対話式 ICT 教材の開発と提供を行う株式会社すららネット(東京・千代田区、湯野川 孝彦 代表取締役)は、経済産業省の2022年度「未来の教室」実証事業の事例報告を行なった。
この実証事業では、「学習eポータルと日常の学習ログの連携によるユースケースの創出」の実証において、高知県が2021年4月より運用している全国の自治体初の独自の学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」を通じて、日常的なログの連携とその連携が意味ある利用に繋がるような粒度・加工方法について検証した。実証事業の詳しい報告内容は、「未来の教室」ウェブサイトに掲載されている。(https://www.learning-innovation.go.jp/verify/f0138/)
今回の実証事業では、日常的なログの連携とその連携が意味ある利用につながるような情報粒度・加工法について検証することを目的とした。
日々の学習は、ICT教材「すらら」を活用し、学習ログの収集を行う。定期考査に対応する範囲の学習課題を授業内や宿題で行い、学習者にとっては効果的でわかりやすく、指導者にとっては業務負担が少なく個別最適な指導が可能となる。また、紙による定期考査は、大日本印刷株式会社(DNP)が開発・提供しているサービス「リアテンダント®」を活用し、指導者の採点負担軽減とログの可視化による指導への反映を行う。
これらのログを高知県教育委員会が独自で開発・運用している学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」を通じて集約。ログの集約方法及び情報粒度によって、どのようなユースケースが生まれるのかを実証した。
生徒の自律学習、効果的な指導の標準化に向けた情報粒度・加工法を示唆
AI教材の利用により生徒一人ひとりの得意不得意に合わせた個別最適学習とそれによる学力向上については、既に多くの実証事例がある。すららネットでは、学力向上だけではない、生徒の学習に対する不安解消や教員とのコミュニケーションによる内発的動機付けの実現までもスコープに入れた学習ログの利活用を目指している。
今回の実証事業では、学習ログの活用を通じた個別最適な学習による学力向上と、学力向上につながる生徒の自律的な学習の取り組みを促す仕掛け、教員の声がけなどの効果的な指導法の標準化に寄与する、データの活用法が示唆された結果となった。
■すららネット「学習eポータルと日常の学習ログの連携によるユースケースの創出」
https://www.learning-innovation.go.jp/verify/f0138/