Archive for: 5月 2022

石川遼選手が電子辞書を茨城県の小学校に寄贈

 カシオ計算機は、同社所属のプロゴルファー石川遼選手が「バーディチャレンジ」活動として、2022年5月31日、電子辞書を茨城県笠間市の小学校に寄贈したことを発表した。今後、北海道、高知県、福岡県の小学校に対しても贈る予定。

 石川選手は、子供たちに運動だけでなく勉強も頑張ってほしいという想いから、2018年より日本国内で開催されるジャパンゴルフツアーで獲得したバーディ数と同数のカシオの電子辞書を小学生にプレゼントする「バーディチャレンジ」活動を行っている。これまでに2018年シーズンは276台、2019年シーズンは296台を渡してきた。

 前2020-2021年シーズンにおいて、石川選手は22試合に出場し、合計291個のバーディ(イーグル含む)を獲得。同数となる291台の電子辞書を小学生にプレゼントする。第一弾として本日、茨城県笠間市に“EX-word(エクスワード)”の小学生向けモデル「XD-SK2800」を50台寄贈した。2022年シーズンにおいても引き続き「バーディチャレンジ」活動を実施する。

<寄贈式概要>
・日程:2022年5月31日(火)
・場所:宍戸ヒルズカントリークラブ
・出席者:石川遼選手
     笠間市小学生(代表:笠間市立北川根小学校スナッグゴルフ部)
     笠間市教育委員会 教育部
     一般社団法人日本ゴルフツアー機構
     カシオ計算機株式会社

月刊私塾界2022年6月号(通巻494号)

巻頭言

 皆さんは貸借対照表(B/S)を読め(理解でき)ているでしょうか。

 14世紀頃ベニスの商人が編み出したと云われる複式簿記。センスとして一定数の方が理解できないと云われている。

 管理会計の目的は、十分に利益を上げ、長期的に会社の財務状態を良くすることだ。B/Sの現預金を増やし、自己資本比率を高めることが最終目標と言える。

 理解が必要なのは、これが会社の資金繰りや長期的な成長戦略に深く関わることだからである。

 ところが月次の試算表を作成する際、損益計算書(P/L)は作成しているが、B/Sは作成していない、作成していても詳細に検討をしていない、という方が多い。

 P/Lがあれば営業収入経常利益率はわかる。しかし、経営効率数値で最も重要な総資本経常利益率は、B/Sがなければ算出さえできない。

 管理会計でB/Sを「見る意味」は大きく2つある。

 1つは自己資本比率や資産、借金の状況を見て経営の安全性を確認すること。

 もう1つが資金繰りの確認である。特に財務的に弱い中小企業は、毎月精査する必要がある。

 月次でB/Sを正しく使うときのポイントは、「B/Sの勘定科目の残高と増減を一緒に見ること」と、「必ずキャッシュフロー計算書と一緒に見ること」だ。

 更にもう一段階上に行くためには、B/Sで中長期計画を策定できるようになることである。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 株式会社熱き情熱コーポレーション 本部が編み出した「勝利の方程式」 国公立合格者が130名を突破
  • 8 CatchUp2 株式会社エデュライン シングルサインオンを軸に 多彩な機能を搭載する「ワンパス」
  • 10 CatchUp3 株式会社オーシャングローバルネットワーク 放課後等デイサービス事業が塾を変える『ドリームズ・21st』の挑戦
  • 12 CatchUp4 株式会社スタディラボ 紙とプリンターを使って家庭学習を アップデートする「StudyOne」
  • 16 HOT TOPICS【特別公開】早慶大入試〈第2弾〉 SDGsシアターラーニング 完全公開!
  • 20 Special Report 2022年 SRJ全国大会 約2年半ぶりの開催で、 新たな施策が目白押し
  • 24 挑む私学 帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校 組織の在り方から学校改革に取り組み 国公立大学合格者も増加
  • 27 目次・巻頭言
  • 28 NEWS ARCHIVES
  • 54 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 56 【特集①】 教育ICT考2022 S/S ②
  • 67 【特集②】 株式公開企業塾2022年 2・3月期決算を読む
  • 78 TOP LEADER Interview 民間教育の連携が、日本の教育を変える。 興学社学園グループ
  • 88 教育サービス業界 企業研究(115) 株式会社花形
  • 91 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(340)
  • 92 疾風の如く(155) ハイブリッド式学習塾 α─HERIX(東京都) 代表 近野 瀬里乃さん
  • 94 For Whom the 塾 Tolls(13)
  • 96 新米塾長のための「学習塾経営基礎講座」(109)
  • 98 白書界隈徘徊話(87) 西村克之
  • 100 自ら動き出すチームにする方法(93) 中谷彰宏
  • 102 塾の家計簿(61)
  • 104 シン・ジュクジン(6)
  • 105 芸術見聞録(107)
  • 107 塾長の机
  • 108 為田裕行の「教育ICT行」(87)
  • 109 10¹⁵ PETA(15)
  • 110 1981(39)
  • 111 Opinion from School(36)
  • 112 林明夫の「歩きながら考える」(202)
  • 114 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(43)
  • 116 私塾界インサイト(51)
  • 120 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(7)
  • 122 咲かせよ桜(88) 小林哲夫
  • 126 論点2022(6) グローバル教育とは
  • 130 編集後記
  • 132 Book Review
  • 134 塾長のためのガジェット講座

