Category: 塾ニュース|地域教育

札幌開成中等教育学校(公立中高一貫校)の教育事情

札幌市に昨年開校した市立札幌開成中等教育学校。2年(中学2年)の理科の授業で、生徒たちは1台ずつ貸与されているiPadを使って調べる。同校は1クラス26~27人の少人数制で、授業は1コマ100分間。定期考査はなく、各自が調べたことを論文やポスターの形にした「成果物」などで評価される。全国の公立中高一貫校で初めて、海外の大学入学資格が得られる「国際バカロレア(IB)」の候補校にもなり、IBのプログラムに沿って1~4年(中1~高1)の4年間、課題探求的な学習を重ねる。中高一貫の連続性を生かした取り組みだ。

 千葉県立東葛飾中学高校は週末や夏休みを中心に、大学や博物館と連携して、教科の枠組みを超えて学ぶ「東葛リベラルアーツ講座」を開く。今年度は「広告ってなんだ?」「流星群の力学」「イスラームを感じる」「首都直下地震について考える」など、60を超える講座を予定。座学や街に出てのフィールドワークなど様々な内容で、中高生が一緒に学ぶ。探究心や広い視野を育むのが狙いだ。

Pepperが受験生に個別相談 東京家政大学附属中高の文化祭で

東京家政大学附属中学校・高等学校(東京・板橋区、高木くみ子校長)では、人型ロボットのPepper(ペッパー)が受験生の個別相談をするユニークな取り組みをはじめた。10月22日、23日の2日間にわたって開催された同校の文化祭(緑苑祭)では、来年以降に中学校を受験する小学生と、高校を受験する中学生に向けて、ペッパーが各教科の学習方法などの個別相談に対応した。

ペッパーは同校の制服を着用して、生徒たちと会話したり握手をしながら交流した。個別相談では、ペッパーが話す学習方法を子供たちがメモを取り受験に備えた。ペッパーが話す内容は、生徒たち自身がプログラミングしており、「チーム家政」の一員として多くの来校者をおおいに楽しませた。

Pepperが個別相談

昌平高校 松本選手に続き針谷岳晃選手もJ1プロ入り

harigaya
サンフレッチェ広島に入団した松本泰志選手に続き昌平高校の針谷 岳晃(はりがや たけあき)選手がJ1ジュビロ磐田に入団。同校にて記者会見を行った。チームでは主にボランチとしてプレー。高い技術と戦術眼を持ち合わせており、ボールを失わないことをベースに広い視野から攻撃的なパスを繰り出すことが大きな特徴。昌平高校ではクラスでの成績は常に上位と、文武両道の生徒だ。高校総体では3ゴールと活躍しU19日本代表にも選出される期待度の高い選手。また会見では「ジュビロの温かい雰囲気、チームメイトの仲が良く、ご飯も食べに連れていってくれた」と嬉しそうに語った。

岐阜の教材フェアに宝槻泰伸氏が登壇 2017年1月17日に開催

一般社団法人岐阜県学習塾協会(寺林良理事長)は、毎年1月に開催する岐阜県内最大規模の教材展示会、「教育フェアぎふ」を2017年1月17日(火)に岐阜産業会館で開催する。同フェアは、入場無料で30社を超える教材販売会社の教材が一堂に会し、会場内に展示される。

教育フェアぎふ毎年著名なゲストを招いて行われるこの日の教育講演には、東京・三鷹市の学習塾「探究学舎」の宝槻泰伸代表が登壇し、「塾でアクティブ・ラーニングを始める方法」について話をする。2020年に予定されている高大接続改革を前に、大きな変革を迫られる受験指導において、実際にどのような対応が必要となるのか。

その対応策のひとつとして、文科省も学校教育に「主体的・対話的で深い学び」の実現をめざし、積極的に推進している「アクティブ・ラーニング」を、学習塾ではどのように採り入れ実践することができるのか。

2012年の開塾当初から、知的好奇心や探究心を触発する「探究学習」を中心としたプログラムを実践している探究学舎の宝槻氏が、探究学舎での取り組みを存分に語ってくれる。講演に先駆けて、宝槻氏の著書『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』『勉強嫌いほどハマる勉強法』をご一読されることをお勧めする。

>>詳細は「教育フェアぎふ」の特設サイトへ

広域通信制 不正相次ぎ自治体が点検 再発防止になお課題

 国からの就学支援金詐欺や不適切な授業、提携先のサポート校からの編入学など不正が次々に明るみに出た広域通信制高校を巡り、文部科学省は実態調査を実施したうえでチェック体制を整えようとしている。ただ、それを担うことになる自治体には職員数などで対応に限界もあり、再発防止にはなお課題がある。

 広域通信制高校とは自宅学習を基本とする通信制高校の中で、3都道府県以上から生徒を集めている学校。1961年施行の改正学校教育法などで制度化され、全国105校に約10万人が在籍している。不登校経験者や帰国子女などさまざまな生徒を受け入れ「学び直し」の場にもなり、不登校が深刻な社会問題になった90年代には、高校側から依頼を受けて生徒の生活面も含め学習を支援する民間施設のサポート校との提携が増え始めたといわれる。だが、サポート校が学校教育法上の認可を受けておらず、教育面での法規制が及ばないケースが多いことから、提携や教育の実態は不透明だった。

