弥生時代中期の石器、黒い線は「最古の文字」ではなく油性ペン
遺物整理の際に付着か

 松江市の田和山遺跡で出土した弥生時代中期後半(紀元前後)の硯(すずり)とされる石製品の黒い線について、奈良県立橿原考古学研究所の所員らによって油性ペンのインクだったと結論づけたことがわかった。黒い線は、2020年の学会で、「国内最古の文字」の可能性があるとされ議論されていたが、遺物整理の際にラベルなどの油性ペンの文字が転写した可能性が高いという。
 詳細は、9月10日に千葉大(千葉市)で開かれる日本文化財科学会で発表する。

 石製品は1997~2000年の発掘調査で発掘され、黒い線のようなものがあり、福岡市埋蔵文化財センターの久住猛雄文化財主事が、石製品は「板石すずり」と判断した上で、裏面の黒い線は墨で書かれた「子」、「戊」などの字で、国内最古の文字の可能性があるとの見解を学会で発表していた。

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