Category: 塾ニュース|地域教育

すららネット、「ほめビリティ」を自治体向けに提供開始

 株式会社すららネットは、子育て支援サービス「ほめビリティ」を2026年4月から自治体向けに提供開始する。これまで保護者個人向けに展開してきたプログラムを、自治体の子ども家庭支援施策などで活用できる形に拡張する。

 「ほめビリティ」は臨床心理士監修のもと開発された実践型プログラムで、行動分析学に基づき、感情的な叱責に頼らない「適切な褒め方」を習得することを目的とする。子どもの行動を感覚や経験則ではなく科学的に捉え、家庭内での関わり方を具体的な行動レベルに落とし込む設計が特徴だ。

 自治体導入に先立ち、兵庫県川西市で簡易版プログラムを試行。事前アンケートでは、ゲームやスマートフォン利用時間への不安が83.3%、学習意欲低下への懸念が66.7%に上るなど、家庭内の関わり方に課題を抱える実態が浮き彫りとなった。実施後は「声かけを立ち止まって考えられるようになった」「感情的にならずに関われる場面が増えた」といった声が寄せられ、保護者の行動変化が確認された。

 プログラムは50日間のオンライン完結型で、3歳〜18歳の子どもを持つ保護者が対象。ブロンズ・シルバー・ゴールドのステージ制を採用し、動画やWebドリル、オンラインコミュニティでの共有を通じて実践を重ねる。

 学習内容は、行動のABC分析や目標設定などの基礎講座に加え、アンガーマネジメントやアサーティブコミュニケーションも含む。中心となるのは「具体的に褒める」「スルー後に褒める」「指示後に褒める」という3つのテクニックで、子どもの自立や親子関係の改善を図る。

 自治体の教育相談や家庭教育支援の枠組みの中で、専門職の個別対応に依存しない支援ツールとしての活用を見込む。すららネットは、オンライン活用により対面支援では接点を持ちにくい層にもアプローチできるとし、子育て支援の新たな選択肢として展開を進める。

美しが丘中で「情報モラル」授業 ライフイズテックの教材活用

 ライフイズテック株式会社は1月30日、横浜市立美しが丘中学校(横浜市)で中学1年生102人を対象に、「ライフイズテック レッスン」を活用した情報モラルの授業を実施した。技術科(「技術・家庭」技術分野)の1コマ(45分)で行われた。

 SNSトラブルや著作権問題、生成AIの普及など情報環境が急速に変化する中、学習指導要領では「情報活用能力」が基盤的資質として位置付けられている。一方で、体系的な指導や授業時間の確保が課題とされている。今回の授業は、生徒が情報の扱い方を自ら判断できる力の育成を目的に企画された。

 テーマは「著作権やSNS上のトラブルなどから考える情報モラル」。
 前半30分はデジタル教材で基礎知識を学習。続く10分で「漫画の一場面をSNSに投稿するケース」など具体例をもとにディスカッションを行い、最後の5分でワークシートにより各自の考えを整理した。

 特徴は、情報モラルを単なる注意事項として扱うのではなく、「誰が困るのか」「自分ならどう判断するか」といった問いを通じて、知識を“判断力”へと転換する設計にある。デジタル教材、個人思考、対話活動を組み合わせ、主体的な学びを促した。

 同校の教員は、生徒が活発に意見交換を行い、SNSや生成AIといった身近なテーマについて自分事として考える姿が見られたと評価。横浜市立美しが丘中学校の横田由美子校長も、ワークショップ形式により双方向の学びが実現したとコメントした。

 また、東京学芸大学教職大学院の立田順一特命教授は、「正解・不正解の二択ではなく、状況に応じた判断を考えさせる構成が有効」とし、専門外の教員でも実践可能な教材設計を評価した。

「ライフイズテック レッスン」は中学技術分野「D 情報の技術」に対応するクラウド型デジタル教材。2026年度には新たに「D(3) 計測・制御のプログラミングによる問題の解決」が追加され、同分野の全項目に対応する予定。現在、教員向けに試用教材を提供している。

 ライフイズテックは2010年創業のEdTech企業。中高向け教材は全国600以上の自治体、約4,400校で導入され、累計200万人超にデジタル教育を提供している。今後も学校現場と連携し、情報活用能力の育成を支援する方針だ。

