変えようとしています。もはや、塾は日向の存在となりました。社会的責任を負う教育サービス事業者として何ができるか、ということが地域から求められているのです。そういった背景をお伝えした上で、大きな転換期を迎えている学習塾の市場動向を当白書を通してじっくりとご覧ください。
2015年12月
『学習塾白書2015』編集制作委員会
『学習塾白書』に掲載しております、株式会社アネムホールディングスの売上高を誤って掲載しておりましたので訂正します。正しくは、2014年版が39億円、15年版が37億円です。
『学習塾白書2015』ならびに『月刊私塾界』2月号におきまして、株式会社城南進学研究社の社名および業績数値等を誤って掲載しておりました。
この度は、私どもの不注意で貴社の関係者の皆さまにはご迷惑をお掛けいたしまして、誠に申し訳ありませんでした。伏してお詫び申し上げるとともに、以下の通り訂正いたします。
今回の掲載ミスについて社内で確認いたしましたところ、2014年3月期から連結決算にされている同社の業績数値を、誤って提出会社のみの単独の数値を抽出し、原稿校正時にもそれを見落として掲載しておりました。完全に弊社の不注意によるミスでこのような事態を招いてしまいました。今後は、校正時のチェック体制を強化し、このようなことが起こらないように務めてまいる所存です。
◆該当ページ
『学習塾白書2015』 P60、P62、P63
『月刊私塾界』2016年2月号 P54
(訂正後)
株式会社城南進学研究社
2014年度
売上 6,179,838(千円) 経常利益 384,726(千円) 総資本 6,229,506(千円)
SAPIX・代ゼミグループは、「中高一貫 中1トップレベル模試」(英・数・国)に続けて、「論理力評価テストSRT(高大接続・大学入試改革対応)」を11月15日に初めて実施した。2020年に向けて高大接続・大学入試改革が進められているが、新制度のもとで新たなテストを受験予定の中学1年生を対象におこなわれた。
このテストでは、「数理探究」と「解釈探究」の2科目で試験を実施。「数理探究」は、数学・理科をベースに定量的表現から論理的思考力や表現する力を測り、「解釈探究」は、定性的表現から論理的思考力や表現する力を測った。問題は、「数理探究」が大問3問、「解釈探究」は大問2問から構成され、選択式問題と記述式問題が複合的に出題された。試験時間は、1教科45分。
実は、この模試は新テストだけに対応しているとは言っていない。「必ずしもひとつのテストだけを見ているわけではなく、現在議論されている新テストの全容がわからない中では、国公立大学は既存のテストを続けるしかありません」と髙宮敏郎(SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表)氏は言う。では、このテストの真意は何か?
髙宮氏はこう続ける。「ただ、その中で、思考力を測る問題にシフトしていくのだろうと思っています。我々の選択式問題+記述式問題で、記述式はそういった国公立大学の個別試験の対策にもなりうるのかなと思っています。もうすこし広くとらえ、個別の試験も含めて対応しています。おそらく新テストは、思考力をいろいろな教科でトレーニングして、それを総合的に見ることになるのではないでしょうか」
このSRTテストを受験した人には、解説動画を提供しており、受験後の復習などに役立てることができる。また、出題の方針や意図も同時に公開している。さらにこの模試の結果を踏まえ、現在いろいろな科目との相関が分析されている。2016年の早々に、試験の採用校や来年度実施を検討中の学校に向けて、それぞれの教科との相関関係について発表するという。同グループは、英語の外部テストに関しても対応を進めている。2016年4月からGTEC CBT、TEAPといった日本の高校生向けに開発された英語4技能型試験の対策講座を開始する予定だ。