スタディサプリ 愛知県稲沢市において利用決定

 株式会社リクルート(東京・千代田区、北村 吉弘 代表取締役社長)が提供するオ ンライン学習サービス『スタディサプリ』は、愛知県稲沢市で 2022 年4月からの利用が決定した。

 学校向けの『スタディサプリ』は、基礎知識学習から、進路選択、非認知能力の育成まで先生の業務をサポートし、児 童・生徒一人ひとりの可能性を切り開くことを目指し、児童・ 生徒が利用できる講義動画や演習などの学習機能と先生向けサポートツール『スタディサプリ for TEACHERS』を提供している。

 稲沢市内の小・中学校の全児童生徒を対象に個別最適機能による学び直しの充実、児童生徒の学力保証とさらなる学力向上を目的として利用が決定した。

大分県の公立高校の授業「美意識を磨く学習プログラム」にポーラが講師として授業を実施

 株式会社ポーラ(東京・品川区、及川 美紀 代表取締役社長)は、大分県立日田三隈高等学校・大分県立宇佐産業科学高等学校の2校で実施される令和4年度「美意識を磨く学習プログラム」において、ポーラの「自己発見プログラム」が採用された事を発表した。

 大分県教育庁高校教育課が主催した公募型企画提案競技(コンぺ)に応募し、決定したものとなる。ポーラは本年度、各高校で講師・スタッフとして、実際に授業を行いう。

「美意識を磨く学習プログラム」は、不確実なこの時代に生徒自らが自信をもって、自らを導いていくために、自己認識、自己発見プログラムを通して美意識(自分の想い・自分の軸)の種を探し磨いていくとともに、非認知能力を育成することを目的に、大分県教育庁高校教育課が考案した。

 プログラム受講後の生徒には、(1)自信がつき、自分の意見をより積極的に述べることができる(2)自分の軸(信念・価値観)が見つかり、人生における選択・判断に迷わず行うことができる (3)今後のキャリアなど迷いが生まれた際に、自ら内省することができる、このような変化が起こることを目指す。

 提供するポーラの企画は、ポーラの国内外の販売員教育を専門とする部署が人材開発のために行っている研修プログラムの経験を活かして開発したもので、「自分と他者と素直に対話し、抵抗感をなくす」「感受性を開く」「自己理解を深める」の3ステップで進路・将来に向けて自分の想い・軸を発見し、最後には将来の自分のビジョンを描ける状態を目指す。ゲーム感覚で楽しみながら自己内省を行うため、アートに触れたり、コラージュを作るなど、カリキュラムの多くはワークショップを実施する予定。

豊田高専 学生による中山間地域活性化イベントを開催

 豊田工業高等専門学校(愛知・豊田市、山田 陽滋 校長)は、学生有志が主体となり教職員有志の支援や地域住民の方々の協力も得て、中山間地域である豊田市笹戸町で、多世代参加型交流事業「豊田高専ドミタウン」を2015年から継続的に取り組んでいる。2022年5月22日(日)には、公募した小学生とともに科学工作「オリジナルビー玉万華鏡作り」と休耕地を活用した「田植え体験」を実施した。

