日銀資産、過去最高736兆円 緩和出口にリスクも

 日本銀行が5月27日に公表した2021年度決算で、資産の総額が過去最高になった。総額が前年度比3・0%増の736兆2535億円となる。新型コロナ対策で貸出金が増えたことが影響した。資産は、黒田東彦総裁のもとで大規模緩和を始める前の4倍超にのぼっていて、緩和を手じまいする「出口」の際、多額の損失が出るリスクが懸念される。
 コロナ禍で打撃を受けた企業への融資を促すため、日銀から金融機関への貸し出しが増え、貸出金が20・4%増の151兆5328億円となったことが資産が増えた最大の要因となる。株式市場にお金を流すために日銀が買い入れる上場投資信託(ETF)は、1・9%増の36兆5657億円となった。時価では約51兆円と、旧東証1部の株価の時価総額の約7%にあたる。

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