仮想空間で震災を追体験 神戸の公立中で最先端技術学ぶ AIの利便性とリスクも提示

 神戸市立岩岡中学校で2026年1月29日、最新のデジタル技術を防災や情報教育に活用する特別授業が行われた。株式会社Meta Heeroes(メタヒーローズ)などが企画したもので、2クラス計約60人の生徒が参加し、生成AI(人工知能)の適切な利用法やメタバースを用いた災害の疑似体験に取り組んだ。
 授業は、高度情報化社会である「Society 5.0」の到来を見据え、先端技術を社会課題の解決に役立てる力を養うことを目的としている。前半のAIリテラシー教育では、講師が生成AIを用いて音楽や映像を作成する実演や、プログラミングによってゲームを構築する様子を公開した。生徒たちは技術の利便性を体感する一方で、偽情報の拡散や著作権侵害、セキュリティ上のリスクといった負の側面についても説明を受けた。技術を単なる道具としてではなく、多角的な視点から正しく扱う重要性が示された。
 後半の防災学習では、同社が神戸市と共同制作したメタバースコンテンツ「阪神・淡路大震災を知ろう~タイムトラベル編~」が活用された。生徒たちは3人1組のチームを組み、オンライン上の仮想空間で被災者の救助活動に取り組んだ。震災当時の街並みや被害状況が再現された空間での活動を通じ、自らの命を守るための判断や、地域社会に貢献するために必要な具体的な行動を学んだ。
 事後の調査では、参加した生徒の90%以上がAIに対する意識が変化したと回答した。生徒からは、教科書の記述よりも当時の状況が現実味を持って伝わったという声や、仲間と協力して救助にあたることの難しさと大切さを実感したという感想が寄せられた。また、技術を学ぶ重要性を感じ、家族と震災について話し合いたいといった意欲も見られた。
 企画した同社は、今回の取り組みを一つのモデルケースとし、今後も自治体や教育機関と連携したDX教育・防災啓発活動を全国で展開していく方針だ。最先端技術を正しく理解し、活用できる次世代を育成することで、持続可能な社会の構築に貢献したいとしている。

【株式会社Meta Earth Heroes】
代表取締役:松石和俊、木村麻子
事業内容:XR、メタバースの企画・制作・販売、教育施設運営、WEB3関連事業
問い合わせ先:info@metaearth.co.jp

【株式会社Meta Heroes】
株式会社Meta Heroesは「Society 5.0 × SDGs × HERO」をテーマに事業を展開。
主にメタバース(XR)やAIを活用した開発やDX教育施設『Hero Egg』の運営、そして半年で15,000名を超えるAIの企業研修を行うと同時に教育・防災・地方創生など社会課題の解決に取り組む企業。2025年5月大阪・関西万博のEXPOホールにて「メタバース・XR・AIアワード」および「防災万博」を主催し、延べ14,622人が来場した。
オフィシャルサイト:https://meta-heroes.io

狛江市教育委員会とルネサンスが包括連携協定 部活動の地域展開を推進、地域全体で持続可能なスポーツ環境を構築

 株式会社ルネサンス(代表取締役社長執行役員:望月美佐緒)は2月10日、東京都狛江市教育委員会(教育長:柏原聖子)と、「部活動の地域展開に関する包括連携協定」を2026年1月20日付で締結したと発表した。学校単位での部活動運営が困難になる中、地域全体で子どもたちの多様なスポーツ機会を確保し、持続可能な教育環境の構築を目指す。

 少子化の進行により、学校現場では部活動の維持が難しくなり、生徒が希望する競技が選択できない、あるいは人数不足でチーム編成ができないといった課題が顕在化している。加えて、専門的な指導者の不足や、教員の働き方改革への対応も喫緊の課題となっている。こうした状況を背景に、学校の枠を超えて地域で子どもたちの活動を支える仕組みづくりが求められており、今回の協定締結に至った。

 本協定の目的は、ルネサンスが持つスポーツ振興の専門性や指導者ネットワークを活用し、狛江市における部活動の地域展開を促進するとともに、市内中学校の部活動の持続可能性を高めることにある。単なる部活動指導員の派遣にとどまらず、小・中学生が学校の枠を超えて多様なスポーツに親しめる環境を整備し、心身の健やかな成長を地域一体で支える。

 連携内容としては、質の高い指導を行う部活動指導員・技術指導員の紹介および育成を進めるほか、部活動に限定しない地域スポーツプログラムの提供など、新たなスポーツ機会の創出に取り組む。ルネサンスは、これまで培ってきたスポーツクラブ運営や健康支援のノウハウを活かし、指導体制の充実を図る。

 今後は、本協定を通じて狛江市における「部活動の地域展開」のモデルケースを構築し、子どもたちが「やりたいこと」を諦めずに挑戦できる環境づくりを進める。教育とスポーツ振興の両面から地域課題の解決に貢献し、持続可能な部活動の新たな在り方を提示していく考えだ。