 多世代参加型交流事業「豊田高専ドミタウン」は、学生と教職員の有志が豊田高専ドミタウン実行委員会を2015年に結成し、活動8年目に入った活動。ドミタウンとは、「学寮(ドミトリー)の仕組みを取り入れて多世代が交流するまち(タウン)」のこと。豊田高専ドミタウンでは、寮で決まった時間に実施されている「点呼」や高学年が低学年をサポートする「指導寮生(ドミタウンでは“チューター”と呼称)」などの仕組みを取り入れ、参加した小学生に豊田高専の学生寮の仕組みを体験してもらう。これまで、豊田市笹戸町を活動拠点として、学生、教職員、地域住民の方々、豊田市近隣に居住する小学生たちが一つになって、休耕地を活用した稲作や畑作、科学工作などに取り組んできた。

【豊田高専ドミタウンFacebookページ】https://www.facebook.com/dormitown/

【豊田工業高等専門学校について】
 高等専門学校(以下「高専」)は、社会が必要とする技術者を養成するために1962年(昭和37年)に設立。高専は、中学校の卒業生を受け入れて、1学科40名による5年間の一貫教育を行う高等教育機関。
 豊田高専は1963年(昭和38年)に愛知県豊田市に設立され、幅広く豊かな人間教育を目指し、数学・英語・国語などの一般科目と実験・実習を重視した専門科目に基づくカリキュラムにより、実践的、専門的な技術者教育を行っている。
 卒業生は、約半数が国立大学の3年次編入学や高専の専攻科に進学し、約半数が多様な産業分野で実践的技術者として活躍している。

NPO法人Silent Voice 全国の聴覚障害児の所属する学級へ「ポケトークmimiⓇ」を無償貸出

 聴覚障害のある子どもたちの教育支援を行うNPO法人Silent Voice(大阪市、尾中友哉 代表理事)は、ITテクノロジーを生かしたコミュニケーションツールを開発するソースネクスト株式会社(東京・港区、小嶋 智彰 代表取締役社長)と共同で、AIボイス筆談機「ポケトークmimiⓇ」を聴覚障害のある児童/生徒の所属する学級へ無償貸出を実施し効果検証を行った。

 コロナ禍以前より、聴覚障害のある子どもたちは学校生活において「口元を見て推測する」ように意思疎通を図るという不利な状況が多くありました。コロナ禍ではマスクが口元を覆ってしまい「誰が話しているか」すら分からない状況が生まれています。この状況が、授業や部活などの活動における人間関係の作りづらさや指導内容の理解しづらさとなり、聴覚障害のある児童/生徒のコロナ禍として長期化している。

 一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの当事者への実態調査(2020年4月)では聴覚障害者の52.5%が「情報取得について不便がある」と回答し、音声認識アプリの使用が推奨されている。
このプロジェクトは、話した音声をリアルタイムに文字に変換し画面に表示できる「ポケトークmimi」の無償貸出を行い、社会的課題の緩和を目指すために誕生した。またプロジェクト終了後には効果検証を行ない、今後の学校内での支援や製品改善に活かす。

検証結果の概要
(1)無償貸出について
・全国の聴覚障害のある小/中/高校生が在籍する学校/学級(特別支援学校を含む)が対象
・2021年10月〜2022年3月末まで、40学級へ合計55台の無償貸出を実施
・36学級の担当教諭から使用後アンケート回収し集計を行った
・申込時のアンケートでは[コロナの影響によって、聞こえない・聞こえにくい児童/生徒と関わる際に、困る場面は増えた]と89,1%の学校が回答

(2)検証結果と示唆
本プロジェクトによる結果の概要については以下のとおり。
①全体の55.6%の学級で、”児童/生徒””にポジティブな変化があったと回答
全体の52.8%の学級で[授業で得られる情報量が増加した]と回答
全体の52.8%の学級で[授業の理解度が上がった]と回答
「口頭での解説や生徒の質問への回答といった情報を得られることが増え、より細かいところまで知ろうとする姿勢が印象的だった」(中学生担当教諭のコメント)
「高学年になって授業内で扱う情報量が急激に増えたことで自信をなくす様子も見られたが、字幕などで情報が得られれば”やっていける”と奮起してくれた。自立活動で、”文字で見えれば理解できておもしろい”という体験をきっかけに習いごとを始めようと申し込みをされたそうです。」(小学生担当教諭のコメント)
「使う前までは諦めていた聞き漏らした内容や聞こえなかった内容を知ろうとするようになった。」(小学生担当教諭のコメント)