無料で学べる公設塾 玖珠町

大分県玖珠町が、県立玖珠美山高校(玖珠町帆足)の生徒専用に、無料で学べる公設の学習塾を12月にも開設することになった。同校は玖珠郡唯一の高校だが、定員割れが続く。生徒の学力アップで入学希望者を増やし、地域おこしにもつなげたい考えだ。「3年後に20人以上の国公立大学合格者」を目標に置くという。玖珠町によると、塾は高校に隣接する2階建ての建物を借り、一部を改修して使用する。運営は北海道足寄町でも公設塾の運営実績がある「Birth47」(本社・東京)に委託し、「公設民営」の形をとる。

謝礼「採択に影響なし」 高校教科書 協会、ルール厳格化

文部科学省は9月9日、高校教科書の発行会社が教員らに問題集などを無償提供していた問題で、都道府県教育委員会による調査結果をまとめた。6社が2011~16年、40都道府県の271校に問題集や教員用指導資料など金品を提供していたことを確認。件数は541件で計2千万円相当だった。同省は「採択に不公正な影響を与えたケースはない」とした。同日、教科書会社でつくる教科書協会(東京)は、営業活動などに関するより厳しいルールを定めた「教科書発行者行動規範」を公表した。

大阪府立高再編18年度に 分校復活

大阪府の教育委員会議が9月5日開かれ、入学志願者の減少で定員割れが続く府立高校の再編整備方針が固まった。2018年度から西淀川高は北淀高と統合して新校を開設、能勢高は豊中高の分校とする。府内で分校が復活するのは19年ぶりとなる。大阪市大正区にあり近接する大正、泉尾の両校も統合し、総合学科高校として開校する。府議会の議決などを経て、11月に正式決定する。

 府立学校条例では、3年連続で定員割れすると統廃合など再編の対象になる。西淀川高は今春で募集を停止した。北淀高と統合する新校は、北淀高の校舎を使用。小中学校の学習内容の学び直しに取り組み、生徒の学習意欲を引き出す「エンパワメントスクール」にする。西淀川高の跡地利用の方法は今後検討するという。

神奈川の公立高14校に英語ドリル無償提供 大修館書店

神奈川県教育委員会は8月24日、大修館書店が同社の英語教科書を採用した高校に無償で英語ドリルを提供していた問題で、公立高校14校が計約6200冊を受け取っていたと発表した。文部科学省からの依頼を受け、県教委が確認した。2013~16年度にかけて大修館書店の営業担当者から「ただであげられる教材だ」と持ち掛けられたり、突然学校に送付されたりした。14校のうち12校は生徒に配布。2校は使用しなかった。県内の私立高2校でも同様の教材提供があった。いずれも採択に影響はなかったとしている。

地震の後も熊本の私塾が貫いた、民間教育機関としての使命

4月14日に発生した震度7の前震をはじめとする一連の地震は、熊本一帯に大きな被害をもたらした。それでも現地で私塾に携わる人たちは過酷な状況のなか、子供たちに学ぶ機会を提供し続けている。地震発生から4ヶ月近く経った熊本で、4つの教育現場をレポートする。

お金や理屈より、授業の再開を優先

早稲田スクールの本部校舎は大きな被害は免れたが、地震発生後に解体や大規模修理が必要となった校舎もあった。

早稲田スクールの本部校舎は大きな被害は免れたが、地震発生後に解体や大規模修理が必要となった校舎もあった。

熊本県内屈指の教室数をほこる「早稲田スクール」(熊本市中央区)は、地震によりひとつの校舎が解体、3校で大規模修理が必要となった。解体される校舎は移転先が見つかったものの、3校は授業再開の目途が立たなかった。そこで3校の駐車場に、トレーラーで運んですぐに使用できるユニットハウスを複数設置。5月10日には授業を再開した。

ユニットハウスの外観。手前2棟がトイレ、奥2棟が教室として使用していた。

ユニットハウスの外観。手前2棟がトイレ、奥2棟が教室として使用していた。

実はプレハブを建てたほうが費用的には負担が少ないのだが、あえてユニットハウスを選択した理由を同社の向田敬二社長が語った。「安価なプレハブを建てることも考えましたが、建築の申請や工事に長い時間がかかるんです。そうなると生徒の学習はますます遅れます。保護者も心配されますし、受験生への影響は特に大きい。ですから費用がかさんでも学習環境を早く整えなければいけない。お金や理屈ではなく、そういう思いを社内で共有して授業再開に向けて取り組みました」

仮設教室の内部

仮設教室の内部

向田氏自身も被災し、自宅近くの高校に1週間避難していた。同様に被災していた社員も少なくない。それでも同社は生徒の学習環境を整えることを優先した。向田氏は授業再開後の生徒について「それはもう喜んでいました」と、顔をほころばせた。1学期の終わりには校舎の修理がほぼ完了し、生徒たちは通いなれた校舎で夏期講習に勤しんでいる。