地方創生の持続的事業化へ 学研ロジスティクスなど6社が新モデル構築で提携

 学研ホールディングスのグループ会社である学研ロジスティクス(東京・品川)は2026年2月2日、ホリプロや福井新聞社を含む計6社と、地方創生および日本文化の再発掘を目的とした多社間業務提携を締結した。各社のメディア力や企画制作力、物流網、デジタル技術を統合し、福井県を起点とした「持続可能な地域活性化モデル」の構築に着手する。
 今回の提携には、主幹事の学研ロジスティクスのほか、ホリプロ、ふくいヒトモノデザイン、ふくいのデジタル、福井新聞社、ジープラスメディアが参画。従来の地方創生で見られた補助金依存や単発イベントによる「一過性の消費」を脱却し、地域資源を継続的な経済価値を生む「事業」へと転換させることを目的としている。

■コンテンツ制作から海外展開まで一元化
 事業の核となるのは、独自に構想された「CDSモデル」だ。これは地域の人・文化・産業をコンテンツとして再編集する「創る(Create)」、多様なメディアで発信する「届ける(Deliver)」、得られたノウハウを他地域へ横展開する「回す(Scale)」の3段階で構成される。
 具体的な情報発信の場として、学研グループが運営する教育・教養向けの映像配信サービス「学研TV」を中核に据える。ここに新聞、アプリ、海外向けメディアを連動させ、国内外の視聴者を実際の来訪や消費行動へと誘導する。さらに、これら一連の工程を一体的に運用することで、行政や自治体の調整負荷を軽減し、実行力の高いビジネスモデルとしての確立を目指す。

■物流と教育の知見を活用
 学研ロジスティクスは、3PL事業で培った在庫管理や流通加工のノウハウを、地域の有形無形の資源管理に応用する。親会社である学研ホールディングスは、150か国以上で展開する教育・医療福祉事業の基盤を持っており、今回の提携でもその広範なネットワークが活用される見通しだ。
 今後は、福井県で構築した「コンテンツ制作・発信・実装」の成功事例を資産化し、全国の他地域へ展開可能な地方創生パッケージとしての成長を図る。

商業教育の再生へ、地域企業と連携 「社会人のリアル」が生徒の刺激に大阪・淀商業高で出張授業 社員研修とキャリア教育を融合

 大阪府立淀商業高等学校(大阪市)で1月19日、民間企業の社員が講師を務める出張授業が実施された。この授業は、教育コンサルティングを展開する株式会社NEXCENT(兵庫県神戸市)が提供する、企業研修と学校教育を融合させたプログラム「NEXT SENSEI」の一環として行われた。当日はRP東プラ株式会社(大阪府)の社員7名が教壇に立ち、同校の3年生約30名に対して、自身のキャリアや人生の転機について語った。
「NEXT SENSEI」は、企業の人材育成と社会貢献を同時に実現する新しい形の研修モデル。参加する企業社員は、まず事前研修で自らの職歴や人生経験を棚卸しし、それを中高生に伝えるための言語化作業を行う。その後、実際に学校現場で「先生」として授業を行い、生徒や教員からのフィードバックを得るというプロセスをたどる。
 今回の取り組みの背景には、商業高校と地域企業が抱える双方の課題がある。近年の少子化に伴い、商業高校では学びの内容や卒業後の進路が中学生に伝わりにくいことによる選択率の低下が深刻化している。一方で、大阪・関西エリアの地域産業を支える中小企業にとっては、次世代を担う若手人材の採用と育成が喫緊の経営課題となっている。
 こうした状況に対し、同プログラムは「社会人の学び」を教育現場に直接投入することで、商業教育をより実践的なものへと進化させる狙いがある。大企業だけでなく中小企業も教育に参画できる実証事例として、地域の人材ニーズを教育現場につなぐ新たなモデルケースを提示した。
 実際の授業では、社員が自身の挫折経験や、弱点をどのように強みに変えてきたかといった「等身大の姿」を披露した。これに接した生徒からは、自らの弱点と向き合う姿勢や、新しいことに挑戦する意欲が高まったとする声が聞かれた。また、自身の悩みを重ね合わせ、将来の生き方の一つの指標として受け止める生徒の姿も見られた。
 講師を務めた社員にとっても、相手に伝えるための表現力や論理的構成力の不足を実感する一方で、自身の仕事に対する価値観を再発見する自己理解の機会となった。NEXCENTは、この学校教育と企業研修が互いに学び合う関係性を重視しており、今後も業種や規模を問わず多様な企業と連携し、この取り組みを全国の学校現場へ広げていく考えだ。