②全体の61.1%%の学級で、”教諭”にポジティブな変化があったと回答
全体の44.4%の教諭が[児童/生徒に対して、コミュニケーションが取りやすくなった]と回答
全体の47.2%の教諭が[児童/生徒の授業の理解度を高められた]と回答
全体の41.7%の教諭が[情報保障に対しての理解度が深まった]と回答
「音声認識に正しく表示されるようにはっきりと話すことを各教諭が気をつけることが増えた。」(中学生担当教諭のコメント)
「これまでは教科の学習内容について指導者側から発信する情報をいかに伝えるかを工夫してきたが、児童が得る情報が増えたことで、”この部分はもっと知りたい”という意欲を感じて指導を充実させることができた。」(小学生担当教諭のコメント)
「言語化される情報保障のツールが一つ増えたことで、内容が伝わっていることが把握できお互いの安心感が生まれた。百人一首大会の際にスクリーンを利用した文字支援は、他の生徒たち全体にも役立っていると思いました。」(中学生担当教諭のコメント)

③児童/生徒のニーズに合わせた支援の必要性
常用漢字で翻訳されるため小学校低学年には不向きで、高学年以上が推奨されることが分かった。活用場面に応じた接続方法の工夫(Bluetoothマイクの接続など)が教諭側に求められることがうまく活用できなかったケースの課題として挙げられる。「支援ツールを使っている姿を見られたくない」という児童も存在し、音声翻訳ツールだけでなく、個々の子どもの置かれている状況に合わせたアプローチが重要であることが再認識できた。
「最初は興味を持って積極的に使用していたが、言葉の変換が正確ではないため、あまり活用しなくなった。フリートークでは、字を読むことに必死になってしまい、ペースがついていけないこともあった。」(中学生担当教諭のコメント)
「特別な扱いを受けたくないと思っている児童にとっては、すべての生徒が利用できる状態でないと受け入れてもらえないことがわかった。」(小学生担当教諭のコメント)

④行政、学校、家庭の三者の連携の意義
兵庫県、大阪府では教育委員会経由で聴覚障害のある児童/生徒が在籍する全学校に案内が配布され、全体申込の約80%がこの2府県で占める。担当教諭、保護者への個別ヒアリングを通して、保護者から支援ニーズを伝えるハードルが高いこと、そして教諭も支援に関する情報を得る機会が限られていることが課題として認識できた。改めて、支援ツールだけでなく、両者のコミュニケーションを円滑に進めていくためのサポート体制が、児童/生徒の過ごしやすい学校生活づくりに寄与すると考える。
「実際に子供達がどのような支援があるのかを経験して使いこなせるまでには時間が掛かると思っていたので長期間での貸し出しは本当に助かります。どのような場面で利用できるのか?どのような時に使うのが効果的なのか?という所から学校の先生や子供達、保護者が一緒に考える良い機会になると思っております。」(兵庫県難聴児親の会/会長宮本様のコメント)

今後について
 今回の効果検証結果を元に、音声翻訳ツールだけでなく、学校現場における教諭や児童/生徒への必要なサポートを検討していく。「予算がなく支援体制を整備できない」といった声が寄せられる中、全国的な聴覚障害児/生徒の学校現場での支援課題を把握するための調査を行う。このアンケートの結果は、聴覚障害児/生徒の支援環境を充実させることを目的とした今後の自治体への提案に活用する。

▼聴覚障害児/生徒の学校現場に関する調査アンケート

調査対象:ろう・難聴の児童/生徒が在籍する小・中・高校の先生
もしくは、小・中・高校に在籍するろう・難聴の児童/生徒の保護者
https://forms.gle/rBBFU4HfT6iu38nW6

日本政府、スリランカにおける医薬品供与のため、UNICEFに150万米ドルの緊急無償資金協力を供与

 日本政府は、経済危機による医薬品不足に直面しているスリランカの最もぜい弱な人々の緊急のニーズに対応するため、UNICEFを通じて必須医薬品を提供する。

 日本政府による150万米ドルの本緊急無償資金協力で、UNICEFは緊急に支援を必要としている約5万3,000人の妊婦と約12万2,000人の子どもを含む、120万人以上分の医薬品を調達することができる。これらの医薬品は、保健省との連携のもと、スリランカ全土の保健施設に配布される。

