厚生労働省と日本年金機構は、国民年金保険料の強制徴収の対象を広げる。現在は年間所得350万円以上の滞納者に実施しているが、2017年度から300万円以上にする。国民年金保険料の納付率は60%程度で低迷している。保険料の滞納に厳しく対処し、納付率の向上を狙う。
保険料の徴収を担当する年金機構は、滞納が続いた人にまず文書や電話、戸別訪問などで納付を求めている。このような要請にも応じない場合、一定以上の所得がある人に強制徴収を実施している。
栃木・東京に65拠点、生徒総数1万人以上の学習塾・幼稚舎を運営するアカデミー・グループ(栃木県宇都宮市、河内宏之代表)は、9月28日にカンボジアに開校したインターナショナルスクールが、同社が運営する堯舜(ぎょうしゅん)幼稚舎で30年間培ってきた『カワチ式幼児教育法』のカリキュラムを採用したことを明らかにした。
カンボジアで初めて、日本語による「日本式教育」を行うインターナショナルスクール「CIESF Leaders Academy」(幼稚園から中学校までの一貫教育)は、カンボジアの教育水準の向上と、日本とカンボジア両国の友好の架け橋となることなどを目指して開校した。カンボジアの教育省の協力のもと、現地のNGO(非政府組織)として許可を受ける「CIESF(シーセフ)」が同校の運営を担う。
幼稚園・小学校・中学校の義務教育課程を履修できる一貫教育により、言語や文化など、幼児の段階から日本語で、日本の教育課程に沿って各教科の指導にあたる。将来的には日本の高校や大学への留学を促し、公益資本主義の理念を基礎から学ぶという。
同校は、特に幼少期における教育を重視していることから、幼稚園の教育カリキュラムに堯舜幼稚舎で30年間培われてきた『カワチ式幼児教育法』を採用した。カワチ式幼児教育法は、日本・アジア・世界の教育水準の向上と、グローバルな視野を持った真のリーダー(=国際人)の育成を目的とするカリキュラム。
尭舜幼稚舎では、年長児(6歳児)平均IQは140以上、中にはIQ190という驚異的なIQ値の園児も多数輩出している。アカデミー・グループによると、今回のカンボジアでの取り組みを皮切りに、今後もカワチ式幼児教育法を海外・アジアに展開していく予定だという。
教育バウチャー。学費等、用途を学校教育に限定したクーポンを行政などが支給する制度のことで、家庭の経済格差が教育機会格差に繋がる現状打破への一助として期待されている。中でも大阪市が中学生を対象に平成24年度より実施する「塾代助成事業」は、その名のとおり学校ではなく塾などの学外教育に利用できることで注目を集めた。
しかし、課題も残る。助成は月額1万円を上限としており、中学生の平均塾代月額2~3万円という実質と見合っていないことだ。利用者アンケートの結果からも、約半数の49.4%が助成金の増額を望んでいる。また、いわゆる塾の形式をとる「教室型」、家庭教師などの「訪問型」に用途が限られていたこともネックに。そのせいか、せっかくの制度も利用率は40%程度にとどまっていた。
こうした現状をふまえ大阪市は、10月より「ネット型」事業者にもその門戸を広げることを決定。株式会社葵(代表取締役社長・石井貴基氏)が提供するオンライン学習塾『アオイゼミ』が、その対象事業者として採択された。アオイゼミは、あらかじめ録画された授業映像を視聴する従来の映像教材と異なり、ネットを介したライブ「授業」を自宅で受講できることが最大の特徴。質疑応答もリアルタイムに行え、シェアできる双方向性も画期的だ。受講は原則無料、様々なオプションが利用可能な「プレミアムプラン」を受講しても月額3500円~であり、市が助成する1万円の範囲内となる。すなわち実質上の無料受講が可能だ。吉村洋文大阪市長も定例会見で、利用者拡大に期待したいとコメントを寄せた。
今回の採択の意義を代表の石井氏はこう語る。「オンライン指導も、立派な『塾』であると認められたことが大きい。また、弊社のような新興ベンチャーでもこうした公的教育支援の場に参画できると証明できた。教育ICTの分野や学習塾の社会認知においても、何らかの貢献になれば嬉しい」。
もともと同社と石井氏は「教育格差の是正」を理念に創業。教育費負担が重くのしかかり、機会損失を被るいっぽうの一般家庭やその子供たちを何とかしたいという強い想いから生まれた。「住宅でも保険でも、収入に合わせた商品が提供されているのに、なぜ教育だけ画一された料金なのか。それが格差の原因ではないか。もっと選択肢があっても良いのでは」(石井氏)という疑問を抱いたのが始まりだという。
同社の想いは、教育バウチャーひいては教育格差解決への風穴を開けるか。