■実施概要
日時:2026年1月19日(月)
場所:大阪府立淀商業高等学校
対象:3年生 約30名
登壇者:RP東プラ株式会社(各社員7名)
主催:株式会社NEXCENT

■株式会社NEXCENTについて
「全ての人を主人公にする」をビジョンに、2022年4月に設立した教育コンサルティング企業。
企業、自治体、教育現場での「意識改革」をベースにしたキャリア開発支援を行い、研修・セミナーを提供。教育現場でのAI活用サービス『SmartTeach』で学校現場でのAI活用研修や、社会課題解決型の研修プログラム『NEXT SENSEI』を提供している。

チロルチョコと日本数学検定協会、高校でPBL型学習プログラムを実施

チロルチョコ株式会社と公益財団法人日本数学検定協会は、企業連携による探究型学習プログラムを東京都内の高等学校2校で実施している。対象校は東京女子学園高等学校(現・芝国際中学校・高等学校)および麹町学園女子高等学校で、2025年11月から順次取り組みが進められている。

 本プログラムは「一粒100円の新たなチロルチョコを提案してみよう!」をテーマに、生徒が実在の商品を題材として価値創造やマーケティング戦略を検討し、最終的に商品提案を行うもの。企業が提示する実社会の課題に対し、生徒がチームで解決策を構想・発表する問題解決型学習(PBL)の手法を採用している。

 授業では、アイデア発想やプレゼンテーションに加え、需要と供給、損益分岐点といったビジネス数学の基礎概念を扱い、数学が実社会でどのように活用されているかを具体的に学ぶ構成とした。日本数学検定協会は、数学の実用性を体感的に理解してもらうことを狙い、身近で親しみやすい商品であるチロルチョコを教材として選定した。

 同社代表取締役社長の松尾裕二氏も授業に登壇し、商品開発の視点や企業活動の実際を紹介。生徒からは「一つの商品を多角的に考える力が身についた」「コストや利益の仕組みを知り、ものづくりへの見方が変わった」といった声が寄せられている。担当教員からも、生徒の主体的な議論や継続的な探究姿勢を評価する声が上がった。

 日本数学検定協会は、企業や学校との連携を通じて、算数・数学の学びを社会と結びつける取り組みを今後も強化する方針だ。今回のプログラムは、知識習得にとどまらず、正解のない課題に向き合う思考力や創造力を育む教育モデルとして、注目されそうだ。

全国51校ネットで半導体人材育成体制を構築へ 国立高専機構が「半導体人財育成エコシステム構想」を本格始動

 独立行政法人国立高等専門学校機構(高専機構、東京都八王子市)は1月20日、全国51校の国立高専ネットワークを活用した「半導体人財育成エコシステム構想」を本格的に実施することを発表した。少子化や人材不足が深刻化する中、半導体分野で即戦力となる技術者育成を産学連携で進める全国規模の教育体制を整える。

 同構想は、従来の教育実践や地域モデルを発展させ、半導体産業が求める「即戦力×応用力×イノベーション力」を備えた人材を継続的に輩出することを目的としている。高専が持つ独自の理論と実践を融合させた教育システムと、地域密着型の全国ネットワークを最大限に活用する。

高専機構は、同構想を4つの柱で推進する:

  • 共創基盤の構築:産学・学学のクロスアポイントメント、ダイバーシティ推進、国際連携などを通じた継続的成長の仕組みづくり。
  • 半導体基盤教育の強化:産業界と連携した高度教育プログラムと教育内容のアップデート。
  • 地域横断型のエコシステム形成:技術研究組合や自治体、大学等との連携により全国展開のハブ機能を整備。
  • イノベーションの創発:企業・スタートアップや研究機関との接続による新たな価値創出。

 具体例としては、九州地区の高専各校が連携し、企業による専門授業や教材共有、実習設備の充実などを進める取り組みが紹介されているほか、北海道地区でも最先端半導体技術に触れる教育が地域一体で展開されている。

 構想の背景には、社会全体での半導体人材不足と、地域産業の競争力確保への危機感がある。高専機構は「理論×実践を融合した教育により、中核技術者を育成する」とし、高専卒業生約50万人超のネットワークを活用して幅広い産業界との連携を進める方針だ。

 また、2025年度には全国32校が半導体教育を強化する体制が整い、さらに参加校を拡大する計画も示されている。高専機構は企業との共同教育プログラムやインターンシップなどの産学連携を通じ、次世代の半導体技術人材の育成拠点として機能を拡大する意向だ。