 在スリランカ日本国大使館の甲木浩太郎臨時代理大使は、「日本が150万米ドルの緊急無償資金協力を行い、スリランカの人々が最も緊急に必要とする25種類の医薬品を、今後2カ月以内にUNICEFを通じて調達することを大変光栄に思います。この支援が、特に経済危機の影響を受けやすい妊婦や子どもたちが、命を守るために必要不可欠な医療サービスを受けやすくなることを信じています。」と語った。

 スリランカは現在、経済危機とそれに伴う外貨不足により、燃料や調理用ガス、医薬品などの必需品の輸入に苦慮している。経済危機によって保健分野の基礎的なサービスが大きな影響を受け、患者と医療従事者の両方に影響を与えている。子どもや妊婦用を含む必須医薬品の中で今後2カ月以内に在庫切れになるものが、既に保健省によって特定されている。

 現在の危機により、貧困や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって既に厳しい状況に置かれていた多くのスリランカの子どもたちの生活が、さらに悪化している。栄養や水と衛生、教育、子どもの保護など、増大する子どもたちのニーズに対応するためにも、日本政府のご支援は当面の間だけでなく長期的にも極めて重要となる。

統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」、株式会社COMPASSが開発・提供するAI型教材「Qubena (キュビナ)」と連携

 全国の小中学校に学校支援システムを提供する株式会社EDUCOM(愛知県・東京都、柳瀬 貴夫 代表取締役CEO)は、統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」と、株式会社COMPASS(東京・文京区、小川 正幹 代表取締役)が開発・提供するAI型教材「Qubena (キュビナ)」との連携を順次行っていく。

 今回の連携は、2社の製品を利用している顧客の要望によって生まれてきたもので、このような連携により、転学や年度更新時に発生する児童生徒のアカウント管理の負担軽減/低コスト化、校務系システムのデータ(出欠、保健室利用、心の天気、いいとこみつけなど)と学習系システムのデータ(課題への取り組み状況など)をダッシュボードなどで表示することによる児童生徒の見取りの高度化などが実現できると考えている。

 EDUCOMでは同様の連携を既に株式会社ベネッセコーポレーション(岡山・岡山市、小林 仁 代表取締役社長)のミライシードならびに凸版印刷株式会社(東京・文京区 、麿 秀晴 代表取締役社長)のnavimaとも実現をしていて、該当地域における日々の転学処理はもちろん、年度更新処理、ダッシュボード連携についてもAPIによる自動化が実現されている。

統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠確認、時数など)・保健系(健康診断票、保健室管理など)、指導要録などの学籍関係、学校事務系などの統合した機能を有するシステムのこと。

大阪大学産業科学研究所と凸版印刷、「リアルタイムAI技術」に関する共同研究を開始

 大阪大学産業科学研究所(大阪・吹田市、産業科学研究所)と、凸版印刷株式会社(東京・文京区、麿 秀晴 代表取締役社長)は、「リアルタイムAI技術」の社会実装に向けた共同研究を、2022年5月より開始する。
「リアルタイムAI技術」とは、産業科学研究所 産業科学AIセンターの櫻井研究室(櫻井 保志 教授)が研究を進めている独自のAIアルゴリズム。工場等の生産現場におけるIoT機器や、ヘルスケア機器のセンサから収集されるような、連続的な時系列データをリアルタイムで解析し、複数のAIモデルを切り替えながらその先の状況を予測・推論することが可能なAI。「リアルタイムAI技術」の活用によって、環境変化や外的要因を受けやすい個体差/個人差がある事象に対して、高速で高い精度の予測が可能となる。
 産業科学研究所と凸版印刷は、この「リアルタイムAI技術」の社会実装を推進するべく、その第一弾として、凸版印刷の生産現場における設備コンディション予測や、リアルタイムに取得された生体データから明らかにできる個人の健康や心理状態予測サービスの開発に向けた技術検証を行う。

■ 共同研究の内容
・設備コンディションの予測及び予知保全の技術適用方法の確立
 製造設備から取得される稼働データの時系列傾向から、設備コンディションを分析/予測するAIモデルの開発を推進する。このAIモデルが設備コンディションの異常(設備の不具合)に起因する稼働率低下や良品率低下の予兆を事前に検知することで、今まで解決できなかった生産プロセスの改善に寄与することを目指す。
 まずは、凸版印刷の生産工程におけるリアルタイムAIの最適化アルゴリズムを共同開発し、工場内に導入。将来的にはスマートファクトリー関連事業への導入を目指す。

