すららネット 経産省「未来の教室」実証事業 最新成果を報告

 株式会社すららネット(東京・千代田区、湯野川 孝彦 代表取締役)は、経済産業省の2023年度「未来の教室」実証事業の成果報告を行なった。

探究的な学びの実施と日々の教科学習を接続する新しい取り組み
「知る」と「創る」を連動させたDX人材の育成成果を検証
 この実証事業では、「Edtechを利用した探究と教科学習の連動によるDX人材の育成モデル創出」をテーマに取り組んだ。三重県立の県立高校を実証フィールドとし、すららネットの探究学習ICT教材「すららSatellyzer」による探究的な学びの提供と、5科目のICT学習教材「すらら」による日々の教科学習の連動、生徒の自律的な学習、またそれらを実現するための教員間の連携について検証した。

<実証内容概要>
・「すらら」による個別最適化した教科学習の実施
・探究的な学びの経験がない高校生に対して、「すららSatellyzer」による探究学習の実施
・「すららSatellyzer」による探究的な学びの実施と「すらら」による日々の教科学習を接続した学習の実施
・探究学習と教科学習の連動に必要な教員間の連携の仕組みについての検討

探究学習と教科学習の接続の有用性と可能性を示唆
 約半年間の実証期間を通じて、次の2点の成果が確認できた。得られた成果を元に、さらに改善改良を加えながら継続的に取り組むことで、DX人材の育成モデルやスキームの確立につながることが示唆された。

①探究学習と教科学習の接続による生徒・教員の変化を可視化
 生徒においては、基礎学の向上、思考力・表現力を身に着ける土俵ができたと言える結果となった。教員においては、新しい取り組みによって教員が探究的な学びの必要性を感じられるようになったことがヒアリング内容から確認できた。

【基礎学力の向上】
 個別最適化された学習は、学習量(クリアユニット数)とテスト結果に相関関係がみられた。

【思考力・表現力の向上】
 直接的に「思考力」・「表現力」の向上には至らなかったが、「すららSatellyzer」を含む教育活動を通して「思考力」「表現力」を意識した学習に取り組むことにより、自分自身の実力を再認識、再評価する機会になったことがアンケート結果から推測できた。「思考力」・「表現力」を身に着ける土俵作りに自己認識は必要なプロセスだ。今回の結果から、今後日常的に「思考力」「表現力」を意識した学習に取り組んでいく必要性と成果創出の可能性が示唆された。

②探究学習と教科学習を接続させるための学内教員の連携方法をとりまとめ
 今回の取り組みにより、探究学習を学校へ導入する際の課題は、教科・学科横断での教員同士の連携の創出ややり方を「知る」ことであることがわかった。そしてこの課題を克服するためには、授業実施者の選定のポイントを押さえ、相談・工夫改善ができるような「ティーム・ティーチング(TT)」や授業公開等の「知る」機会の創出が有効であることが示唆された。特に取り組みの初期段階では、教員の負荷が少ないことが必須。「すららSatellyzer」のように、指導書のある教材を活用することで、より効果的な運用が実現できると考えられる。

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