巻頭言
経済の大波に乗じ、民間教育サービスにも変革の波が押し寄せている。日経平均株価が34年ぶりの高水準を記録する中、教育業界には新たな投資と期待が寄せられている。
「空白」とも揶揄されたこの30年余り、日本の学校教育も大きな転換期を迎えている。経済の停滞は教育投資の縮小を意味し、学校の現場も疲弊感を隠しきれない。
この状況を打破するために、民間の力が前進を促すカギとなりつつある。民間の教育企業と学校の現場が協力し、実践的なスキルと知識を教える新しい形のカリキュラムが生まれている。
民間教育サービスは、こうした学校教育のギャップを埋める機会を提供し、学びの質を高めることで、新たな時代の教育を牽引していける可能性がある。
教育の枠を超えた産業界との連携により、子供たちに現実世界で役立つ能力を育成することが、今後の改革の主眼になるのではないか。
技術の進化は教育の形を変え、オンライン学習プラットフォームやAI(人工知能)によるパーソナライズド学習が可能になった。
しかし、これからの教育サービスには、単なる技術の革新だけでなく、教育の質の向上という本質的な目的を追究する変革が求められている。
このためには、企業、教育者、技術者がともに協力し、学習者のニーズに応える柔軟なカリキュラムや、生涯学習を支えるサポート体制の構築が不可欠だ。未来への投資として、教育は最も重要な資産であり続けるだろう。
(如乙 一)
目次
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- 105 10¹⁵ PETA(36)
- 106 現代学習塾経営概論(12)
- 107 Opinion from School(56)
- 108 林明夫の「歩きながら考える」(223)
- 110 新・授業改革を目指して(137) 石川幸夫
- 112 私塾界インサイト(72)
- 116 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(28)
- 118 咲かせよ桜(108) 小林哲夫
- 122 論点2024(3) スーパーサイエンスハイスクールの現在地
- 122 編集後記
- 124 Book Review
- 126 塾長のためのガジェット講座