・生体データを活用したパーソナライズされたサービス開発への技術適用の評価・検証
 日々の行動データやウェアラブル端末から取得される生体データを用いて、個人の健康状態や心理状態の推移を予測することにより、利用者の健康管理や顧客接点強化を支援するAIモデルの開発を目指す。例えば、健康管理支援の1つとして介護施設などで入居者の睡眠傾向の推移の確認と覚醒タイミングの事前検知ができると、より利用者個人のタイミングに合わせた適切なケアが実現する。

■「リアルタイムAI技術」の特徴
・時系列ビッグデータの解析の自動化が可能
 ビッグデータ解析はデータ量の多さから、人力によるデータパターンの抽出や分類など、前処理の負荷が高いとされている。一方「リアルタイムAI技術」は、それらの作業を自動化できるため、細かいチューニングなく、重要な情報の抽出が可能となる。これを、生産設備の状態把握に適応した場合、事前把握が困難な設備故障や不良要因の時系列特徴を素早く発見することが可能となる。

・外的要因・個体差に適応力のあるモデルの実現が可能
「リアルタイムAI技術」は、入力データに応じて予測モデルを切り替え、未知のデータパターンが入力された場合、新たなモデル作成をリアルタイムで行う事が可能。これにより、設備稼働データや生体データを始めとした外的要因を受けやすく、偏差が大きくなりやすいデータが入力された場合も、その状態に合わせて、継続して精度を保ちながら将来予測をすることができる。

■ 今後の目標
 凸版印刷と大阪大学産業科学研究所は、スマートファクトリーやヘルスケア領域での「リアルタイムAI技術」の研究開発を進め、2024年度の事業/サービス化を目指す。そして「リアルタイムAI技術」の社会実装によって、豊かで安全/安心な社会の実現を目指していく。

塾と子ども部屋をつなげる学習サービス「StudyOne」 2022年6月より実証開始

 学習塾向けICT コンテンツを運営販売する株式会社スタディラボ(東京・⽂京区、地福 武史 代表取締役)は、セイコーエプソン株式会社(⻑野・諏訪市、⼩川 恭範 代表取締役社⻑)とのオープンイノベーションにより、家庭学習もサポートする塾向け学習支援サービス「StudyOne(スタディワン)」を開発した。
「StudyOne」は、スタディラボが持つLMS(学習管理システム:Learning Management System)と、エプソンが持つ遠隔印刷・スキャン技術を組み合わせて、デジタルと紙を融合させた家庭学習をデザインできるサービス。
 オンラインでの授業後、すぐに課題を遠隔印刷し、解答を遠隔スキャンで提出することで、子ども部屋と学習塾をつなぐことが可能となる。紙教材の課題提出までのやりとりをLMSによって記録することで、先生が生徒の学習過程全体を把握でき、生徒一人ひとりに合わせた学習指導を行う環境を提供する。

■StudyOne の仕組みとは
 最初に先⽣はプリントを[LMS]に取り込む。次に取り込んだプリントを対象の⽣徒宅へ送信する。⽣徒は届いたプリントで学習し、解き終わったらプリントをスキャンして塾へ返信する。各プリントには情報を識別できるQR コードが⾃動で印刷され、⽣徒の学習ログとしてデータを蓄積することができる。

■学習塾(先⽣)のメリット
 先⽣はいつ、どこにいてもLMS を通し課題の提出状況や内容を確認できるので、これまで⾒えにくかった家庭学習での成果が「⾒える化」され、指導⾯にも⼤きな成果が期待できる。

■ご家庭(⽣徒)のメリット
 ⻑期記憶において「紙に書くこと」が重要で、答えだけでなく、解答途中の過程も先⽣に⾒てもらえるため、学習の質の向上が期待できる。

■StudyOne実証開始に向けて
 StudyOneは2022年6月から実証を開始する。
 スタディラボではパートナー企業と協⼒し、「学習塾のDX 促進」をサポートする教育ICT コンテンツを開発、販売していく。
 エプソンは、環境・共創・DXをキーワードに社会課題の解決を目指している。この取組みではパートナー企業との共創により教育現場でのDXを促進し、生徒一人ひとりに合った学習体験の実現を目指す。エプソンは、今後もオープンイノベーションにより、様々な分野での取組みを行っていく。