 

学ぶ機会を教材で提供…阿蘇地区の中学校にテキストを寄贈

なるほどゼミナールの山中孝光社長

なるほどゼミナールの山中孝光社長

熊本市東区の「なるほどゼミナール(ナルゼミ)」では、教室の水道が復旧した4月25日から「震災特別講習」を無料で実施した。それから学校が始まるゴールデンウィーク明けまでの2週間、休日を返上して朝9時から夕方6時まで授業を継続。特に小学生が通常より50人も増えたため、卒塾生の大学生や高校生がボランティアとして講師を買って出た。同社社長で講師でもある山中孝光氏は、さらに多くの子供たちに勉強する場所を与えたいと協力を呼びかけ、同様の講習が他塾でも実施された。

阿蘇地区の中学校で寄贈するテキストを生徒に手渡す山中氏

阿蘇地区の中学校で寄贈するテキストを生徒に手渡す山中氏。

しかし、阿蘇地区の子供たちは熊本市内への道路やJRが寸断されており熊本市内の塾に来ることができない状況が続いている。山中氏はここでも「阿蘇地区にいる受験生たちにも力になりたい」と考えたという。そこでナルゼミで使用しているテキスト「高校入試対策 Spurt+(スパートプラス)」を440人分、2200冊を阿蘇地区の4つの中学校に寄贈した。

「勉強の仕方が誰でもわかるようになる」という工夫が凝らされているテキストは、阿蘇地区の中学校の先生からも好評を得た。現在は、多くの住宅が倒壊した益城町の中学校にも同様の支援を行うため、クラウドファンディングで資金を募っている。

無料の授業で笑顔を増やす

〝夏期講習も無料で教えます〟。益城町でも特に被害が大きい惣領地区で、ひときわ目立つ横断幕を掲げる「さくらゼミナールましき校」。小5から中3が対象の学習塾だ。こちらの平屋で鉄筋構造の校舎はほとんど被害を受けなかったが、周囲に住む多くの子どもたちは家を失い、避難所生活を強いられることになった。

さくらゼミナールましき校の石井仁晃校長

さくらゼミナールましき校の石井仁晃校長

そこでさくらゼミナールは、4月25日から5月8日の間、ましき校を13時から17時まで無料で開放した。「生活のための避難所は大人が中心の環境になってしまいます。まずは子どもだけの居場所が必要だと感じ、教室を開放しました。ただ、子供たちは来ても元気がないんです。ですから、まずは勉強というより一人一人の話を聞いてあげることから始めました」ましき校の校長、石井仁晃氏はそう語った。

校舎の前面に「無料」の横断幕を掲げる。

校舎の前面に「無料」の横断幕を掲げる。

さらに、ウェブサイトを通して寄付金を募り、ゴールデンウィーク後に再開した授業や夏季講習も無料で実施することにした。この期間で生徒は100人近く増えたが、資金面での負担が大きく、9月からは無料で続けるわけにはいかないため、今後は被災者を支援する他団体と協力し、新たな方法で生徒のサポートを続けていくという。

生徒たちも地震直後にくらべ「笑顔が戻ってきました。それを見た保護者の笑顔も増えていると感じます」と石井氏は言う。笑顔を増やしたい。それが支援を続ける原動力だ。

私塾と学校が連携、小学校内で塾を開く

熊本県内に528校ある小中学校うち、一時は351校が地震の影響で休校となった。益城町立広安西小学校は避難所となり、約800人の避難者を受け入れた。授業は5月9日に再開したものの、その週は2時間しか授業ができなかった。

そこでPTAが中心となり、放課後に希望者が勉強できる「ガッツ学習塾」を16日から開始。ここで子供たちの宿題や復習をサポートしたのが、熊本県内で明光義塾を運営する「サクセスリンク」(熊本県玉名市)と、家庭教師派遣の熊大アカデミーを展開する「九州教育研修センター」(熊本市中央区)の講師たちだった。

明光義塾 帯山教室の尾方範夫教室長

明光義塾 帯山教室の尾方範夫教室長

明光義塾の帯山教室教室長、尾方範夫氏は「PTA会長が私と知り合いということもあり、すぐに話がまとまりました。熊大アカデミーの講師は熊大の教育学部生が多く、授業ではレクリエーションなども取り入れました。大人が協力して子供の学習をサポートしました」と語った。

益城町立広安西小学校の井手文雄校長

益城町立広安西小学校の井手文雄校長

同校の井手文雄校長は、私塾の取り組みについて「学校と学習塾は、立場は違っても気持ちは変わりません。勉強はもちろん、子供たちを見守るという点でも、子供と保護者に安心感を持ってもらったと思います」と述べた。

熊本の私塾に携わる人たちは、震災直後から子供たちに勉強を教えるという務めを全うした。その役割をそれぞれの立ち位置から貫くことで被災者に安心感を与えた。熊本の私塾をはじめとした教育関係者に敬意を表したい。

ガッツ学習塾の授業の様子。5月16日から7月22日まで実施した。

ガッツ学習塾の授業の様子。5月16日から7月22日まで実施した。