文部科学省は10月22日、専門性を持つ社会人が大学院で約1年間学び、教員免許状を取得できる新たな教育課程案を中央教育審議会の教員養成部会に示した。学校現場での勤務と大学院での学修を組み合わせ、民間人材の教職参入を広げる。
対象として想定するのは、大学の教職課程を履修していないものの、学士号を取得し、社会人経験を通じて強い専門性を身に付けた人である。大学と都道府県教育委員会、学校が連携し、目指す免許状の種類を踏まえて受講者を選ぶ。
中学校免許を想定した履修モデルでは、大学院で36単位以上を修得する。4~5月に教育の基本的理解や教科指導、生徒理解などを学び、6~7月と9~12月には学校現場で実践的な演習を行う。8月には受講者自身の研究や関心に応じた学修を組み込む。現場での勤務は学習支援員や臨時免許状による助教諭などを想定し、大学が指導と評価を担う。
現場実習を勤務として扱い、報酬を支給できる制度設計も検討する。履修証明プログラムとして開設し、厚生労働大臣が指定する教育訓練給付金の対象とするなど、受講料負担を軽減する仕組みも論点となる。免許取得後は、年度途中から講師として勤務し、翌年度の採用につなげるモデルが示された。
新課程で取得できる免許状は、地域限定ではなく全国で通用するものとする方向だ。ただし、制度化や開設時期は確定しておらず、文科省は指定大学で先行事例をつくった上で展開する考えを示している。
教育企業や学習塾で教科指導、教材開発、ICT、キャリア教育などに携わった人材にとって、新たな教職参入ルートとなる可能性がある。一方、民間教育事業者にとっては経験者の採用・定着を巡る競争が強まることも考えられる。



