世界経済フォーラム、今後5年で1,400万人分の雇用消滅を予想

 4月30日、ロンドン世界経済フォーラム(WEF)が発表した報告書によると、今後5年のうちに世界で1400万人分の雇用が消滅すると予想されている。景気後退や人工知能(AI)の普及による影響が考えられている。WEFは800社以上を対象にした調査を行い、2027年までに新規雇用が6900万人創出される一方で、8300万人分の雇用が失われると予測した。具体的には、現在の雇用の2%に当たる1400万人分が失われるとのことになる。
 報告書では、再生可能エネルギーへの切り替えが雇用創出の原動力となるなか、経済成長の減速やインフレが雇用喪失を引き起こす可能性があると指摘された。また、AIの急速な普及はデータアナリスト、データサイエンティスト、機械学習やサイバーセキュリティ専門家の雇用を増やす一方で、記録管理職や事務職などの職種はAIによって置き換えられる可能性があるという。なかでも、役員秘書やデータ入力担当者の雇用が最も大きく減少すると予想している。
 ただし、自動化はそれほど急速に普及していないとの報告もある。WEFが調査した組織のビジネス関連業務のうち、現在マシンが担っているのは34%にすぎず、20年からの伸びもごくわずかであった。また、自動化見込みも下方修正され、業務の42%が27年までに自動化されると見込まれている。

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