エルサルバドル 世界で初めてビットコインを法定通貨に

 中米・エルサルバドルで9月7日、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが世界で初めて法定通貨として運用が始まった。

 エルサルバドルでは、これまでのアメリカドルを法定通貨として使用していた。米国の金融緩和に伴う大量のドル発行による経済への影響が懸念されていた。国民の7割が銀行口座を持っておらず、国民の生活は海外からの送金に頼っている。今回、アメリカドルと併せてビットコインを法定通貨とすることで、金融包摂の実現と、海外からの送金コストの引き下げを狙う。

 ビットコインの法定通貨化にあたり、公式ウォレットとして「CHIVO」を用意。国民に30ドル相当のビットコインを配布し、使用を促す計画だ。

 ファストフード大手のマクドナルドは、エルサルバドルが9月7日にビットコインの法定通貨の運用開始を受けて、ビットコインによる決済の受け入れを開始した。エルサルバドル国内の19店舗の支払いに加え、オンライン注文やデリバリーアプリでも利用可能になった。

 一方で、変動幅が大きいことやマネーロンダリングを招くおそれから懸念の声もあり、この日は反対派による抗議デモが行われた。また、エルサルバドルのすべての人がこのビットコイン採用計画に納得してはおらず、世論調査によると国民の75%が不安を感じている。

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