青森県、高校向け遠隔授業インフラを整備 Neat導入で県内どこからでも質の高い学びを実現へ

 青森県は、県立高校における遠隔教育の基盤整備を進めるため、ノルウェー発のビデオ会議デバイス「Neat(ニート)」を導入した。2026年1月9日、Neatの日本法人であるNeatframe株式会社(東京都千代田区、代表:柳澤久永)が発表した。

 同県では、地理的条件や学校規模によって生じる教育課程上の制約を補完し、県内のどの地域に住んでいても質の高い授業を受けられる環境づくりを目指している。今回の導入により、教師が“そこにいるかのような”臨場感を持ったインタラクティブな遠隔授業を実現し、多様な学びの提供を進める。

 背景には、令和5年度から令和9年度までを計画期間とする「青森県立高等学校教育改革推進計画第2期実施計画」がある。同計画では、個別最適な学びと協働的な学びの実現に向け、対面指導に加えて遠隔教育やオンデマンド教材など、ICTを効果的に活用した授業づくりを推進する方針を掲げている。県の教育施策の大綱においても、遠隔授業による多様な学習機会の確保が明記されている。

 具体的な取り組みとして、県内に「遠隔教育配信センター(仮称)」を設置し、大分県などで導入実績のあるNeatの遠隔授業ソリューションを採用した。複雑な操作を必要とせず、教員が普段の対面授業と同じ感覚で授業を行える点が特徴だ。

 令和7年度には県内5校にNeat製品を導入。令和9年度からは、生徒の多様な学習ニーズに応じた教科・科目を開設し、専門性を備えた教員による質の高い授業を配信する実証を行う。令和10年度までの4年間で、遠隔教育の本格的な基盤構築を進める計画としている。

 これにより、ICTを活用した個別最適な学びや探究的な学びの推進、専門科目や高度な授業の提供、複数校・小規模校間での協働学習の実現などが期待されており、学校の魅力向上にもつながるとみられる。

 青森県教育庁高等学校教育改革推進室の指導主事は、「遠隔授業が普及しなかった要因の一つは、機器準備や操作の複雑さだった。Neatは操作がシンプルで、教員が迷わず授業を始められる点が大きい。映像や音声の明瞭さも含め、教育機会の確保に大きく貢献すると期待している」とコメントしている。

 Neatは2019年にノルウェーで創業したビデオ会議ソリューションブランドで、日本ではNeatframe株式会社が展開を担う。教育機関を中心に、遠隔・ハイブリッド型教育環境の構築支援実績を重ねている。

 柳澤代表は「人口減少が進む地域では、教育機会の格差拡大が課題となっている。遠隔授業環境の整備は、その解決に向けた重要な手段だ。子どもたちの学びの選択肢を広げる一助となれば幸い」と話している。

松戸市と小金高校、生徒主体のSDGs探究が地域と接続

 松戸市は12月26日、公式ホームページにおいて、千葉県立小金高等学校の探究学習の取り組みを紹介する新規コンテンツを公開した。市が推進するSDGs施策と高校生の学びを結び付け、若者主体の地域連携型教育の実践例として発信する。

 松戸市は「松戸市総合計画」においてSDGsの推進を基本目標の一つに掲げ、2022年には「SDGs未来都市」に選定された。こうした背景のもと、近年は若い世代が地域課題を自ら発見し、行動に移す取り組みが注目されている。小金高校では2019年からSDGsを軸とした探究学習を展開しており、9月7日に行われた文化祭「鎬祭文化の部」では、7チームによる探究学習発表会が開催された。

 同校の探究学習は、生徒の主体性を重視している点が特長だ。2025年度には生徒主体で運営する「探究局」を新設し、課外活動としても探究の幅を拡大。海洋プラスチックを再利用したアクセサリー制作・販売、教育格差解消を目的とした参考書シェア、防災史を切り口にした地域研究、病児支援のレモネードスタンド、ステンレスボトルのリサイクル、第三の居場所づくり、マイボトル推進など、環境・福祉・教育・地域活性化にまたがるテーマに取り組んでいる。

 これらの活動は、単なる校内学習にとどまらず、企業やNPO、地域施設、行政との連携を通じて社会実装を意識している点に特徴がある。また、先輩の活動を後輩が引き継ぐ文化が根付き、継続性のある探究として発展していることも評価されている。

 発表会を通じて生徒たちは、自らの活動成果や課題、今後の展望を言語化し、来場者と共有した。人前での発信や外部との協働経験は、社会を見据えたキャリア形成にもつながっているという。

 松戸市は今後も、若い世代が主体的に挑戦できる環境づくりを進め、市民・企業・教育機関と連携しながら、持続可能な地域社会の実現を後押ししていく考えだ。